青山学院中等部 入試対策
2025年度「青山学院中等部の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
2017年度までは設問数はおおむね地理・歴史・現代社会の順番でほぼ同量の設問が割り当てられていて、総解答数は40~50問ほどであった。
しかし、2018年度から1問2点で計25問というシンプルな構成になった。2021年度から問題数が増え、2024年度では31問となり、分野では地理12問・歴史14問・現代社会5問と現代社会が少なめに出されている。
内容や難易度にはさほどの変化は無いが、最新年度でも記述問題は出題されなかった。
地理分野
地図・地形図・統計資料などがよく用いられている。
基本的事項の問題が多いが、村の成り立ちの特徴を考えたり、地図から昔の地形を推察したりなど、思考力を問われる問題もある。
全ての分野から幅広い出題が見られるので、まずは基本事項をしっかり暗記する。地名・地形・気候や産業などを頭にいれ、地図や資料集でしっかり肉付けをしておく。さまざまな図版なども見慣れておきたい。
その上で、なぜそのような地形が形成されたのか、なぜその地域でその産業が発達したのかなど、背景や理由も考えながら周辺事項も合わせて取り込んで、知識に厚みを持たせよう。
歴史分野
年表や歴史資料・写真などが使われる問題が多い。
地理分野と同様、基礎的な知識を問う問題が多いが、ただ人物名を答えるだけでなく、その周辺事項も合わせて少し詳しく訊かれるパターンが多く見られる。時代順の並べ替えもよく出されている。
まずは基本事項を幅広く覚えていく。テキストを丁寧に学習し、地図や歴史資料などを参照して周辺知識も合わせて結びつけておく。
年表で出来事の流れをイメージできるようにしておくことも大事である。ある項目について訊かれたら、その前後の出来事や関連する事項もすぐに引き出せるように訓練しておこう。
現代社会
2017年度までは地理・歴史分野と同じ問題量だったが、2018年度以降は少なめの出題となっている。しかし、2022年度は現代社会分野が多めに出されており、年度により変化があるので決めつけないで柔軟に準備しておきたい。
憲法や政治の仕組みを丸暗記しただけでは答えられない問題が出る。使われるデータも最新のものが多く、国際関係の出題も目立つ。
テキスト上の基本事項が頭に入っているのは当然として、より現実に即した新鮮な知識が求められているようである。時事・重大ニュース集なども活用しつつ、普段から時事問題に関心を持ってニュース・新聞をチェックする習慣を身につけたい。
全てを読破するのは時間的にも無理があるので、重大ニュースについては見出し・リード文くらいは目を通し、知らないことだったらもう少し詳しく調べてみるといった努力が、本校の試験では役立つはずである。特に直近の1~2年の出来事は整理してよく理解しておこう。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2025年度「青山学院中等部の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数が34問で、時間は25分と変わらない。
基本的事項の質問が多いが、その中にいくつか難しい問題が含まれている。テキストには出ていない事柄の質問もあり、思考力を要求される。
知識だけで解ける問題はてきぱきこなし、資料の読み取り・計算などの考える時間が必要な問題に余力を残せるようにペース配分したい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
九州地方を題材にした問題
問1 東側が大隅半島、西側が渥美半島である。
問2 桜島は大隅半島と陸続きである。
問3 福岡県北九州市と山口県下関市を結んでいる。
問4 シラスは火山灰地で水はけがよく養分が少ないため、さつまいも・茶・たばこなど、土壌に適した作物が多く育てられている。
問5 カルデラは、火山噴火の後に地下にできた空洞が陥没してできたくぼ地である。
問6 大きな工場が誘致されると、従業員とその家族・周辺の店舗など、労働者や住民が増えて子供の人口も増えるので、選択肢イは合わない。
問7 X. カ Y. ア
問8 ア. 八幡製鉄所は日清戦争の賠償金をもとに建てられた。日露戦争では賠償金は取れなかった。
問9 宮崎県ではピーマンなどの促成栽培が盛んで、鹿児島県では火山灰による土石流を防ぐため砂防ダムがつくられている。
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
都市と人口についての問題。
問1
〈Ⅰ〉計算すると144.78…となり、イに位置する。
〈Ⅱ〉エ. 比率が小さいということはそこを住居としている人が多いということであり、住民税などもその分増えるはずである。
問2 都市鉱山
問3
〈Ⅰ〉低年齢層の数が増えないうえに、翌年には人口数が多い層が新たに高齢者として数えられるため、高齢化率は下がらないのである。
〈Ⅱ〉技能実習制度にかわって育成就労制度が設けられた。
〈Ⅲ〉兵庫県の転出超過数は7397人だが、広島県(11409人)・愛知県(7408人)の方が多い。
〈Ⅳ〉総務省発表の統計(2024年1月1日現在)では、日本人住民で増加しているのは東京だけである。
[注目!――選択肢問題だが、思考力を要するやや難しい問題になっている。数値に示されている意味を考えないと正解を選べない。むずかしめの記述問題集などで、なぜその数値になるのかなど背景まで考える練習をしておこう。]
<時間配分目安:大問1・2合わせて12分>
【大問3】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
国宝を題材にして、人物や出来事について訊かれている。
問1 現存する天守閣12基のうち、国宝に指定されているのは犬山城・彦根城・姫路城・松江城・松本城の5基である。
[注目!――天守閣の情報までしっかり覚えているのは難しいかもしれない。ちょっと考えてわからなければ後回しにして、時間をロスしないように。]
問2 多賀城は現在の宮城県多賀城市に建てられ、奈良時代・平安時代には東北地方の政治・軍事・文化の中心地であった。
問3 イ. 阿倍仲麻呂は帰国することができず、唐の高官として生涯を終えた。
問4 ウ. 平城京には2つの市が設けられていたが、定期市ではなかった。
問5 エ. 古事記は712年、日本書紀は720年の編纂である
【大問4】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
ラジオ・テレビ放送の歴史を題材とした問題。
問1 世界恐慌の始まり(1929年)・新婦人協会の発足(1920年)・米騒動(1918年)
問2 関東大震災(1923年)・阪神・淡路大震災(1995年)・沖縄返還(1072年)・東海道新幹線の開通(1064年)・東京タワーの完成(1958年)
問3 ウ. 1952年に独立を回復したので、占領下にあったのは約7年である。
問4 新三種の神器は、自動車(car)・クーラー(cooler)・カラーテレビ(color television)の頭文字を採って3Cとも呼ばれた。
<時間配分目安:大問3・4合わせて10分>
【大問5】現代社会分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
農政・司法などについて。
問1
〈Ⅰ〉指定野菜には特に消費の多い作物が指定され、安定して供給できるように価格を抑えるための補助金を設けるなどの政策がとられている。
[注目!――今年や来年など、近々に変化がある事項は出題される可能性があるので、資料集などで特に注目しておこう。]
〈Ⅱ〉アはなす、ウはほうれん草、エはレタスの図である。
問2
〈Ⅰ〉母体保護法は、優生保護法がのちに改称されたものである。
〈Ⅱ〉ア. 戦後12件目ではなく、13件目である。
<時間配分目安:3分>
攻略のポイント
問題構成が簡略化されて時間には余裕ができた印象である。ともあれ、教科書に載っている知識ばかりでなく、現代社会で近年に起こった出来事が多く出題される傾向は変わらない。
時事問題に十分な対策を。時事問題集ばかりでなく、新聞やニュースにも日常的に目を通し、直近1~2年の社会的な出来事に詳しくなっておこう。出来事を取り巻く背景も考えるようにすれば思考力も養える。
地理や歴史は一部に難しい問題も見られるが、多くは基礎的な問題なのでしっかり得点できるように備えたい。記号選択式が多いので類似問題を多くこなして慣れておくこと。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
青山学院中等部の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。