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青山学院中等部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「青山学院中等部の社会」
攻略のための学習方法

問題構成

2017年度までは設問数はおおむね地理・歴史・現代社会の順番でほぼ同量の設問が割り当てられていて、総解答数は40~50問ほどであった。

しかし、2018年度から1問2点で計25問というシンプルな構成になった。2021年度から問題数が増え、2023年度では29問となり、分野では地理12問・歴史13問・現代社会5問と現代社会が少なめに出されている

内容や難易度にはさほどの変化は無いが、最新年度でも記述問題は出題されなかった。

 

地理分野

地図・地形図・統計資料などがよく用いられている。

基本的事項の問題が多いが、村の成り立ちの特徴を考えたり、地図から昔の地形を推察したりなど、思考力を問われる問題もある。

全ての分野から幅広い出題が見られるので、まずは基本事項をしっかり暗記する。地名・地形・気候や産業などを頭にいれ、地図や資料集でしっかり肉付けをしておく。さまざまな図版なども見慣れておきたい。

その上で、なぜそのような地形が形成されたのか、なぜその地域でその産業が発達したのかなど、背景や理由も考えながら周辺事項も合わせて取り込んで、知識に厚みを持たせよう

 

歴史分野

年表や歴史資料・写真などが使われる問題が多い。

地理分野と同様、基礎的な知識を問う問題が多いが、ただ人物名を答えるだけでなく、その周辺事項も合わせて少し詳しく訊かれるパターンが多く見られる。時代順の並べ替えもよく出されている。

まずは基本事項を幅広く覚えていく。テキストを丁寧に学習し、地図や歴史資料などを参照して周辺知識も合わせて結びつけておく。

年表で出来事の流れをイメージできるようにしておくことも大事である。ある項目について訊かれたら、その前後の出来事や関連する事項もすぐに引き出せるように訓練しておこう。

 

現代社会

2017年度までは地理・歴史分野と同じ問題量だったが、2018年度以降は少なめの出題となっている。しかし、2022年度は現代社会分野が多めに出されており、年度により変化があるので決めつけないで柔軟に準備しておきたい。

憲法や政治の仕組みを丸暗記しただけでは答えられない問題が出る。使われるデータも最新のものが多く、国際関係の出題も目立つ。

テキスト上の基本事項が頭に入っているのは当然として、より現実に即した新鮮な知識が求められているようである。時事・重大ニュース集なども活用しつつ、普段から時事問題に関心を持ってニュース・新聞をチェックする習慣を身につけたい。

全てを読破するのは時間的にも無理があるので、重大ニュースについては見出し・リード文くらいは目を通し、知らないことだったらもう少し詳しく調べてみるといった努力が、本校の試験では役立つはずである。特に直近の1~2年の出来事は整理してよく理解しておこう。

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2023年度「青山学院中等部の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数が29問で、時間は25分と変わらない。

基本的事項の質問が多いが、その中にいくつか難しい問題が含まれている。テキストには出ていない事柄の質問もあり、思考力を要求される。

知識だけで解ける問題はてきぱきこなし、資料の読み取り・計算などの考える時間が必要な問題に余力を残せるようにペース配分したい。

【大問1】地理分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問2と合わせて10分
  • ★必答問題

問1 エ. もともとは広い台地だったが、川の浸食によって削られて3つの台地に分断された。

問2 河原よりも少し高い台地に集落跡が残されている。洪水などの被害を避けるためであると考えられる。

問3 ウ. 図4の地図は上が北になっていないので方位記号に照らして角度を調整して考えると、敷地の形状・位置からみて松平左京大夫の土地であったと思われる。

問4 1923年9月1日に関東大震災が発生し、東京周辺は大きな被害を受けた。街の復興にあたり、地震や火災に強い鉄筋コンクリートの近代的なアパートが建設された。

問5 〈Ⅰ〉 都市部の住宅不足を解消するため郊外に多く建てられた大規模な集合住宅群は「ニュータウン」と呼ばれ、多摩や港北など大都市周辺にベッドタウンが形成された。

     〈Ⅱ〉 ア. 区画が整えられた敷地に、同じ形状の建物が規則正しく並んでいるようすがわかる。丘陵地であることを示す三角点も手掛かりになる。

問6 〈Ⅰ〉 . 開発が進んで大きな建造物も増えていく様子が見て取れる。

    〈Ⅱ〉 ヒートアイランド現象の逆で、緑地などでは周囲のコンクリートの多い市街よりも温度が低くなるクールアイランド現象が起こる。

【大問2】地理分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問1と合わせて10分
  • ★必答問題

問1 ウ. ウクライナは農業国で、アフリカやアジアの国々に小麦を輸出していたが、ロシアとの戦争で生産・輸出が滞り、小麦価格の上昇を招いた。

問2 イ. 総会は加盟国すべてが1票の議決権を有し、多数決で採決する。拒否権は安全保障理事会の常任理事国が有する権限である。

問3 オーストラリア・ブラジル・カナダが含まれることから図8は鉄鉱石、東南アジア・中国・ロシアが入る図9はLNG、残る図10は石炭である。

問4 イ. 1つの国に頼ってしまうと、紛争や政治情勢により供給が不安定になる恐れがあるため、輸入相手先は複数に分散するほうがよい。

【大問3】歴史分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問4と合わせて10分
  • ★必答問題

問1 ウ. 7世紀後半に富本銭、708年に和同開珎が製造された。

問2 C(57年)→(239年)→(飛鳥~平安時代)の順。

問3 イ. 663年の白村江の戦いとその影響についての説明で、飛鳥時代の出来事である。

問4 〈Ⅰ〉 世界遺産にも登録された石見銀山。

    〈Ⅱ〉 津田梅子は岩倉具視率いる遣欧使節団に参加し、その後津田塾大学を創設し女子教育に尽力した。

【大問4】歴史分野

  • 難度:標準
  • 時間配分:大問3と合わせて10分
  • ★必答問題

問1・問2 日本最初の鉄道は新橋―横浜間で開業した。2020年には東京オリンピックが開催予定だったこともあり、山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」も開業した。

問3 東京と京都を結ぶ東海道。

問4〈Ⅰ〉イ. 明治初期の日本の主な輸出品は生糸。鉄道は蒸気機関車で石炭を燃料として蒸気で駆動していた。  

      〈Ⅱ〉ア. 収穫高ではなく、地価を基準としてその3%が徴収された。

    オ. 国民全員ではなく、抽選で選ばれた。

【大問5】現代社会分野

  • 難度:やや難
  • 時間配分:5分

問1 「ジェンダー」は社会的・文化的な性を意味し、社会が変化すればそのとらえ方も変化する。

問2 ウ. 現在までに衆議院議長には土井たか子氏、参議院議長には山東昭子氏・扇千景氏が就任している。

問3 ア. 現在はまだ執行の時期は確定していないので、×。

        ウ. 改正により執行の猶予制度は拡充されたので、×。

問4 部落出身者に対する差別の撤廃を求めて全国水平社が結成された。宣言の最後は「人の世に熱あれ、人間に光あれ」と結ばれている。

攻略のポイント

問題構成が簡略化されて時間には余裕ができた印象である。ともあれ、教科書に載っている知識ばかりでなく、現代社会で近年に起こった出来事が多く出題される傾向は変わらない。

時事問題に十分な対策を。時事問題集ばかりでなく、新聞やニュースにも日常的に目を通し、直近1~2年の社会的な出来事に詳しくなっておこう。出来事を取り巻く背景も考えるようにすれば思考力も養える

地理や歴史は一部に難しい問題も見られるが、多くは基礎的な問題なのでしっかり得点できるように備えたい。記号選択式が多いので類似問題を多くこなして慣れておくこと。

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