中央大学附属中学校 入試対策
2025年度「中央大学附属中学校の社会」
攻略のための学習方法
〇[問題構成の特徴]
例年、大問2つで構成される。大問ごとに分野が分かれる試験も多いが、本校の場合はそれぞれに地理・歴史・政治経済分野が混在している総合問題となっている。統計グラフや写真・地図などの資料が多く用いられている。計2500字ほどのリード文を読み、下線部について答えていく形である。下線部だけ見れば答えられる問題も多い、一問一答型になっている。2025年度の総解答数は30問で例年と変わりはない。
設問は記号選択が多い。選択肢の文中の間違いに気づく必要があるので、一語一句に注意を払おう。適語記入はひらがなでもよいという指定がある場合がある。短文の記述問題も数問出されている。
〇[地理分野]
地形・産業・貿易などを中心に訊かれることが多い。現代社会に関係する新しい情報についての問題も含まれている。統計・グラフなどが多く使用され、写真・地図も用いられる。資料集など補助教材を活用しよう。
ここ数年、地図の読み取りが連続で出題されている。地図記号や距離を計算する問題などが出されている。地理学習の初期に学ぶ範囲で、しばらく復習していない人も多いだろう。しっかり準備しておこう。
〇[歴史分野]
歴史上の出来事・人物、政治・外交や文化について訊かれている。関連する世界地理の問題なども出されている。この分野でも、写真や図版などの資料が多く用いられている。時代順の並べ替えの問題も見られる。資料集を手元に置いて、テキストと合わせて情報を補強しておこう。
〇[政治経済分野]
憲法・政治の仕組みなどの問題が出されている。さまざまな国際会議や条約など、国際関係の問題が多く出題されている。前年などの新しい出来事も多く含まれる。日本国内だけでなく、日本が関わりのある国々や国際連合の活動など、時事問題集などで特に直近の新しい出来事についてよく調べておこう。
〇[記述問題]
1行ほどの短文記述が数問出されている。戦時に銅像が回収された理由(2025年度)や江戸幕府が「宗門人別改帳」を作った意図(2024年)などについて訊かれている。配点は他の問題と変わらないようなので、まったく思いつかなければ他の問題に時間を回したほうが良いかもしれない。例年より記述問題が増えているので、今後の傾向として注意が必要である。
〇[まとめ]
各分野が混合した一問一答形式の設問に慣れておこう。一問ごとに、分野・内容・時代がさまざまに異なる問題がならんでいる。そのたびごとに、関連する内容を頭のいろいろな部分から引き出してこなければならない。リード文も量が多いので読むスピードは速い方がよい。もっとも、下線部だけ読めば答えられる問題も多いので、読む部分は必要最小限に抑えることもできそうである。
また、資料を使った問題が多いこと、特に写真をもとに判断する問題が見られるので、資料集をよく読みこんで、写真や図版をすぐ見分けられるようにしておけば得点に結びつくだろう。
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2025年度「中央大学附属中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
1500字ほどのリード文と30問の設問という、例年通りの形式である。問題数が多くないので、時間は足りるだろう。写真などの資料を見てすぐ答えを判断できるようなら、なお時間の余裕がある。
選択肢問題が多いので、選択肢の内容の吟味をしっかりして正解を選びたい。
【大問Ⅰ】歴史を中心した総合問題
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
いろいろな銅像を話題として、主に歴史分野について訊かれている。
問1 ② 建武の新政が先である。
③ 平家を滅ぼしたのは源氏である。
④ 南北朝の合一は足利義満によって成された。
問2 ④ 文永の役(1274年)・弘安の役(1281年)の順である。
問3 下田
問4 トランプ氏は共和党所属である。
問5 ① 舎人親王ではなく、刑部親王である。
問6 サンフランシスコ平和条約では、ソ連など一部の国は調印しなかった。1956年にソ連との国交が回復し、日本の国連加盟が実現した。
問7 両方正しい。
問8 ③ 日露戦争の講和条約はポーツマス条約である。
問9 『走れメロス』は太宰治、『ごんぎつね』は新見南吉、『蜘蛛の糸』は芥川龍之介の作
である。
問10 ② 金剛力士像が作られたのは鎌倉時代である。
問11 彰義隊ではなく、白虎隊である。
問12 戦時の物資として武器の製造などに使われた。
問13 ④ 令状を発行するのは裁判所である。
問14 ② イスラム組織ハマスによる攻撃に対し、イスラエルはガザ地区を爆撃し6万人を超える死者を出している(2025年9月現在)。
〔ワンポイント!――1行ほどの短文記述が出されている。この字数だと人物の行い・出来事の理由などの簡単な説明が求められる場合が多い。短文記述の問題集などこなしておこう。〕
【大問Ⅱ】地理を中心とした総合問題
- 難度:15分
- 時間配分:やや難
- ★必答問題
北陸新幹線の延伸を話題とした、地理中心の総合問題。
問1 東京・埼玉・群馬・長野・新潟・富山・石川・福井の8都県。
問2 キャベツが多い①は群馬県、ほぼ生産がない③は東京都、生産が多い④は栃木県で、残る②が埼玉県である。野菜の生産であれば、埼玉県はもっと多くなる。
問3 群馬県高崎市は達磨の生産で有名である。
問4 向かって右上に山岳地帯が連なっているので、②の方角から見た写真である。
問5 (イ) ① (ロ) ③
問6 チューリップで知られるオランダの位置は②である。
問7 石炭であればオーストラリアが上位に来るはずであるから、Aは天然ガスである。
問8 クマに襲われる被害が北海道や東北地方で増えている。
問9 松平定信による寛政の改革として、②は当てはまらない。②は田沼意次の政策である。
問10 ③
問11 (イ) 対馬海流
(ロ) ④
(ハ) 石川県で獲れるカニは、旧国名である加賀と能登から取って加能ガニと呼ばれる。
問12 文化庁は文部科学省に属する。
問13 ① 沖縄の返還は1972年で、佐藤栄作内閣のときである。
〔ワンポイント!――記号選択が多い試験なので、同様の問題で細かな用語の違いや年代の正誤など、文・語句に対する集中力をつけて見落とさないようにしょう。〕
攻略のポイント
選択肢問題中心だが、やや細かい知識を訊かれる問題もある。特に前年の国内・国外での出来事はよく出されているので、今年度の社会情勢の動きや大きな災害などについてはよく調べて詳しくなっておこう。
また、資料集は常に手元に置いて、テキストで得た知識をグラフや写真などで確認し、知識に厚みを持たせよう。資料がいつの時代のどんな人物・出来事に関係のあるものか、すぐ思い浮かべられるようになっておくと安心である。設問がいろいろな時代・分野に飛ぶので、過去問でよく慣れておくこと。
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