鷗友学園女子中学校 入試対策
2025年度「鷗友学園女子中学校の社会」
攻略のための学習方法
出題構成
例年、大問3つに、地理・歴史・政治がそれぞれ割り当てられるという形式で出題されている。
満点が100点となっているのは女子校としては珍しく、理科・社会にも算数・国語と同等に重きをおくという本校の校風が現れている。
テスト時間は2020年度から45分となった。総解答数は30問ほどだが、そのうち8~9問が字数制限のない記述問題であり、本校独特の問題構成となっている。
記号選択問題も多少は出されるが、その他多くは用語記入問題で、記述問題と相まって書き込む分量が大変多い。
女子校の社会の試験としては、かなりハードなものとなっている。
地理分野
あるテーマに沿って、関連する地形や産業・貿易など、広い範囲から出題される。地図やグラフ・統計も多く用いられ、特に地形図の読み取りの問題は非常によく出されている。
記号選択や用語記入は基本的事項を問うものが多く、ここは落とさずに得点源としたい。
グラフや統計を読み取る問題は、これまで一度も見たことが無いというような珍しいデータを示されるわけではないが、やはり資料集などをよく見ておき、データの意味を考えるような訓練をしておかないと、テストでいきなり答えるのは無理というものである。
基本的事項をしっかり覚えた上で、地図や白地図、資料集などで各事項の場所や具体的な数値・順位などまで含めて覚えてしまいたい。
歴史分野
歴史上の女性にスポットを当てたり法律を題材にしたりと、ある話題について関係のある歴史的事柄が訊かれている。内容は各時代・各項目から幅広く訊かれている。
この分野では少し深い知識を問われる問題が多い。以前に出た法律に関する記述問題などは、ただ法律名を知っていればよいという問題ではなく、法律名を漢字で答えその規定する
内容と施行した結果どうなったかまで、詳しくわかっていないと答えられないような問題となっていた。
基本事項を知っているのは当然として、その背景やその後の影響など、関連事項まですぐ引き出せるようにしておかなければならない。時代順の並べ替え問題も毎年のように出題されているし、選択問題でも時代順がわからないと答えられないものが見られるので、年表を活用して各年代・各事項のつながりをしっかりとらえておきたい。
政治分野
毎回、様々なテーマに沿って、憲法や政治のしくみ、社会的な問題などについて出題される。
基本的事項を問う設問もあるが、記述問題のなかには教科書では詳しく触れられない話題について考えさせられるようなものもある。
日本国憲法・三権のしくみや選挙制度などの基本的事項をおさえ、ニュースや新聞で多くの社会的な出来事を知り、自分なりの意見を持てるようによく考える習慣をつけることが大事である。
記述
以上に見てきたように、本校の試験は、用語記入と記述問題を合わせるとかなりな分量の答えを記述しなければならない、書き応えのある試験となっている。
特に記述問題は、問題本文と資料の情報を使ってあとは自分で考える・・・という思考力が必要なものも出されていてなかなか手強い。通常の受験勉強はもちろん、普段からどれだけ社会の出来事に興味を持ち、積極的にニュースに触れて調べたり考えたりしてきたか・・・本校の記述問題を見ていると、そのようなことを学校側は訊きたいのだろうと思えてくる。
しかし、記述以外の問題は、細かい部分まで正確に覚える必要はあるものの、基本事項・重要事項をマスターしていれば答えられるものがほとんどである。
まずはテキスト・地図・白地図や資料集で基本的事項を漏れの無いよう丁寧に学習する。
その上で、環境・人口・地域紛争など、現代社会を取り巻く様々な問題に興味を持ち、教科書を超えて学ぼうとする意欲が必要となろう。
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2025年度「鷗友学園女子中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題数と構成はほぼ例年通りで、時間は45分。
29問中、地理分野が9問・歴史分野が12問・政治経済分野8問と歴史の比重が少し大きくなっている。
長短合わせて8問の記述問題が含まれ、考えを述べたり資料から推察したりする問題もあるのでやや難しい。
その他は知識を問う問題が多いので、45分という時間を考えると、記述問題に当てる時間は確保できるだろう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:14分
- ★必答問題
主に中部地方を中心とした問題。
問1 ① 渥美 ② 岐阜
問2 中央高地の気候の特色である年間を通じた降雨量の少なさが示されているグラフ②が長野。冬の降水(雪)量が多い①は日本海側であると考えられるので新潟、残る③が御前崎である。
問3 日本標準時子午線が通る明石市(東経135度)より東にあり、秋田県大潟村(北緯40度)より南にあると考えれば、選択肢アが選べる。
問4 菊の開花は日照時間によって決まるので、電照により開花時期を調整することで出荷が少ない時期に合わせることができ、高い価格で販売できるのである。
問5 寒流を好むたらやさけ・ますが多いAはエ釧路港、かつお・まぐろの水揚げが多いことで知られる焼津港はC、残るBが銚子港と考えられる。
問6 多治見は岐阜県、高岡市は富山県、燕市は新潟県の都市である。
問7
(1) エ. 三島神社は同じ位置に現存している。
(2) 立川市や横浜市と所要時間は変わらないのに土地の価格が大幅に安く、同じ住宅価格で家を広くできるのが魅力なのだと考えられる。
〔ワンポイント!――与えられた資料から考えられることを述べるタイプの記述問題も出されている。知識だけでは答えられず、なぜその資料が示されているのか・どの点を比較すればいいのかを考えなければならない。類似の問題を多くこなしてコツをつかんでおこう。〕
<時間配分目安:14分>
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:19
- ★必答問題
日本の世界遺産を話題として、各時代の出来事や人物について訊かれている。
問1 財閥解体
問2 ウ. 縄文時代には家畜の飼育は行われていなかった。ブタの飼育は弥生時代以降に渡来人によって伝えられた。
問3 大仙古墳は仁徳天皇の墓であるとされているが、明確な証拠があるわけではない。確定するためには古墳の調査が必要だが立ち入りが禁じられており、考古学者は立ち入り調査を要望していると考えられる。
〔ワンポイント!――大仙古墳についての基礎的な知識をもとにして記述する問題で、難しいが設問の文章に考える手掛かりが含まれている。本校の記述問題に多い形なので、過去問を多くこなして、記述問題の考え方に慣れておこう。〕
問4 両方正しい。
問5
(1) 平城京
(2) 平城京は朱雀大路を境に左京と右京に分かれており、左京には外京と呼ばれる張り出した部分がある。
問6 (1) 高野(山) 金剛峰(寺) (2) ウ
問7 自らは太政大臣という高い位につき、娘を天皇の后として親戚関係を結び、孫を天皇にすることで権力を得ていった。
問8 武家諸法度は大坂の陣の直後に2代将軍徳川秀忠の名で発布され、3代将軍徳川家光のときに参勤交代が追加された。
問9 エ. 湾岸戦争が起こったのは1991年である。
問10 長期化した戦争で兵士だけでなく労働力も不足したため、当時日本の植民地だった朝鮮から強制的に人々を連行し金山などで働かせた。そのことを示す内容の展示を韓国は求めているのである。
<時間配分目安:19分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
オリンピック・パラリンピックを話題に、前年の出来事や憲法などについて訊かれている。
問1 バリアフリー
問2
② 女性の割合が増え続けているのだから、男性の割合は減り続けているわけである。
④ 1992年までの数値として、正しい。
問3 ア. 大統領選に勝利したのは共和党のトランプ氏である。
問4 例: 集会の自由の例としてはデモ行進が挙げられる。国民の意見を直接示す方法として自由が認められるべきものである。
問5 国会で信任された内閣が国会に対して連帯して責任を負う仕組みである。
問6
ア. リーマンショックが起こったのは2008年である。
ウ. 朝鮮戦争の勃発は1950年である。
エ. バブル期は1980年代後半から1990年代初頭までである。
問7 エ. 会計年度は4月1日から3月31日までである。
問8 2015年には地球温暖化防止についてのパリ協定が採択されている。新たに競技場や運動施設などを建設するには大量の資材や運搬手段が必要になり、建設の際には大量の二酸化炭素を排出することになり、協定の趣旨に鑑みて建設が見送られたのである。
〔ワンポイント!――そもそもパリ協定についての知識がないと答えられない問題である。知識を現実の問題と結びつける力も必要であり、難しい。わからないと思ったら、答えられそうな他の問題に時間を回すべきであろう。〕
<時間配分目安:12分>
攻略のポイント
記号選択や用語記入などは、基礎的な知識が問われる問題なのでここで大きくつまずくようだと心もとない。出来事の順番を訊くような問題もあるので、年代などは正確に記憶しておくこと。
記述問題については、出来事や用語の説明をさせるようなシンプルなものはしっかり書いておきたい。
後半に出される自分で考えるような記述問題は、やはり社会的な出来事への関心と考察の量がものを言うので、普段から新聞やニュースを見て、少し「大人な」視点で物事を考えるようにして、思考力を養うように意識したい。
そして、自分の考えを70~80字程度で抜けやミスが無いようにまとめられるよう、練習しておくとよい。
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