桐光学園中学校 入試対策
2025年度「桐光学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
[スライド式学習]
「桐光対策」では当然、「地理」「歴史」「公民」全単元・全分野、「時事問題」の「知識」を確実に定着させることが最優先となる。
「基礎的事項」はもちろん、細部にわたる「深知り知識」や「背景の理解」も求められるので、テキストの「注」や「囲み説明」等のチェックも忘れてはいけない。完璧な「知識定着」が欠かせないのだが、悲しいことに人は忘れるもの。時が経てば経つほど忘れる。ここに落とし穴がある。
基本的に「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習し定着させたのか、その時期が問題となる。塾では通常、本格的な受験勉強が始まる５年になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、６年の夏休み前には終える。その後は「復習」となるが、メインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。
そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。６年で学習した「公民」はまだしも(とはいっても「桐光」では要注意)、「地理」はどうだろうか？ 実質的に１年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。「地理」でも「深知り知識」が求められる桐光ではなおさら。
そこで、独自の「復習」が必要となる。塾での学習時期とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある５年の冬休みやその後の春休みを利用して徹底的に「地理」の「復習」をしておく。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用するといい。
さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習を密かに続けておくことで、ライバルに差をつけておきたい。
[いもづる式学習]
全単元・全分野に共通だが、「暗記事項」はそれぞれ単独で(要は単なる「一問一答方式」)定着させていても無意味だ。バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられない。ましてや、桐光おなじみの「難問」など絶対に無理だ。
そこで重要となるのが「いもづる式学習法」。「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習法だ。
１つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。単元も無視する。もし「言葉」としては覚えていても「内容」があいまいになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ここでも「復習」できる)。
また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。その上で、それらが結びつく背景(＝「面」)をも理解するようにする。
このようにして改めて暗記し定着させた「事項」はどのような問われ方をしても、「線」で結びつけて答えられることになる。無論、桐光で求められる「多角的思考」にも「いもづる式学習法」は力を発揮する。
[手づくり式学習]
特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。
塾での「歴史」の学習は通常、「政治史」を軸とした「通史」として「時代別」「時代順」になっている。しかし、桐光などの上位校ではそんな単純な出題はない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸で出題される。
それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。 「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」～「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。
さらに、その「年表」には「西暦」だけでなく、「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」も対応させて記入しておきたい。「西暦」と「世紀」や「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が多いからだ。
「年表づくり」を楽しみながらやってみよう。
[細部へのこだわり式学習]
「問題解説」でも指摘したが、「桐光攻略」で欠かせないのが「細部へのこだわり」だ。
「多角的思考」をするに当たっての前提は無論、それぞれの「要素」をいかに正確に読み取るかということ。そこから「考えるヒント」を見つけ出す。そのためには「細部」にこだわって読み取ることが必要となる。当然、トレーニングが欠かせない。
過去問や練習問題等を用いて、各「要素」の細かな「意味」「資料の数字」や「関連事項」などを全て材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する練習をしなくてはいけない。導き出せることについては、過去問や問題集の「解説」に示されているはずなので活用する。
こうした「細部へのこだわり学習」を続けることで、次第に様々な「要素」から着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」とつなげて考えればいい。
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2025年度「桐光学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問１は｢公民｣(｢地理｣と｢時事｣の混在あり)。｢ふるさと納税｣にまつわる｢会話文｣からの出題。小問は全９問(解答数13)、｢選択肢｣(｢不適切｣あり)､｢数字記入｣。大問２は｢歴史｣。｢人物の銅像｣の調査結果の｢カード｣６枚からの出題｡小問は全12問(解答数12）、｢選択肢｣(｢時期整序｣、｢時期判別｣あり)､｢説明記述｣(５問｡全て｢字数指定｣なし。｢30ほど｣２問と｢60字ほど｣３問の解答欄)。大問３は｢地理｣。｢田沢湖周辺の地形図｣からの出題。小問は全５問(解答数10）、｢選択肢｣(｢組み合わせ｣あり)､｢地名記述｣(空所補充)、｢数字記入｣。｢時間配分は｢説明記述｣で23分、他は１問を30秒強というハイペース。無論、メリハリのある｢戦術｣が求められる。
【大問１】
- 難度：標準
- 時間配分：8.5分
- ★必答問題
｢ふるさと納税の課題｣にまつわる｢会話文｣からの出題。｢公民｣単元の各分野から、多種多様な小問が並んでいる(｢地理｣と｢時事｣の混在あり)。判別がややこしくて難しい問題もある。慎重に臨みたい大問だ。いくつかの設問を確認してみる。
[問２(１)] ｢下線部についての組み合わせ選択肢設問｣(６択)。｢会話文｣中の下線部(ア)の｢地方自治体｣は、｢団体自治｣及び｢住民自治｣の２つの意味における地方自治を行うことができるが、示されている(Ａ)～(Ｄ)の例の中で｢団体自治｣にあてはまるものを答える。各例を確認し、｢答え｣を出していきたい。(Ａ)｢県の予算について、県知事が方針を決定した｣⇒地方政府や地方議会などの国から独立した団体が、団体自らの意思と責任の下で行う政治＝｢団体自治｣。(Ｂ)｢市の教育委員会が、市立中学校で使用する教科書を選んだ｣＝｢団体自治｣。(Ｃ)｢市長が、パブリックコメントにより、市民の意見を広く求めた｣⇒地域の住民の意思に基づいて行われる政治＝｢住民自治｣。(Ｄ)｢住民投票条例に基づき住民投票を実施｣＝｢住民自治｣。よって、その｢組み合わせ｣になっている選択肢(１)が｢答え｣になる。｢団体自治｣及び｢住民自治｣については未習かもしれない。これを機に覚えておこう。
＜時間配分目安：30秒強＞
[問４(２)] ｢下線部についての数字記入設問｣(計算問題)。｢会話文｣中の下線部(ウ)｢所得税や住民税｣について、示されている｢累進課税制度｣の｢課税所得｣と｢税率｣の表および<計算例>を参考にして、｢課税所得｣が｢1000万円｣の人が納める｢所得税｣の額を答える。計算すると、200万×0.05＋(350万－200万)×0.1＋(600万－350万)×0.2＋(900万－600万)×0.25＋(1000万－900万)×0.3＝10万＋15万＋50万＋75万＋30万＝180万(円)となる。とても複雑な計算式になるので冷静に対処したい。
＜時間配分目安：30秒強＞
[問７] ｢下線部についての知事の説明正誤判別選択肢設問｣(４択)。｢時事｣単元。｢会話文｣中の下線部(カ)｢東京都｣について、｢2024年７月に東京都知事選挙がおこなわれた｣が、｢都知事や都議会に関する説明｣を答える。各選択肢説明の｢要点｣｢ポイント｣で正誤判別していく。(１)｢都知事は住民の直接選挙で選ばれる｣｢都議会は都知事の不信任決議権を持つ｣⇒何ら問題なし＝適切。(２)｢都議会は二院制｣⇒もちろん、不適切。(３)｢都知事の被選挙権は18歳以上｣⇒｢知事｣なので｢30歳以上｣だ＝不適切。(４)｢都議会議員選挙は小選挙区比例代表制｣⇒｢小選挙区比例代表制｣は｢衆議院議員選挙｣に導入されている＝不適切。したがって、｢答え｣は(１)だ。尚、｢正誤判別選択肢設問｣では、細部にこだわって判別することが肝要だ。
＜時間配分目安：30秒強＞
[問８] ｢下線部についての自治体判別選択肢設問｣(全３問｡12択)。｢地理｣単元。｢会話文｣中の下線部(キ)｢返礼品｣について、示されている｢返礼品｣(Ｘ)～(Ｚ)の｢自治体｣をそれぞれ答える。｢答え｣をチェックしていく。(Ｘ)｢日本最後の清流で取れた稚魚をじっくり成長させたうなぎ｣⇒｢日本最後の清流｣で即｢四万十川｣だと特定＝｢答え｣は選択肢(11)｢高知県 四万十市｣。(Ｙ)｢ゆめぴりか５㎏｣｢Ｇ８サミットが開かれた｣⇒｢ゆめぴりか５㎏｣で｢北海道｣、｢Ｇ８サミット｣で｢洞爺湖サミット｣＝｢答え｣は(２)｢北海道 洞爺湖町｣。(Ｚ)｢曲げわっば弁当箱｣⇒当然ながら、｢答え｣は(４)｢秋田県 大館市｣。｢地理｣単元では｢特産品｣が頻出だ。全国の代表的な｢特産品｣はしっかりと押さえておくこと。
＜時間配分目安：30秒強＞
【大問２】
- 難度：標準
- 時間配分：25分
- ★必答問題
｢人物の銅像｣の調査結果を記した、カード(Ａ)｢新田義貞｣･(Ｂ)｢夏目漱石｣･(Ｃ)｢井伊直弼｣･(Ｄ)｢源義家｣･(Ｅ)｢吉田茂｣･(Ｆ)｢玉川兄妹｣にまつわる出題だ。｢平安時代｣～｢昭和時代｣の基本的な｢歴史的事項｣が問われている。｢時期整序｣と｢時期判別｣中心の｢選択肢設問｣はとても平易で、５問ある｢説明記述｣は｢解答欄｣に合わせての必要要素をまとめるのがやや厄介なものもある。何問かを考えてみたい。
[問５] ｢下線部についての内容説明記述設問｣(｢字数指定｣なし。｢60字ほど｣の解答欄)。｢カードＣ｣の下線部(エ)｢井伊直弼の実施した政策と関係の深い横浜の港｣について、｢井伊直弼の実施した外交政策と、その政策が横浜に与えた影響｣を説明する。｢外交政策｣については｢江戸幕府の大老として開国政策を推進し、天皇の勅許を得ないまま、1858年に日米修好通商条約を締結した｣。｢政策が横浜に与えた影響｣⇒外国の影響を避けるため｢神奈川｣ではなく｢横浜｣を開港地に選び、｢横浜｣はその後｢国際貿易港｣としての発展していった。以上のような要素を整理して、｢解答欄｣に合わせて｢過不足なく｣まとめていきたい。たとえば、｢大老として、天皇の勅許を得ないまま1858年に日米修好通商条約を締結し、横浜は開港地となり国際貿易港として発展していった｡｣(61字)といった｢答え｣だ。尚、｢社会科｣の｢説明記述(論述)｣では、｢社会科用語｣が｢キーワード｣として求められると心得よ。
＜時間配分目安：５分程度＞
[問７] ｢下線部に関連しての内容説明記述設問｣(｢字数指定｣なし。｢60字ほど｣の解答欄)。｢カードＤ｣の下線部(カ)｢大國魂(おおくにたま)神社前(東京都府中市)｣に関連して、｢大化の改新以降奈良時代にかけて、日本はどこの国を参考にして、どのような国をつくることを目指したのか｣を説明する。唐の律令制度や中央集権体制を参考に、日本独自の律令国家を築き、豪族中心の政治から、天皇を中心とした中央集権的な政治体制への移行を目指し、土地や人民を天皇が直接支配する仕組みや、全国を国･郡･里に分け、地方官を配置する制度を整えた。前問同様に、こうした要素を整理してまとめていきたい。たとえば、｢中国の唐の律令制度や中央集権体制を参考に、豪族中心の政治から、天皇を中心とした中央集権的な日本独自の律令国家を目指した｡｣(60字)といった｢答え｣になる。
[問11] ｢下線部についての時期整序選択肢設問｣(６択)。｢カードＦ｣の下線部(コ)｢江戸時代｣について、示されている｢江戸時代前半の出来事｣(Ⅰ)～(Ⅲ)を｢古い順に並べたもの｣を答える。それぞれの｢出来事｣の｢キーワード｣｢要点｣から｢時期｣を特定していく。(Ⅰ)｢武家諸法度に参勤交代の制度を加える｣⇒｢３代将軍徳川家光｣のとき、誰もが知っている。(Ⅱ)｢大坂城にいた豊臣秀頼らが討伐される｣⇒｢大坂夏の陣｣で決定＝｢1615年｣⇒年代必須定着事項。(Ⅲ)｢生類憐みの令｣⇒｢５代将軍徳川綱吉｣のとき。よって、(Ⅱ)→(Ⅰ)→(Ⅲ)の順になっている選択肢(３)が｢答え｣になる。尚、｢年代整序｣は｢うろ覚えの年代｣で整序するのではなく、｢流れ｣や｢キーワード｣を確認し、特定していくことが重要だ。
＜時間配分目安：１分弱＞
【大問３】
- 難度：標準
- 時間配分：6.5分
- ★必答問題
｢秋田県仙北市｣にある｢田沢湖周辺の地形図｣(２万５千分の1)からの出題。｢地理｣単元の基本的事項が問われている。平易な問題が中心なので、手際よく解き進めていきたい。いくつか考えてみたい。
[問１(２)] ｢面積の選択肢設問｣(４択)。｢田沢湖は日本で19番目に広い湖沼｣だが、その｢面積として最も近いもの｣を答える。｢田沢湖｣の｢面積｣？ 誰も知っているはずがない。それでも出題されている。ということは、知らなくても解けるわけだ。何か｢手がかり｣を探す。すると、示されている｢地形図｣の右下に｢縮尺の目盛り｣がある。それを用いて｢地形図｣の中の｢田沢湖｣を測ってみると、その大きさが｢約5000ｍ四方｣だと分かる。5000ｍ＝５kmなので、５×５＝25㎢⇒｢答え｣は(２)の｢25㎢｣だと特定できる。尚、｢私が知らない｣⇒｢誰も知らない｣⇒｢知らなくても解ける｣と考えよ。
＜時間配分目安：30秒強＞
[問２(１)] ｢空所補充の事項記述｣(全２問)。｢田沢湖｣に関して示されている｢会話文｣の空所 ① ･ ② に｢あてはまる事項｣を答える。｢最大深度が423.4ｍもあって、深さが２位の支笏湖も、３位の十和田湖も、全て ① 湖といわれている｡そういえば、たしか ① 湖って、火山の噴火によってできたくぼ地に水が溜まってできた湖だったよね｡……日本一広い ② 湖は……｣⇒｢答え｣は、①＝｢カルデラ湖｣･②＝｢琵琶湖｣だ。尚、｢湖の種類｣は本校に限らず頻出だ。｢火山湖｣｢断層湖｣｢堰止湖｣｢侵食湖｣｢潟湖｣等々、その成立過程も含めて確認しておくこと。
＜時間配分目安：全問で１分強＞
[問５] ｢ハザードマップについての選択肢設問｣(４択)。国土交通省が定める｢土砂災害ハザードマップ作成ガイドライン｣において、｢必ず記載すべきとされている事項｣を答える。各選択肢の｢事項｣は、(１)｢避難施設と避難路｣･(２)｢液状化現象に注意すべき地域｣･(３)｢高湖浸水想定区域｣･(４)｢地域内全ての医療機関の所在地と電話番号｣。｢土砂災害｣の｢ハザードマップ｣なのだから、｢消去法｣で(１)の｢避難施設と避難路｣になると判別できるはず。
＜時間配分目安：30秒強＞
※[問３(１)～(３)]と[問４]は｢地形図読み取り問題｣になっている。｢地形図読み取り｣は本校に限らず｢地理単元｣での定番なので、｢地図記号｣｢等高線｣｢方位｣｢縮尺｣等の｢地形図｣に関連する基礎的事項を完全に定着させておき、細部に注意して正しく読み取っていくことができるようにしておくこと。
攻略のポイント
●他校と比べ｢公民｣単元からの出題が多く、しかも｢難問｣が集中している(本年度は例年のようには極端ではなかったが、油断大敵だ)。いかに｢攻略｣するか？ 無論、｢裏ワザ｣などはない。実直に、｢基礎的事項｣から｢詳細事項｣までを理解し、定着させることが必要。その上で、｢細部へのこだわり｣と｢知らない問題｣への｢対処法｣も押さえたい。前者はいかに｢細部｣に着目して｢判断｣できるかであり、後者はいかに｢知っていること｣に結びつけられるかということだ。必ず、どこかに｢手がかり｣｢ヒント｣が隠されている。｢リード文｣｢会話文｣、｢問題文｣や｢設問条件｣、｢設問どうしの連関｣等々と｢自らの知識｣を多角的に結びつけて考察することで絶対に解くことができるのだ｡｢合格ライン｣(男女平均)は６割程度(本年度の｢社会｣の男女平均の｢合格者平均得点率｣は59.5%)。やはり、｢公民｣での大きな｢失点｣は絶対に避けたい。
●｢時事問題の攻略｣もポイント。過去２～３年間程度の｢時事ネタ｣は、細大漏らさず確実に整理して覚えておくこと。さらに、それらに関連する｢あらゆる事項(知識)｣も全て復習する。当然、日々の｢新聞｣をしっかりと確認することが不可欠。全て読み通せとは言わないが、｢見出し｣｢リード｣は必ずチェック、知らない｢ネタ｣は｢スクラップ｣しておくこと。
●｢地理｣では｢地図｣｢地形図｣｢統計資料｣｢都道府県の形状｣等、｢歴史｣では｢年表｣｢歴史史料(｢図版｣含む)｣、｢写真｣等がよく出題されるので、確実に理解、定着させ、常にチェックしておくこと。もちろん、｢統計資料｣は必ず最新版を使いたい。テキストとしては｢日本のすがた｣(矢野恒太記念会編集)が分かりやすくてオススメだ。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
桐光学園中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
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リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。