筑波大学附属駒場高等学校 入試対策
2025年度「筑波大学附属駒場高等学校の英語」
攻略のための学習方法
リスニング問題
全体との兼ね合いで取りこぼしの許されない問題になることから、普段から音声学習を取り入れる必要がある。
準2級の教材や類似過去問を繰り返し解くようにしよう。
書き取り対策として、聞いた英文を実際に書き取る訓練もするとよい。
余力があるのであれば、ラジオ講座などを利用することをお勧めする。
後述する音読学習もリスニング対策としては効果的である。
長文読解問題
素材となる英文が物語文であることが多いため、ここに力を注ぎたい。
英文解釈の力については、それほど高いものが要求されるわけではないが、句ごと、節ごとに前から訳し下していくためには、基本的な文法事項を読解のツールとして利用できるようになっておかなくてはならない。
そのため、読解問題学習の初期には、英文解釈的な力を磨くため、その点についての解説が厚い問題集に取り組むと良いだろう。
既習の文法事項を読解のためのツールとして編集し直す学習である。
ある程度の英文解釈能力がついたら物語文を素材として、実践的なトレーニングを始めよう。
物語文読解において注意するべき大きな特徴は、①登場人物が多い、②場面転換が起こる、③書かれていない登場人物の心情を読み取る必要がある、という3点である。
登場人物が多い場合には、簡易なもので構わないので人物相関図のようなものを書くと良いだろう。
一見、手間がかかるように見えるが、混乱してからあらためて2度読みをすることが焦りを生むし、何より無駄な2度読みによって必要以上の時間をかけることになるからだ。
また、代名詞も適宜補い、誰の言動なのかをしっかり確定させながら読む必要がある。
説明文にばかり慣れていると、場面転換にも気が付きにくい。
パラグラフの変わり目には意識を払うようにしよう。その際に時間や場所が変わっていることが多いからだ。
登場人物の心情の変化についても、説明文の際には配慮の必要のない物語文読解特有のポイントだ。
気持ちを表す表現そのものに注目するだけでは足りない。
登場人物の行動を追う際には常にそれがどのような気持ちで行われているのかをしっかり意識するようにしよう。
テーマ英作文
一部、部分英作的な要素も含まれているが、配点の多くは自由英作文にある。もっとも、いきなり自由英作文の練習をするのではなく、基本的な和文英訳の問題から学習を開始し、ある程度正確に書けるようになった段階で、自由英作文の対策にとりかかるのが効率的だろう。
そして、自由英作文では、ある程度の長さの記述が要求されるため、適切な複文・重文を作れる力を身につけておこう。
特に、従位接続詞の文法的に正確な理解が必要だ。
また、オーソドックスな問題の解答を複数用意して、本番ではそれをアレンジして書けるようにしておくことが出来れば、かなり時間的な効率が良くなる。
時制や名詞の単複、冠詞の有無など、書き終えた英文に事後的な文法チェックをかける習慣も付けておこう。
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2025年度「筑波大学附属駒場高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
問題形式は安定しており、大問数はリスニング1題・長文読解問題2題・テーマ英作文1題の計4題である。試験時間がリスニングを含め45分しかないため、時間の制約がかなり厳しい。
読解問題については英文の量も多い上、設問も文挿入や語数の多い記述問題など処理に時間がかかるものが多いため英文をどれだけ正確さを失わず早く読めるかが時間内に解き終えるための大きなポイントとなる。また、自由英作文も実際に書くトレーニングを繰り返さないと短時間で解くことは出来ないだめ、早い段階から対策をする必要がある。
【大問1】リスニング問題(放送分未公表)
- 時間配分:
書き取りと内容把握の2種類の設問となっている。
設問開始から約10分後に始まるが、設問指示文と各小問の問題文を前もって読むようにし、注意して聞くべき場所をあらかじめ絞っておきたい。
【大問2】長文読解問題
- 時間配分:14分
昨年に続き物語が素材となった。英文量は例年のとおり多い。登場人物が多いわけではないが、会話主体の展開の中で、登場人物の心情の変化読み取らなくてはならないため、高い読解力が必要である。場面転換が典型的な心情変化の表れる場面になるはずだと前もって意識できることが、物語文の展開の予測可能性を高めるということを覚えておきたい。
さらに、根拠となる本文の該当箇所が下線部のかなり後に出てくるため話のつながりを意識した読みができていないと説くことができない設問があり、ある程度離れた箇所にある内容を関連付けてとかなくてはいけない問題も頻出だ。前もって設問に目を通して拾うべき要素を確定しておくことで効率的な読み方ができる。
【大問3】長文読解問題
- 時間配分:14分
今年は大問2でなくこちらの方でエッセーが出題された。状況の描写が淡々と続き、それがどのような結論に至るのかも最後まで明確に書いていない中で読み取りをしなくてはならない難易度の高い問題であった。単純な知識のあてはめだけでは到底読むことのできない素材となっている。問6は、英文の後半まで読んだ上でさらに話の流れから手前の内容にさかのぼって記述する推測が要求される。本文に直接の記載がないが話の流れから答えを推測しないといけないという典型的な問題で、筑波大駒塲の頻出問題である。難関校の過去問なども使い、数多くの物語文・エッセーを素材とした問題を解きこの感覚を鍛えよう。
【大問4】テーマ英作文
- 時間配分:8分
一昨年はスピーチ原稿、昨年はあることわざについての賛否という出題であったが、今年は貧富の格差に関する絵を見てその絵が現実世界を反映していると思うかについての意見を記述する問題だった。テーマの社会性が高く、一瞬戸惑ってしまうかもしれないが、書くべき内容は与えられた絵を参考にすればそれほど難しいものではないだろう。語数も昨年の50~60語程度から35~45語へと減っており、トータルの難易度は例年通りといえる。
配点が大きいことから、減点の少ない英文を書き上げることを目指す必要がある。動詞の形、接続詞の有無、冠詞の選択など事前にチェック項目を作りすばやく確認できるようにしておくとよい。また、時間は限られているため、英作文で使いやすい文法・語法を使って普段から練習し、現場ではその枠にのせやすい内容を考えていくのがミスのない答案の書き方となる。
攻略ポイント
時間のかかる設問の存在を考えれば、英文そのものは短い時間で読み切らなければ、思考力の問われる設問に取り組むだけの余裕がなくなる。そこで、まずは速読力の向上が大きな攻略のポイントとなる。そしてその際には、単に一文ごとの逐語訳をするだけでは足りず、各文の内容のつながり、パラグラフ間の内容のつながりを意識した読解力の向上を目指す必要がある。素材となるものが物語文であるので、登場人物の整理・心情の変化・場面転換を意識した読解の訓練が必要だ。リスニングは普段からリスニング対策を続けていれば満点を狙うことも可能なため得意にしておきたい。テーマ英作文については、実際に手を動かして書いてみる時間をしっかり取り入れる必要がある。