慶應義塾普通部 入試対策
2025年度「慶應義塾普通部の算数」
攻略のための学習方法
・試験時間が短くスピーディーに解かなければならないが、正確性はそれ以上に重要だということを忘れてはならない。速く解くことと慌てることは同じではない。単にスピードアップをして解こうとしても、それほど速くはならないうえに、ミスをしてしまう可能性は増える。問題演習をきちんと行っていくことで、解法がすぐに思いつくようになり、結果的に速く解けるようになるのである。まずは、普段の学習をていねいに行うことが重要である。
・一通りの学習を終えて、土台ができたら、スピーディーに解くことを意識したい。単に問題を解くだけでなく、いろいろな解法で解いてみるとよいだろう。ときには、あえて面倒な解法で解いたり、強引に力技で解くのもよい。本番の入試では、どのような解法がよいのか判断を迫られることもある。そのときに的確な判断の助けになるのが、経験である。多くの解法や泥臭くも正解を求めようとした経験が生きてくる。
・解答形式は全問記述式
全ての問題について、式や考え方を記述するスタイルである。解答欄は狭いので、コンパクトに書かなければならない。また、スピードが要求される本校の入試では、途中式を書く時間も意識して練習する必要がある。したがって、解答用紙はなるべく本番に近い状態で練習しておきたい。なお、本校の解答用紙は、例年A3サイズ1枚である。
・場合の数の対策
場合の数に関する問題が多いのだが、本校の場合、手を動かして調べるタイプの問題が目立つ。単純作業になりがちだが、ミスをしないように練習をしておきたい。
・速さの対策
グラフを利用しながら考える問題が多い。比を利用して素早く解くことが要求される。解き方によって、時間に差が出やすいので、いくつかの解法を考えてみるとよい。
・平面図形の問題
標準的な問題からやや難しい問題まで、数多く出題されている。図を書きながら考えることがよくあるので、日常の学習から、図を自分で書いて考える習慣をつけておきたい。本校の入試では、見やすい図をすばやく書ける能力も重要である。
・立体図形の対策
展開図に関係する問題が多いが、複雑な切断はほとんど出題されていない（来年出題されない保証はないが）。出題分野に偏りがあるので、入試直前期はそれをふまえて学習するとよい。
・過去問演習
本校は、過去問演習が非常に重要である。本校特有の入試形式は、数をこなして慣れないと、なかなか対応できない。解き終わった後、自分の解いた問題や書いた解答がどうだったのか冷静にふりかえることを大切にしたい。それが得点上昇への鍵となる。
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2025年度「慶應義塾普通部の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
全問記述式で試験時間は40分という設定になっている。問題の質と量の割に、試験時間が短いことが本校の特徴である。
今年度の問題は、本校としては標準～やや難といったところ。スピードと正確さは今年も要求されている。試験時間を考えると、問題の取捨選択も重要である。
【大問１】計算問題
- 難度：易
- 時間配分：3分
- ★必答問題
解き方次第で、多少計算が楽になる。
＜時間配分目安：3分＞
【大問２】平面図形
- 難度：標準
- 時間配分：3分
- ★必答問題
相似な図形に注目して考える問題。解法自体は難しくないので、あまり時間をかけずに正解したい。
①では正方形ABCDの面積を求める。基本の確認レベルの問題。
②は斜線部分の面積を求める問題。様々な解法が考えられるが、どの解法で解くのが楽か検討してから解きたい。
＜時間配分目安：3分＞
【大問３】条件整理
- 難度：標準
- 時間配分：4分
条件を整理して解く問題で、論理的思考力と分析力が問われる。まずは、参加人数をしぼり込んでいくことがポイント。
＜時間配分目安：4分＞
【大問４】場合の数
- 難度：標準
- 時間配分：3分
- ★必答問題
道順に関する問題である。
①は道順の典型問題。
②では、①の他に斜めの道路と通行止め区間が追加される。最短で進むには、斜めの道路を2回通る必要があることに注意。
＜時間配分目安：3分＞
【大問５】食塩水
- 難度：標準
- 時間配分：6分
- ★必答問題
①は2つの食塩水を混ぜたときの濃さを求める問題。基本的な問題である。
②は、食塩水の一部を蒸発させた後、食塩水と水を混ぜる問題。ひねりのある問題で、溶けている食塩の重さに注目することがポイントになる。
※②は、やや難しいが良問である。正解できなかった場合はしっかり復習しておきたい。
＜時間配分目安：6分＞
【大問６】速さ
- 難度：標準
- 時間配分：4分
- ★必答問題
太郎と次郎の2人が往復する問題。
①はダイヤグラムを完成させる問題。悩むような問題ではないだろう。
②では、1回目に出会った場所と2回目に出会った場所の情報から、AB間の道のりを求める。ダイヤグラムを書いてできた相似形に注目するとよい。
※②は本校らしい問題。今後も同様の考え方をする問題が出題されやすいと考えられる。
＜時間配分目安：4分＞
【大問７】数の性質
- 難度：標準
- 時間配分：7分
- ★必答問題
①は1980を2つの数の積で表す問題で、答えは見つけやすい。ミスが起こりにくいように解くには、素因数分解を利用するのがよいだろう。
②では、条件を満たす整数のうち、2番目に大きな整数を求める。こちらの問題は、やや解きにくい。
＜時間配分目安：7分＞
【大問８】立体図形
- 難度：標準
- 時間配分：8分
- ★必答問題
影に関する問題。
①は典型的な問題なので、容易に答えにたどり着く。
②はやや応用された問題。試験時間が残っているかどうかがポイント。
＜時間配分目安：8分＞
攻略のポイント
【大問1】～【大問4】について。
難しい問題は見られないが、処理に手間のかかる問題や、解法次第で時間差が生じやすい問題がやや目立つ。無駄の少ない方法で正確かつスピーディーに解くことがポイント。また焦らないメンタルも必要である。
【大問5】～【大問8】について。
解きやすい問題と解きにくい問題がはっきりしている。まずは解けそうな問題を確実に正解することが重要である。やや解きにくい問題にどこまで取り組むかは、試験時間との相談になるだろう。
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