慶應義塾普通部の傾向と対策
慶應普通部の入試傾向をプロ家庭教師の視点で解説します。役立つプロのノウハウをご覧ください。
お手元に過去問をご用意ください。
受験の攻略ポイント
慶應義塾系列の男子校。どの科目も、試験時間が短いためスピードを意識した演習をしておこう。また「教養人」を求めている慶應らしく「一般常識」を問う設問も多いので、日頃から意識しておこう。
算数 | 全問記述式で、式や考え方を記述させるスタイル。しかも試験時間が短いためスピードが要求される。 |
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国語 | 難易度は一部を除き、「標準」か「平易」のレベル。ポイントは「知識問題」。 |
社会 | 最大のネックは「試験時間」。難易度から判断して、瞬時に「捨て問」を判別し次の問題に向かうことが必須。 |
理科 | 基礎知識が幅広く問われている。難しい問題で差をつけるのではなく、受験者の一般教養を問う傾向。 |
新しい傾向の出題が見られました
慶應義塾普通部では2018年度入試より、新しい傾向の出題がみられる。2020年度大学入試改革を踏まえた出題とみられ、受験生には対策が必要だ。
・2018年度 社会 【大問7】
学校に対する「携帯電話の学校への持込許可」という生徒からの「学校生活をより快適にするための提案」について、「どのような問題点があるか」を「1つ」挙げ、それに対する「有効な対策案」を自由論述させることにより、「思考力・判断力・表現力」を問う。新傾向問題対策のサンプルは少ないのが現状だが、「公立中高一貫校」で出題されるいわゆる「適性問題」についての対策などがひとつの方法となるはずだ。
理科の攻略ポイント
物理、化学、生物、地学の4分野をバランス良く学習したい。生物・地学分野では一定数、知識を必要とする問題が出題されるため、重要語句の名前や性質を正確に覚えておきたい。
また、物理・化学分野では計算問題はもちろん、現象の原理を理解するような学習を心掛けたい。
2020年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問1】ふりこ/物理 | 標準 | 6分 | ★ |
【大問2】天体/地学 | 標準 | 5分 | |
【大問3】ものの溶け方/化学 | やや難 | 7分 | ★ |
【大問4】恐竜/生物 | 標準 | 6分 | |
【大問5】エノコログサ/生物 | やや難 | 6分 |
算数の攻略ポイント
場合の数、数の性質、速さ、平面図形、立体図形(展開図に関する問題)の出題が多い。また、手を動かして作業していく問題がよく見られるのも本校の特徴である。一方、典型的な特殊算の問題は、それほど多くは出題されていない。
2020年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
---|---|---|---|
【大問1】計算問題 | 易 | 2分 | |
【大問2】集合に関する問題 | 易 | 2分 | |
【大問3】平面図形 | 標準 | 4分 | ★ |
【大問4】流水算 | 標準 | 7分 | ★ |
【大問5】調べ上げ | 標準 | 5分 | |
【大問6】平面図形 | 標準 | 4分 | |
【大問7】立体図形 | 標準 | 4分 | ★ |
【大問8】場合の数 | やや難 | 5分 | |
【大問9】場合の数 | 標準 | 3分 |
国語の攻略ポイント
2016年度から続いていた大問4題が昨年度3題となり、2020年度も同様に、「小説」と「随筆」、「漢字の書きとり」という大問3題。
文章量は近年6000~7000字ほど。
本年度は昨年度よりやや増加して約7100字。
「設問形式」は、「選択肢」「抜き出し」「説明記述」「空所補充」「脱文挿入」などと多種多彩だ(本年度は昨年度同様に「脱文挿入」なし)。ただ、「説明記述」は例年数問(本年度は2問)で、字数も「10~30字程度」と少ない(本年度は「15~30字」)。
当然、設問内容もバラエティーに富むが、慶應義塾(「普通部」に限らず)の特色として「漢字」以外のさまざまな「総合的知識問題」があるので、幅広い「知識」を日頃から身につけておくことが必要。また、「抜き出し」が比較的多いことも本校の特徴だ。
100点満点。試験時間は40分。
2020年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問1】小説の読解 | 標準 | 25分 | ★ |
【大問2】随筆の読解 | 易 | 12分 | |
【大問3】漢字の書き取り | やや難 | 3分 |
社会の攻略ポイント
「地理」「歴史」「公民」「時事」、全ての単元から出題される。さらに、単元を超えた「一般常識」を問う問題も頻出。
大問は5~6題(2020年度は3年連続での6題)。
単元別の出題比率としては、「歴史」「地理」がメインで(本年度は「歴史」と「地理」がともに4割弱)、次いで「公民」「時事」などの順だったが、本年度は「一般常識」等が1割強、「公民」は1割弱で、「時事」はわずか。全解答数は50~60程度(本年度は減少して43)。
各大問は原則的にそれぞれ1単元対応だが、単元が混在する大問や総合問題もある(本年度もあり)。解答形式は、「事項記述」(「漢字指定」が多い)、「選択肢」(「不適切」「組み合わせ」「複数完全解答」「整序」などあり)、「説明記述」(数問。本年度は2問)。「地図」「地形図」「統計資料」「歴史史料」「写真」「図版」などからの出題がある(本年度は「地図」「地形図」「統計資料」「図版」)。「基本レベルの問題」の中に「超難問」が紛れ、さらに、「大人の一般常識」が問われる(慶應義塾は「教養人」を求めている)。
いずれにしても、時間と解答数を考えると、「スピード」と「処理能力の高さ」が求められる「1点を争う勝負」となる。
100点満点。試験時間は30分。
2020年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
---|---|---|---|
【大問1】「地理」 | 難 | 2分 | |
【大問2】「歴史」 | 標準 | 5分 | |
【大問3】「地理」(「統計資料読み取り」「世界地理」あり) | 標準 | 8分 | ★ |
【大問4】「総合問題」(「地理」「歴史」「公民」「時事」「一般常識」) | 標準 | 7分 | |
【大問5】「時事」「一般常識」 | 易 | 4分 | |
【大問6】「歴史」「公民」 | 標準 | 4分 |
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学校 | 慶應義塾普通部 |
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偏差値 | 2020予測偏差値64(四谷大塚80%)・58(サピックス80%) |
併願校 |
聖光学院中・慶應湘南藤沢中・慶應中等部・芝中・渋谷教育学園幕張中・市川中・栄東中・桐朋中・浅野中・渋谷教育学園渋谷中・サレジオ学院中・逗子開成中が多く見られる。 *入試日程の変更にご注意ください |
合格者 | 合格最低点など具体的な数値は非公表だが、問題の難易度から判断すると、およそ7割程度が合格ラインではないかと推測される。出身塾別で見ると、サピックスが多く、早稲田アカデミー・四谷大塚・日能研が続いている。リーダーズブレインの生徒も同様の塾生が多いが、近年サピックス生の増加が見られる。 |
進学実績 | ほぼ全員が慶應義塾大学に進学。進学できる学部は、普段の成績と本人の希望をあわせて確定する。 |
その他 | 慶應義塾系列の男子校。慶應義塾大学への内部進学を前提とした授業カリキュラムを行う。 |
基本情報 |
所在地 〒223-0062 神奈川県横浜市港北区日吉本町1−45−1 最寄駅 東急東横線・目黒線・市営地下鉄「日吉」より徒歩5分 連絡先 ℡:045-562-1181 沿革 明治31年慶應一貫教育体制が確立。 |
