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慶應義塾女子高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「慶應義塾女子高等学校の英語」
攻略のための学習方法

慶應女子高校の英語入試問題を攻略するための勉強法について考えてみたい。レベル的には非常に高いので、以下の内容をしっかりと理解し日頃の受験勉強に役立ててほしい。

① 英検2級に匹敵する程度の英語力

合格に必要な英語力としては、最低でも英検準2級、できれば2級に匹敵するレベルが欲しいところではある。単語力・イディオム力はいうまでもなく文法事項としては、関係代名詞、仮定法、話法、比較、文型、準動詞は高校レベルの文法書で内容を確認してほしい。特に、文型については「この英文は第何文型ですか」などのような問題は出題されないが、大事なことは文要素(SVOC)になり得る品詞は何か、つまり主語になり得る品詞は名詞・代名詞およびそれらに準ずる句・節である、という知識をしっかり理解することである。難解な英文において散見される「倒置構文」における語順である「S+V+修飾語句」を「修飾語句+V+S」になった場合に、文要素には該当しない「修飾語句」が単純に「V」の前にあるからと言って、主語になるという判断はおかしいという決定ができなければならない。そのためにも、文要素になり得る品詞に関する文型知識が必要である。

② 下線部訳における日本語訳出の工夫

下線部訳におけるポイントは、「日本語訳出上のこなれた日本語」の使い方における工夫である。いくつか具体例を挙げてみる。主語が人間などの生物以外の文章を「無生物主語」文章という。
例えば、‘The experiment showed that ~ ’という英文において、「その実験は~をしめした」という訳を「その実験によれば~ということが明らかになった」という具合に、無生物である主語を「目的・手段」に変換させて訳出を行うことでより日本語らしい、つまり「分かり易い日本語」の訳になるのである。また、‘some people did ~’という英文を「何人かの人々は~を行った」と訳しては‘some’のニュアンスを正確に反映していない訳になってしまう。‘some’は具体的な「数量」を表すものではないので、そのような英文については「~した人もいた」としなければならない。

③ 複数の意味を持つ英単語の根本的な意味

過去の大学入試問題にこのような問題が出題された。
英文の内容としては、紀元前における氾濫を繰り返していたエジプトのナイル川に関する文章であった。氾濫によって毎年のようにその「流れ」が変化する状況について述べた後で、‘the natural line’の‘natural’に下線が引かれ5個ある選択肢のなかで同様の意味を有する単語を選ばせる問題が出題された。
当然ながら当該文章における‘natural’に「自然な」という意味はあてはまらない。設問全文をここに引用することはできないが、要旨としては、氾濫で流れが目まぐるしく変容するナイル川の‘natural’な流れについての設問である。そもそも‘natural’とは「人為的にいまだに手が付けられていない状態」のことを指しているのであるから、そこから「本来的な、根本の、原初の、最初の」というようなスタート時点での状況を指し示す意味を有するのである。
したがって、上記入試問題における‘natural’の意味は、「氾濫を繰り返す前の元来のナイルの流れ」を指し示すものである。そのような理解ができれば、選ぶべき選択肢は‘original’となるのである。ちなみに‘natural’の名詞形である‘nature’は、手を付けていない原初の状態という意味で「本質、性質、元来」などの意味が出てくる。

慶應女子高校英語入試問題における単語の処理スキルにおけるポイントとして、英単語の持つ根本的意味をしっかり把握することが重要である。では、そのような英単語の根源的意味をどの様にして習得するのかといえば、そのような意味を集約的に掲載している参考書があるので、一度目を通しておくべきである。

④ 整序問題の攻略

いわゆる与えられた語の並び替えである。特に、注意しなければならないのが「倒置構文」である
通常の語順が倒置されることにより、本来、動詞の前に置かれるべきは主語であるが、「倒置」が行われる条件(本来後ろに置かれるべき修飾語句を強調したいがために前に置く)が行われた場合、通常の「S+V」が「V+S」に逆転することに慣れなければならない。
そのためには、整序問題に特化した問題集もあるので、事前に十分練習してほしい

⑤ 英作文作成上のポイント

通常の英作とは異なり、英語で質問されたことに対して英作するという出題形式である。英作を行う前に、与えられた英語での質問内容を正確に理解することが不可欠な前提条件であるが、そのうえで英作を行うポイントは「自分が知っている簡易な英語表現にどのようにして課題文を落とし込むこと」が的確に迅速にできるか否かである。
採点は、基本的は減点主義である。
したがって、知識が曖昧な英語構文やイディオムは使わずに、平易な英語表現・確実に覚えている英単語を使って英作を行う習慣をつけよう

以上、最低限の留意点を記載したので、受験生の皆さんの日々の学習につけ加えて合格へ向けて頑張ってもらいたい。

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2023年度「慶應義塾女子高等学校の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】global food consumption 及び food losses and wasteに関する長文資料を読んで答える問題<7分>。
【大問2】説明文の長文読解総合問題<17分>。
【大問3】対話文の長文読解総合問題<16分>。
【大問4】説明文の総合読解問題<15分>。
【大問5】テーマを与えられた自由英作問題<5分>。
単語・イディオム・文法事項のどれをとっても高校レベル(中には大学受験レベルもあり)である。さらに、英文読解の速度についても1分間に100単語を上回るスピードがないと問題の英文を読み切り、設問に取り組む時間が無くなってしまうだろう。

【大問1】global food consumption 及び food losses and wasteに関する長文資料を読んで答える問題

  • 時間配分:7分

(A)<2分>。global food consumptionに関する英文を読んで、内容に適した円グラフを選択する問題である。
(B)<3分>。food losses and wasteに関する英文を読んで、内容を把握したうえで空欄に適切な英文を選択する問題である。
(C)<2分>。Per capita food losses and waste に関するグラフを見て問題に解答する。グラフを正確に読み取る力が必要である。(Developed Region とDeveloping Region)

【大問2】 説明文に関する長文読解総合問題

  • 時間配分:17分

superstitionに関する説明文である。Superstition is a belief or behavior that is not based on human reason or scientific knowledgeであるが、is thought to bring good or bad luckなのである。

問1.内容把握選択問題<2分>。
直後の文であるPeople with college degrees and those without college degrees have almost an equal level of belief in superstitionsが空欄の具体的内容である。

問2.適語補充問題<3分>。
(あ)moreかlessである。文脈から判断する。
(い)the number of ~は「~の数」である。数の大小は、large か smallで表す。

問3.適語選択問題(語形変化)<3分>。
 figure outを考える。特に、figureは複数の訳を持つ単語であるので事前に必ずチェックしておくこと。
 直後のwith moneyと関連して、「お金では買えない」と考えbuyの過去分詞となる。
 「~という結果になる」としたいので、result inであるが時制に気をつけること。
 等位接続詞andが何と何を結んでいるかを正確に見抜くこと。時制に注意。

問4.和文英訳問題<2分>。
「~する限り」はas long as 主語+動詞を使う。「トーナメントが終わるまで」はuntil the end of the tournamentである。「勝ち続ける」はkeep winningまたはcontinue on winとなる。

問5.書換え問題<2分>。
「試合結果に影響する」という趣旨の英文にしたい。本文にeffectがある。

問6.英文和訳問題<2分>。
a unique belief that…におけるthatは同格のthatである。このthatは同一用法を問われる問題に頻出である。the fact that…のthatも同格(関係代名詞の場合もあるが)である。

問7.内容真偽問題<3分>。
「調査によれば、年長者よりも若者の方が迷信を信じる傾向がある」
「あるアメリカンフットボールの選手は、験(げん)担ぎのために行っていた際に負ったケガのために試合に出られなかった」

【大問3】対話文に関する長文読解問題

  • 時間配分:16分

問1.整序問題<2分>。
本文の内容から判断すると「何かを探していた」という英文を作る。search for ~は「~を探す」であり、過去進行形にする。

問2.適文選択問題<3分>。
A.直後の発言内にあるdoの内容を考える。
B.文脈から判断するとアリスのきいた内容はmoreの内容である。
C.折り紙の形に関する英語を教えてくれたアリスに対し、カオリはお礼を述べたのである。
D.アリスは自分にも折り紙を教えてくれるのかと尋ねたのである。

問3.英文解釈問題<2分>。
lose your placeとは「あなたの場所を失う」という意味であり、「場所」とは「今いる状況」という意味であるので文脈から判断すると「どこまでやったか、どこにいるか」ということである。具体的には、「折り紙の手順の内のどこまでをやったか」ということである。なお、本問直前にあるorは「さもないと」である。注意しよう。

問4.和文英訳問題<2分>。
「最も魅力的な点の一つ」はOne of the most attractive pointsである。「どのようにして~か」はhow +主語+動詞となる。「~に変えられる」はcan be changed into ~であり、「美しく力強いもの」はsomething beautiful and strong(something + 形容詞)となる。

問5.適語補充問題<2分>。
 all I needは「必要なすべてのこと=必要なこと」である。
 紙の形を確認する場面である。Square が適切である。

問6.指示語問題<3分>。
アリスが話している過去の思い出話であるので、内容を正確に捉えること。

問7.英文解釈問題<2分>。
本文のupとdownの捉え方がポイント。upは「上」つまり「子から親」であり、downは「下」つまり「親から子」のことである。instead of ~についても正確に理解すること。

【大問4】 説明文の長文読解総合問題

  • 時間配分:15分

問1.英文和訳問題<2分>。
not only ~ but also …「~のみならず…」の構文に注目すること。alsoは省略される場合が多いことにも注意する。in case of ~「~の場合に備えて」は基本的イディオムであるのでしっかり覚えておこう。

問2.整序問題<2分>。
初めに動詞を決める。failed to ~「~できない(can’t)」である。つまり、failed to realizeで「気付くことができなかった」とする。「どれほど貴重か」はhow valuableとなる。

問3.和文英訳問題<2分>。
「~なければならなかった」はhad to ~ である。「~するという難題に取り組む」はdeal with the challenge of ~ingとなる。challengeには「挑戦」の他にも「課題」「問題」「難題」などの意味がある。また、この場合のofは「同格のof」といわれるもので高校英語では重要な文法事項である。

問4.適切文選択問題<2分>。
空欄直後にあるand soが手掛かりである。つまり、人々がジャガイモを盗み出す理由が入る。文脈から判断すると「ジャガイモはとても価値があるのだろう」人々は思ったのである。

問5.文脈把握問題<2分>。
次の文の文頭にあるSinceは理由を表すので、この部分を考える。the potato grew well in the cold and rainy climate of the landなのである。

問6.書き換え問題<2分>。
下線部(4)は「地球上でジャガイモは最も誤解を受けた農作物から最も重要な食物の1つになり、将来は宇宙においてもそのようになるかもしれない」である。(ア)は「(昔は)だった」という意味の当てはまるused to ~ をあてはめる。(イ)は「宇宙」が適切である。

問7.英問英答問題<3分>。
英問の内容は以下の通り。
1「1600年代の一部の人々が食していたジャガイモの毒を含む部分はどこであるか」
2「ルイ16世とマリー・アントワネットは、フランスの人々のジャガイモに対するイメージを変えるために何を身につけたのか」

【大問5】自由形式テーマ英作文問題

  • 時間配分:5分

約50語を用いて作成する英作文。昨年と同様な出題形式である。
与えられた課題は「図書館で本を借りるのと書店で本を買うのとでは、どちらが読書のために良いと考えるか2、3の理由をあげて述べよ」という内容である。しかも、「解答用紙の余白に単語数(words)」を記載することも要求されている。字数としては55単語程度で書きたい。
この類の自由英作は自分の意見(賛成でも反対でも)をしっかり合理的な根拠に基づいて述べることである。また、難解な構文や単語は使用せずなるべく平易な英語表現を使用し、ミスをしないことを心掛けること。

攻略のポイント

英文レベルとしては相当に高い。英検レベルとしては、準2級は当然でありできれば2級レベルの英語力があればより高得点が望めるであろう特に求められる英語力としては「記述力」である。純粋な「和文英訳」だけにとどまらず、英問に対して英語で答えるなどの出題形式に対しても十分な事前の練習が必要である。また、下線部訳の日本語表現における「こなれた日本語表現力」も工夫が必要である。
普段使用する問題演習用のテキストは、単に選択肢を選ぶ形式の問題種ではなく、500wsの英文を50~80語に日本語でまとめるスキルが向上できるテキストが最適である。また、下線部訳における日本語訳出の「自然な日本語」を心掛けることが大事である。

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