中央大学附属横浜中学校 入試対策
2025年度「中央大学附属横浜中学校の社会」
攻略のための学習方法
〇問題構成
大問3つに、地理分野・歴史分野・政治経済分野が割り当てられる形式がここ数年の定型となっている。分野別では政治経済の問題数がやや少なめである。総解答数は35問前後。
選択肢と適語記入の問題が多く、地理・歴史分野で計3問の記述問題が出題されている。記述問題は40~50字ほどの字数でまとめるようになっている。リード文・資料文・地図・統計グラフ・史料などが多く用いられ、試験全体の分量が多くなっている。
〇地理分野
日本全体から幅広く訊かれる場合とある地域について詳しく訊かれる場合とがある。
沖縄本島の水不足の理由(2025年度)やカボチャの入荷時期の違い(2024年度)などの出題があった。地形・地名・産業・貿易や気候など、広い範囲から問題が出されている。地図や統計・グラフなど、資料が多く用いられている。記述問題では与えられた資料から考えられることを述べる論説タイプの問題がよく出されている。各地の特徴や統計データなどについて、暗記するだけでなくその理由もよく考えながら勉強しよう。
〇歴史分野
いくつかの時代について説明した文章を読んで、下線部について答えていく形が多い。古代から近・現代まで、広い時代から出題されている。政治・外交や文化など、いろいろな項目の問題が見られる。時代順の並べ替え問題が毎年出されている。また、年度により、図版などの資料が用いられることもある。
記述問題は資料から考えられることを述べる論説タイプも、ある事項の理由を答える説明タイプも、両方みられる。どの時代から出題されても困らないよう、全体に抜けが無いように覚えておこう。また、なぜそのようなことが起こったのか、原因・背景なども合わせて考えるようにしよう。
〇政治経済分野
前年など、直近に起こった出来事について、またそれを題材として憲法や政治の仕組みなどについて訊かれている。三権の仕組みや選挙、国際関係などの問題が出されている。この分野では記述問題は出題されていない。基本事項の問題が多いが、前年の話題が多く取り上げられるので、重大ニュース集や時事問題集で最新の情報によく目を通しておこう。
〇記述問題
ここ数年は地理分野と歴史分野で1問ずつ出題されている。統計や資料などを読み取ってそこから考えられることを答える論述タイプも、歴史上の事柄などについて内容や理由を訊かれる説明タイプも両方出されている。論述タイプといっても、与えられた材料をしっかり読み取れば答えられるものなので、臆病になることはない。なぜ統計の数字がそのようになるのか、そのような出来事が起こった背景は何かなど、考えながら資料を見る練習を積んでおこう。
〇まとめ
各分野が混合した一問一答形式の設問に慣れておこう。一問ごとに、分野・内容・時代がさまざまに異なる問題がならんでいる。そのたびごとに、関連する内容を頭のいろいろな部分から引き出してこなければならない。なお、2022年度・2023年度は大問ごとに3分野が分けられていた。今後の傾向に注意したい。リード文も量が多いので読むスピードは速い方がよい。もっとも、下線部だけ読めば答えられる問題も多いので、読む部分は必要最小限に抑えることもできそうである。また、資料を使った問題が多いこと、特に写真をもとに判断する問題が見られるので、資料集をよく読みこんで、写真や図版をすぐ見分けられるようにしておけば得点に結びつくだろう。
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2025年度「中央大学附属横浜中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は41問で例年と変わらない。地理分野12問・歴史分野18問・政治経済分野11問という内訳になっている。統計などの資料が多く使われており、リード文や資料文もあるので、全体量が多くなっている。記述2問に6分程度をあてて、残りの時間で他の問題をこなせるスピードをつけておこう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
沖縄県を中心として、各地の産業などについて訊かれている。
問1 2
問2 4
問3
2. 外国人観光客数が上回った年度はない。
3. 2020年の新型コロナの流行が原因である。
4. 2017~19年度で超えている。
問4 人口密度が高いことから、1人あたりの水使用量が多いという計算になる。また、長い川がなく、水がすぐ海に流れ込んでしまうので、利用できる水が少なくなる。
問5 4. 平地で作物が獲れない時期に、高地や温暖な地域で時期をずらして出荷する。
問6 エは乳用牛の多さから北海道、ウは米の多さから東北、イの野菜が多いのは大都市への出荷が多いからと考えられるので関東・甲信、アは豚やブロイラーの多さから九州と見分けられる。
問7 桜島の火山灰の影響を強く受ける(=ア)地域がC、熊本県などスイカの生産が盛ん(=ウ)な地域がB、残るイがAの地域である。
問8
2. ロシアは国土が高緯度の寒冷な地域にあり、熱帯地域はない。
3. 天然林の方が多い。
問9
2. 原則として許可は要らない。
3. 示されているのは沿岸から200海里の排他的経済水域である。
4. 排他的経済水域内の資源の利用は沿岸国に優先権がある。
問10 3
問11 水揚げ量
問12 産業の空洞化
〔ワンポイント!――記述問題に字数指定がないが、書き過ぎる必要はない。1つの事項に15字程度を目安として、訊かれたことを簡潔に書くようにしよう。〕
<時間配分目安:11分>
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
各時代の出来事や人物について訊かれている。
問1 1. 大王 2. 壬申 3. 御家人 4. 豊臣秀吉 5. 地租
問2 1・2 縄文時代のことである。5 古墳時代のことである。
問3 弥生時代後期の3世紀ころの日本については『魏志』倭人伝に記述がある。
問4 「ワカタケル大王」と刻まれた鉄剣が埼玉県の稲荷山古墳で発見され、ヤマト政権が関東地方まで勢力を伸ばしていたことがわかった。
問5 Y. 飛鳥寺はすでに蘇我馬子によって建てられていた。
問6 官僚の役職が特定の一族に集中し固定化していくことになった。藤原氏のころには摂政・関白などの重要な役職を一族が占めていた(摂関政治)。
問7 「いざ鎌倉」
問8 資料は、承久の乱に際し北条政子が行った演説である。
問9 外様(大名)
問10
2. 三斉市が開かれるようになったのは鎌倉時代~室町時代である。
3. 牛馬耕や草木灰の使用が始まったのは、平安時代~鎌倉時代である。
5. 関所を置いて通行税を徴収し始めたのは室町時代である。
問11 版籍奉還
問12 当時の選挙権は直接国税15円以上を納める25歳以上の男子に限られており、その多くが地主であった。
問13
1. 津田梅子は咸臨丸には乗っていない。
2. 日清戦争ではなく、日露戦争である。
4. 全国水平社は部落差別の解決を目指す結社である。
問14 治安維持法
〔ワンポイント!――各時代からまんべんなく出題されている。特定の時代にかたよらず、幅広く学習しておこう。〕
<時間配分目安:16分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
政治のしくみや選挙について訊かれている。
問1 規制緩和
問2 予算を審議する通常国会が開かれるのは1月である。
問3 2. 写真はイスラム教の施設で、モスクと呼ばれる礼拝堂である。
問4 当てはまる項目は社会保障関係費である。
問5
(1) Y. アメリカなどでは実施されている施策であるが、日本では行われていない。
(2) 弾劾(裁判)
問6 2. 世論が政策に影響を与えることはあるが、「直接的」とは言えない。
問7
1. 中国の説明である。
3. インドのことである。
4. 韓国の説明である。
問8 4
問9
(1) (政党)交付金・助成金
(2)
まきさん: 都市部か郊外かのデータは示されていないのでわからない。
ひろこさん: 年齢に関するデータは示されていないのでわからない。
〔ワンポイント!――日本の政治経済の基本的事項と同時に、国外の情勢なども訊かれている。資料集や重大ニュース集などで、国外にも目を向けておこう。〕
<時間配分目安:8分>
攻略のポイント
選択肢問題中心だが、やや細かい知識を訊かれる問題もある。特に前年の国内・国外での出来事はよく出されているので、今年度の社会情勢の動きや大きな災害などについてはよく調べて詳しくなっておこう。
また、資料集は常に手元に置いて、テキストで得た知識をグラフや写真などで確認し、知識に厚みを持たせよう。資料がいつの時代のどんな人物・出来事に関係のあるものか、すぐ思い浮かべられるようになっておくと安心である。
設問がいろいろな時代・分野に飛ぶので、過去問でよく慣れておくこと。
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