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中央大学附属中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「中央大学附属中学校の国語」
攻略のための学習方法

[問題構成の特徴]

例年、説明的文章と文学的文章の計2題の長文読解が出題されている。漢字やことばの知識も合わせて出題される。選択式問題が大半を占め、数問の書き抜き問題が出される場合もある。総解答数は40~55問ほどと多めである。
読む分量が多い点が大きな特徴である。素材文2題で計10000字超、それに加えて設問で使われる解説・補足文が900字ほどと、総計12000字程度(2019年度)の文に目を通さなくてはならない。2022年度では計18000字ほどにもなっている。この解説文は主題や要旨について穴埋め選択で答えさせるもので、問題も兼ねているのでしっかり読む必要がある。
選択肢問題と読解のスピードを意識して、過去問・類似問題でよく練習しておかれたい。

[読解問題]

読解の基本を身に付けよう。

論説文の読解

段落――形式段落と意味段落の整理をし、段落ごとのつながり・まとまりを把握する。意味段落の内容を小見出しのように簡単にメモしておくとあとでわかりやすい。

要点と細部――各段落の最重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておくとよい。細部には要点を捕捉する説明や例え・言い換えなどがあるので注意しておく。

要約と要旨――要点をつなげれば要約ができ、その中でも筆者の一番言いたいことが要旨である。
論説文には専門的な用語や難解な考えなどが含まれているが、つまるところ、それらをわかりやすく端的に短くまとめるという作業が、論説文の読解の基本となる。本校の場合、設問の中の解説文がその役割を果たしてくれている部分があり、大きなヒントにもなっている。過去問を多くこなして、試験の特色をうまく利用できるように慣れておこう。

小説の読解

登場人物――名前・人数・それぞれの関係を整理する。それぞれの性格も把握しておく。
場面分け――時間・場所・人物の入出などで、場面の変わり目を見つける。場面の変わり目自体が問題となる場合もある。
心情把握――人物の言動・表情さらには情景などから人物の気持ちを読み取る。人物の性格が異なれば、その言動の意味するところも変わってくる。
主題――作者が描きたかったのはどんなことか。人物の成長や苦難・挫折などいくつかのパターンがある。小説を多く読んでいろいろなパターンに触れておこう。
本校の場合、この分野でも人物の心情や小説のテーマなどについて解説文で問題にしてくれている。そこには詳しい説明など解答のヒントも多く含まれているので、しっかり読んで正解につなげたい。

[まとめ]

文量の多さへの対処が重要になる。速く・正確に読めるように多くの文章を読んで経験値を上げておきたい。
問題も兼ねている解説文については、多くの試験では記述で答えたりたりする部分を選択式の穴埋め問題にしてあるので、手がかりも多くなり取り組みやすくなっているとも言える。記述問題への特別な対策が必要でない分は荷が軽いので、しっかり読解力を養うことに注力しよう。言語事項もひととおり訊かれるので手を抜かないように。

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2022年度「中央大学附属中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

読む分量の多さに対処する必要がある。解説・補足文も解答に直結するためしっかり読まなければならない。読むスピードをつけておくこと。
解答数は51問とかなり多いが、選択式問題がほとんどであり記述式ほど時間は取られない。

【大問一】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:33分
  • ★必答問題

単調に抜け殻のような人生を送ってきた主人公と、生き物の抜け殻を集める口を利かない少女との、奇妙なふれあいが描かれる。

問1 a 持病  b 始終  c 手配  d 箱庭  e 無心

問2 少女の不幸な家庭環境について知らされた今、口を利かない少女に大人として気遣い声をかけた方がよいのか、あるいは逆に声をかけない方が気遣いになるのか、立ち去ろうにも考えが巡ってしまって動けなくなっているようである。

問3 会話こそなかったが、ひよこのトラックを見たことで二人の間に意思疎通が起こり、わずかながらもある種の関係性が生じたのである。

問4 A. 黙って通り過ぎるスペースはなく、かといって話しかけて無視されたら「ますます」事態はややこしくなる。
    B. しかし「そもそも」なぜ少女は階段に腰かけているのか?
    C. 少女を観察するうちに「だんだん」わかってきた。

問5 最初はセミの抜け殻を渡された意味がわからなかった(ア)が、その手をよく見てみると(カ)、抜け殻が少女にとって大切なものであるとわかって(ク)、抜け殻を受け取ることにした(シ)

問6 セミの抜け殻がプレゼントなのかは確信が持てなかったが、少女が渡してくれたものであることを思うと、自然と手に取ってしまう。これは主人公の少女に対する感情が深くなっていることを示している。

問7 抜け殻を観察する(エ)うちに抜け殻の精巧さや綻びのなさなど、それ自体に価値があることに気づいた(ク)。当初は少女にどう接していいかわからなかった(イ)が、抜け殻を介した付き合いを通じて少女を理解していくことで、自分もかつてそうだったのだろうかと過去を振り返っている(カ)

問8 ウ. 少女が普通に話す子供だったら、トラックに積まれている縁日用のカラフルなヒヨコについて質問され、その悲惨な末路を説明しなければならなかったかもしれず、そうならなくてよかったと思っているのである。

問9 ドアマンとして四十年近く、毎日代わり映えのしない作業を繰り返している生活である(ウ)。職場の若い同僚とはほとんど会話もないが(オ)、主人公のほうからも付き合いを深めようとはしていない(ク)。主人公がいなくなっても誰も気にとめないであろう(コ)、抜け殻のような生活なのである。

問10 抜け殻を見ていくうちに、それ自体が美しく意味のあるものであることに気づいた(エ)主人公は、ホテルに来る子供たちにもそれまで感じなかった思いを持つようになった(オ)。普通に考えれば抜け殻とは空っぽで価値がないもの(キ)だが、少女にとってはそこにはかつて存在した生命の沈黙があり、大事に掌で包んで主人公に届けているのである(コ)

問11 トラックが事故を起こし、あわて騒ぐヒヨコたちを少女は安心させようと声を出した(ア)。それまで口に出さなかっただけで、こころの中には言葉があったのである(オ)。この時、主人公も少女も「大丈夫」という同じ言葉を発している。初めて聞いた少女の声を、主人公は自分だけに与えられた「贈り物」だと感じている。それまで無言で一緒に抜け殻を見ているだけでも通じ合うものを感じていた(キ)が、初めて聞いた少女の声に抜け殻のように空虚だと思っていた自分が満たされたような感動を覚えたのである(サ)

【大問二】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:17分

ある一編の詩を題材に、日本語が音声言語としては貧弱で、文字という視覚情報によりかかった言語であることを述べている。

問1 例として挙げられている詩は、文として読むと難解で普通の人には意味が分からな
い。そのような状態を「日常の文脈の外側にあり」と表現したのだと考えられる。

問2 意味は分からないが「図像」として惹かれたのだと述べられている。街に描かれるスプレーの落書きにもなぞらえ、すこし後では「知らない・わからない」ことに独特の価値があるとも述べている。「意味」で考えた場合とは異なる魅力が感じられたということであろう。

問3 「意味」ではなく「図像」に惹かれて書き写していたのであるから、漫画の絵を模写するようなものである。

問4 B. 「自分に読解力がない」→劣等感
    C. 「詩人が悪い」→さかうらみ
    D. 難解な詩など「こけおどし(愚か者を感心させるような見え透いた手段)」が気どりだ。

問5 「わからなさ」を受け入れることも詩の鑑賞の一つの形であり、それによって感じられることもあるのに、「意味」にばかりこだわってしまうのはもったいないと、筆者は思っている。

問6 問2・問3でみたように、筆者は意味が全く分からない詩を見た目のカッコよさ(図像)に魅力を感じて書き写していたのである。

問7 「のれる」という能力を得ることは、逆に言うと「のれない」という能力を失うことである。筆者が詩の意味が「わからない」という能力を持っていたおかげで、詩の「図像的魅力」に気づけたのだということを、「自転車にのれる・のれない」という表現で例えているのである。

問8 J. 「たびたび」書き間違えた。
    K. 「ひときわ」目を引くのが…。
    L. 「それほど」不自然ではない。 

問9 この詩には「文字」でしか伝わらないニュアンス・イメージが多く含まれていて、音読したのではそれらは理解できないのである。

問10 漢字や行変え・余白などに作者が込めた意味を無視して、ひらがなだけ・カタカナだけで書かれても変わらないような詩の読み方ということであろう。

問11 問題部分のような読み方では、漢字一文字ずつが行変えして横一列に並んでいる図柄がまったく伝わらない。

問12 漢語とその文字が日本に入ってきて以降、読み方が同じ字が多数あり、ひらがなと漢字でも雰囲気が異なるなど、字面を見ないと伝わらない部分が日本語にはあるのである。

問13 明治維新以後、西洋の事物や観念を和製漢語にして取り入れた(イ)。以降、読み方の同じ字が多数生じて音声では区別がつかなくなった(カ・キ)。この欠点は反面、目で見た文字表現は豊かであるという美点でもある(シ)。筆者も詩の図像としてのカッコよさに惹かれた経験を持つ(ソ)。それは、意味がわからなくとも伝わるものがあるという、文字の力が体現された経験だったのである(チ)

攻略のポイント

問題自体は特別に高難度というわけではないので、時間が足りずに問題に手が付けられないという事態になったらもったいない。過去問で文章量の多さによく慣れておき、とにかくひととおりは目を通せるように、長文を読むスピードはぜひともつけておきたい。
解説文の穴埋め選択肢という形式にも十分に慣れておくこと。選択肢問題が大半であることも意識して類似問題をこなしておくこと。
漢字やことばの知識も難問ではないので、地道に覚えておいて得点を稼ごう。

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