星野学園中学校 入試対策
2025年度「星野学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問6つに説明的文章・文学的文章と漢字・文法・言葉の知識などが割り当てられている。素材文の文量は計5000~6000字ほど、総解答数は40問前後。
設問は記号選択が多く、年度により書き抜きや記述問題が数問出題される。記述は40~50字ほどで、文中の適切な部分をまとめることで答えられる問題が多い。自分の考えを述べる論述タイプではない。
説明的文章の読解
社会科学分野の論説的随筆文が多く用いられている。自然科学分野の論説文のような難しい専門用語もなく、読みやすい。また、丁寧な脚注がつけられているので言葉が難しくてわからないといったことはなさそうである。説明的文章の読解の基本を身につけよう。
まずは段落の整理。形式段落を意味段落にまとめ、意味段落の内容をおおまかに理解する。段落のつながりも考えておこう。接続詞は大きな目印になる。次に段落ごとの要点と細部の区別。要点やキーワードは傍線などですぐ探せるようにしておこう。そして全体を見渡して要旨と要約を考える。要点を結べば要約ができ、その最重要点が筆者の言いたいことである。選択肢の問題で「本文に合うもの・合わないもの」を選ぶ際に、ここが整理できていれば迷わず正解を選べる。
文学的文章の読解
小説が出される場合が多い。学生時代の部活動や子供時代の回想場面など、小学6年生にも理解しやすい設定の話が多いので、難しくは感じないだろう。こちらも選択肢問題が主で、ここ数年は記述問題が1問含まれている。文中から適切な部分を見つけて整えれば解答できる問題が多い。小説の読解の技術を磨いておこう。
まず、登場人物の名前・人数・それぞれの関係や性格などをチェックしよう。祖父母や孫など、関係が複雑になるとわかりづらくなるので、しっかり見分けておく。場面の変わり目に注意する。時間・場所・人物の入出などから、場面の転換を考える。「全体を大きく○○つに分けなさい」などと、場面の変わり目そのものが問題になる場合もある。そして最重要点である人物の心情を把握する。設問に当たるより前に、傍線など問題になっている部分の理由や気持ちを考えながら読み進めよう。心情がわかる部分にはしるしをつけてしまえば後でわかりやすい。最後に全体を見渡して、作者が描こうとしたこと・テーマを考える。主人公の悩み・葛藤やそれを乗り越えての成長などが描かれることが多いだろう。
説明的文章と異なり、小説は詩のような文学的な技法が使われる場合も多く、読み慣れていない人にはわかりにくい。ぜひ、日常的に物語・小説を多く読んで、文学的文章に慣れておくことをお勧めする。
漢字・文法・ことばの知識
読解以外の分野も気を抜けない。この分野で2割の配点があり、失うと痛手となる。
漢字の読み書き・画数・敬語などのことばのきまり・慣用句や四字熟語などの言葉の知識と、一通りの出題がある。読解問題にも混じって出題される。難問集などの必要はないので、標準的な漢字や言語事項、文法の教材をしっかりこなしておこう。
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2025年度「星野学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は2題で計6000字ほど。2024年度・2025年度では記述問題が出されなかった。漢字や言語事項など時間がかからない問題もあるので、時間は足りるだろう。
言語事項・文法がしっかり出されているので、基本的なレベルでよいので丁寧に学習しておこう。
【大問一】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:21分
- ★必答問題
日本の水資源の現状を食の問題と重ねて紹介し、注意を促している。
問一 a. 集中―分散 b. 反対―賛成・同様など c. 廃棄―保存・利用など
問二
Ⅰ. 日本は水に恵まれた国である。「でも」、よく考えてみると~疑問に思うことがある。
Ⅱ. 実は使える水が少ない理由を二点挙げ、「さらに」と三番目を挙げている。
Ⅲ. 話題を別の方向に振っているので、「一方」。
問三 直前まで日本は水が豊かな国だということを述べていたが、果たして「本当に」そうなのかと、読者に考えてほしくて強調している→選択肢イ。
問四 「こうしたこと」として、雨がすぐ海へ流れて水を使いにくくなっている・雨の降る時期が集中している・人口一人当たりだと豊富とは言えない、の三点が示されている。
問五 このあとで、水の問題と作物の生産や食料自給率との関係性が論じられている。
問六 日本が大量に輸入し、大量に廃棄している食料の生産にもその国の水が使用されている。これは形が変わっただけで、実際には水を輸入しているのと等しいわけである。
問七 「日本人の食卓が、他国の食料不足、さらには水不足の一因になっている」とある。水問題と食糧問題には関連があり他国にも影響を及ぼしていることを知り、大量の輸入食料を廃棄している日本の現状について考えてもらいたいと筆者は思っているのである。
問八 ア
〔ワンポイント!――選択肢問題が多い試験だが、選択肢ひとつひとつの文も長めで読む量は多くなる。選択肢全体を集中して読んで、本文との相違点や一致点を見逃さないようにしよう。〕
<時間配分目安:21分>
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:21分
- ★必答問題
絵を描くのが好きな主人公は、尊敬する画家のウツギとその妻カエデとの交流で、自分に足りていなかったものに気づかされ、一度失敗した絵を描き直したいと意欲を取り戻す。
問一
Ⅰ. カエデに連れられて林に入っているので、「なんとはなしに」ということではない。
Ⅱ. 「悲しい」といった明確な理由があるわけではないので、「わけもなく」。
Ⅲ. 「どことなく」といったあいまいな感じ方ではない。
問二
A. 胸が熱くなる――強い感動がこみあげる。
B. 取りこし苦労――将来のことをあれこれ考えて、無駄な心配をすること。
問三 「ウツギの絵と、もういちどきちんとむきあいたいと思った」と理由が述べられている。カエデの言葉から、木にはそれぞれに個性があることに気づかされ、それまでなんとなく眺めていたウツギの絵を確かめたくなったのであろう。
問四 ウツギの絵からは、木々の個性だけでなくカエデとの関係までが想像され、「ほんとうに伝えたいことを描く」というウツギの姿勢に感動し、言葉で言い表せない気持ちになっている。
問五 紅葉みたいだと言われて緑で塗りつぶしてしまったてんぐんじょうの絵だったが、元のそれは主人公が山を見て素直に感じ取った姿だった。そのことに気づいた今、自分が感じた本当のてんぐんじょうの姿を描きたいと、意欲を覚えているのである。
問六 少し後のウツギの「それがわかったなら、絵具も筆も、かしてあげられないね」という言葉を見落とさないように。主人公は今すぐ描きたい気持ちが高まるあまり、「絵の具を貸してください」と口に出してしまったのである。
問七 主人公の父親も若い頃からウツギの絵のファンで、息子である主人公にウツギが使っているのと同じ絵具を与えている。主人公が絵を描くのが好きで、ウツギの家を訪問している今の状況も、そんな父親の影響だったとも考えられる。
問八 アは「第三者の視点によって」、ウは「自分のからに閉じこもって」「絵を通して再び他者と向き合おうとする様子」、エは「父親の愛情によって」「大胆な場面の切りかえ」などが本文には描かれていないか、内容と合わない。
〔ワンポイント!――言語事項は定位置にまとめてくれているので、取り組みやすい。知識問題は先に終え、読解と選択肢問題に時間を掛けられるように調整しよう。〕
<時間配分目安:21分>
【大問三】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:大問四と合わせて4分
1. 垂れる 2. 補う 3. 許可 4. 美徳 5. 俳優
【大問四】画数
- 難度:標準
- 時間配分:大問三と合わせて4分
1. 七 2. 十 3. 十 4. 十一 5. 七
<時間配分目安:大問三・大問四 合わせて4分>
【大問五】四字熟語
- 難度:標準
- 時間配分:大問六と合わせて4分
- ★必答問題
1. 一刻千金 2. 表裏一体 3. 四苦八苦 4. 五里霧中 5. 笑止千万
【大問六】漢字
- 難度:標準
- 時間配分:大問五と合わせて4分
- ★必答問題
1. 留める 2. 〇 3. 周知 4. 〇 5. 判
<時間配分目安:大問五・大問六 合わせ4分>
攻略のポイント
素材文の文量は他の難関校と比べると少ない方である。2019度はすべて選択肢問題だったがそれ以降また記述問題が出されており、年度により異なるので準備はしておこう。
長文読解以外の部分も手を抜かずに。漢字・文法・ことばの知識がしっかり出題される。一部は読解問題の中でも出されている。
長文読解・知識問題ともに難問集などで練習する必要はないので、基本レベルの実力を着実につけておこう。差がつきにくい試験なので不用意なミスの無いように。
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