法政大学第二中学校 入試対策
2025年度「法政大学第二中学校の理科」
攻略のための学習方法
5年生のうちに受験範囲を一通り終え、6年生の1学期と夏休みは総復習の期間となる。この時期は、各単元を順番に細かく深掘りするのではなく、知識と定番の解法を全範囲にわたって確実に定着させることが最優先である。
そのためには、まず知識の暗記用テキストを1冊に絞って徹底的にマスターするところから始めたい。暗記は一度やれば終わりではなく、時間経過とともに忘れていくもの。継続的な再確認が必要であり、専用の「暗記のための時間」を意識的に確保すべきである。毎日10分、あるいは週に3回20分ずつなど、計画的な暗記のルーティン化が効果を高める。
並行して、6年生用の受験テキストの例題・基本問題に取り組み、テンポよく進めていきたい。もし苦手な単元が見つかれば、5年生のテキストに立ち返って復習することが肝要。1周、2周、3周と繰り返す覚悟で、不得意分野には印をつけて徹底的に反復練習する。思いのほか基本が抜けていることに気づかされるはずだ。
基礎的な知識と解き方が身に付いたところで以下の単元ごとの対策を参考に、法政大第二中理科の本格的な対策に入ってもらいたい。
【時事問題】
本校は、日常的にニュースに関心を持ち、家庭内で時事を話題にするような、生きた社会常識を備えた生徒を求めている。そのため、時事問題対策としては、小学生新聞の購読を勧めたい。受け身の暗記ではなく、日々の生活での関心と対話が重要である。
年末には受験用の時事問題対策本が各社から出版されるため、内容を整理し、重要テーマが明らかになった段階で、関連語句や背景知識を正確に覚える学習へと進めること。内容の深さを意識した、計画的な対策が求められる。
【物理】
単なる定番の解法の活用ではなく、一つひとつの原理と手順を丁寧に積み上げることが求められる。6年生の1学期には、受験用テキストの進度に合わせて、各単元をじっくり深掘りする学習が効果的だ。レベルの高い定番問題を一問ずつ丁寧に解き、時間をかけて「自力で解ける感覚」を養うことが重要である。
本校の出題傾向は、理科的なひらめきや柔軟な発想を試すというよりも、積み重ねた技術力と手順の確実さを評価するタイプ。いわば、職人的な粘り強さを活かした勉強法こそが合格への近道となる。
【化学】
化学では計算力の確実な定着が最重要である。ただし、受験用テキストの発展問題を深掘りしすぎる必要はない。複雑な解法技術を追い求めるよりも、基礎的な計算を数多くこなし、使いこなせるようになることが合格への鍵となる。
もし、受験テキスト内に本校の傾向に合った問題が少ないと感じた場合は、他校の過去問から類似の問題を選び出して反復演習することを強く勧めたい。量と慣れが、確かな得点力に直結する分野である。
【地学】
地層の柱状図を除けば、特殊な受験テクニックはほとんど必要とされないのが地学の特徴である。特に気象分野では、単なる知識ではなく、現象の「仕組み」を深く理解しているかどうかが問われる。天体分野では、典型的な入試問題というよりも、「天体ショー」や「宇宙探査」などの時事的トピックに関連した出題が多く見られる点に注意したい。
地学全体を通じては、受験用テキストの発展問題にじっくり取り組みながら、地学分野の考えさせる問題を通して様々な地学的テーマの理解を深めて行ってほしい。
【生物】
近年の出題傾向を見ると、生物分野は高度な知識や応用力を求められる内容から、より基礎的な理解を重視する構成へと変化してきている。そのため、まずは受験用テキストの例題や基本問題を軸に、全単元にわたる基礎知識を盤石に固めることが重要である。特定のテーマに偏らず、動物・植物・人体・生態系といった各分野において、「基礎であれば即答できる状態」を目指したい。また、外来種など環境問題と結びつけて考える設問も見られるため、受験知識と社会的な感覚をリンクさせる意識を持ってほしい。
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2025年度「法政大学第二中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
制限時間40分で、大問は2023年までが6問、2024年・2025年は5問構成。算数・国語と比べても制限時間に大きな差はない。記述問題は少なく、ほとんどが選択や語句記入の形式である。スピードよりも、設問や図表を丁寧に読み取り、正確に答える姿勢が求められる。
【大問1】生物:植物
- 難度:易
- 時間配分:4分
- ★必答問題
(1) 気孔、孔辺細胞、表皮細胞のそれぞれが正確にどの部分を示すか。
(2) 気孔とさく状組織と海綿状組織で葉の表側は上部と分かる。
(3) 茎と葉からの蒸散量を正確に測るには水面からの水の蒸発は防がなければならない。
(4)(5) 消去算を活用して茎、葉の表、葉の裏それぞれの蒸散量を計算する。
(3)(4)(5)は蒸散の実験。ワセリンや水面の油の目的、消去算を活用した植物の体の各部分の蒸散量の計算。これらをひとつのつながりのあるものとして理解してほしい。全体として常識範囲の内容なので、全問正解を目指したい。
<時間配分目安:4分>
【大問2】地学:天候
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1) 温度変化と体積変化の関係や密度の意味を明確に理解しているか。
(2) 気圧が高くなる理由と低くなる理由や、高気圧と低気圧の相互関係が分かれば解ける。
(3) 熱量の違いから、海と陸のあたたまりやすさ冷めやすさの違いを考える。
(4)(3)と同様なことが、大陸と海でも生じている。
内容は基本的だが、表現が難しく、問題文を読み取ることができたかが問われた。(3)のジュールを知らなくても前後の意味は明確なので、文の流れについて行くことができれば正解できるはず。(4)は慎重に読み取る必要があることと、「全て答える」形式であることで苦戦した生徒は多かったのではないか。
<時間配分目安:6分>
【大問3】化学:金属の燃焼
- 難度:易
- 時間配分:7分
- ★必答問題
(1) 酸素は植物の呼吸と光合成に関係し、金属の燃焼とさびにも関係している。
(2) 金属の燃焼のグラフでは吸収された酸素の量にも注目すること。
(3) つるかめ算を使用する、定番ではあるが、やや発展的な問題。
金属の燃焼は定番の計算問題。グラフの読み取りや割合関係をもとめるなどの問題形式は様々あり、最終的にはつるかめ算の使用となる。計算問題は「定番の問題」はかなりレベルの高いものまで十分に練習したい。
<時間配分目安:7分>
【大問4】物理:浮力
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
(1) 木の立方体の重さは浮くために押しのけた油の重さと等しいことから考える。
(2) 木の立方体の水面上の体積から、それを沈めるための重量を求める。
(3) 図の状態から、三角柱は木と分かる。水面下の体積から浮力が求まる。
(4) プラスチックと水の密度が等しいことから類推する。
(5) 60字の記述は練習しておくべき。
浮力の考え方自体はさほど難しくはないが、(3)のような形式で出題されると問題レベルはかなり上がってしまう。塾などで習う「考え方」「解き方」を自分の知識として様々な場面で活用できるようになるためには、時間をかけ実戦練習を積まなければならない。少なくとも9月までには「習う」勉強を終えて、多くの時間を実戦練習に費やす必要がある。
<時間配分目安:13分>
【大問5】地球環境:温暖化対策
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1) イーフューエルについての知識がなければ答えられない。
(2) 温室効果ガスの抑制のための世界的取り組みを整理して置く必要がある。
(3) 石油や石炭は古くから利用され、原子力は東日本大震災から抑制された。
(4) 現在の世界の中で炭素が循環しているだけで全体としての増減には影響しない。
地球温暖化は理科の時事問題では大きなテーマ。「日本の一次エネルギー供給量の推移のグラフ」は今まで様々な学校で出題されて来た。国連の様々な取り組みも重要である。時事問題は、テーマによっては前年度のみではなく、さかのぼって体系的に整理して置く必要がある。「昨年度版」の時事問題集を早めに入手しておくことも必要である。
<時間配分目安:10分>
攻略のポイント
まずは、全分野にわたる基礎知識と基本的な解法パターンを丁寧に総点検することが重要である。本格的な対策に入る前に、知識の抜けや理解の不十分な部分をできる限り解消しておきたい。
本校の入試対策は、6年生用受験テキストの発展問題に腰を据えて取り組むことが柱となる。正しい知識を積み重ね、それを活用して考察できる力を養うことが、合格への確かな土台となる。
加えて特筆すべきは、時事問題対策である。他校以上に明確な出題意図があり、内容も深いため、年末以降には特別の時間枠を設けて、集中的に取り組む必要がある。
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