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明治大学付属明治中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「明治大学付属明治中学校の算数」
攻略のための学習方法

「正攻法で攻めよ」明明の算数対策を一言で表わすならば、これに尽きる。
とりたててスピードも要らないし、超難問を解きほぐせるひらめきも要らない。受験算数という枠組みの、真ん中の道を進んでいけば、おのずから合格への道は開けよう。

《オーソドックスな問題》

50分で大問5題、設問15・6題という分量はきわめてオーソドックスである。上位校としては、やや少なめかもしれない。普通に研鑽を積んでいけば、時間不足になって解けないと言うことは無い。持っている力を十分に出して問題にあたれるはずだ。

また、難易度について言えば、やはりオーソドックスな難問が並んでいるという感じである。易しいとは言えないが、決して解けないレベルではない

他校に見られるような「捨て問」の類がきわめて少なく、0点から100点までで算数の力が競える。点差はつきやすくなるが、算数が得意な生徒は満点近くを狙えるし、なにより奇問・超難問によって生徒が悩むことがないのはきわめて評価できる点だ。どの問題にも既視感があり、生徒は安心して問題解法に進んでいけることだろう。

しかしながら、明明の壁は高く、そのハードルを越えるのは容易ではない。

つまり、自分から見て「簡単だ」と思えるものは他者がみても同じであり、自分から見て「やりやすい」と思えるものは、他者から見てもやりやすいからだ。ここは誤解しやすいところである。明明の競争率が高いのは、テスト問題へのとっつきやすさも影響している。

ある生徒が「やりやすい」と感じて選択するとき、他の生徒たちも同じ感想を持って明明を選択している。奇問・超難問を克服するよりは確かに対策は立てやすいが、いまわの際でライバルたちに差をつけなければならない困難さも理解しておこう

《公式の応用》

では、実際の入試問題において、明明対策はどのようになされるべきか。

どの問題にも一貫して言えることは、手数のかかる問題が多いと言うことだ。大問【1】の計算問題から始まり、大問【5】最後の設問に至るまでそれは徹底している。

「公式」と言うものがある。「公式」に当てはめれば答えが出るという問題も数多く存在するが、明明ではあまり見かけない。(「公式が分れば解ける」これは簡単を意味しない。特異な公式を使えば一発で出来ても、知らないと解けないか解法に苦労するという問題はたくさん存在する)

代わりに多く登場するのが、「公式」は分っていても、それだけでは解けないという、公式の応用を試される問題である。

明明で頻出の内容に「速さ」と「割合」がある。
この2つの内容は、誤解を恐れずに言えば、公式は一つずつしかない。
よく「割合の3用法」とか「速さの3つの公式」とか言うが、1つの式の解く箇所を変えているだけである。だから、普通の受験生であれば「公式」を知らないから解けない、という分野ではない。

平成27年度の問題にも、この2つの分野から出題はいくつも見られる。「食塩水」と「速さの比」と形を変えてはいても、使うのは「割合」と「速さ」の公式である。しかし、解ききるのは容易ではない。公式を何度も駆使して、ようやく解答までこぎ着けるというスタイルを取っている。

つまり、明明の算数では「公式の暗記量」よりも「公式の応用」に完全に重点が置かれていることがわかる。「規則性」の問題が意外に少ないのは、「規則性」の場合、その周期や決まりが分れば「公式」にあてはめて一発、という問題が多いからではないか。その代わり、「場合の数」のように、究極的な解き方は「数え上げる」という手法になる内容は多く出されている。

さらに言えば、明明の場合、「公式」にあてはめてさらっと解ける問題を避け、非常に手数のかかる、作業中心の問題が多い

大問【1】では、計算問題は分数や小数、整数の混合算であり、逆算を要求されることもある。ここでも、「計算の工夫」一発というよりは、泥臭く計算を積み上げていくという問題が多い。一行問題には「和と差」「割合と比」「平面図形」などが多く出題されるが、やはり「公式は知っている」という前提でそれを使いこなせるかどうかが試されている。

大問【1】は、式は不要で、答えだけを求めればよいという形式ではあるが、大問【2】以降とさして変わらぬ作図や式が必要となる。多少難易度が低く設定されているだけである。

大問【2】以降では、より手作業が必要な問題が増えてくる。
「割合と比」、「速さの問題」、「場合の数」などである。

これらの内容は、大問【1】よりも難易度が高めに設定されているがやることはさして変わらない。よく知っている、よく使ってきた「公式」や「考え方」を用いて、丹念に作業を積み重ね、正解まで持って行くという地道な努力があるだけだ。

しかし、学校側はまさにそこを要求しているわけで、コツコツと作業をしていく問題が得意な生徒には向いていると言えるだろう。

その代わり、男子によく見られる例で、ひらめきにかけては自信があるが、ノートに式を書いて求めていくのはイヤ(何が書いてあるのかさっぱりわからない~)という生徒、または苦手な生徒はこれから自分自身のやり方を方向転換しなければならない。この学校の姿勢がそうである以上、それに合わせて自分のスタイルを変えていくのが賢明な受験生である。

今までのことをまとめると、この学校では作業を要求される問題を多く出題するので、生徒はそれに対応できるように努力するべし、と言うことになる。

《実践問題演習》

では、どのように普段の勉強を積んでいけばよいか。

まず、大問【1】レベルの、基本ではあるが、基本の中では最上級クラスの問題の解き方を身につけることが先決だ。ここでの5問は、明明合格への競争に参加できるかどうか、という資格が問われるところだ。このレベルで苦戦しているようでは、まだ後半の問題に取りかかるのは早計である。まずは一行問題を極めよう。手元によい問題集なり参考書があるはずだ。

そして大問【1】を突破し、大問【2】~【5】の問題に挑むにあたっては、過去問も含め、解く問題の分量はどうしても限られてくるので、要領よく時間を使って“合格の力”をつけたい。

大切なことは、問題の難易度に注意するということ。問題が易しすぎては話にならないが、超難問に時間を費やしても「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」である。自信もなくしかねない。過去問と同じ難易度を持つ他校の問題、たとえば「芝中」や「城北中」のような、男子進学校の問題を選んで解けばよいだろう。後半にある「捨て問」覚悟の難問ではなく、中盤の問題で十分だ。

また、出題範囲は限られているので、その分野の問題に絞って作業のコツなどを身につけながら力を蓄えていくのもよい。

特に、「動く点」の問題や「場合の数」の場合は、式ではなくて、表などに数値をまとめていくことが多い。ていねいに数値を数えていけるよう、普段から気をつけて作業に臨みたいものだ。
はじめのうちは時間を気にしなくてよい。納得いくまで時間をかけて問題の深みを味わおう。明明の難易度が体感できるはずだ。

秋が深まってくる頃には、大問1つを8分以内にこなせるスピードを会得し、算数で高得点が取れるよう仕上げていきたい。

算数の基本的な力を持つ生徒であれば、誰もが挑戦可能な難易度で「おもてなし」をしてくれる学校である。自分なりにテーマを持って挑戦し、合格を目指してもらいたい。

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2021年度「明治大学付属明治中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5題、小問が15題。
はじめに計算問題を含む小問が5題あり、そのあと大問が4問という並びは例年通りである。
【大問1】は答えのみ、【大問2】以降は、式や考え方も解答用紙に書き込むという形式で、出題傾向も明確であり、過去問の対策を十分にしておけば合格点はしっかり取れる学校である。問題のレベルは以前に比べるとやや易しくなっている。
時間と問題数がマッチした学校であり、良問が多く受験生は時間に追われることなく自分の力を十分出せる分量になっている。

【大問1】小問(計算・相当算・倍数算・つるかめ算・数列)

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

(1)はじめの計算問題は7年連続で□が中ほどにある逆算の問題。ここは確実に正解しておきたい。
(2)は小学5年生相当の相当算で、数値は細かいものの解き方は基本的なものだ。
(3)倍数算にもいろいろあるが、これは「差が一定」「和が一定」の関係を使うもので、倍数算の中では基本レベル。比の大きさをそろえるのも面倒くさくはない。
(4)3種類のものをあつかうつるかめ算だが、6の目と1の目の部分を1つにまとめて通常のつるかめ算に持って行く。
ここまでの3問はいずれも「易」に近い「標準」レベルで、正解必至。
(5)本年度はこの(5)のみ、往年の明大明治算数を彷彿させるレベルになっている。200を素因数分解すると2×2×2×5×5となるので、2と5の倍数は約分される。そこでそれ以外の分子を書き出していくと、1,3,7,9,11,…,199となっていて、あとは4つずつグループにして等差数列の公式…と進む。良問なので解き方をマスターしておこう。

【大問2】速さ

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

昨年度に続いて【大問2】は「速さ」の問題となったが、旅人算などではなく、(1)では逆比を用いて、(2)は植木算風の問題になっている。
(1)AとBの速さの比から時間の比を求め、その差が2秒、という基本問題。与えられている速さが分速なのでそこだけ注意すれば問題はない。
(2)ではCさんの速さと12分から進んだ距離を求め、その距離をAが何分かかるかを求めてひき、残った時間を秒に直してから休けいする回数で割る。答えはハンパになるもののレベルが高い設問ではない。

【大問3】平面図形(相似と比)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

本年度のテストの中で、勝敗を分けたのはこの【大問3】ではないかと思う。大変素直な問題ではあるものの、(1)が解けなければ先に進めない。
(1)では、問題の条件から三角形EBFと三角形GDHが相似な関係にあることをつかめるかどうかにかかっている。「EFとGHは平行」というところを見逃すな。
(2)ここでは相似ではなく、面積と辺の比を使って問題を解く。三角形EBFと三角形ABCの面積比は与えられているので、「EB×BF」:「AB×BC」=面積比からBCの長さを求めれば良い。
(3)では、辺FGを延長して補助線を引き、三角形ABCの外側に小さな相似な三角形を作るという技術が求められる。その上で新しい相似比を出して答えまでたどりつかなければならない。ここまででは最も難易度の高い設問だろう。

【大問4】食塩水

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

たくさんの条件が与えられた問題ではあるので、どの条件を使ってどこから解けば良いか、という部分を見誤ると時間ばかりかかって正解に至らない可能性がある。要するに、問題文を最後まで読んでから問題に取り組んだ方が良いと言うことだ。
(1)を解くには、問題文後半の数値を使う。140gの食塩水Cに1.9%の食塩水を50g加えたところ8.9%(190g)になったということだから、食塩水の公式にもとづいてCの濃さをも冷めれば良い。面積図・てんびんなどに頼らずとも答えは出る。
(2)(3)は、Cの濃さが求まったので、前半の連比をAとBの比に改め、2つの式を作って消去算として求めれば(2)(3)のいずれも答えが求まる。
計算は細かいものの、解き方はやはり基本的である。

【大問5】ニュートン算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:9分

明大明治名物「ニュートン算」、本年度は【大問5】に登場。難易度は相変わらずやや難しいものの、過去問対策をばっちり行ってきた生徒にはちょうどよい湯加減の問題である。
(1)分からない数値が2つあるので、それぞれ①や□とおいて2つの式を作り、そこから消去算風に答えを出していけば良いのだが、仮にそれを正確に行ったとして、1分あたりに並ぶ人数が小数で求まってしまうところがもっとも「?」となってしまうところかもしれない。比1あたりが小数なら、比3あたりも小数になる。間違ったかな…と背筋がひやりとするところ。たとえば、駐車場から車が出入りするニュートン算などで、1分あたりの台数が小数や分数になる問題を解いた経験があれば「大丈夫、おかしくない!」と自信を持って設問にも答えていけるはずだ。
(2)(1)での悩みを乗り越えられた生徒に与えられた最後の試練である。ここでも減っていく人数が小数になるのでやや不安が…しかしここも計算していくと最後の答えは整数になりホッとする。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。受験者平均が48.2,合格者平均が63.5と前年度よりも問題1つ分くらい下がった。問題の質はそう高くないので、算数が得意な生徒は満点近い得点が出来たのではないか。
【大問1】から【大問4】まではすべて正解して欲しいところ。最後のニュートン算は例年と同じくレベルが高く、その前までで点数を積み重ねておきたい。
明大明治特有の、条件の複雑な大問群に立ち向かうには、基本問題の徹底履修だけでは難しく、基本的な公式や解き方を身につけたら、設問が2つ以上ある,条件の複雑な問題にもトライしてみることがおすすめだ。また、「割合と比にかたよった出題」は変わらないものの、2年連続して出題された「立体図形の切断」が再度出されるかもしれない。こちらにも十分に手を尽くしておきたい。

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