大妻中学校 入試対策
2025年度「大妻中学校の社会」
攻略のための学習方法
傾向
2019年度では問題数が大きく減ったが、2020年度以降は以前の傾向にもどった。全体としての難易度は上がってきており、今後の傾向に注意しておかれたい。
大問それぞれが、地理・歴史・政治や時事問題と、分野ごとの総合問題形式で出される。
短いリード文もあるが、設問は下線部や穴埋め部分に対する一問一答の形が大部分である。記号選択問題は少なく、用語記入が多い。
記述は、出来事・用語の説明や、簡単に理由を訊くようなものが多かったが、2019年度以降では思考力も要求される内容が多くなった。
解答数はまた増えているが、考えさせる問題を増やすという傾向はみられるため、暗記だけでは対応できない問題が増えることが予想される。その点を考慮した訓練が必要になりそうである。
地理分野
総合問題形式で、各地の地名・地勢・産業の特色などについて幅広く出題される。
地図やグラフ、統計資料も多く用いられ、地形図の読み取りの問題も過去に見られた。
また、世界地理についての質問も織り交ぜられるので、主な国や地域はチェックしておく。
伝統産業の位置など、細かい知識を問われる場合もあるので、単に用語だけでなく、関連事項も覚えている必要がある。
地図・白地図・資料集などで地名や位置、周辺の様子も合わせて整理しまとめておくとよい。
歴史分野
ある一つのテーマをもとに、いろいろな時代について総合的に問うパターンが多く見られる。
過去には、世界遺産のある土地に関係する歴史や各時代の外国との交流などに関しての出題などがあり、その話題は多岐にわたる。
この分野では、難しいとされる出来事の並び替えの問題も出されている。
発生した時期が近い出来事の並び替えなどは、年号をはっきり覚えておくか、年表のように一連の流れを思い出せるようにしておかないと正確には答えられない。
人物や出来事について一通り覚えたら、次に年表を使って時間の流れに沿ってまとめていき、地図や白地図で合わせて場所も確認しておく。歴史史料をもとに考えさせる設問もみられるので、資料集の図版などを見分けられるようにしておきたい。
また、用語を書かせる問題が多数あるので、漢字で書けるようにする必要がある。
政治分野
憲法や政治の仕組みについて総合的に訊かれる問題が多い。
近年は、国際社会について・少子化問題・公害病を題材とした問題など、現代社会や世界の問題、時事問題などについて訊かれる問題も多く出題されている。
日本国憲法や三権の仕組みとはたらきといった基本事項を頭に入れたら、新聞・ニュースで社会の出来事や時事問題にも注目して、考えを深めておくようにしたい。
記述問題は一行ほどで物事の説明や理由を答えるものが多いが、過去には国際社会の問題で、3つのキーワードを使ってアフリカの他民族国家について考えさせるという、知識だけでは十分に答えられないような出題例もあった。全体としては典型問題が多いので、記述対策問題集などで練習し、重要事項について簡単に説明できるくらいの知識を持って、皆が答えられるような問題では失敗しないようにしたい。
まとめとして
まずは基本的事項をしっかり定着させることに専念する。記入式が多く、原則は漢字で書くのが条件なので、人名・地名・用語は漢字で覚える。また、地図・白地図が使われて位置を訊かれる問題も多いので、統計のデータと合わせて正確に記憶する。さらに、年表で出来事の流れをたどっておく。基本に忠実な学習をまずは心がけることである。
ただし、本校の場合、ときおり難しめの問題が混ざることがある。数年前の問題で1980年代の貿易交渉・GATTについて訊かれているが、最近の試験ではあまり見かけない問題である。また、選択肢に細かい情報が含まれていて、選びにくい場合もある。テキストや資料集に出ているような事項であれば、少し細かい知識まで手を広げておく努力が他の受験生と差をつけられるポイントかもしれない。
2020年度以降ではまた問題数が増えたが、思考力を要する問題も出されている。記述問題も思考力を要する内容になってきている。傾向が変わってきているので、最新年度の試験をよく見直して柔軟に対応したい。
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2025年度「大妻中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は44問だった。問題数の増減については年度による変化に注意をしておかれたい。適語記入と記号選択が多いので、全体として時間は足りるだろう。2025年度は記述問題は出されなかった。
基本的事項の問題も多いので、テンポよく解いていこう。長いリード文は無いので、一問一答の感覚でまず最後まで一通りこなして、難しい問題を考える時間を残そう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
神奈川県を題材に、各地の産業や地名などについて訊かれている。
問1 飲食や観光など、サービス業が盛んだと考えられる横浜周辺で第三次産業の従事者が多いと考えられる。
問2
(1) X. 三浦(半島) Y. 相模(湾)
(2) あ. カルデラ い. 青森 う. 十和田
問3 栃木県宇都宮市・石川県金沢市・愛媛県松山市
問4 排出量が最も多いウが自動車。鉄道は最も少ないと考えられるのでア、バスがイである。
問5 茨城県
問6 福井県で発電量が高いウが原子力。富山県で数値が高いイは水力と考えられ、残るアが火力となる。
問7 印刷の割合が高いGは東京都。石油化学の割合が高いHが千葉県で、輸送用機械が多いEは群馬県、残るFが神奈川県となる。品目(え)は各都県で一定の割合を示しているので、食料品と考えられる。
問8 燃料電池車は水素を化学反応させ電気を得る仕組みである。
問9 プラスチック
〔ワンポイント!――地図・統計・グラフなどの資料がよく出されている。資料集や問題集で読み取りに慣れておこう。〕
<時間配分目安:9分>
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
5つの市を題材として、各時代の人物や出来事などについて訊かれている。
問1 アは古墳時代、ウは先土器時代、エは弥生時代の説明である。
問2 三内丸山遺跡
問3 カード2の大化の改新(645年)より前なのは冠位十二階・憲法十七条(603年・604年)と遣隋使の派遣(607年)、後なのは白村江の戦い(667年)と壬申の乱(672年)であり、組み合わせとしては選択肢エが合っている。
問4 広隆寺は京都府京都市にある。
問5 イ. 西側ではなく、左京区の東側にある。
問6 鑑真像と東大寺の大仏が奈良時代の天平文化に属する。
問7 両方正しい。
問8 姫路城
問9 桶狭間(の戦い)
問10 〈資料2〉は福岡県である理由とは関係がない。
問11 廃藩置県(1871年)――戊辰戦争終結(1869年)・岩倉使節団の帰国・地租改正・徴兵令(1873年)
問12
(1) エ. 日清戦争後の下関条約の内容として正しい。
(2) 幕末に結んだ条約では領事裁判権が認められていたが、このとき撤廃された。
問13 (1) 米騒動 (2) 佐藤栄作
〔ワンポイント!――特定の時代に偏らず、広い時代からまんべんなく出題されている。基本事項に抜けが無いよう、丁寧に学習を。〕
<時間配分目安:12分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
2024年の出来事を題材とした問題。
問1 2025年9月8日、選挙での敗北などを理由に石破茂が首相辞任を発表した。
問2
(1) ドナルド・トランプ 共和党
(2) ウ
(3) イ. 裁判員裁判は重大な刑事事件の第一審で採用されるので、地方裁判所で行われる。
問3 A. 愛知県 B. 鳥取県と島根県は合区が行われ、一つの選挙区となった。
問4 輸出を盛んにするためにはドル安に誘導したいはずである。
問5 北大西洋条約機構(略語ならNATO)
問6 男女雇用機会均等法
問7
う. ILO(国際労働機関)
え. WHO(世界保健機関)
お. UNESCOは国連教育科学文化機関の略である。
〔ワンポイント!――前年度の出来事や近年問題となっている物事などの出題が多い。重大ニュース集などよく目を通し、特に前年の大きな出来事は注意して覚えておこう。〕
<時間配分目安:9分>
攻略のポイント
以前の傾向に戻り、年度により変化が見られる。全体としての難易度も上がり、記述問題をはじめとしてただ暗記したことを答えるだけではない問題が増えてくることが予想される。基本事項の問題も多いのでこれまで通り基礎力の充実を図ることは当然として、知識+その先を考える思考力を養えるよう、社会での出来事についてよく考える習慣をつけたい。出来事の原因や予想される結果など、一歩深く考えながら学習するよう心がけよう。
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