｢2025年は５年に１回の国勢調査の実施年｣という｢時事ネタ｣を切り口とした、都道府県ごとの｢2020年人口｣･｢2025年人口｣をまとめた｢資料｣([あ]～[こ]は｢ある都道府県｣を示している)とそれらについての｢生徒たちのまとめ｣([文章Ⅰ]と[文章Ⅱ])からの出題。｢地理｣単元の多様な知識が問われている大問だ。特に｢統計資料読み取り｣で一筋縄ではいかないものがある。以下、少しの｢設問｣を確認してみよう。

[問２]　｢湖の分類についての組み合わせ選択肢設問｣(６択)。｢史料｣中の(く)と(こ)の県境に位置する｢十和田湖｣の｢形成要因｣と｢形成要因が同じ湖｣の｢組み合わせ｣として｢正しいもの｣を答える。各選択肢の｢形成要因｣は｢氷河湖｣･｢カルデラ湖｣･｢断層湖｣のどれかだ。無論、｢十和田湖｣＝｢カルデラ湖｣だということは誰もが知っているはず⇒この段階で選択肢は(Ｃ)か(Ｄ)の｢２択｣になる。次に、｢形成要因が同じ湖｣による選択だ。｢屈斜路湖｣か｢諏訪湖｣だ。であれば、｢屈斜路湖｣がふさわしいことは当然なので、｢答え｣はその｢組み合わせ｣になっている(Ｃ)だと判別できる。｢湖の形成要因｣は本校に限らず頻出だ。｢断層湖｣｢カルデラ湖｣｢堰止湖｣｢潟湖｣｢氷河湖｣などを整理して定着させておきたい。尚、｢組み合わせ選択肢｣では自分の分かりやすい項目で、選択肢を一気に絞り込むことが肝要だ。結果として、(く)は｢青森県｣、(こ)が｢秋田県｣だと特定できた。
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[問３]　｢雨温図判別の選択肢設問｣(４択)。示されている[資料]は、(い)･(う)･｢高知県｣･(く)における都道府県庁所在地の｢雨温図｣だが、(う)のものを答える。(う)は[文章Ⅰ]から｢神奈川県｣だと特定できる。ということは｢横浜市｣の｢雨温図｣なので、｢答え｣は(Ｂ)になる。尚、｢雨温図｣は｢地理｣単元の定番中の定番なので、しっかりと整理しておくこと。
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[問６]　｢人口ピラミッド判別の組み合わせ選択肢設問｣(６択)。示されている[資料]①～③は、(あ)･(い)･(き)いずれかの｢人口ピラミッド｣だが、それらの｢組み合わせ｣として｢正しいもの｣を答える。[文章Ⅰ]と[文章Ⅱ]から、(あ)＝｢東京都｣、(い)＝｢沖縄県｣、(き)＝｢山形県｣だと特定できる。｢人口ピラミッド｣では典型的な｢少子高齢化｣を示している①は｢山形県｣になり、この段階で選択肢は(Ｅ)か(Ｆ)かの｢２択｣。次に、｢20歳代から60歳代までの人口割合｣が大きい②が｢東京都｣だと特定して、｢答え｣は(Ｅ)だと判別したい。｢人口ピラミッド｣については誰もが知っているはずだか、その細かな相違の読み取りは未知かもしれないので、確実に復習確認しておきたい。こうした細部にわたる｢資料読み取り｣が本校の特色なので、心してかかること。
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[問７]　｢表中の空所補充の組み合わせ選択肢設問｣(４択)。示されている[資料]は、(か)と｢徳島県｣における｢昼夜間人口比率｣の｢表｣だが、その中の空所　　Ｗ　　･　　Ｘ　　 には(か)･｢徳島県｣のいずれか、　　Ｙ　　･　　Ｚ　　には｢県全体における昼夜間人口比率｣･｢県庁所在地における昼夜間人口比率｣のいずれかがあてはまるが、そのの｢組み合わせ｣として｢正しいもの｣を答える。[文章Ⅰ]から、(か)＝｢愛知県｣だとすぐに分かる。そのことから、　　Ｗ　　には｢徳島県｣、　　Ｙ　　＝｢県全体における昼夜間人口比率｣があてはまると特定できるはず。よって、｢答え｣はその組み合わせとなっている(Ｃ)になる。｢昼夜間人口比率｣とは｢その地域に住む人の数[夜間人口]を基に、昼間いる人の割合を示す指標｣だということは知っているはずだが、その｢指標｣が意味するところを理解して、｢資料読み取り｣が各実にできるように練習しておきたい。
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※尚、[問８]は｢純移動人口｣(転入者数から転出者数を差し引いたもの)に関連しての｢傾向説明記述｣の設問。難問だが、冷静かつ正確に｢資料｣を読み取り、その｢傾向｣を｢条件｣に応じてまとめていくことが肝要だ。

｢米と稲作の歴史｣についての[グルーブ１]～[グルーブ３]の｢メモ｣からの出題。｢弥生時代｣から｢昭和時代｣までの基礎的な｢歴史的事項｣が問われている(地理的要素あり)。平易な問題がほとんどなので、一気呵成に得点を重ねていきたい大問だ。以下、少しだけ検討してみる。

[問４]　｢下線部に関連しての人名記述設問｣(漢字指定)。[グルーブ１]の｢メモ｣中の下線部(エ)｢貴族や寺院、豪族の私有地拡大が進むことになりました｣に関連して、｢白河天皇の父であり、11世紀後半に荘園整理をおこなった天皇｣を｢漢字｣で答える。｢白河天皇の父｣だけではすぐに名前は出てこないだろうが、｢荘園整理をおこなった天皇｣ということで｢答え｣は｢後三条(天皇)｣だと特定したい。｢藤原氏｣との関係が薄く、｢摂関政治｣を終わらせた天皇だと理解していたい。それ故に｢荘園整理｣ができたという背景も理解しておくこと。｢1069年｣の｢延久の荘園整理令｣は覚えておきたい。
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[問８]　｢下線部に関連しての時期整序選択肢設問｣(６択)。[グルーブ３]の｢メモ｣中の下線部(ク)｢植民地｣に関連して、示されている[地図]中の①～③について、｢近代以降に日本が植民地とした順に並べたもの｣を答える。①～③の場所を確認しながら、｢時期｣を特定していきたい。①は｢樺太の南半分｣⇒｢日露戦争｣の講和条約｢ポーツマス条約｣(1905年)で｢ロシア｣から譲り受けた。②は｢朝鮮半島｣⇒｢韓国併合条約｣(1910年)により日本が植民地にした。③は｢台湾｣⇒｢日清戦争｣の講和条約｢下関条約｣(1895年)で｢清｣から譲り受けた。ということで、｢時期｣は③→①→②なので、｢答え｣は(Ｅ)だ。尚。｢年代(時期)整序｣は｢うろ覚えの年代｣で整序するのではなく、｢流れ｣や｢キーワード｣を確認し、特定していくことが重要だ。
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[問９]　｢下線部についての空所補充の資料読み取り内容説明記述設問｣(｢字数指定｣なし。｢30字ほど｣の解答欄)。[グルーブ３]の｢メモ｣中の下線部(ケ)｢農地改革｣について、示されている[資料１](ＧＨＱによる指令内容)、[資料２](農地改革前後の｢自作地と小作地｣の変化)、[資料３]([資料１]･[資料２]から立てた｢仮説｣)に関連して、[資料３]の｢空所｣にあてはめる｢内容｣を説明する。空所前後は｢ＧＨＱは、日本政府に対して農地改革の実施を求めて、　　　Ｘ　　　ことによって自作農を新たに生み出した｣となっている。[資料１]･[資料２]から、｢実際には農業に従事していない地主から、小作農に土地所有権を移転することで自作農を生み出して｣いることが読み取れる。そのことから｢文脈｣を整理すると、たとえば、｢農業に従事していない地主から小作農に土地所有権を移転すること｣(30字)といった｢答え｣になる。尚、｢空所補充の内容説明｣は空所前後の｢文脈｣を正確に読み取ることが肝要だと心得よ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜時間配分目安：３分ほど＞

｢2024年は『史上最大の選挙イヤー』｣という｢時事ネタ｣を切り口としての、｢日本および世界各国の選挙事情｣に関する｢会話文｣からの出題。｢公民｣単元の｢政治分野｣を中心として多様な小問が並んでいる(｢時事的要素｣あり)。標準的な難易度だ。手際よく得点を重ねたい大問だ。以下、何問かを考えてみたい。

[問２]　｢下線部に関連しての統計資料読み取り選択肢設問｣(４択)。｢会話文｣中の下線部(イ)｢世界人口｣に関連して示されている、｢アジア･アフリカ･北アメリカ･ヨーロッパにおける人口の推移と予測｣を表している[資料]で、｢アフリカ｣について示しているものを(Ａ)～(Ｄ)の中から答える。馴染みの薄い｢統計資料｣であろうが、｢人口の推移と予測｣を冷静に考察すれば、｢人口割合｣が最も大きい(Ｄ)が｢アジア｣で、２番目の(Ａ)が｢アフリカ｣、ゆえに｢答え｣は(Ａ)だと判別可能なはずだ。尚、2024年現在の｢世界人口｣は｢82億人｣で、１位｢インド｣(14億6千万人)、２位｢中国｣(14億6千万人)、３位｢アメリカ｣(3億5千万人)、４位｢インドネシア｣(2億9千万人)、５位｢パキスタン｣(2億6千万人)……、｢日本｣(1億2千万人)は｢12位｣となっている。覚えておくこと。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜時間配分目安：１分弱＞

[問８]　｢下線部についての空所補充の条件付き内容説明記述設問｣(｢字数指定｣なし。｢50字ほど｣の解答欄)。｢『会話文』を参考にして、空所　　　(ク)　　　に｢あてはまる内容｣を説明する。｢条件｣は｢『多様』という語句を用いて説明する｣こと。空所直前は｢緊急事態に際しても民主的な手続きを重視することにより｣となっており、直後には｢ことは考えられます｣だ。｢会話文｣全体の主旨である｢議会制民主主義の意義｣を踏まえると、｢多様性｣を重んじる｢議会制民主主義｣と｢緊急事態｣との関連を説明することになると分かる。当然ながら、｢議会制民主主義｣は時間がかかり｢緊急事態｣に即応できないことになる。こうした内容を｢過不足なく｣まとめていけばいい。たとえば、｢多様な立場の人々で話し合いをする議会制民主主義では決定までに時間がかかり、緊急事態に対処できない｣(48字)といった｢答え｣だ。尚、｢条件｣は｢手がかり･ヒント｣でもあると心得よ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜時間配分目安：３分ほど＞

[問９]　｢下線部に関連しての空所補充の条件付き語句記述設問｣(｢漢字３字｣指定)。｢会話文｣中の下線部(ケ)｢議会制民主主義｣に関連して示されている｢日本国憲法第43条｣の条文中の　Ｘ　に｢あてはまる語句｣を｢漢字３字｣で答える。条文は｢両議院は、　Ｘ　を代表する選挙された議員でこれを組織する｡｣だ。｢憲法第43条｣はなかなかエアポケットかもしれないが、｢両議院｣とは｢衆議院｣と｢参議院｣、要は｢国会｣だ。そして、｢国会議員｣は｢国民の代表｣となる。ただし、｢漢字３字｣指定なので、｢答え｣は｢全国民｣になる。尚、｢日本国憲法｣では、以下の条文を理解･習得しておきたい。｢前文｣および｢１･９･11･13･14･25･41･96･98条｣。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜時間配分目安：１分強＞