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頌栄女子学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「頌栄女子学院中学校の理科」
攻略のための学習方法

着実な大学合格実績で、多くの受験生を集め、安定した人気を誇る頌栄女子学院。
その理科の入試問題も、生徒の実力を発揮しやすい良問である。

まず、出題範囲に偏りがない。いわゆる4分野から均等に出されており、基礎的な設問が中心でありながら、よく練られた計算問題も複数出されており、学力に合わせた点数が取れやすくなっている

つまり、計算好きな生徒には高得点が望めるテストになっているということだ。
もちろん、計算ができなくても合格点は取ることができる。

では、まず何を心がけて同校の対策に入っていけばよいのか。
まずは、これはどの学校についても言えるのだが、「基本的な知識を着実に身につけること」。これが最初にして最後の目標だ。

理科の知識は煩雑で覚えきれない、という生徒もあろう。また、算数や国語に手がかかるという生徒もいるだろう。

だから、教えられたことを全部覚えなくてもいいのだ。指導してくれた先生が、「ここは大切!」といったところだけでいいから覚えていこう

具体的には、模試などで正答率50%以上の知識問題の答えから覚えていけばよい。時間があればその先の段階まで進んでいこう。そんなに難しいことではないだろう。

しかし、極端に覚えていない範囲を作ってはいけない。
4分野が均等に出題されているとは書いたが、すべての単元から出されるわけではない。生物分野で「植物」が得意であっても、苦手な「昆虫」が中心となって出題された場合には、まったく得点できない場合も考えられる。そうなると致命的だ。

どの単元に関しても、得意でなくてもいいから、標準的な問いにはしっかりと答えられるように仕上げておこう。それが全分野に及べば、おそらく合格点は取れるはずだ。

それもできない、という生徒は、出題されやすい分野を絞ってそこを中心に覚えていこう
生物では「人体」「植物」、地学では「天体」、物理・化学分野では「水溶液」や「気体の性質」などだ。
しかし、ヤマが外れた場合はどうなるか。想像に難くない。やはり、失敗したくなければ、まんべんなく知識を網羅していったほうが良い。

それらのことを十分にやった上で、さらに得点したい場合には、計算問題に磨きをかけるということになる。
前述のように、頌栄の理科の計算問題はなかなか難しい(本年度はさほどでもなかったが)。
算数が得意な生徒でも理科の計算が苦手な生徒がいるのは、算数に比べるといつも典型的な問題が出されるとは限らないからだ。

塩酸と水酸化ナトリウムの中和ならば何回も解いたことはあるだろうが、平成26年度の最後の設問などはまず初めて見る受験生もいたことだろう。
やったことがある問題でなければ、受験生はまず解けない。そういった点から見て、理科の計算問題もまずは典型的な問題に解き方をマスターした上で、新しい設問が出たら挑戦してもらいたい。

得点の目標は、100点満点の70点くらいが良い。
基本的な知識問題をだいたい正解し、計算問題に少し触れるくらいでその点数をクリアすることはできるだろう。

さらに悩む点があるとすれば、時間不足ということかもしれない。
40分で50問を解くわけだから、1問あたり48秒、見直しなどを考えると40秒以内で解かなければいけないということになる。

算数と違って、理科は後半の大問に進むにつれて難しくなっていくということはない。
下手な鉄砲とは言わないが、最後の設問まで読める程度には時間を作っておきたい。

そのためには、自覚的に解く早さを身につけること。普段、問題にあたるときも1問解いてお茶飲んで、とかのんびりペースではなく、20~30問くらい一気呵成に解くパワーを装着しておきたい

なんといっても、テストには問題を解き切るパワーが必要だ。
確実な知識と解くスピードを身につけ、頌栄合格を自分のものにしてもらいたい。がんばれ!

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2022年度「頌栄女子学院中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

40分で大問は4つ、小問は50個前後とかなり分量が多いテストになっているので、速読即解力と同時に集中力の持続が求められる学校である。本年度は一昨年度・本年度と連続して出題された「考えて答えをまとめる記述の問題」は姿を消し、ただし大問の後半にはなかなか難易度の高い計算問題なども出題されテストのレベルは下がっていない。
受験者平均点が50点台、合格者平均点が60点台と安定した難易度を持つ学校だけに高得点は必ずしも必要ではない。基本的な知識を問う問題をしっかり正解することが大切だ。その上で頻出の計算問題にも挑戦する姿勢を見せよう。

【大問1】化学(水溶液の分類)

  • 難度:
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

6種類の水溶液が入った容器がそれぞれあり、実験を重ねながらそれらの水溶液の正体を明かしていくという問題。しかも水溶液の名前はすべて問題文に書いてあるのでこれほど親切な問題があろうか、というほどの大問からテストはスタートする。
問1は水溶液というものに対する知識の確認である。「すべて選んで」というところに注意する以外はまったく問題はない。
問2はリトマス紙の色の変化を見る問題で、実験1がヒントとなる。酸性・中性・アルカリ性の水溶液が識別できれば十分だ。ちなみにリトマスというのは植物(コケ)の一種で以前これを問うという入試問題もあったので、人名・地名などではない。
問3は実験1~3を参考に決定していくが基礎レベルの域をまったく出ない。
問4は水溶液Bに溶けている気体、つまりアンモニアの特徴を選択肢よりすべて選ぶ。差がつくとしたらこの設問からだろう。空気より重い・軽いとか、無色の気体はわかっても「有毒である」が選べるかどうか…「有毒なアンモニアは肝臓で無害な尿素に変えられて体外に排出される」を覚えていれば大丈夫。
問5は難しくないもののの選択肢は一応調べないと正しいかどうかがほからない。
問6は水溶液DF、水酸化ナトリウム水溶液と石灰水の見分け方で、どちらもアルカリ性なので他の実験方法を考えなければならない、というか普通は簡単に思いつくだろう。
問7のpH(ピーエイチ)は授業などではあまり触れない単位なので一瞬とまどうものの括弧内に解説があるから難しくないだろう。pH7が中性でそれより小さいと酸性、大きいとアルカリ性を示す。よくpH8のアルカリ性温泉「美肌の湯」などという宣伝では見かけるものだ。
問8も平易な質問だがこれで終わり。【大問1】は受験生にとってウォーミングアップと言うべき平易な問題であり、「アンモニアが有毒」以外で引っかかることはあるまい。水溶液特有の計算問題もないし、さっとすませて先に進もう。

【大問2】物理(豆電球・白熱電球・蛍光灯・LED)

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分

大雑把に言えば「電流」に関する問題である。「電気嫌い」という受験生も少なくないと思うが、設問は徐々に難化していくので、できるところまではしっかりと正答を出していこう。
問1は豆電球をつないだ回路に関する小5レベルの問題。はじめの豆電球の明るさを1として、からまでの豆電球の明るさを整数または分数で表せば良い。これらの回路の中でやや手こずるのは「キ・ク」を含む直並列の回路と点灯しない豆電球を含む「サ・シ」のものだろう。キ・クは乾電池が直列でつないであるという仕掛けもあるし、豆電球の明るさがそれぞれ分母を3とする分数になるので間違えた生徒はこの機会にこのタイプの回路を頭に入れてしまおう。
問2は電熱線の問題で、図1から図4を参考にして図5~図7の水温の上昇を計算する問題。電圧(Vボルト)や電熱線Aが直列だったり並列だったりしているので気をつけて計算したい。(1)で、発熱量は電圧(V)に比例し、電流(Aアンペア)にも比例する、が選べれば解答できることだろう。ただし、問題が手強くなってきていることは確かだ。
問3は「消費電力(Wワット)=電圧(V)×電流(A)」という公式(見た記憶はあると思うが)を与えられた上で、白熱電球・蛍光灯・LEDなどの違いを確認する問題。
(1)は与えられた数値を公式にあてはめればよい。
(2)では白熱電球と蛍光灯・LEDの比較が試みられる。それぞれ数値を公式にあてはめれば良いのだが、その結果として白熱電球よりは蛍光灯やLEDの方が少ない消費電力で同じように明るく光る、ということがわかる。
(3)は白熱電球と蛍光灯の「光」に変わる割合の計算問題。白熱電球の方が60Wのうちに5%、3Wが光になるとすると、蛍光灯の方は(2)で求めた値と3Wとの計算式になる。結果として、蛍光灯の方が光に変わる割合が高いことがわかる。
(4)は白熱電球とLEDの発熱量の比較問題で、60Wの白熱電球は1時間で水温を20℃上昇させる。使われる消費電力(W)は(60-3=)57W。それに対して、LEDのほうは(8-3=)5Wなのではたして何度上昇させられるかという計算になる。あとは算数で言うところの割合の計算になる。
「電流」の問題はあつかいにくい上に問3は本格的な計算問題なのでこの大問での失点はある程度覚悟しておかなければならない。特に問3(3)(4)は初見の問題だと思われるから。

【大問3】地学(異常気象)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

近年の日本での気候を紹介した上で、「異常気象」に関する問題が続く。2022年も6月上・下旬の「梅雨の短期間記録」「そのあとの猛暑日の連続」と歴史に残る数値を記録し大変な目に遭った。今後も要注意である。
問1はノーベル賞に関する問いで時事問題に属するものだ。
問2は日本では常識になっているあの気体を答えれば良い。
問3は「地球温暖化」の影響についての選択問題。少し選択肢が細かいので注意したい。今世紀末の海面上昇は2メートル前後と言われているがこういう予測は多分に「アマアマ」な場合が多いから気をつけた方が良い(例として、日本の少子化の進度など)。
問4は問題文は長いものの設問は1つで図1を参考にして図2のxを答えるもの。雲などの原因で地球にとどまる数値の和から宇宙空間に出ていく数値の和をひけばよいがやや難しい設問と言えるだろう。
問5は毎年のように発生する「ゲリラ豪雨」に関する問題。「夕立」は昭和のものなのか…問5のグラフは100mにつき0.65℃の割合で気温が下がっていくと書かれているのでそれにしたがって直線右下がりのグラフを書けば良い。
図3・図4でゲリラ豪雨の謎が解明される。解明されても濡れるときは濡れるわけだが…
問6は計算しても求められるが図に書いてある気もする…
問7がポイント。2000m上空にある空気の層の温度によってゲリラ豪雨発生の有無が決まる。図4の方が上空の気温が低く、大気が不安定になってゲリラ豪雨が発生しやすくなる。
問8は「夕立」の原因にもなっている上下に厚い雲とその名前を答えれば良い。
気候の問題では「線状降水帯」など新しい言葉(2014年以降からおもに使用)が次々に生み出されていくので時事問題とも関連させてどういう状況を指すのかを頭に入れていった方が良い。「エルニーニョ」や「ラニーニャ」などという言葉も昔は受験には出てこなかった言葉である。

【大問4】生物(呼吸と血液循環)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

東京オリンピック・パラリンピック開催から始まって、おもに長距離選手たちが行う高地トレーニングのことが前半の話題になっている。ただ、大半の小学生は高地トレーニングの存在を知らないと思われるので長距離(マラソンなど)競技に興味があった生徒にはアドバンテージが与えられていると言えよう。問1の問題文と質問を見ていけば常識的な知識でも解けるものである。この文章にはないが、高地トレーニングを極めた選手は酸素の摂取能力が上がり、心拍数も少なくなると言う話である(一般人は1分間に60回、選手は20~30回とも)。
問2~問4はセキツイ動物の血液循環に関する基本問題で、問2はヒト(哺乳類)と魚類の血液循環の違いについて、問3はヒトの呼気と吸気の表を与えられて知識や簡単な計算問題、問4は酸素を運搬する血液中の成分とその色素の名前を答えるもので、どれも受験までに蓄えてきた知識で答えられるものばかりだろう。
問6はグラフを読む問題で、計算があるのは(3)のみ。初めて見るグラフだろうが二酸化炭素濃度や酸素濃度を確認しながらグラフを読めばそれほど難しい問題ではない。(3)(1)(2)で得た数値を使って計算するようになっている。(4)は高地に生息するリャマという生き物のグラフを推察する問題。高地は空気が薄い(酸素も少ない)ので、酸素濃度が低くても酸素と結合しやすくなっていると考えれば良い。

攻略のポイント

テスト時間は40分で100点満点。
受験者平均点が58.6点、合格者平均点が65.2点と近年では高い数値だったが例年の数値と比べてもさほど大きな差はなく、合格目標としては65点を挙げたい。
大問1つ1つの構成としては、前半・中盤は基本的な知識を問う問題であり、後半に若干難度の高い設問が混じるといった感じである。中には、かなり高度な計算力を必要と設問もある。
その難易度の高い計算問題以外は逆にこなせなくては困る基本問題なので、合格点の65点とは言わず、70点以上を目指す勉強を積んで本番には臨みたい
まず基本的な知識を充実させること、その上で計算問題も演習し自信をつけてテストに向かえばきっと合格に結びつく得点が期待できるだろう。

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