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逗子開成中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「逗子開成中学校の理科」
攻略のための学習方法

[出題分析]

理科としては40分という長めのテスト時間、その中で大問4つをしっかりとこなす逗子開成の理科は、少し重厚なイメージだ。
設問数は格別に多いわけではない(30数問)が、問題文が全体に長めで大問の途中にもはじめの条件を変えて設問が新たに作成される箇所があるなど予想しているよりも時間はかかる。その意味では速読即解型の学校のように設問をテキパキとこなしていく必要がある
また、今までも大幅なシェアを確保していた計算問題が本年度になり一層のバージョンアップを果たしている。典型的な計算問題だけを手がけていれば及第点がとれたこれまでに比べると生徒の負担は増えたと言える。
前半の知識問題と後半の計算問題、大雑把にテストの輪郭を表すとそんな感じである。

[基本的な知識定着は最低限の所為]

このように計算問題に多くの負担がかかる学校であるだけに知識問題での得点は欠かせない。
ここでは、受験生の最低限の努力が要求されている。暗記なんかいつでも出来る、と高をくくってしまい結局それが当日の得点不足につながる生徒は決して少なくない。それは「頭の良い」=「考える力」とは違うかもしれないが、星の名前をたくさん知らないと星座が作れないように知識もまた考察・思考の良い手かがりになることは間違いないので地道な努力を怠らず最後まで知識は蓄積していこう。

[計算問題対策]

元来計算が必要な設問が多い学校であるので対策を進めていく上で計算問題には抵抗なく取り組んできたと思われるが、2020年度は【大問2】(2)(3)、2019年度では【大問2】(3)、【大問4】(5)、2018年度の【大問3】【大問4】に見られる設問はやはりそれまでの問題とは一線を画している。
また2017年度においては、【大問1】から【大問4】まですべての大問の中で計算は要求されてきた。2017年度【大問1】(7)【大問2】(5)(6)【大問3】(7)などはユニークな設問であり、ほとんどはじめて触れる計算問題に頭を悩ませたこともあっただろう。
ただ、設問はユニークであってもそのレベルは標準的であり、過去問を積み上げることで問題に対する耐性をつけておけば合格圏までの得点は獲得できたことと思う。
それに対して2018年度以降の計算問題は問題自体の水準が上がっており、端的に言えば難度の高い計算問題への対応力が必要となる。
それを踏まえての対策としては、過去問だけでなく、計算問題を集めた問題集を副教材として準備し適時計算問題にあたることだ。難問印の問題にも果敢に挑戦してみよう。

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2022年度「逗子開成中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

40分で大問は4、小問は30問以上あり分量的には標準的ではあるものの、あまり知らない実験や言葉が登場することが多いので、その意味を考えてから解かなければならない設問もある。したがって、時間に余裕を持たせることは難しいかもしれない。
本年度では【大問1】は典型題であったものの計算問題が複数含まれ、【大問2】【大問4】の後半などは、あまり聞かれたことのない設問が多かったので、受験生は苦労したことだろう。むしろ普段は苦戦してきた物理・化学分野の方が通常問題であった。

【大問1】水溶液の性質・中和

  • 難度:
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

前半は7種類の液体の識別・分類、後半は酸性・アルカリ性の水溶液の中和とその計算から成り立っている。どちらの問題も毎度おなじみの問題であり、ここはしっかりと正解して先に進みたい。
(1)は実験1から4の結果を見て7種類の水溶液(ただの「水」も含まれている)を性質に応じて分類できれば良い。わかりにくい箇所は一つもない。正解必須。
(2)では、アルミニウムが塩酸にも水酸化ナトリウム水溶液にも溶けるという親切な解説の後、いろいろな量の混ぜあわせから、主に計算によって答えを出していくもの。
は「塩」と呼ばれるものの正体を書けば良い。
からは計算問題で、表のKの結果からこのときに、この実験で使っている塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が完全中和していることが分かる。その割合は塩酸:水酸化ナトリウム水溶液=3:2である。そこで表にはない塩酸24mL時の水酸化ナトリウム水溶液の体積も分かることになる。
ここからが本格的な計算問題で、まずはXの値から。塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が90・90では、中和の比3:2から考えて水酸化ナトリウム水溶液があまることになる。塩酸90と水酸化ナトリウム水溶液60が中和するとして、水酸化ナトリウム水溶液が30mLあまるので、ここからは気体(水素)が発生することになる。表Oの数値から、水酸化ナトリウム水溶液30mLからは50mLのときの半分の水素が発生することになる。
次にY。今度は塩酸があまる。塩酸30と水酸化ナトリウム水溶液20が中和するとして、塩酸が120mLあまる。表Iの数値から、塩酸120mLで発生する水素がちょうどわかる。
ここまで正解できれば名人。水酸化ナトリウム水溶液は70と決まっているので、これに過不足なく反応する塩酸は3:2から105である。しかしこれでは水素が発生しないので、塩酸を余分に入れて水素を30mL発生できるようにZの値を工夫する。表Hの結果から塩酸60mLでは水素を72mL発生するので比例の関係から水素30mLを発生させる塩酸の体積を求め105と加えることになる。までできれば申し分ない。

【大問2】太陽の動き

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

太陽の「日周運動」に関する問題で、観察1を使う前半はかなり基本的、観察2を扱う設問からはやや考察をともなうことになる。
(1)①太陽に1日の動きがあるのは太陽が動いているからではなく地球が自転しているからである。1日の動きを問われているので「地球が動いているから」では減点か×になりそう。
1日(24時間)で360度動くので…
(2)は南中から30度前だから2時間前と言うことになるが、南中時刻は午前11時45分と記してあるので注意したい。
(3)も基本的な問い。「北にある経度が同じ場所」ということは、この場所よりも高緯度なところ、ということになる。太陽高度はこの場所より低くなるので、影の長さは長くなる。経度が同じなので、影の方向は変わらない。
(4)日影曲線の問題は数多くあるものの、置き方を間違えている問題は珍しい。図3・4から、本来の南方向からは60度、4時間ずれていることになる。あとは南中時刻に加えれば良い。
(5)アナログ時計の短針は1時間に30度動く。太陽は求めたとおり15度なので、アナログ時計が120度動けば太陽はその半分の時刻分動くので4時ではなくその半分の2時ということになる。
(4)(5)は要注意。(3)まではしっかり正解したい。

【大問3】豆電球の回路

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

受験生が苦手にしやすい「電気」の問題だが、複雑な回路ではないので解きやすかったろう。
(1)図3でスイッチ2に切り替えると、豆電球は2つともついて直列つなぎとなり、明るさは半分程度に暗くなる。
(2)乾電池が直列に1個増えている点に注意したい。
アでは明るさが2になるので、イを選んで豆電球2個直列、乾電池2個直列を選ぶ。
ウを選ぶと、豆電球2個直列、乾電池は1個のままなのでこれを選ぶ。
スイッチ1・2をどう選択しても豆電球はついてしまうのでオを選ぶしかない。
(3)問題文がややわかりにくいが、図5の状態では豆電球はついていない。スイッチ1を15回押すとはじめと反対の方になっている。スイッチ2を7回押してもこれもまた反対の方になっている。いずれにしても回路はつながっていないので豆電球はつかない。
(4)はさらにスイッチ3を用いて回路を複雑にしているが、本年度ではこの設問が最難度ということになる。ただし、つなぎ方は多くないので、AとD、BとCをつなぐと条件を満たす流れ方をすることになる。

【大問4】二枚貝の生態・区画法

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

前半は水生生物の知識問題、「区画法」が登場する後半は応用問題になっているが「標本調査」などの学習から「区画法」はそれほど珍しいものではなかったろう。
(1)セキツイ動物の中で体外受精をするのは魚類と両生類である。
(2)背骨の有無で仲間分けしていることは一目瞭然。
(3)貝の幼生はプランクトンであるが動物性のプランクトンである。したがって、捕食もするプランクトンなので「ヤコウチュウ」が正しい。ミジンコやミドリムシがあればそれでも良かった。
(4)図1に出ている数値をすべて加えて5倍すれば良い。
(5)貝などのように行動範囲が狭い生物には適しているが、魚や鳥など広い生物には向いていない。捕獲してから尾や足に印をつけて放す、などの調査方法はある。
(6)図2・図3・表1から読み取れるものを選べば良い。ただ、この表などから貝の寿命は約1年と読み取るのは難しいのではないか。
(7)こちらも簡単そうではあるものの、数値の多少のずれはやむを得ないのではないか。6月産卵のものが8月に定着とすれば、11月に同じようなグラフが盛られる9月がXは微妙な気がする。貝がらが大きくなるのは海水温が何度以上か、も18℃で納得がいかないわけではないが、この問いこそ数値を選択肢から選ばせた方が良かったと思う。

攻略のポイント

テスト時間は40分で100点満点。
受験者平均点は「64.2点(昨年度51.5点)」、合格者平均点は「71.8点(昨年度63.9点)」と低い数値だった昨年度から大幅にアップしている。これは【大問1】【大問3】の化学・物理分野の大問が比較的解きやすかったことに要因があり、問題のレベルアップにも歯止めがかかった年度となった。目標としてはやはり70点程度を取れる学力をつけてテストに臨みたいところだ。
過去問を解いてみるとはっきりわかるのは、逗子開成の理科に対応するためには基本的知識を暗記するだけでは不十分で、計算問題に挑戦できるよう、その手の問題を集めた問題集で難度の高い計算問題に対する耐性をつけておきたい
また、初見の問題にも柔軟に対応できるよう心がけておきたい。これは難しい要求かもしれないが、要は問題文の読解力が必要なので、過去問練習中は時間がかかってもいいのでじっくり取り組んでみてはどうだろうか。

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