演劇の舞台は想像力の遊び場であり、劇作家は演者と観客が想像世界へ共同参画できるような案内人たるべきだと説いている。

問一　ア.　広義 　　イ.　意図　　ウ.　仮面　　エ.　高貴　　オ.　起源

問二　「およそ～ない」。「およそ」は否定的な語を伴って「全然・まったく」の意味で用いられる。

問三　ほぞ(臍)を噛む

問四　「ハムレット・マクベス・オセローでは泣いたことがない」と、他の三作を引き合いに出している。

問五　そのちがいは「想像の世界の創造」にあり、要するに「舞台とは想像力の遊び場なのである」とまとめている。

問六　３.　「劇場の目指すところ」は「パフォーマーと観客による想像世界への共同参画」であり、単なる娯楽作品であろうと意見表明であろうと、その点にちがいはないのである。

問七　本当に大切なのは「思想の質とそこに含まれる理念が豊かで価値があるかどうか」であると直前に述べられていることに注目。娯楽と社会的ドラマに二分されることで、その大事な部分が貧弱になりがちであることを危惧しているのである。

問八　これは遠い昔の儀式に見られた「トランス状態のなごり」で、かつて人々は「心の中で想像の世界を旅したのである」とある→選択肢２が合う。

問九　(１)　筆者が悲劇の中に歓びを感じる場面として、リア王がグロスターとコーディリアと「再会」する場面を挙げている。

　　　(２)　「曇りのない目をもって己を知り、他者を知る、真の『認識』に至ることの困難さと尊さを、そしてその歓びを、私たちは知る」とある。この部分を字数に合うようにまとめればよい。

問十　３.　舞台の目指すところは演者と観客の想像世界への共同参画であり、そこには思想の質と理念の豊かさがなければならない。劇作家はそのための案内人であるべきなのである。

駆け出しの調律師である主人公の、調律師としての原点となるであろうある双子の少女との出会いが語られる。

問１　イ.　名目　　ウ.　不意　　オ.　解放

問２　帰りの車中での会話から、柳が特に楽しみにしていたのは妹の明るい情熱的な演奏だったことがわかる。

問３　直前の「この世界にはありとあらゆるところに音楽が溶けていて」の部分を指している。「それ」が(代)名詞であることに合わせて、答えは名詞の形でまとめる。

問４　Ａ.　「果たして」には「思った通り・本当に・いったい」などの意味がある。この場合は、最初の意味で使われている。

　　　Ｂ.　おずおずと――恐れてためらいながら。

問５　訊かれたから応えて弾いたというような、いかにも試し弾きのような感じだった。「しかし・でも」僕は思わず腰を浮かした(＝驚いた・感動した)。

問６　１.　姉の演奏について、「音楽とも呼べないかもしれない音の連なり。それが僕の胸を打った。鼓膜を震わせ、肌を粟立たせた」とある。

問７　当初は二者の間で欲しい音が違っている場合、どうすればいいかと悩んでいた。しかし帰りの車中で妹の求めた明るい音は姉の音を引き立たせるためではなかったかと思い当たった→選択肢２が合う。

問８　⑦　を軸に考えると正解を選べる。柳に「姉のほうのピアノが気になっているのか」と訊かれて「うなずいた。もちろんだ」情熱的で静かな音というものを初めて聴いた……とすれば無理なくつながる。

問９　妹が来るまで調律を待って欲しいという姉と、おそらくは姉のために明るい音を望んだ妹との、姉妹の心のやり取りに感動したのであろう。

問10　互いに想い合う二人の姉妹との出会いを経て、主人公は「その(ピアノの)いい状態のためにこつこつ働きたい」と意を強くしている。弾く人にとってピアノが一番いい状態で鳴るような調律をしたいと思ったのである。