武蔵中学校 入試対策
2025年度「武蔵中学校の国語」
攻略のための学習方法
出題傾向
長文読解一題と漢字・ことばの知識という出題がほぼ定型となっている。設問は記述のみで字数指定が無いのも特徴である。年度により書き抜き問題が出される場合もある。
文章ジャンルは、このところ文学的文章が続いているが、過去には説明的文章が出された年度もあった。文学的文章は、登場人物を受験生と同年代に設定したものが多く、読みやすい。説明的文章では文化を題材にした文章がよく出題されている。どちらが出されても対応できるように、油断なく準備しておこう。
長文読解
近年は文学的文章の出題が続いている。来年度も同様の傾向が続くとすると、文学的文章の読解に焦点を当てた対策が必要となる。
記述問題であっても、訊かれることは選択式問題と変わりがあるわけではない。小説や随筆の読解力が求められることに変わりはないのである。まずは読解の技術を確かなものにしよう。
文学的文章であれば登場人物の整理。2017年度にも、まさにこの点が問題で出されている。時間・場所・人物の出入りによる場面分け。そして設問で最も多く訊かれる人物の心情。言動や情景から気持ちを読み取る訓練を積もう。最後に、全体を通して描かれているテーマを読み取る。
説明文であれば、形式段落と意味段落の整理。段落ごとの要点と細部の区別。全体の要旨と要約。設問ではやはり要点を訊かれることが多いだろう。説明的文章が出題される可能性もゼロではないので、文学的文章を中心に、説明的文章でも対策を怠らないようにしよう。
記述対策
記述問題はすべて字数指定が無い。
設問の内容や解答欄の大きさから考えて、1問50~120字程度でまとめることを想定しているようである。年度によるが、全体として500~600字程度の記述量が必要となりそうである。設問によって、記述内容の条件が指定されているものと、そうでないものがある。
字数指定が無いからといって、むやみに書き過ぎるのも良くない。来年度も出題が予想される文学的文章を多く読み、設問の中心となるであろう人物の気持ちを70~100字程度でまとめる練習をよくしておこう。そして、設問で求められている事柄を的確に、無理の無い字数でまとめられるようにこつをつかんでおきたい。
素材文
素材文の文量は、6000字~8000字程度と年度により差がある。
物語文は、登場人物が受験生と同世代で、友人や家族との関わりを描いたものが多いが、恋愛がテーマの話も出題されている。小六男子には実感のともなわない分野かもしれないので、このようなストーリーも多少は読んでおきたい。まれに説明文が出題される年度もあるので注意。油断せずに準備しておくこと。
漢字
漢字は毎年出題がある。極端な難問は見られないので、標準~中級レベルの漢字教材をしっかりこなしておこう。
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2025年度「武蔵中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
2025年度は6500字ほどの随筆文の読解1題と漢字という構成であった。昨年度と同様、文学的文章が出題されたが、受験生の年齢に合わせた読みやすいもので問題量もさほど多くはない。読むスピードがあれば時間は足りるだろう。ほぼ記述で答えるので、書くスピードは必要である。難関校の試験としては、取り組みやすくなっている。
【大問一】随筆文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:47分
- ★必答問題
筆者が動物園を訪れ、飼育係に話を聞きながら園をまわったときのことが書かれている。
問一
A. たしなめる――よくない点を注意すること。
B. はにかむ――恥ずかしがる様子。
C. もんどりうつ――空中で回転して倒れる・とんぼ返り・宙返り。
問二
(1) 直前の部分を指している。「お客さまには動物が主役で、飼育係の顔など見えはしない」、飼育係がお客の前に顔を出す必要はなく、それでよいのだということである。
(2) 次の段落に、動物を見に来た客たちの豊かな表情や動作が書かれている。客たちは動物を見に来たのであって、飼育係が表に出てしまっては余計な注意を引くことになるだろうし、さまざまな動物を見て楽しんでほしいという「動物園の本来の主旨」から離れてしまうと筆者は考えているのであろう。
問三 学問をする人は仮定(~と思う)と結論(~である)を厳密に区別する。飼育係は動物を扱うプロであるが、どれだけ深く付き合っても動物と人間では通じない部分も多く、わからない部分については「わからない・~と思う」と謙虚に話す点で、研究者と同じだと筆者は感じたのである。
問四 チンパンジーに唾を吐きかけられた筆者は、人間がまず同じことをそのチンパンジー対してしかけ、それを覚えてしまったのだと聞かされた。同胞として、動物にそのような行儀の悪い失礼な行動を取った人間がいたことを自分のことのように恥ずかしく、情けなく感じたのである。
問五 イ. 「飼育係からいつも恐れられている」という事実は述べられていない。
問六 その飼育のベテランはあることで不機嫌になっており、気を紛らせようとゴリラに会いに行った。ゴリラは敏感な動物で飼育係の感情を読み取り、その立腹が自分に向けられたのではないかと感じ取り、恐怖を覚えて自分の身を守ろうとして指に噛みついてしまったのだろうと、そのベテランは推測している。
問七 プロとして多くの時間を動物とともに過ごす飼育係は、動物の身になって考えることのできる人たちである。逃げ出したビルが、逃げ出しはしたものの「知った顔はなし、頼りなくてつまらなく、うろうろとしてしまった」、その「淋しさ」をビルの後ろ姿から感じ取ったのであろう。
〔注目!――本校の特徴である記述中心の設問。「本文に沿って」といった指定はないが、もちろんキーワードや適切な部分は用いてもよい。そのうえで、もう少しわかりやすく補足をしたり、自分なりの表現で言いかえたりなど、工夫の余地がある。字数が多いので、本文から抜き出しただけの寸足らずな解答にならないよう、本文を理解している証拠として、わかりやすく伝わりやすい記述を心がけよう。〕
<時間配分目安:47分>
【大問二】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
① 破竹 ② 汽笛 ③ 画策 ④ 劇薬 ⑤ 裁量 ⑥ 暖冬 ⑦ 代謝 ⑧ 肥(やす)
<時間配分目安:3分>
攻略のポイント
字数指定の無い記述は、ともすれば書き過ぎてまとまりがなくなる恐れがある。だいたいは50~120字程度が想定されているようなので、そのくらいの字数でまとめる練習を積んでおこう。
最近は文学的文章が多いが、過去には論説文が出されたこともある。どちらが出ても訊かれたことを的確に、一定の字数で書けるように、過去問や類似問題で感覚をつかんでおきたい。
無理に大人向けの文章を読む必要はないので、普段の読書習慣において小・中学生向けの物語や随筆・説明文や論説文を多く読んでおこう。
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