早稲田大学本庄高等学院 入試対策
2025年度「早稲田大学本庄高等学院の英語」
攻略のための学習方法
難関校の受験生に限らず、よく耳にすることは「英文が読めない」、「下線部訳において使用されている英単語は見慣れたものであるが文章全体の日本語訳ができない」、「時間が足りなくて最後まで問題を解くことができなかった」などである。このような思いをした経験のある受験生は少なくないのではないだろうか。いま、この文章を読んでいるあなたも、その一人かも知れない。
そのような「もやもや」した気持ちを解消するために、何をどのように行えばよいのかを一緒に考えてみたい。ぜひ、今後の自身の受験英語学習において参考にしてもらいたい。
①「英文が読めない」を克服しよう
「英文が読めない」ということを考えた場合、なぜ読めないかを考えてみるといくつかの点が見えてくる。主たる原因としては、
ⅰ)単語・イディオムが分からない、ということである。難関校の英語問題においては、求められる単語・イディオム力は、高校1年レベル以上のレベルである。英検準2級レベルは大前提で、できれば3000~3500単語は欲しいところである。
ⅱ)英文の構造がよく分からない、ということである。
英文が長くなると「何が書いているのか分からない」、「使われている英単語の意味は全てわかるが英文全体としての日本語訳がうまくまとまらない」という悩みに直面した経験はないであろうか。逆に、なぜ英文が長くなるのかを考えてみよう。英文が長くなる最大の要因は関係詞であろう。これに関しては、次項に譲るとして、「使用されている英単語の意味は分かるのに英文全体の日本語訳がうまく出ない」、ということを考えてみると「日本語訳がうまく出ない」ということは、「使用されている英単語の意味」が本当は正確に理解できていないのである。正確に理解できていれば、正しく日本語訳が出ないことはないのである。単純な見慣れた英単語ほど、その単語が持つ意味の幅は拡張される。その拡張された意味の中から迅速にかつ的確な意味を抽出するノウハウを身に付けることである。そのために必要なことは、英語を外国語としてではなく「英語」として理解するスキルを高めることに尽きる。具体的には「英英辞典」の使用をお勧めする。
②長文を読み解くための最低限の文法知識とは
前項でも述べたように、なぜ英文は長くなるのか。以下に文法的観点から、なぜ英文が長くなるかを考えてみよう
ⅰ)関係代名詞・関係副詞の正確な理解が大事
関係詞代名詞・関係副詞が使用されると、英文は長くできる。そして、長くなると英単語どうしのつながりや文の関連性が曖昧になってしまう。そのような課題を克服するために、関係詞に関する文法事項をしっかり習得することである。関係代名詞の制限用法や非制限用法の仕組みとそのような文法的手法を用いて、書き手は読み手に何を一番に伝えたいのかを考える「習慣」を身に付けることが重要である。
ⅱ)カンマやコロン(:)・セミコロン(;)に慣れること。
,や:、;も英文が長くなる一つの要因である。それらのマークは、その直前まで抽象的・結論的記述が行われ、そのマークの後に前述内容をより具体的にかつ例示的に示すことによって、英文内容の理解をより深める、という目的のために使用されるのである。そのような事情を理解できていれば、「…である。つまり、~であるのだ」という具合に英文をつなぐことが可能となり、比較的長い英文も帰り読みすることなく、左から右に流れるように英文を読み込むことが可能となる。
最後に、最も重要な事項は「毎日必ず英文を目にする」ということである。日々、継続して行うことこそすべての学習に共通する学習法である。「継続は力なり」とはまさに受験生が肝に銘じることである。
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2025年度「早稲田大学本庄高等学院の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は適語選択問題<6分>。
基本的構文知識、語句の用法、基本イディオムの知識が必要である。完答を目指して欲しい。
大問2は説明文の長文総合問題<23分>。
本文の内容を確実に把握したうえで、文法知識、イディオム、構文、英問英答、整序、発音、英文和訳に関する標準演習問題をしっかり行っておくこと。
大問3は対話文の長文総合問題<21分>。
基本的な会話表現を確実に習得し、会話の流れを明確に把握すること。会話における重要表現をしっかり習得し、和文英訳(英訳しづらい表現)もしっかり対応できるように様々な口語表現を覚えておこう。
【大問1】適語選択問題
- 時間配分:6分
≪出題意図≫
本問は、受験生の総合的な英語力を測るために、以下の要素を組み合わせています。
1.文法知識: 動詞の活用形(-ing形、to不定詞など)、時制の一致、助動詞の使い方、関係代名詞の適切な使用など、英文の構造を理解するための基礎的な文法知識。
2.語彙力: 語彙の知識だけでなく、文脈に合った適切な単語を選ぶ力。特に、動詞や前置詞と組み合わせて意味を持つ**熟語(イディオム)**の知識が問われています。
3.文脈理解: 会話文や日常的な文章を通して、話の流れや文意全体を正確に把握する力。
4.論理的思考: 文脈から空所に当てはまる単語を推測する論理的な思考力。
[1]知覚動詞+目的語+□の□の部分には①動詞の原形、②動詞の~ing、③動詞の過去分詞の3パターンがある。意味はそれぞれ①目的語が~する、②目的語が~している、③目的語が~される、という意味になる。
[2]「タイヤがパンクする」というイディオムを考える。
[3]「~の場合に備えて」というイディオムin caseを覚えておこう。
[4]「あとどのくらい(時間)でつくのか」という時間を尋ねる質問である。soonを使う。
[5]複合関係代名詞の問題である。「あなたがどのように考えようと」という内容にしたい。
[6]本文最後にforがあるので、whatが適切である。
[7]「時、条件」を表す副詞節に導かれる文の時制は「現在形」となる。この文法事項はしっかり覚えること。頻出事項である。
[8]「うまくやっている、仲良くしている」という意味のイディオムを選択する。
[9]soが頭に来ているので倒置となり、かつ代動詞であるdoを使っている選択肢を選ぶ。
[10]「~で育った」という意味のイディオムであるbring ~ upを覚えておく。
※次の問題に挑戦しよう!
≪問題≫
次の[1]~[10]の( )に入る最も適切なものをそれぞれ1つ選び、(A)~(E)の記号で答えなさい。
[1] He woke up and found the sun ( ) brightly.
(A) shine (B) shining (C) shines (D) to shine (E) shone
[2] My parents always told me to be ( ) of strangers.
(A) careful (B) care (C) carefully (D) caring (E) cared
[3] I’m not good at singing. I’d rather ( ) to music.
(A) listen (B) listening (C) to listen (D) have listened (E) listened
[4] You should ( ) an eye on the kids while I’m out.
(A) keep (B) take (C) look (D) put (E) hold
[5] ( ) is a book that I borrowed from the library.
(A) This (B) It (C) What (D) That (E) There
[6] The company decided to ( ) the factory due to low profits.
(A) close down (B) close up (C) close out (D) close off (E) close in
[7] She will be late for the party ( ) she takes a taxi.
(A) if (B) unless (C) provided (D) as long as (E) in case
[8] He apologized to her ( ) being rude.
(A) with (B) for (C) by (D) of (E) to
[9] Let’s go to the beach, ( )?
(A) don’t we (B) will you (C) shall we (D) won’t you (E) do we
[10] The train had already left ( ) we arrived at the station.
(A) as soon as (B) by the time (C) until (D) after (E) while
≪解答≫
[1] (B) shining
[2] (A) careful
[3] (A) listen
[4] (A) keep
[5] (D) That
[6] (A) close down
[7] (B) unless
[8] (B) for
[9] (C) shall we
[10] (B) by the time
≪解説≫
[1] He woke up and found the sun (B) shining brightly.
知覚動詞 (find, see, hearなど) の目的語の補語に現在分詞 (~ing) が来る構文を問う問題。「太陽が輝いているのを見つけた」という状況を表す。
[2] My parents always told me to be (A) careful of strangers.
be careful of ~という熟語(~に用心する、注意する)を問う問題。文脈から「見知らぬ人に用心するように」という親の忠告を読み取る。
[3] I’m not good at singing. I’d rather (A) listen to music.
I’d rather+動詞の原形という構文を問う問題。「~したい」「むしろ~したい」という意味を表す。
[4] You should (A) keep an eye on the kids while I’m out.
keep an eye on ~という熟語(~から目を離さない、~を見守る)を問う問題。文脈から「私が外出している間、子供たちを見守っておいて」という状況を読み取る。
[5] (D) That is a book that I borrowed from the library.
文頭に来る代名詞の適切な使い方を問う問題。後ろに続く関係代名詞節が先行詞を修飾する構造なので、遠くにあるものを指すThatが最も適切である。
[6] The company decided to (A) close down the factory due to low profits.
close downという熟語(~を閉鎖する、閉める)を問う問題。利益が低いという理由で工場を閉鎖するという文脈に合致する。
[7] She will be late for the party (B) unless she takes a taxi.
接続詞の使い分けを問う問題。unless+Aは「Aでない限り」という意味である。「彼女がタクシーに乗らない限り、パーティーに遅刻するだろう」という文脈に合致する。
[8] He apologized to her (B) for being rude.
apologize for ~という熟語(~について謝る)を問う問題。forの後ろには謝罪の理由が続く。
[9] Let’s go to the beach, (C) shall we?
付加疑問文の形式を問う問題。Let’s …で始まる提案の文には、shall we?が使われる。
[10] The train had already left (B) by the time we arrived at the station.
時制の一致と適切な接続詞を問う問題。by the time ~は、「~するまでには」という意味で、ある時点までに完了していた動作を表す。駅に着いたときには、すでに電車は出発していたという過去完了の文脈に合致する。
【大問2】説明文に関する長文読解総合問題
- 時間配分:23分
-
問1. 英問英答問題<5分>。英文の質問内容を確実に理解すること。それぞれ( )に最適な選択肢を選ぶ問題である。
[1]質問内容は「蝶の飼育とは何か」である。
[2]質問内容は「本文について次のうち正しいものはどれであるか」である。
[3]質問内容は「蝶の飼育は労働者にどのような変化をもたらしたか」である。
[4]質問内容は「本文について次のうち正しくないものはどれであるか」である。
[5]質問内容は「本文のタイトルとして最も適しているものはどれであるか」である。
[6]質問内容は「本文の要旨として最も適しているものはどれであるか」である。※英問英答の類題に挑戦しよう!
≪問題≫
以下の英文を読み、設問に最も適切な答えを、(A)~(D)の記号で選びなさい。
The Internet has become an essential part of our daily lives, offering countless opportunities for communication, education, and entertainment. However, two distinct viewpoints exist regarding its influence on young people.
One perspective is that the Internet is a powerful tool for learning. It provides access to a vast amount of information, allowing students to research any topic, and collaborate on projects with peers from different cultures. They believe online platforms foster creativity and problem-solving skills.
The other perspective is that the Internet poses significant risks to the youth. Critics worry about the negative effects of social media on mental health, like cyberbullying and anxiety. They also point to the dangers of misinformation, online predators, and the pressure to conform. The constant presence of screens also leads to a lack of physical activity and a decline in face-to-face social skills.1. According to the passage, what is a positive aspect of the Internet regarding learning?
(A) It encourages young people to conform to unrealistic standards.
(B) It helps young people avoid the dangers of misinformation.
(C) It provides a way for students to collaborate with peers from different cultures.
(D) It leads to a lack of physical activity.2. Which of the following is mentioned as a negative effect of the Internet on mental health?
(A) A decline in face-to-face social skills.
(B) A lack of physical activity.
(C) Cyberbullying.
(D) Connecting with experts.≪解答≫
1.(C)
第2段落に、”allowing students to … collaborate on projects with peers from different cultures”(学生が異なる文化の同輩とプロジェクトで協力することを可能にする)とある。2.(C)
第3段落に、”negative effects of social media on mental health, like cyberbullying, anxiety, and depression.”(サイバーいじめ、不安、抑うつといった、SNSが精神衛生に与える負の影響)とある。≪全訳≫
インターネットは、コミュニケーション、教育、娯楽のための無数の機会を提供し、私たちの日常生活に欠かせないものとなっています。しかし、若者への影響については、2つの明確な見解が存在します。
1つの見方としては、インターネットは学習のための強力なツールであるというものです。インターネットが膨大な量の情報へのアクセスを提供し、学生がどのようなトピックでも調べたり、専門家とつながったり、異なる文化を持つ同輩とプロジェクトで協力したりすることを可能にすると主張します。彼らは、オンラインプラットフォームが創造力と問題解決能力を育むと信じています。
もう1つの見方としては、インターネットは若者にとって重大なリスクをもたらすというものです。批判的な人々は、サイバーいじめや不安といった、ソーシャルメディアが精神衛生に与える負の影響を心配しています。また、彼らは偽情報、オンライン上の捕食者、そして(非現実的な基準に)合わせなければならないというプレッシャーの危険性も指摘します。さらに、絶え間ないスクリーンの存在は、運動不足や対面での社会性の低下につながるとも言われています。問2. 適語選択問題<2分>。
(1)a piece of landである。
(2)直後にbutがあるので、( )の前後は真逆の関係にある。
(3)andが直後にあるので、前後の関係性としては並列である。
(4)直前にlikeがあるので具体例が続く。
(5)本文は前文の補足説明を行っている個所であるので、In factが適切である。問3.総合問題<16分>。
[1]下線部の訳は「とても骨の折れる仕事」である。
[2]「マーケティングと販売」という意味であるが、「誰」にとってのマーケティングと販売であるかを考える。
[3]文脈からこのhomeは「生息地」と判断できる。
[4]「アフリカのお土産として蝶を買う」のである。そのような事象はどのような目的に基づくものなのかの具体例を述べている文章である。
[5]uses の目的語はsome pupaeであるので、6から始める。
[6](C)と(E)が発音はすべて同じである、
[7]「知らなければならない」はhave to knowを用いる。「どんな種類の~」は、what kind of ~である。
[8]「森林を大切にする、森林を守る」となる。
【大問3】対話文の長文読解総合問題
- 時間配分:21分
-
問1.適語選択問題<5分>。
(1)文脈から判断すると「それでいいのではないか」と理解できる。選択肢にあるworkはこの場合「うまくいく」である。
(2)「そうしないと」という選択肢を選ぶ。
(3)文脈から判断すると「音楽をかけるのを忘れないで」となる。「(音楽を)かける」はput onである。
(4)最後の動物がButtercupである。
(5)直後にある…if you know how to handle her right.とあることを手掛かりに考える。
(6)Shawnは動物たちの世話をするつもりは全くないのであり、帰ろうとしている。問2. 英問英答問題<2分>。英問の内容は以下の通り。
ショーンは、「自分の脚はこの前の事故のせいでまだ痛むんだ」と言っている。なぜか。問3. 英問英答問題<2分>。英問の内容は以下の通り。
ノーマンはショーンに何をして欲しいのか。問4. 内容真偽問題<2分>。
(E)「ショーンは、ノーマンは犬の世話をしすぎだと思っている」が適切である。問5.適語句選択問題<2分>。
ⅰは、相手に調子を聞く内容である。
ⅱは、やるべきことがすべてかどうかを聞く場面である。
ⅲは、相手が驚くような冗談を言っている場面である。問6.適所選択問題<2分>。
Here you are.は、相手に何かを渡すような場合に述べる内容である「はい、どうぞ」という意味である。問7.和文英作問題<3分>。
「必ず~してくれ」という表現はmake sure+主語+動詞~となる。「~にたくさんの水が入っている」はis filled with waterとなる。問8.条件英作問題<3分>。
temperamentalがどういう意味であるかを尋ねる文章を考える。
攻略のポイント
全体的に見れば、レベル的には標準的な問題である。使用されている英単語・イディオムの難易度も英検準2級レベルを若干超える程度である。
押さえておきたい事項も文法的には、不定詞・分詞(過去分詞・現在分詞)の形容詞的用法・関係代名詞・関係副詞・仮定法・比較・時制・話法などであり、高校入試における頻出事項である。これらに関する演習をしっかり行うことで、合格点は確実に獲得できる。レベル的には手も出ないような難問ではないので、自信をもって挑戦して欲しい。英語の感覚に慣れておくように。そのためにも、毎日、500~600単語の難関校における長文演習を継続的に行うことが重要である。