明治大学付属明治高等学校 入試対策
2025年度「明治大学付属明治高等学校の英語」
攻略のための学習方法
合格のための学習対策として、文法事項、読解力、リスニングの各対策について、以下のような点について学習を進めてもらいたい。
文法事項
文法問題としては、どれも基本的で標準的な問題である。合格点を取るために、必要な文法事項としては、5文型、関係代名詞、比較、不定詞、仮定法(ifの使い方)、時制、分詞の形容詞的用法などである。また、単に文法知識を暗記するだけではなく、特定の文法事項が読み手・聞き手に何を伝えたいのかということをしっかり考えながら理解を深めることが重要である。また、知識は習得しても、実際の入試問題に正答を導き出せなければ、「志望校合格」という観点では意味がなくなってしまう。そのような状況を回避するためにも、夏までに上記の文法事項を完璧に理解・習得し、夏から本格的に実戦問題に取り組むことが重要であり、そのような学習を繰り返すことにより、文法事項はより確実に明確に記憶されることになる。
また、文法問題として見逃せないのが、動詞の活用(どのような前置詞が続くか、to不定詞と~ingのどちらを取るのか)、イディオムの知識なども不可欠である。イディオムは、イディオム集を活用しながら一つ一つを確実に覚えておきたい。
読解力
確実に得点するためには、長文読解総合問題の得点率を上げることである。では、どのようにしたら得点率は向上するのか。一言でいうならば、正確な速読力を習得することである。受験生の多くが「時間が足りなくて最後まで問題を解けなった」と語っているのを多く耳にする。なぜ時間が足りないのかといえば、英文を速読する力が不足しているからである。英文の速読力向上のためには、英単語、イディオム、①で述べた基本的文法事項の知識が必要であり、それらの知識を適宜フル稼働させなければならない。そして、英文を読む際に時間がかかる最大の原因は「返り読み」をしていることが考えられる。「返り読み」とは、一つの英文を最後まで読んだうえで、関係代名詞がどこからどこまでを先行詞に修飾させるかという具合に、文章構造を前に戻って考えるという読み方である。この読み方は、英文を本格的に読み始めた受験生が書かれている英文を正確に把握できるようになる力をつける段階では極めて有効であるが、あるレベルに達した後は英文を速読し、英文を左から右に流れるように(決して前に戻らない)読まなければならないことを考えると、合格のための効率的学習方法とはいえないであろう。日本語と英語の言語的構造の違いに留意しながら英文を「私、行った、お店に、本を買うために」という具合に、英文を右から左に戻らず読む癖をつけることで入試問題の解答時間短縮が可能になるのである。
リスニング
リスニングのウエイトが高いのが明大明治高校の特徴である。事前の対策は必須である。市販されているリスニング用の教材を使用し、しっかり自分の耳を慣らしておかなければならない。レベル的には、英検準2級のリスニングは満点を取る程度の力は必要である。できれば毎日、就寝前などの時間を使い20分程度のリスニング練習を行うことが必要である。
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2025年度「明治大学付属明治高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、長文読解(適語選択・語形変化問題)<4分>。英文中での文法知識(基本的文法知識)に留意すること。
大問2は、誤文訂正<4分>。基本的な文法事項(完了形、関係代名詞、基本イディオム)を正確に覚えていれば完答も可である。
大問3は、長文読解(整序問題)<5分>。基本的な文法知識や構文の知識をもとに解答する。
大問4は、長文読解(適語選択問題)<3分>。選択肢の語に関する正確な意味・ニュアンスをしっかり把握しておくこと。さらに空欄の前後を良く見ること。必ずヒントが隠れている。大事なことは、文脈を正確に把握することである。
大問5は、対話文完成<6分>。重要な口語表現はしっかりと覚えておきたい。
大問6は、長文読解(説明文)<8分>。文脈をしっかり把握し適切な選択肢英文を選ぶ。
大問7は、エッセーの長文読解(総合問題)<10分>。迅速にスピーディに本文を読み正確に文脈を把握する。
大問8~11は、リスニング問題<20分>。事前にしっかり準備をしておくこと。
【大問1】長文読解問題(適語選択・語形変化)
- 時間配分:4分
適語を選択しかつ語形を変化させる問題である。
1 「暮らすこと」としたいので、主語としての位置であるので動名詞にする。
2 haveに続く現在完了形にする。
3 関係代名詞に続く内容を考える。先行詞は、Peter Carpenterである。
4 bring A into Bで「AをBにもたらす」というイディオムである。
5 see + 目的語 + 動詞の過去分詞で「目的語が~されるのを見る」という知覚動詞の用法である。
≪本問に見られる重要な文法事項≫
1.動名詞:
・”living under the ground” (地下に住んでいる)
・~ingは、現在分詞と動名詞の用法がある。どのような場面でそれぞれがどのように使われるのかをしっかり理解しておくこと。
2.関係代名詞:
・”who lived under the ground” (地下に住んでいた人々)
・”which have been very successful films” (非常に成功した映画である)
・”who goes to the underground building” (地下の建物に行く人) これらは、先行詞(people, Hobbits, Peter Carpenter)を修飾し、文を繋ぐ役割をしている。
3.受動態:
・”can be very well insulated” (非常にうまく断熱することができる)
4.不定詞:
・”to live underground” (地下に住むこと)
・”to insulate” (断熱すること)
・”to heat” (暖房すること) 不定詞は、「〜すること」という名詞的な意味、「~するための」という形容詞的な意味、「〜するために」という副詞的な意味を表す。
【類似問題に挑戦してみよう】
問題
次の英文を読み、(1)〜(5)に入る最も適切な語句を、下の語句群からそれぞれ1つずつ選び、必要があれば適切な形に直しなさい。ただし、語句群は1度ずつしか使えないものとします。
A long time ago, a lot of people lived in caves. These were good places ( 1 ) the cold and the heat. Later, many people started ( 2 ) houses, but some still lived underground. A famous book, “The Hobbit,” tells a story about people ( 3 ) in Hobbit houses, which have been very successful films.
Underground houses are not a thing of the past. There are many modern underground houses in the
world. They can be very well insulated, so they need little or no heating. The sun’s light can be ( 4 ) into
the rooms by special tubes. It is not difficult ( 5 ) an underground house, and it is a good idea for the
future.
(語句群) [ live / build / protect / bring / make ]
解答
1.to protect
2.to build
3.living
4.brought
5.to make
【大問2】誤文訂正問題
- 時間配分:4分
基本的な文法事項を問う問題。完答を目指して欲しい。
(1) 文章の時制は過去であるが、mustには過去形がないことに注意する。
(2) この英文は正しい。不可算名詞にlessがついているので適切である。
(3) Since(~以来)があるので、現在完了形(継続用法)にする
(4) 直前にあるandに注意すること。and、but、orは等位接続詞と呼ばれる接続詞である。用法は文字通り「文章の中で役割が等しいもの」をつないでいるのである。つまり、文と文、前置詞句と前置詞句、名詞と名詞などである。
(5) 前置詞onの後にthatで導かれる文章(節)を続けることはできない。
≪本問に見られる重要な文法事項≫
1.助動詞 (must, could):
・”must wear ties and jackets” (ネクタイとジャケットを着なければならなかった)
・”they used a lot of electricity to keep cool” (涼しく保つためにたくさんの電気を使った)
・”businessmen could take off their ties” (ビジネスマンはネクタイを脱ぐことができた)
・助動詞の意味と用法は確実に覚えておくこと。
2.比較級 (less, more):
・”using less electricity” (より少ない電気を使って)
・”wear more casual clothes” (よりカジュアルな服を着る) “less”は「より少ない」、”more”は「より多くの」を意味し、物事を比較する際に使われる。
3.関係代名詞:
・”it depends on what you wear over the T-shirt.” (Tシャツの上に何を着るかによる)
【類似問題に挑戦してみよう】
問題
次の英文を読み、下線部に誤りがあれば正しい表現に直しなさい。誤りがない場合は○を記入しなさい。
Fashions are always changing. In the past, people ①have used to a lot of leather to make clothes. However, with the rise of technology, we can now use ②more efficiently materials like cotton and wool. Also, because of the internet, ③started a new way of shopping. Now people ④can get used to buying clothes online.
In some parts of the world, people wear traditional clothes. For example, in Japan, some people wear kimonos for special events. But for most people, clothes are becoming ⑤less formal than before. We can see this trend everywhere.
解答
1.used: 過去の習慣を表す助動詞は “used to”であるが、ここでは「過去に~した」という単純な過去の事実を表すため、”have used”ではなく、過去形”used”が適切である。
2.more efficient: “more efficiently”は副詞なので、名詞”materials”を修飾できない。形容詞の比較級”more efficient”が適切である。
3.〇: “a new way of shopping”が主語なので、自動詞の”started”で文が成立する。
4.have gotten used to: 現在の状態を表す「~に慣れている」という表現には、現在完了形の “have gotten used to”が適切である。
5.〇: “less formal”は「より形式的ではない」という比較級の表現として正しい。
【大問3】説明文の長文読解問題(整序問題)
- 時間配分:7分
①make more time と work our bodiesの2つをつなぐものは何かを考える。
②be in danger of ~ing で英文を組み立てる。
③「体重が増えた理由はあまりにも少ない運動である」とまとめたい。
④watch + 目的語 + 動詞の原形(~ing、過去分詞もあり)の形を考える。
⑤toを用いて不定詞の副詞的用法(目的)とする。付随して、不定詞の中で副詞的用法は非常に重要であるのでしっかり用法(目的、原因、結果、根拠)を確実正確に覚えておくこと。
⑥helpの用法に注意すること。help + 人 + 動詞の原形となる。
【類似問題に挑戦してみよう】
問題
次の英文を読み、[ ]内の語句を適切に並べかえ、3番目と5番目にくるものを、それぞれ番号で答えなさい。
I am one of the students who spend a lot of time on the internet. We often spend so much time online that we have no time for other activities. We need to [1. on 2. more 3. focus 4. our 5. something 6. than 7. other] internet activities.
My friend, Lisa, is also a person [1. who 2. gets 3. to 4. used 5. is 6. not 7. exercise 8. doing]. She says her idea of exercise is watching TV. But I told her that it is not a good habit. We really need to get out and get busy!
We should [1. for 2. to 3. help 4. live 5. walk 6. long 7. healthier 8. a]. It will help us live longer.
解答
1.[3. more / 5. other]
o正しい並び替え: focus on more something other than our internet activities.
2.[3. not / 5.to]
o正しい並び替え: who is not used to doing exercise.
3.[3. a / 5. help]
o正しい並び替え: walk for a long help live to healthier.
【大問4】説明文の長文読解問題(適語選択問題)
- 時間配分:3分
(ア)「~するのに慣れている」という意味にしたい。be used to ~ingとしたい。受験生の中には、toの後なので動詞の原形を考える傾向があるが、この場合のtoは品詞でいうと前置詞になるのである。したがって、後ろには名詞がくる。
(イ)直前のHe often ate at fast-food restaurants. Soon he began to put on weight.を手掛かりに考える 。
(ウ)「食事」を変えなければならない、という文脈である。
(エ)「~する決意を固める、~の決心をする」というイディオムは、動詞のmakeを使う。
(オ)Not only ~ but also…は「~のみならず…である」という構文であり、文脈的に「料理も腕が上がった(上達した)」のである。
【類似問題に挑戦してみよう】
問題
次の英文の(ア)〜(オ)に入る最も適切な語を、それぞれ1つ選び、番号で答えなさい。
Last year, Sarah moved into a new apartment to live by herself. She was not used to ( ア ) a big city, but she began to enjoy her new life. Her mother said she should be more ( イ ) about the money she spends, but Sarah did not listen. Then she had no money for the last week of the month. She ( ウ ) her mind to save money from now on. She started to cook for herself instead of eating at restaurants. At first, the food she made did not taste very good, but she kept on practicing. Not only did she begin to feel healthier, but also her cooking ( エ ) a lot. Finally, she felt ready to invite her parents over for a meal. Sarah was very pleased when they said that the meal was ( オ ).
(語群)
ア. 1. live 2. living 3. lived 4. lives
イ. 1. excited 2. careful 3. happy 4. angry
ウ. 1. made up 2. came up 3. put up 4. took up
エ. 1. improve 2. improving 3. improved 4. improves
オ. 1. delicious 2. bad 3. salty 4. boring
解答
ア. 2. living: “be used to”の後は動名詞がくるので、”living”が正解である。
イ. 2. careful: “should be more”の後は形容詞がくるので、”careful”が正解である。
ウ. 1. made up: “made up one’s mind”で「~を決心する」という慣用句である。
エ. 3. improved: 過去の出来事を述べているため、過去形”improved”が適切である。
オ. 1. delicious: 文脈から、両親が料理を褒めていると考えるのが自然なので、”delicious”が正解である。
【大問5】対話文完成問題
- 時間配分:6分
(ア)直後にNo, she didn’t. とあるので、これが答えとなる疑問文を選択する。
(イ)She was not able to make lunch by that time. とあるので、この文章に続く適切な内容を考える。
(ウ)直後のNobody will see me.あることを踏まえて適切な選択肢を考える。
(エ)直前の文章にscoldがあるので、その内容に続く文章としてShe is very strict.が適切である。
(オ)You’re too nervous. (心配し過ぎだよ)とあり、( オ )があってBye !とあるので、「平気だよ」または「大丈夫だよ」という内容の文章が入る.
(カ)Jackはthe rule(校則)のことを「だれも自分に話してくれなかった」と言っているが( カ )の直後にイトウ先生はI told you that …と発言している。したがって、( カ )には「うそでしょ」「何言ってるの」という趣旨の発言が入る。
【大問6】説明文の長文読解問題
- 時間配分:8分
(1)ア 直後に、Over 700 species… とあることを手掛かりに考える。
イ 直前に、But by understanding the issue …とある。the issueが何を指すのかを考える。
ウ 直後に、…winds up in the ocean とある。
エ 本問の段落は、どのようにしてプラスチックが海に流れ込むかが書かれている。
オ 海洋におけるプラスチックに関する問題を解決するために、「われわれができること」は何であるのかを提案している段落である。
(2)Over 700 species of marine animals …を手掛かりに考えると、2が適切である。
【大問7】説明文の長文読解問題(総合問題)
- 時間配分:10分
(1) 適語選択問題<2分>
A whether ~ or notの構文である。
B へん平足の人がつかれる「時」についての言及である。
C 「~だけれども」という譲歩の接続詞が入る。
D 理由を表す接続詞を選ぶ。
E 直後の「,」に注目すること。
(2) 単語の意味問題<1分>
… he didn’t know what a nignog wasに続く文が手掛かりになる。
(3) 内容一致問題<2分>
①母が「恐れていること」が何かを考える。
②与えられたブーツは「履き続けなければならなかった」のである。
③筆者は「なぜ説明できなかった」かを考えること。
(4) 内容真偽問題<2分>
4 「軍隊での生活はうまくいった、と彼は思っている」のである。
7 「軍隊での初日、彼は気持ちよく眠った」のである。
8 「軍曹は筆者にグランドを8周走るように命じた」のである。
(5) 要約文問題<3分>
1「軍」への入隊である。
2「足」が悪かったのである。
3「行進」に苦労したのである。
4「将校」になったのである。
【大問8】~【大問11】はリスニング問題。
- 時間配分:20分
攻略のポイント
全体的に英文内容などは決して難解ではない。文法事項についても基本的な問題であり、標準的な問題集には必ず掲載されている問題ばかりである。長文に関しても難解な内容ではなく、設問も基本的な内容である。ただし、試験時間との関係でいかに速く正確に文章を読むかがポイントであろう。また、全体に占める比率が高いのがヒアリングである。他校に比較しても、内容的にもヒアリングを重要視している状況は明らかであるので、事前に対策をしっかりとっておくべきである。長文の設問が多いので、長文に関しても標準以上の500単語前後の英文を毎日1題はこなすようにしたい。試験時間との関係で見直しをするだけの時間的余裕はないものと考えて試験に臨んで欲しい。