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専修大学松戸中学校入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2025年度「専修大学松戸中学校の国語」
攻略のための学習方法

[問題構成]

大問は３つ。漢字の読み書き・文学的文章の読解・説明的文章の読解が割り当てられている。素材文は、文学的文章が約6000字、説明的文章が約4000字で計10000字ほどの文量である。

総解答数は50問ほど。おおよそ、漢字10問・文学的文章の読解20問・説明的文章の読解20問といった問題数になっている。また、読解問題の中でことばの知識や文法なども合わせて出題されている。そのうち、記述問題・書き抜き問題がそれぞれ３～４問ずつ出されている。

選択肢は５択だが、内容の相違点がはっきりしているので、無理に迷わせるような選択肢にはなっていない。

[文学的文章の読解]

素材文は学校を舞台にした話が多く、小学６年生にも理解しやすい内容になっている。選択肢問題は紛らわしく見分けづらい選択肢ではないので、読解がしっかりできていれば正解を選べる。記述問題も論述タイプではなく、文中の手掛かりをもとにまとめられるものなので本文を十分に理解していれば難しくはない。

文学的文章の読解力を養おう。

人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
　
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
　
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
　
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。

[説明的文章の読解]

素材文は自然科学や社会科学分野の文章が多く使われている。内容によってはやや難しい用語なども含まれているので、語彙力アップを図っておきたい。
書き抜き問題があるので、キーワードや要点には目印をつけて探しやすくしておくとよい。

説明的文章の読解の基本を身に付けよう。

段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのよう
　　　　　　　に書いてしまうとわかりやすい。
　
要点と細部――段落の中で最も重要な１文を見つける。傍線などで目立つようにしてお
こう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
　
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。

[記述問題]

30～60字ほどでまとめる問題が出されている。「あなたはどう思いますか」といった論説タイプではないので、文中の重要点をまとめることで答えられる問題が多い。人物の気持ちや行動の理由、要点や筆者の意見など、探しやすいように印をつけて素早くまとめられるように、類似問題をこなしておこう。

[知識問題]

大問の最初に知識問題が置かれるパターンが続いている。文学的文章では擬声語や擬態語・熟語の組み立て・慣用句・助動詞など、説明的文章では接続詞・類義語や対義語・部首や画数・文節のつながりなどの問題が、読解問題と合わせて出題されている。文中に紛れているので、先に知識問題だけ終わらせる作戦は取りづらい。読みながら、チェックだけはしておこう。

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2025年度「専修大学松戸中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

文量は約12000字で総解答数は44問。選択肢が５択なので、それだけ読む量も増えてしまう。書き抜き・記述と書く字数も多くなるので、知識問題や選択肢問題はあまり悩まず、できる部分をどんどん進めて記述に多めに時間を残せるようにしたい。過去問でペース配分に慣れておこう。

【大問一】漢字の読み書き

難度：標準
時間配分：3分
★必答問題

①　たくわ(えて)　　②　せいふく　　③　はんそう　　④　なだれ　　

⑤　編(む)　　⑥　導(く)　　⑦　英断　　⑧　増益　　⑨　縦列　　⑩　比類

【大問二】小説の読解

難度：標準
時間配分：23分
★必答問題

主人公には小説や詩の言葉を現実のように見たり聞いたりし、それを他の人にも共感させる能力があった。クラスメイトの天神に句会に誘われたことで心に変化が生じ、俳句部に入部してみようと思う。

問一　１.　皆の前で褒められて「照れ臭そうに」もじもじした。

２.　皆の前に出るのは気が引けるので「抵抗するように」踏ん張ってみた。

３.　そもそも俳句バトルに意欲があったわけではないので、皆に合わせて「事務的に」拍手した。

４.　学年主任がうるさいので髪を染めているのだと「面倒くさそうに」言った。

問二　Ａ.　断定の助動詞「だ」。ア・ウは形容動詞の一部、イは推定の助動詞「ようだ」、エは「転ぶ＋た(過去の助動詞の音便「だ」)である。

Ｃ.　伝聞の助動詞「そうだ」。ア・ウは推定の、イ・オは様態の助動詞「そうだ」。

問三　Ｂ.　イ　　Ｄ.　エ

問四　オ

問五　主人公の特殊能力を説明しろという質問ではなく、あくまで特殊能力が発動した時の「気持ち」を訊かれている。この気持ちは「ふわうわん」という音を聞いた時にも感じており、「一瞬不安になるも、決して不快なものではなく、俳句の世界が目の前に現れるようで、神秘的でワクワクするものだった」の部分がその気持ちの説明にあたる。

問六　それまでは虹を見ても「モノクロに見えてしまうくらい感動しな」かったのに、句会に参加した後では「自分の中に少しだけ明るい何かがあること」を感じている。

問七　イ

問八　選択肢エも良さそうだが、「こっそり振り返った」状況も説明できている選択肢オの方が的確である。

問九　Ⅰ.　遠い向こう、水平線のほうを見つめている

Ⅱ.　共有

問十　ウ

問十一　イ.　この小説は主人公の視点で語られ、主人公の心の内も多くが地の文で表現されているので合っている。ちなみに、主人公の発言がすべて「十七音」で構成されているという選択肢オの指摘は正しいが、それ以外の部分は当たらない。

　〔ワンポイント！――素材文の量の多さはやはり難題である。選択肢も五択で読む分量に加わる。速読を意識した練習を積んでおきたい。〕

【大問三】論説文の読解

難度：標準
時間配分：24分
★必答問題

哲学は「知を愛する」ことであり、その「知」とは「幸福とは何か」を知ることである。哲学に限らず、なにかを学ぶときにはその過程がすでに幸福なのであり、そのような学び方があるはずだと筆者は考えている。

問一　１.　親が今は辛くても将来のために頑張れと言う。「しかし」今面白くないことを頑張れと言われてもなかなか納得できない。

２.　(親は)他者と競合して勝てば成功すると考えている。「だから」子供に説いて聞かせるのである。

３.　鳥といっても姿かたちはさまざまで、「そして」それぞれに名前があるということを知ると……。

４.　知を愛するということが重要である。「つまり」知る過程がすでに幸福なのである。

問二　あまり――ありませんでした(述語にかかる「副詞」)

問三　(人目を)引く

問四　十(画)

問五　苦痛――快楽・安楽　

問六　「今学ぶことに喜びを感じられないとしたら、他者と競合しているからであり、競争に勝てば成功すると考えています」と、大人が学びを楽しめない理由を説明している。

問七　外国語の勉強という例で、「今学んでいる言葉では何というか」を知ることに喜びを感じないと勉強を続けるのが難しいだろうと述べられている。「今」「知らないことを知る喜び」が子どもの「学ぶ楽しさ」につながると筆者は考えているのである→選択肢エ。

問八　人は名前を知らない対象には注意を払わないものであり、目には映っているのに意識には上らず、存在しないのと同じになってしまうのである。

問九　傍線⑤の二段落あとで、「哲学は人が幸福に生きることに役立つのです」と明確に書かれている。

問十　哲学を学んでも収入には結びつかず、大学教授になる野心も持たなくなった。哲学は成功するとか実用的な目的には役に立たないが、学ぶことがすなわち楽しいという、そういう学びがあっていいのではないかと、著者は気づいたのである。

問十一　「幸福が存在に関わる」の定義として、「何かの目標を達成しなくても、今幸福である」という意味であると筆者は述べている。「幸福」は自分の外側や未来に関わるのではなく、「今の自分」という「存在」に関わるものなのである→選択肢エ。

問十二　Ⅰ.　目的　　Ⅱ.　学んでいるその過程において幸福である

問十三　ウ.　傍線⑥から四段落あとの段落で述べられていることと合う。選択肢エは何を学ぶ際にも当てはまることで、「哲学を学ぶには」と限定している点が不適切である。

　〔ワンポイント！――記述問題と書き抜き問題はやはり時間がかかる。書き抜く部分を探すのに手間取るとよくないので、的確なポイントが目立つように目印をつけられるよう、多くの読解問題をこなしてコツをつかんでおこう。〕

攻略のポイント

説明的文章・論理的文章の両方が出題されること、書き抜き問題・記述問題が大きなポイントになること。

以上の２点を意識しながら、読解力をつけられるようできるだけ多くの文章に触れて、記述問題の字数に合わせた練習も積んでおきたい。10000字超という文量にも慣れが必要である。言語事項も一定数出題されて配点もそれなりに大きいので失点するともったいない。基本レベルでよいので全般的に頭に入れておくこと。漢字の配点も小さくはないので、手を抜かずにしっかり覚えよう。