専修大学松戸中学校 入試対策
2023年度「専修大学松戸中学校の算数」
攻略のための学習方法
専修大松戸中学、算数の満点は100点、合格者平均点は例年約7割であるが、今年度は昨年に比べてやや易化している。満点は算数、国語が100点、理科、社会が50点で、算数と国語の比重が高くなっている。
標準的な問題が多いが、ややレベルの高い問題や、問題文の中にヒントが書かれてあり、読み取りに大きな意味を持つ出題も含まれる。試験時間は50分、できる問題から確実に解答欄を埋める意識で取り組んで欲しい。単元毎の学習方法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
例年、整数・小数・分数の計算が4題程度出題される。工夫が必要な計算や、□を求める問題も出題されることが多い。計算問題への対策としては、まずは日頃から計算の工夫を心がけて欲しい。例えば、
3.14×○＋3.14×△＝3.14×（○＋△）のような工夫である。また、0.125など頻繁に出る小数と分数の変換は覚えることが望ましい。
また、面積・体積等の単位付きの計算問題が出題されることがあるので、単位変換はしっかり覚えること。計算の練習については、素早く解くことも大事だが、落ち着いて丁寧に解く練習を心がけて頂きたい。
文章題
ここ何年かの出題傾向を見ると、速さ、割合と比、和と差に関する文章題が必ず出題されている。今年度も速さ・仕事算・年齢の計算等の出題が見られた。際立った難問は出題されないが、工夫を必要とする問題や長めの問題文の読み取りが重要な意味を持つ出題も見られる。テキストの例題、類題、基本～練習問題レベルが確実に正答できるように問題練習を行うとともに、過去問および同タイプの問題練習をしっかり行って欲しい。問題の選択には家庭教師等を有効的に活用すること。
数に関する問題
ここ何年かを見ると、場合の数、数の性質、規則性に関する問題などから出題されている。今回は独立小問の中で周期算・植木算の出題が見られた。過去の出題を見ると、場合の数の出題がやや多い傾向があるので、場合の数の学習には力を入れて欲しい。
数の性質については素因数分解を使って解くタイプの問題や、割り算のあまりに関する問題に重点を置いて欲しい。
数列や数表の問題では、平方数や三角数を用いる問題の練習を行って欲しい。
また、近年出題されたN進法についても力を入れて学習して欲しい。
平面図形
例年、相似など比を用いて解く問題と、扇形を含む複合図形の求積問題、複合図形における求角問題が頻繁に出題されている。今年度は大問2題で比を用いて解く問題が出題されている。そのうち一題は図形の移動と影に関する問題の融合問題であった。過去の出題を見ると、ややレベルの高い問題の出題も見られる。多少レベルの高い問題の出題も想定して学習して欲しい。特に比を使うタイプの問題に力を入れて練習を行って欲しい。今年見られた図形の移動や近年出題されている反射についても、力を入れて学習しておきたい。
立体図形
今回は大問で水の深さと体積について、小問で円柱の体積について出題された。水の深さと体積の出題は、問題文の中の会話文が大きなヒントになるという内容であった。ここ何年かでは、立体の切断、立体の構成と分割、円すいに関する求積問題、水そうに物体を沈めた時の深さの変化に関する問題等が見られた。この分野の対策としては、円すいに関する求積、投影図・見取り図・展開図からの求積、水の深さの変化に関する問題、立体の切断・構成・分割を中心に問題演習をしっかり行って頂きたい。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2023年度「専修大学松戸中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計算問題が4題、独立小問が5題、大問が5題で100点満点。すべての小問数20に対して試験時間は50分と時間は十分にあるので、慌てることなく落ち着いて取り組んで欲しい。計算問題と小問集合でのミスは禁物である。わからない問題があった場合は、後に回し、できる問題から解答欄を埋めていくという姿勢も大事になる。各大問の（１）は確実に正答するといった姿勢も必要である。
【大問１】計算問題
- 難度：標準
- 時間配分：6分
- ★必答問題
（１）分数の計算。
（２）分数・小数の混合計算。0.75＝3/4、0.625＝5/8、などの変換は覚えておくこと。
（３）分数・小数の混合計算で、 を求める問題。
（４）（ ）でまとめて解く問題。2.89×2.56＋2.89×1.21＝2.89×（2.56＋1.21）＝2.89×3.77 2.89×3.77＋7.11×3.77＝（2.89＋7.11）×3.77＝10×3.77 となる。
確実に正答したい。日頃から計算の工夫を意識して欲しい。
【大問２】小問集合
- 難度：標準
- 時間配分：12分
- ★必答問題
（１）単位の計算
1㎢＝1000000㎡
（２） 周期算
（2、0、2、3）を1周期として考えること。
（３）速さ
速さの比が2：5なので、同じ道のりを進む時間の比は5：2．
（４）植木算・つるかめ算
15本のテープをつなぐのでのりしろは14か所で14cm。従って、使ったテープの長さは合計195cm。す べて青いテープとすると12×15より180cm。
（195－180）÷（15－12）より、赤いテープは5本。
（５）平面図形と比
半径×半径×3.14×4＝314 より、半径×半径＝25。従って、半径は5cm。
文章題・規則性に関する問題・立体図形の小問集合。いずれもテキストや問題集で見かける基本～標準レベルの典型題であり、確実に正答したい。
【大問３】仕事算
- 難度：標準
- 時間配分：6分
（１）全体の仕事を1とすると、Aは1日に1/12、Bは1日に1/16より多く1/15より少ない仕事を行う。1÷（1/12＋1/16）＝48/7、1÷（1/12＋1/15）＝60/9となり、いずれも6と7の間に入る。従って、7日目の途中で仕事が終わる。
（２）Aが3日で行う仕事は1/4。残りの3/4をBが行う。3/4÷1/15および3/4÷1/16の計算結果より、仕事が終わるのはB君が仕事を始めてから12日目。
仕事算。B君が1人ですると16日目の途中で仕事が終わる、という条件が問題を複雑にしている。
【大問４】年齢の計算
- 難度：標準
- 時間配分：6分
（１）(60－24）÷4＋2 より、11才。
（２）2年目の年齢差は5才。その後大型犬の方が1年に3才多く年を取るので、（16＋5）÷3より、7年後に16才差になる。
人の年齢と犬の年齢の変換をするというユニークな内容の出題。（２）は旅人算的な考え方で解くことができる。
【大問５】平面図形と比
- 難度：標準
- 時間配分：6分
- ★必答問題
（１）ABを1辺とする正方形の対角線はABとなるので、AB×AB：AC×AC＝2：1となる、従って三角形DBAと三角形EACの面積比は2：1。
（２）三角形EACと三角形GCHの面積の比も2：1となるので、三角形DBAと三角形GCHの面積比は4：1＝2×2：1×1 従って、GHとABの長さの比は1：2。
平面図形と比に関する出題。相似比が1：2ならば面積比は1×1：2×2 となるという基本的な考え方が身についているかが問われる内容。
【大問６】図形の移動・影に関する問題（相似の利用）
- 難度：やや難
- 時間配分：8分
（１）OA上にできた棒XYの影の先端をQとする。5秒後のPOの長さは25cmなので、PO：XY＝5：2 三角形QPOと三角形QXYは相似の関係にあるので、QY：QOも5：2となる。QY＝10cmなので、QO＝25cm、YO＝15cmとなる。従って、棒XYは毎秒3cmの速さで動いていることになる。
（２）10秒後のYOの長さは30cm。（１）同様に相似な2つの三角形の関係より、QY＝30cm。
（３）XY：QY＝1：2より、PO：QOも1：2になればよい。①秒後のPOは30－①cm、QOは③cmとなるので、30－①：③＋20＝1：2 より、①＝8となる。
図形の移動と影に関する問題の融合問題。棒の影が移動していくという設定でややレベルの高い内容。問題に書かれてある条件を図で表すことと、相似な三角形の関係を利用することができるかどうかがポイント。
【大問７】水の深さと体積
- 難度：標準
- 時間配分：6分
（１）毎分300㎤で入れているときの底面積と毎分200㎤で入れているときの底面積の比が3；2になればよい。底面積の比は容器を前から見た時の横の長さの比になる。横の長さの比を③：②とすると①＝6cmなので、③＝18cm。底面積は18×15 より、270㎠。
（２）下の直方体の体積は270×10より2700㎤。上の直方体の体積は12×15×5より900㎤。2700÷300＋900÷200より、13.5分。
水の深さと体積に関する問題。問題文（会話文）がヒントになる。底面積の比が横の長さの比になることがポイント。
攻略のポイント
前半は計算問題と小問の集合で、後半に大問が5題の構成になっている。計算問題では計算の工夫が必要なものも含まれるが、計算ミスは避けたい。小問集合の5題は入試頻出の典型題が中心である。計算問題と小問で確実に得点を取ることが本校算数入試での重要なポイントとなる。
大問5題は仕事算、年齢の計算、平面図形と比、図形の移動と影に関する問題、水の深さと体積からの出題であった。大問の中にはややレベルの高い問題も含まれている。
本校攻略のポイントとしてはまず、正確な計算力を身につけること、次に苦手単元を作ることなく、すべての単元の基本をしっかり身につけること、さらに、問題文をしっかり読み取ることも、本校算数入試の１つのキーポイントと言える。これらの点を考えて学習を行って頂きたい。ややレベルの高い問題の演習にもチャレンジして欲しい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
専修大学松戸中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー＝学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。