中央大学附属横浜中学校 入試対策
2025年度「中央大学附属横浜中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は2つ。それぞれに論説文の読解と小説の読解が割り当てられている。また、それぞれに漢字の読み書きが5問ずつ・計10問含まれている。総解答数は30~45問ほどで年度により差がある。
設問は選択肢と書き抜きが中心である。記述問題は30~50字ほどの文量で1~2問出題され、「文中の表現を用いて」まとめる形が多い。
特筆すべきは素材文の文量の多さである。ここ数年は、論説文4500~5000字・小説10000字前後で計15000字もの字数になっている。分速700字程度を目標に速読の訓練を積んでおこう。なお、2025年度では約10000字とやや少なくなった。今後の傾向を示すものか注意はしておこう。
論説文の読解
人文科学・社会科学分野からの出題が多い。論理的文章ということで、接続詞の問題がよく出されている。記述問題は「文中の表現を用いて」答える形で出題されている。書き抜き問題も多いので、文中の重要点をすぐ探し出せるようにしておくとよい。説明的文章の読解の技術を身に付けよう。
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやすい。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
小説の読解
小学生を主人公に設定した話や、江戸時代を舞台にした小説などが出題されている。文章は難解なものではなく、小学6年生にも読みやすい。こちらの分野では、読解と合わせて慣用句や文学史の問題が出題されている。
記述問題は文中の言葉を抜き出してまとめただけでは答えにならない問題も多い。はっきり書かれていない心情や理由については、読解で読み取らなければならない。文学的文章の読解の基本を確認しておこう。
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
選択肢問題
選択肢問題の文章には注意が必要である。一部分だけが異なるものや似ているがよく読むと文意と合わないものなど、注意を怠ると足をすくわれる恐れがある。選択肢の一語一句を本文とよく比較検討して正確に判断できるように、注意力・集中力を高めておきたい。
記述問題
論説文の記述問題では、素材文の適切な部分を用いて書ける場合が多い。要点・要旨・重要語の言い換えなど、大事な部分を目立つようにしておき、すぐ探せるようにしておこう。
小説の記述問題なら、人物の気持ちやその変化・行動の理由などを訊かれる場合が多いだろう。本文にはっきり示されていない場合も多く、自分で読解し読み取らなければならない。書かれていないことまで想像をおよばせながら読む訓練を積んでおこう。
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2025年度「中央大学附属横浜中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は36問と前年度並みだったが、年度により差があるようである。
今年度の素材文は約10000字と例年より少なかったが、やはり本文を読むスピードは欲しい。かなり速いが、分速650~700字を目標に訓練を積んでおきたい。
難しい問題に時間をかけすぎて、できる問題をやり残すことがないように、過去問でペース配分をつかんでおこう。
【大問一】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:30分
- ★必答問題
〈私〉という存在は複雑であり、場面により少しずつ異なっているので十全に表現するのは難しい。さらに近年のサイバースペースへの接続により、過度な情報が頭に蓄積し〈私〉について考える余裕が無く、〈私〉の存在を意識できなくなるという事態も生じているのである。
問一 ア. かか(える) イ. 誠実 ウ. 君臨 エ. くだ(けた) オ. 進展
問二
あ. 〈私〉が完全無欠だったら、生を肯定できそうである。「しかし」、ほとんどの場合そうではない。
い. 環境や気分によって、〈私〉は〈私〉を調整している。「たとえば」、職場と家庭、友人といるとき……。
う. いまは……デザインすることで複数の〈私〉を自由に行き来できるのだろうか。「そして」、それらの〈私〉を共存させて、しっくりきていると言えるのだろうか。
問三
① サイバースペースの〈私〉は「分人」のようにオートマチックとは限らず、「意図的」なデザインの場合もある。
② テクノロジーの進展で人間の初期設定は「抜本的」に変わるのだろうか。
③ 脈絡がない「断片的」な時事ニュース……。④ つながっているがゆえの隔絶→「逆接的」
問四
A. 十全――欠点がなく、完全なさま。
B. 端的――はっきりと簡潔に表現するさま。
問五 「だれでも何らかのとりえがある」一方、「ネガティブな要素は思い通りにはならず」、「どこまでも付きまとってくる」→選択肢4。
問六
(1) 「周囲の人々や環境や気分によって調整している」・そのありようは「場面場面で、すこしずつ違っている」→選択肢3
(2) そのイメージを段落の後半で説明している→「固定的な中心を持たない複数の人格の緩やかなネットワーク(二十七字)」
問七 「分人はオートマチックにスイッチングされる」・「サイバースペースではもっと自由に変容し、意図的にデザインされることもある」=〈私〉が「分人や自己デザイン」の新しい可能性に開かれている→だから、〈私〉を十全に表現するのが難しいのである。
問八 三段落ほど前から現在の状況が説明されているので、字数内で適度にまとめる。サイバースペースに常時接続し、膨大な情報にさらされるうちに、接続の過剰から異様な疲労感や孤独感を感じてしまう、という状況である。
問九 最後の四段落にまとめられている。「細かい情報の塵が頭に積もり、ゆっくり考えるための容量が足りない」「自分が何を欲しているのかを深く考えなくなっている」「〈私〉を考えるための時間」がなくなり、「〈私〉の存在を意識できなくなる」のである。
〔ワンポイント!――今年度は少なめだったが、過去には約15000字もの素材文が使われた年度もあった。素材文の量が多いことを前提として、速読の技術をみがいておこう。〕
<時間配分目安:30分>
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:20分
- ★必答問題
漫画編集者に話を聞いた「聞き手」が感じた事がエッセイ風に表現されている。
問一 ア. ろうにゃくなんにょ イ. 容易 ウ. 絶望 エ. しりぞく オ. 発揮
問二 a. 1 b. 3
問三
A. 近くの病院でいいのにと、「うんざり」しながら実家までもどった。
B. 看護師は遅くなったことに「くどくど」文句を言った。
C. 「さっさと」終わらせたい一心で……。
問四 胸がすく―心が晴れる・胸のつかえがとれる
問五 3
問六 「彼」は田舎では将来を見通せないと上京したが、その田舎の小さな町医者で優れた人格の医師と出会って考えが急転回し、都会での将来などにこだわらず、いつどこにいても、その時自分を必要としている人のために懸命になれるよう頑張らないといけないのだと、気づかされたのである。
問七 故郷に到着した時、親族が病院にお詫びのミカンを運び込んでいるのを見て恥ずかしい「田舎くさい」ことと馬鹿にしていたが、その医師のおかげで考えが変わってからは、感謝を込めてミカンを贈ることを当然に行うべきことと考え、躊躇なく行動するようになった。
問八 示された部分では、漫画編集者である「彼」を「持ちネタ」は多いがややデリカシーに欠ける人物ととらえているようだが、本文の最後では、医師のエピソードを自分に自信をもたらしてくれた経験として大勢に何度も話しているらしい「彼」を、「おそろしく真っ直ぐな思いを至上の価値とする現場が、世に対して強い力を発揮するのだ」と、高く評価している→選択肢3。
〔ワンポイント!――数問の難しい問題が含まれている。時間を取られ過ぎて、答えられるはずの問題に手が付けられないのはうまくない。難しいと思ったら後回しで、まずは全体に目を通そう。〕
<時間配分目安:20分>
攻略のポイント
全体としては特別に高難度というわけではないので、時間が足りずに問題に手が付けられないという事態になったらもったいない。過去問で文章量の多さによく慣れておき、とにかくひととおりは目を通せるように、長文を読むスピードはぜひともつけておきたい。
解説文の穴埋め選択肢という形式にも十分に慣れておくこと。選択肢問題が大半であることも意識して類似問題をこなしておくこと。
漢字やことばの知識も難問ではないので、地道に覚えておいて得点を稼ごう。
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