巣鴨高等学校 入試対策
2025年度「巣鴨高等学校の英語」
攻略のための学習方法
総合的な長文読解の問題演習を日頃からしっかり行って欲しい。問題のレベルは、全国的な私立進学校の入試問題が適切であろう。500~600字程度の英文であれば、読了に5~6分で読了したい。入試までにそのような長文読解問題を100題はこなしたい。
スピード面では、速読で、できれば目線で英文を追いかける程度のスピードで英文内容を理解することが必要であろう。読解の速さだけでは正解を導くためには不十分である。さらに、内容把握能力。これが必要である。この能力の基盤となるのが、単語・イディオム・文法である。一つの英単語にも、様々な意味がある。
そして、シンプルな単語程、そこに含まれる意味は豊富である。豊富な単語の意味の中からどのような訳を的確・迅速に抽出できるかのが、勝負の分かれ道である。入試で扱われる文法事項について押さえておきたい事項を説明する。
第1に『不定詞』
用法的には、名詞的用法、形容詞的用法、そして副詞的用法がある。名詞的用法は文字通り『名詞』のような働き(主語になる、動詞の目的語になる等)をする。形容詞的用法は同様に『形容詞』のような働きをする。
つまり、名詞を修飾するのである。副詞的用法はしっかり学習しておいて欲しい。その用法について、主なものを説明する。
① 目的:She went to a store to buy a book.(彼女は本を買うために店に行った)
② 結果:I grew up to be a teacher.(私は大きくなって教師になった)
③ 原因:We are delighted to see you.(私たちはあなたに会えて喜んでいます)
④ 根拠(判断理由):What a fool I was to think that she loved me.(彼女が私のことを愛していると考えたなんて、なんて愚かだったんだろう)
第2に『完了形』
特に、現在完了形について基本事項を説明する。皆さんの中には、「過去」と「現在完了形」との違いに悩んだ場合も多いであろう。一言で言うならば「過去」は「過去の一点」であり、その時点で「行為・事実」は終了している。
一方、「現在完了」は過去のある時点から現在にいたるまで「行為・事実」がつながって(続いて)いる、ということである。したがって、現在完了の基本用法は次のようになる。
① 完了:Ⅰ have just finished my work.(私はちょうど仕事を終えたところです)
② 継続:I have had this headache for some days.(私は数日この頭痛が続いている)
③ 経験:I have met you only once.(私はあなたに一度しか会ったことがない)I have never been to a party.(私は決してパーティへ行ったことがない)
第3に『仮定法』
仮定法とは、現在または過去の事実と異なる状況を願望する際の表現方法である。例えば、「If I were a bird, I could fry the sky.」という仮定法の英文において、「自分は本当は現在、鳥ではないのであるが、仮に鳥ならば空を飛べるのに(でも鳥ではないから空を飛べない。空を飛びたいなぁ)」という願望の思いが含まれているのである。
さらに、Ifには『条件・場合』と『仮定法』の2つの主要な用法がある。2つの用法に間に、どのような区別があるのであろうか。これは非常に大事な事項(大学入試にも頻出事項)であるので、これを機会にしっかり理解してもらいたい。Ifの接続詞の中の動詞の時制が現在であれば『条件・場合(~の場合は、~ならば)』となり、過去または過去完了であれば『仮定法(もし~ならば、もし~だったならば)』となる。
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2025年度「巣鴨高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、物語の長文読解総合問題<15分>。内容的には、文脈把握、英文和訳、適語選択、要旨把握に関する問題である。
大問2は、説明文の長文読解総合問題<18分>。適語選択、英文和訳、要旨把握に関する問題である。
大問3は、整序問題<7分>。語群を並び替える整序問題。文法知識・熟語の知識が不可欠である。
大問4は、対話文完成問題<10分>。本設問も文法知識・熟語知識が必要である。特に、会話の流れを正確に把握し、適切な英文を考える。
大問5は、リスニング問題<10分>。
【大問1】物語の英語長文読解問題
- 時間配分:15分
1.英文解釈問題<1分>。
直前のit was still alone on the shelfから判断する。on the shelf にあるものは“book”である。
2.適語選択問題<2分>
直後の文にI don’t care anything about trademarks…とあり、trademarksには全く何も気にしていない様子が把握できる。
3.内容把握問題<2分>
対話の流れから状況を判断する。直後の文にOnly it wasn’t there とあることから、エイミー・アンは図書館でお気に入りの本を探すことができなかったことが推測できる。
4.適語補充問題<1分>
ジョーンズ先生が決めたルールはyou can only renew a book two times in a row, and then it has to sit on the shelf for five whole school days before you can check it out againということである。この部分を手掛かりに推測する。
5.適語選択問題<2分>
ジョーンズ先生が本棚から本を取り除いた理由を考えること。
6.英文和訳問題<3分>
下線部中のbutは「~を除いて」という意味であり、exceptとほぼ同義である。また、副詞的用法の不定詞も使われている。right はこの場合には「権力、権利」の意味である。
7.要旨把握問題<2分>
直後にMe ?と何か怪訝な様子がうかがえる。何に対して「驚いているのか」を前後の文から読み取る。
8.適語選択問題<2分>
エイミーがなぜその本を探しているのか、というジョーンズ先生の質問に対する答えの部分である。
【大問2】説明文の長文読解総合問題
- 時間配分:18分
1.適語選択問題<1分>
100人に対する質問に同じ答えが返ってきたのであるからsameが適切である。
2.英文和訳問題<2分>
下線部の中ではwhat they want the building to look likeが約しにくいかと思う。whatは先行詞が含まれている特殊な関係代名詞である。したがって、訳は「~するもの」という形になる。
3.適語選択問題<2分>
本文にあるa building’s design should come from nature around itから判断する。
4.要旨把握問題<3分>
a building’s design should come from nature around itの内容をまとめればよい。
5.適語句選択問題<3分>
a building’s design should come from nature around itを手掛かりに考えること。
6.要旨把握問題<4分>
ライトの考えはthe design should fit the purpose of the buildingである。
7.要旨把握問題<3分>
グッゲンハイム美術館が完成する前にライトは死去してしまったことがわかる。したがって本問空所には「美術館を見ることができなかった」とする。空所の数から判断して、be able to の否定形を考える。
【大問3】整序問題
- 時間配分:7分
1.「~する人はほとんどいない」という表現にはfewを使う。fewは可算名詞につくが、不可算名詞につくのはlittleであることも確実に覚えておくこと。
2.a message を先行詞とする関係代名詞(主格)を考えて文を組み立てる。
3.「笑う能力」とはThe ability to laugh である。「重要な部分」はan important part of ~となる。ofは前置詞であるので後ろには名詞(動名詞)が入る。
4.「クラークという男」はA man maned Clarkとなる。使用されているnamed は過去分詞の形容詞用法(後置修飾)であることをしっかり理解すること。同様に現在分詞にも同様な用法があるので覚えておくように。
【大問4】和文英文(対話文)問題
- 時間配分:10分
1.「できるだけ早く」は、as soon as possibleである。
2.「するのにどのくらいの時間がかかりますか」は、How long does it take to ~で表現できる。
3.「わくわくする試合」は、exciting gameである。
4.「~していただけませんか」は、Would you mind ~ingである。
【大問5】リスニング問題
- 時間配分:10分
※以下の類題に挑戦しよう。
問 次の英文を読んで、後の問いに答えなさい。
The pervasive integration of technology into every facet of modern life has led to an ongoing, nuanced debate regarding its impact on human creativity. Many observers lament the apparent decline in sustained, deep engagement with complex tasks, which they attribute to the instantaneous gratification offered by digital platforms. This phenomenon, which one might term the “(A)tyranny of the immediate,” suggests that the deliberate, often tedious, process of creation is being supplanted by an insatiable appetite for novelty and superficial stimulation.
Yet, to characterize technology purely as a (1)detriment to the creative impulse is an intellectual (2)oversimplification. Digital tools, far from merely offering distraction, can serve as powerful (3)catalysts for innovation. Consider the architectural field: computer-aided design (CAD) software permits the manipulation of variables and the visualization of structures with a complexity that was previously unimaginable, accelerating the design cycle and allowing for iterative refinement. In music, sophisticated synthesis tools empower composers to transcend the physical limitations of acoustic instruments.
The distinction, then, lies not in the presence of technology, but in the (4)intentionality of its usage. (B)Passive consumption—mindlessly scrolling through feeds or absorbing pre-digested content—undeniably stunts cognitive growth. However, active, deliberate engagement—programming an application, editing a film, or utilizing generative AI as a prompt for conceptual exploration—transforms the tool into an (5)extension of the human intellect. The crux of the challenge is therefore pedagogical: to cultivate the discipline required to wield these powerful instruments not merely for efficiency, but for genuine, deep creation, thereby preventing the boundless potential of the digital age from (C)inadvertently fostering a society of intellectual dependents.
《日本語訳》
現代生活のあらゆる側面へのテクノロジーの浸透的な統合は、それが人間の創造性に与える影響について、進行中の繊細な議論を呼んでいる。多くの観察者は、デジタルプラットフォームが提供する即座の満足感に起因すると考えられる、複雑な課題への持続的で深い関与の明白な低下を嘆いている。この現象は、即時性の専制支配と呼べるものであり、意図的で、しばしば退屈な創造の過程が、目新しさや表面的な刺激に対する飽くなき欲求によって取って代わられつつあることを示唆している。
しかし、テクノロジーを創造的衝動に対する単なる有害なものとして特徴づけるのは、知的な単純化しすぎである。デジタルツールは、単に気晴らしを提供するどころか、イノベーションのための強力な触媒として機能する可能性がある。建築分野を考えてみよう。CAD(コンピュータ支援設計)ソフトウェアは、以前は想像もできなかった複雑さで変数を操作し、構造を視覚化することを可能にし、設計サイクルを加速し、反復的な洗練を可能にしている。音楽においては、高度なシンセシスツールが作曲家に音響楽器の物理的な限界を超越する力を与えている。
したがって、その区別は、テクノロジーの存在そのものにあるのではなく、その使用における意図性にある。受動的な消費—無意識にフィードをスクロールしたり、あらかじめ消化されたコンテンツを吸収したりすること—は、疑いなく認知的な成長を妨げる。しかし、積極的で意図的な関与—アプリケーションのプログラミング、映画の編集、あるいは概念的探求のためのプロンプトとして生成AIを利用すること—は、ツールを人間の知性の拡張へと変貌させる。したがって、この課題の核心は教育的である。すなわち、これらの強力なツールを単に効率性のためにではなく、真の、深い創造のために使いこなすために必要な規律を培い、それによってデジタル時代の無限の可能性が意図せず知的依存者の社会を育成してしまうのを防ぐことである。
問1.(1)〜(5)の語句の意味として、文脈上最も適切なものを、それぞれ次の選択肢から一つ選び、記号で答えなさい。
(1)detriment
ア. Improvement イ. constraint ウ. obstacle エ. Harm
(2)oversimplification
ア. complication イ. exaggeration ウ. simplification エ. generalization
(3)catalysts
ア. competitors イ. restrictions ウ. stimuli エ. boundaries
(4)intentionality
ア. frequency イ. purpose ウ. accessibility エ. diversity
(5) extension
ア. barrier イ. limit ウ. expansion エ. reduction
(解答)
(1)エ
detriment は「損害、有害なもの」を意味し、harm が最も近い。
(2)ウ
oversimplification は「単純化しすぎ」を意味し、simplification が最も近い。
(3)ウ
catalyst は「触媒、促進するもの」を意味し、stimuli(刺激物、ここでは促進の意)が最も近い。
(4)イ
intentionality は「意図、目的」を意味し、purpose と同義。
(5)ウ
extension は「拡張、延長」を意味し、expansion が最も近い。文脈上「人間の知性を広げるもの」の意。
問2. 本文のタイトルとして最も適切なものを、本文の内容全体を踏まえて、次の選択肢から一つ選び、記号で答えなさい。
ア. The History of Digital Technology in Architecture and Music
イ. The Unavoidable Decline of Creativity in the Digital Age
ウ. Technology and Creativity: The Crucial Role of Intentional Usage
エ. Pedagogical Challenges in Modern Digital Education
(解答)
ウ 本文は「技術は創造性の邪魔か?」という問いから始まり、中盤でその「促進剤」としての側面を提示し、結論で「使用の意図性(intentionality)」が重要であると述べているため、(ウ)が最も的確にテーマを捉えている。
問3. 下線部(A)「tyranny of the immediate」が指し示す具体的な状況と、それが創造の過程に与える影響について、日本語で60字以内で説明しなさい。
(解答)
デジタルで即座の満足が得られるため、意図的で退屈な創造の過程が、新奇さへの飽くなき欲求に置き換えられ失われつつある状況。(60字)
「即時性の専制支配」=「デジタルで即座の満足(instantaneous gratification)」の結果、創造の過程(deliberate, tedious, process of creation)が失われ、「飽くなき欲求(insatiable appetite)」に置き換えられる、という要素を全て盛り込む必要がある。
問4. 下線部(B)「Passive consumption」と対比されている「active, deliberate engagement」の具体例として、本文中で言及されているものをすべて選び、記号で答えなさい。(複数選択可)
ア. Utilizing CAD software to visualize complex structures.
イ. Mindlessly scrolling through social media feeds.
ウ. Editing a motion picture using professional software.
エ. Absorbing pre-digested news content.
オ. Writing code for a new software application.
カ. Using generative AI to prompt conceptual exploration.
(解答)
ア、ウ、オ、カ
「active, deliberate engagement」として挙げられているのは、能動的にツールを操作し、創造的作業を行う行為。(イ)と(エ)は「Passive consumption」の具体例。
問5. 下線部(C)「inadvertently」の類義語として最も適切で、文脈に当てはまるものを、次の選択肢から一つ選び、記号で答えなさい。
ア. intentionally
イ. unintentionally
ウ. inevitably
エ. consequently
(解答)
イ
inadvertently は「不注意に、うっかりして、意図せずに」を意味する副詞。文脈は「無限の可能性が、意図せずに依存者を育ててしまう」となるため、「意図せずに」を意味する unintentionally が最も適切。
攻略ポイント
長文読解総合問題が2題出題される。各々の英文は標準的英文である。難解な英文ではないが、事前に様々なジャンルの英文に接する必要がある。しかも、英文が読めるというだけではなく、短時間で内容把握を行う(筆者が一番主張したい内容は何か)真の「文章読解力」が必要である。
単語力に関しては、英検準2級以上は必要である。また、いかに英文を読むスピードを上げるかが勝負である。目標は、1分間で100単語をこなせる読解スピードを目標にして欲しい。全国上位校の高校入試問題の長文総合問題を1日に1題、確実に演習することをぜひ継続して行って欲しい。