桐蔭学園高等学校 入試対策
2025年度「桐蔭学園高等学校の数学」
攻略のための学習方法
計算力を安定させる
計算力については、3点を意識して、鍛えておこう。
1つめは、計算の正確さだ。計算の数字が複雑になっても、正答率が下がらないように、練習を積んでおこう。過去問を参考にすれば、どこまで複雑な計算ができれなよいか、確認できる。
2つめは、計算と言っても平面図形の中での計算、連立方程式の計算、場合の数の中での計算など、それぞれの分野の中で計算の特徴がある。それぞれの分野の知識に基づいた計算方法がある。これは、志望校に精通した家庭教師に指導してもらうと的確である。
3つめは、計算の持久力だ。60分という長時間、集中力を切らさずに、計算していく持久力が必要になってくる。模試の数学の成績が、上がったり下がったりして不安定な生徒は、注意したい。持久力は、きちんと時間を測って演習を繰り返すことで、身についていく。1問1問にミスがないかではなく、答案全体でミスを減らせるようになろう。
答案の完成度を上げる。
本番で安定して得点できるように、答案の完成度を上げる訓練を積んでいこう。多くの志望者は、一問一問を解くことに満足しがちで、答案全体の完成度を意識するのは、受験の後半(中学3年の夏休みくらい)からだ。もっと早めに受験生として意識を持ち、答案の完成度を上げる技術を身につければ、有利になる。答案の完成度は、2つの面から確認しておきたい。
1つめは、設問ごとの時間配分だ。時間配分ができていない志望者は、過去問を解いてみると、後半に簡単な設問があっても、得点できていない。つまり、前半の設問に時間をかけすぎていて、後半の設問にまで、手をつけられていない状態だ。受験では、答案全体の得点が、評価される。したがって、答案全体の得点を上げるために、それぞれの設問を解くべきか、あるいは解かないべきか、判断力が重要になる。過去問の演習は、そのような判断力を鍛える良い教材になる。
2つめは、見直しの技術だ。まずは答案全体でどれくらい見直しが必要になるのか、目安の時間を決めよう。あらかじめ時間を決めておくと、本番で迷いが生まれにくい。そして、見直しが効率的にできるような工夫をしよう。計算式を再利用したり、図形やグラフを確認しやすいように、丁寧に準備しておこう。
桐蔭は、マークシート方式で解答していくので、答案用紙をすべて埋めてから、見直しをはじめては、間に合わないだろう。大問の途中でも、積極的に見直しをしていくべきだ。
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2025年度「桐蔭学園高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
マークシート方式ということが最大の特徴で、指定された解答手順に沿って答えを正確に素早く求めていくことが必要となる。平面図形や空間図形の計量、関数と図形の融合問題が必須となる試験である。大問の最後の設問に詰まった場合は、後回しで最後に時間があれば取り組むのがよいだろう。
【大問1】 独立小問集合問題
- 時間配分:8分
(1)展開し計算する。符号に十分注意すること。
(2)分数にして約分する。指数の計算は慣れておく。
(3)方程式と混同しないように。
(4)箱ひげ図で第1四分位数や中央値、最小値を把握できるように。
(5)弧の長さの比はおうぎ形の中心角の比と同じである。
<ポイント>
(5)は 円の接線の性質を利用して実際におうぎ形の中心角を求める。平面図形の計量では実際に問題の図に問題にある条件と<円の接線の公式>といった隠れた条件を書き込んでいくことになる。
<円の接線の公式>
円の接線はその接点を通る半径に垂直
【大問2】確率
- 時間配分:10分
約束された記号において、さまざまな場合を計算する問題。
<約数の総和の公式>
ある整数Nを素因数分解した形 N=pa×qb×rc・・・のとき
約数の総和は(1+p+p2+・・・+pa)×(1+q+q2+・・・+qb)×(1+r+r2+・・・+rb)・・・である。
上記の公式を用いて解いてもよいがこの設問では(1)設問の記号の約束どおり書き出して計算する。(2)(3)は素数の性質を利用する。基本的に数の問題では素因数分解してみよう。
【大問3】確率
- 時間配分:12分
正十二角形上の頂点をさいころの出目に条件を与えて移動する確率を求める。
(1)目の出方を書き出すと(1回目、2回目)=(4、2)の1通り
(2)①△ABL△ACK△ADJ△AEIといずれかである。②条件よりAP=PQまたはAQ=PQのときである。③は ①②の全てである。
(3)3辺のうち1辺が線分AG、BH、CI、DJ、EK、FLのいずれかである。
【大問4】正四面体と球
- 時間配分:13分
正四面体と内接する球の半径や線分の計量問題。
<公式>
1辺がaの正三角形の高さは√3×a/2、面積は√3×a2乗/4【新聞とるさ変変】と覚えよう。
(1)√3×a/2を利用すれば速いが、特別な直角三角形の比で計算できるようにしておこう。
(2)球の半径をrとして正四面体の体積をrを用いて表す。
(3)球の中心が点Aから面BCDに引いた垂線上にあることを利用する。立体を平面で捉えて計量することがコツである。
【大問5】一次関数と二次関数
- 時間配分:13分
直線と放物線でできる平面図形の座標や空間図形の計量問題。
<ポイント>
等積変形は高校入試では頻出なのでしっかりと演習問題をこなしておこう。
(1)(2)座標や線分を文字で表すことに慣れておく。
(3)2つの三角形の底辺と頂点に注目すると底辺と平行な直線の式により頂点が決まる。等積変形に関してはアウトプットで何度も解いておこう。
(4)平面図形や空間図形の計量では2つ、3つの図形に分割して計算することが基本となる。
攻略ポイント
基本的な設問から始まって、ところどころに難しい設問が配置されている。満点を取ることも可能ではあるが、受験者の合否に影響を与えるのは、いかに失点をしないかという、答案全体の完成度になるだろう。
作業の速さ、計算の正確さ、答案全体の時間配分などを、過去問を利用して、あらかじめ訓練しておきたい。
また、マークシートの特徴として、間違えてしまうと、連続して失点してしまう恐れがあるので、計画的に見直しをする必要がある。
指定された解法に沿って解くため、一つの解法ではなく別解を多く日頃から習得しよう。