青山学院横浜英和中学校 入試対策
2025年度「青山学院横浜英和中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は4~6つ。おおむね大問ごとに分野が分かれているが、他分野の問題も混じっていたりするので厳密に分かれているわけではない。総解答数はここ数年は35問ほどで、3分野はほぼ同数の問題数になっている。
設問は選択肢と適語記入が中心である。記述問題は1~2行・20~50字ほどでまとめるものが計2問出されている。リード文はやや長い場合があるので速読できれば有利である。資料は地図・グラフや統計・年表などが用いられている。
[地理分野]
あるテーマについて詳しく訊くような問題が多く出題されている。ここ数年、大問1ではある地域の地図を見て周辺の関連事項について答える問題が出されていたが、2019年度・2020以降では地図は用いられていなかった。2021年度では地図の読み取りが復活している。記述問題では、世界の食糧生産を増やすことで起こる問題(2024年度)などが訊かれている。
おおむね基本事項の問題だが、やや細かい知識まで問われる場合もある。2018年度で訊かれた信濃川の支流の名前や出羽三山の名前など、詳しく覚えていない人もいたかもしれない。難問とまではいかないが、自分の詳しくない地域が出題されると大きく失点する恐れがあるので、どの地域もまんべんなく穴がないように学習しておきたい。
[歴史分野]
リード文を読んで下線部について答えていく形が多い。各時代の出来事・人物・文化や外国との交流などについて訊かれている。年表や時代順の並べ替えなどの問題もある。
この分野の記述問題では、延暦寺焼き討ちなどの仏教弾圧アピールの目的(2025年度)や江戸時代後半にヒートアイランド現象が進んだ理由(2023年度)などの出題があった。記述問題についてはは2018年度以降は解答欄が長くなっているので、今後は字数が増えていく傾向が考えられる。
[政治経済・現代社会分野]
ここ数年は現代社会分野の出題が多くなっている印象である。ブラジル(2017年度)やヒアリ(2018年度)といった話題で、外国との関係や世界地理など問題が多く出されている。日本の憲法や政治のしくみは出題が少なめである。日本の近隣諸国や付き合いの深い国、近年大きな変化があった国などについてはよく調べて詳しくなっておこう。
この分野の記述問題では、被災後になるべく早く福祉避難所で働けるようにする方法(2025年度)などが出されている。
[リード文と選択肢の設問について]
特に歴史分野と現代社会分野で長いリード文がつく場合がある。通常は下線部だけ読めば答えられる場合も多いのだが、本校は文中に重要点が示される場合があるので要注意である。例えば、2017年度・大問2の台風についての問題では、当該年の台風5号についての質問がある。これはリード文中に言及がある台風の存在期間に気づかないと正解できない問題になっており、下線部だけ読んでいたら迷うところであった。
また、選択肢問題の設問の文が長めであるという特徴も見られる。リード文と合わせると読む分量が多くなるので、読むスピードはぜひつけておきたい。
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2025年度「青山学院横浜英和中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は30問で、地理分野9問・歴史分野11問・政治経済分野10問と各分野ほぼ均等の分量であった。
リード文・設問の文の分量が多めだが、記述問題以外は考えるのに時間を取られるような問題は少ない。読むのが遅くて時間が足りなかったという事態にならないように、過去問で慣れておこう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
黒部ダムを話題として各地の農産物や人口の昼夜動態などについて訊かれている。
問1
(1) Aは木曽三川が形成した濃尾平野と名古屋を中心とする中京地域の説明で、Bは客土などによって地質を改良した石狩平野のことである。
(2) 棚田
問2 横浜駅近くのC地点は商業施設や企業事務所などが多く、昼間人口が多い地域と考えられるので(ア)、Bは東京や横浜に通勤・通学する人が多い地域でベッドタウンとなっていると考えられるので人口が多い(イ)で、残るA地区が(ウ)となる。
問3 米が多いAは新潟・富山など日本海側の4県と考えられる。野菜・果実が多いBは長野・山梨など中央高地の気候に属する内陸部3県、Cは野菜や花きが多いので、愛知・静岡も2県と考えられる。
問4 ため池は少雨の特徴がある瀬戸内気候に属する香川県や兵庫県に多く見られる。
問5 イ. 東側にはロープウェイがあるが、西側には確認できない。
問6 ア
問7 湿地とその生態系の保全を目的としたラムサール条約。
問8 エ. 石油由来のプラスチックよりは環境への影響が少ないが、処理の仕方ではマイクロプラスチックとして残ってしまう場合もある。
〔ワンポイント!――資料をもとに、その背景や意味を問われる問題が出されている。資料集や各種の地図を用いて、データの比較や地図の見方などに慣れておこう。〕
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
外国との交流を話題として、各時代の出来事や人物について訊かれている。
問1 894年に菅原道真の提言により遣唐使が休止された。
問2 日蓮宗の開祖である日蓮。
問3 スペイン船やポルトガル船が東南アジア(南蛮)経由で来航したため南蛮貿易と呼ばれた。なお、スペインは地図Dの国なので選択肢イは誤り。
問4 織田信長
問5 それまで仏教を敬ってきた貴族などとは異なり、神仏など恐れないという支配者としての強さのアピールだったと考えられる。
問6 伊万里・唐津などで陶磁器が多く生産されるようになった。
問7 ア. 狩野永徳は浮世絵師ではなく、障壁画などの一派を築いた絵師である。
問8 エ. 使節を派遣したのは朝鮮や琉球である。
問9 エ
問10 ユリ
問11 勝海舟
〔ワンポイント!――本校がある神奈川県や横浜周辺の地理や歴史についての知識が問われる場合がある。本校を志望する生徒として、学校の設立や歴史について、地域の様子なども含めて情報を仕入れておけば役に立つ場面があるだろう。〕
【大問3】政治経済分野その他
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
自然災害を題材とした問題。
問1
(1)イ
(2)1023年の関東大震災
問2 国際連合の発足(1945年)→日本国憲法の施行(1947年)→大韓民国の建国(1948年)→警察予備隊の設置(1950年)
問3
(1) 川の北側や東側は浸水が想定されており、治水対策がまだ十分ではないと考えられる。
(2) イ
問4 Bは短い単語でまとめられており、日本語が得意でない人でも理解しやすい。
問5 湾岸戦争(1991年)→自衛隊のカンボジア派遣(1992年)→アメリカ同時多発テロ(2001年)→イラク戦争(2003年)
問6 親が働いていることで子どもの安全や生活に支障が出ることがないように、親が働く救護所に子どもも入れるようにしたり、被災地以外から救護所で働ける人を募集し、作業を分担して子どものケアの時間を作れるようにしたり……などが考えられる。
問7 男女共同参画(社会基本法)
問8 イ・エ・オは特に年齢による制限はないので子どもも参加できる。アとウは選挙権のある満18歳以上、カは被選挙権がある満25歳以上が条件となる。
〔ワンポイント!――政治経済分野で記述問題などやや難しい問題が多かった印象である。社会の出来事に注意を向け、背景や解決策などを自分なりにいろいろ考えるとよい練習になるだろう。〕
攻略のポイント
一部の地域・項目について詳しく訊かれる問題があるので、どこから出題されても困らないように、隙のない学習を心掛けよう。
リード文・設問の文とよむ量が多くなるので、速読を意識して過去問で練習しておこう。
現代社会分野で国際関係の問題が出される傾向も考え、国内だけでなく海外の地理や出来事にもよく注意して理解を深めよう。
記述問題は、問題集のような典型的な問題ではないものも出されるので、普段からの社会への関心や情報量の多さが問われるところである。
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