青山学院横浜英和中学校 入試対策
2025年度「青山学院横浜英和中学校の国語」
攻略のための学習方法
〇[問題構成]
大問は5つ。大問1・2が漢字の読み書きや熟語・慣用句など、大問3が文章を並べ替える文脈の問題、大問4が説明的文章の読解、大問5が文学的文章の読解、というのがここ数年の定型となっている。
説明的文章約8000字・文学的文章約8000字の計16000字ほどの文量(2025年度)があり、これに並べ替え750字ほども加わるので、速読が求められる。
問題数は35問ほど。選択肢と書き抜きが中心で、記述問題は2~3問、説明的文章・文学的文章どちらの分野でも出題されている。字数は20~80字ほどの指定があるが、マス目が無い問題では多少の増減は許される。
〇[説明的文章の読解]
論説的随筆文や説明文がよく用いられている。分野は人文科学や社会科学が多い。内容はそれほど難解なものではないが、8000字(2025年度)あり抜き出す箇所や要点・要旨を探すのにも範囲が広い。読解を進めながら重要点や答えになりそうな部分に目星をつけて傍線を引いておくなど、手際よく正解を見つける工夫が必要である。
論説的文章の読解のこつをつかんでおこう。
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやすい。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
〇[文学的文章の読解]
小説の出題が多い。主人公が小学生~高校生くらいに設定されている話がよく用いられており、受験生にもなじみのある舞台が描かれ、読みやすい内容になっている。
7000~9000字ほどもある本文は、場面の切り替えも多く読み取るべき人物の動きや心情も多くなる。素早く正確に読めるように、普段から読書量をなるべく多くするよう意識したい。
小説の読解の技術を高めておこう。
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
〇[文脈の問題]
ばらばらにした文章を正しく並べ替える問題が出されている。素材文は700~800字ほどあり、ここも文量に含める必要がある。文章の論理的な流れを読み取る能力を問うもので、題材として説明文が多く使われている。論理的な文章を多く読んで、文脈のつながりをよく見ておこう。
〇[文量]
素材文が15000~16000字にもなる場合がある。かなりの速さになるが、分速700字程度で見落としなく正確に読めるように練習しよう。
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2025年度「青山学院横浜英和中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は40問。読解問題では28問あるが、選択肢と書き抜きにそれほど時間は取られないだろう。2025年度は素材文が16000字にもなり、やはり長文をいかにすばやく読み終えるかが大事になる。記述問題に少しでも多く時間を残せるよう、ペース配分に慣れておきたい。
【大問一】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
1. 決済 2. 徳 3. 絹 4. いやく 5. じき
【大問二】類語・ことばの意味
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
問一 厚(意)
問二
1. アの「おもむろに」は「落ち着いてゆっくりした様子」を表すので、「勢いよく」とは合わない。
2. エの「あながち」は否定の語「~ない」などと共に用いられる副詞である。
問三
1. 税関・関連・難関・関所
2. 横顔・顔色・顔料・顔面
問四
1. 臨時・機会・応急・変化→臨機応変
2. 起源・死力・回数・生計→起死回生
【大問三】文脈の理解
- 難度:標準
- 時間配分:4分
問一 皆さんは青春を謳歌しているでしょうか、それとも孤独に打ちひしがれているでしょうか→僕は学生時代バスケットボールに打ち込んでいましたが、部活も恋愛も上手くいきませんでした(エ)→そんな時、読書が支えになってくれました。「本ばかり読んでないで友達と遊びなさい」などというのは、間違っています(ア)→なぜなら本も友達だからです。何度も読み返して長く付き合っていく存在です。(ウ)→というのも、本は取扱説明書とは違い、理解して終わりではなく、語り、喧嘩し、それでも一緒にいようとする友達だからです(イ)
問二 ウ
問三 ② は(が) ③ の ④ を
〔ワンポイント!――言語事項と文脈で2割ほどの配点がある。普段から地道に覚えておいて得点源にしよう。〕
<【大問一】~【大問三】 時間配分目安:計10分>
【大問四】論説的随筆文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:18分
- ★必答問題
ハチやクワガタムシを例として、外来種が環境に与える影響を論じ、我々が注意すべきことを考察している。
問一 第二段落で「なぜ外来種のマルハナバチが……」と唐突に「外来種」の話が出てきている箇所があり、うまくつながらないのでこの前で一文抜けていると考えられる。
問二 イ. 自然受粉のトマトはホルモン結果トマトより品質が高いと書かれていることと合わない。
問三 次の段落に書かれている。「日本在来のマルハナバチの栄養摂取の場所を奪うなどして、その生息域を圧迫するようになってしまった(四十七字)」のである。
問四 あちらを立てればこちらが立たずという「二律背反」状態である。
問五 国内:エ 国外:イ
問六 ヒラタクワガタは遠距離を飛翔する能力がなく、少し離れれば集団の遺伝子組成が異なるのだが、本土では広範囲で分化が認められない。それは、日本人が雑木林を広げるにつれて同じ遺伝子のクワガタが分布を広げたからだと考えられるのである。
問七 人がクワガタを可愛がった結果、外来種の問題が人を困らせるという「皮肉な」話になってしまったのである。
問八 ハチは農業に役立てるため・クワガタムシは可愛いので飼育するため、と目的に違いはあるが、生態系に影響を及ぼす恐れがあるという点は共通している。
問九 農業上の利点やクワガタムシへの好感から外来種を受け容れてきたが、将来的に生態系にどんな影響が出るかをよく考えないと、在来種を危険にさらす可能性がある。その外来種を日本に入れた場合の危険性、増えすぎた場合の対処法など、前もって調べることが必要であろう。
〔ワンポイント!――論説文は短めの場合が多いが、今年度は量が多かった。ただ、説明の部分が長く、要旨はまとまっている。要旨や結論を的確にとらえつつ、素早く読めるよう、速読を意識して練習しよう。〕
【大問五】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:22分
- ★必答問題
感染症の流行で学校生活に強い制限を受けて鬱屈としていた主人公。再開した対面授業でささやかな楽しみを見つける一方、母親の的外れな気づかいには調子を合わせるしかなかった。
問一 A. 三 B. 私立中学 C. 音楽と体育 D. 感染症 E. オンライン授業
問二 運動場を走ったり、友だちの発言に笑ったり、先生に怒られたり、友だちと秘密の話をしたり……など、例として挙げられていることから、選択肢エが合う。
問三
ア. 分散登校が実施されたり、半日だけ授業が行われたりするようになった
イ. ネット環境が充実しているから、オンライン授業で学校には行かずに済んでいる
問四 ア
問五 エ
問六 オンライン授業や会話禁止など、「いろんなものを押しつけられ、それに従っているなんてすごいことだ」と感嘆している→選択肢ア。
問七 会話禁止という学校の対応に、感染症の危険性が少なくなるという点で安心しているのだと考えられる。
問八 運動場に出たいというごく普通の願望を書いただけで叱られるかもしれないと不安を感じてしまうことの「理不尽さ」であろう。
問九 弾きたいとも思っていないバイオリンを押しつけてくる勝手さに反感をおぼえ(選択肢ア)ながらも、自分のことを考えてしてくれていることなので無碍(むげ)にもできない(選択肢エ)で調子を合わせている。
問十 問二参照。主人公は実際に人と会って、協力したり競い合ったり、学校という場で生身で人と交流することに喜びを感じていたのであろう。
〔ワンポイント!――小説の読解はやはり普段の読書量がモノを言う分野である。読み慣れていればおのずとスピードもあがり、心情や言動などのポイントにも気づけるようになる。好みの合う作家を見つけて、ぜひ読書に親しんでもらいたい。〕
攻略のポイント
本校のように本文の文量が多い場合、読むのに時間がかかり過ぎて本来わかったはずの問題を解く時間が足りなくなってしまった、という事態は避けたいところである。速読は訓練で上達できる技術なので、早めに対応を進めておこう。
また、読解の技術として、ポイントになる部分をすばやく見つけられるようにしておくことも大事なので、要点や重要部分をマークするコツをつかんでおきたい。
言語事項も一定の配点を占めるので、基本的なレベルでよいのでひととおりは頭にいれておこう。
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