大学受験プロ家庭教師 教師対談インタビュー-プロの視点で語る受験への取り組み方

夏が勝負!高校3年生の夏休みの過ごし方

高校3年生にとって、夏休みは大学受験の合否を決める勝負の時。夏休み前の模試で志望校の合格ラインに届かず焦り始めた人も、模試の結果を見ながら志望校を絞り込み、いよいよ本格的に受験勉強をスタートさせようとしている人も、夏休みの過ごし方が命運を分けるといっても過言ではありません。
多くの受験生とともに夏を乗り越え、合格へと導いてきた大学受験のエキスパートである末松先生と若林先生に、「合格に結び付く夏の過ごし方」についてお話しいただきました。

末松先生

Professional of Leaders’Brain

末松先生
■プロフィール
①目標設定、②総合査定、③学習計画、④二層学習(インプット&アウトプット)の手順を踏み、「合格(う)かる」を追求した究極の指導を行います。

若林先生

Professional of Leaders’Brain

若林先生
■プロフィール
難関大対策として、問題文にあるヒントを自分の知識へつなぐ回路を鍛え、開発することで、初見の問題に対応できる実力を養成します。

夏休みは、不足している知識の補強と全範囲の基礎固めに全力を注ぐ時期

末松:夏休み前に行われる、河合塾の全統マーク模試の結果などを見て危機感を持ち、「何かを変えたい」と考えているお子さんを受け持つことがよくあります。この時期に自覚して動いてくれるお子さんは、大いに脈があるのではないでしょうか。

若林:現役の生徒の場合、夏休み前に志望校の合格ラインに達していることのほうが珍しいですね。むしろ、この時点で合格ラインに達していれば、あとは志望校のレベルを上げるか、上げるならどう取り組むか、という話になってきます。ご依頼いただいた時点のレベルや本人が目指すレベルによってやるべきことに違いはありますが、夏休みの過ごし方が重要であることは間違いありません。

末松「目指すレベルに達していない」というお子さんで、その原因が知識不足にあるなら、時間のある夏休みは知識量を増やす絶好の機会です。基本となる知識が身に付けば、あとはその知識を基に応用するだけでいいのです。英単語は、その最たるものですね。単語がわからないから読めない、考えられないという悩みは、単語が知識として身に付けば解消されます。ただ、知識が定着するまでには最低でも3ヵ月ほどかかりますので、「夏休みだけですべてが終わる」というものではないことを知っておいていただければと思います。

若林もうひとつ、夏休みを利用して行うべきは、全範囲の基礎固めです。どの科目においても、できるだけ早い段階から多くの過去問を解き、入試レベルで演習できる状態に持っていかなくてはなりません。しかし、進度が非常に早い進学校は別として、一般の学校で定期テストに備えた勉強しかしてこなかった場合、夏休み前の段階では、高3の1学期までの範囲しか終わっていないことがほとんどです。高校で学ぶ全範囲の教科書レベルの基礎力は夏のうちに身に付け、問題演習に時間を割ける態勢を整えたいですね。

対談末松先生
結果を出すための戦略をきちんと立て、合格に向かってサポートできるよう心掛けています。

末松:夏休みを有効に使うなら、行動を起こすのは早ければ早いほどいいでしょう。ただ、自分の志望校と、模試のレベルが合っているかどうかという点は、注意してほしいですね。実力不足のまま、難関大学を目指す人が集まるハイレベルな模試を受ければ、きびしい結果が出ることもあるでしょうし、逆にマーク式の模試なら、コツさえつかめば誰でもそれなりの結果を出せる可能性があります。自分の実力をできるだけ正確に判断できる模試を受け、客観的な視点で足りない部分を把握した上で、夏休みに臨めるといいですね。

スケジュールに捕らわれすぎず、分野ごとに理解を深めていくことが重要

若林夏休みのスケジュールは、あまり固めすぎないほうがいいと私は思っています。基礎固めや復習など、夏休みにやるべきことが決まっても、それを日数や時間数で割るのは現実的ではないからです。スケジュールを立てて、それに捕らわれるよりは、基礎が固まった分野はすぐに復習に移り、できる分野はどんどん過去問をこなして、できない分野は反復学習でつぶしていくという流れを作ってほしいですね。

末松英単語も、「ここまで夏休み中に覚える」というように期間で範囲を区切るのではなく、興味がわくところからスタートすることをおすすめします。何か1つ気になる単語があったら、そこから関連する単語へ進み、知識の範囲を広げていくという形ですね。体系的というよりは分散的に、いうなれば蜘蛛の巣のように知識を深めていくほうが、効率的かつ身になる学び方だと思います。

対談若林先生
初めて見るような問題でも対応できるように、自分の知識を応用できる発想力を鍛えることが大事だと考えています。

若林:夏休みを終えて、「できるようになった」と感じてもらうために、夏休み全体をざっくり「始め」「中」「終わり」くらいのくくりで分けるのがいいかもしれませんね。受験勉強は、夏休みだけでなく本番まで続いていくものですから、「やればやっただけ結果がついてくる」という実感がないと、モチベーションを維持できなくなってしまいます。

末松:私は生徒に、「夏休み中、何時間勉強すればいいか」というような質問をされると、「17時間はやるべきだ」と答えることがあるんですよ(笑)。現実的には難しい子が多いかもしれませんが、心の底から合格したいという欲求があれば、そのくらいの時間を勉強に費やせるのではないか、という思いがあってのことです。勉強だけに没頭したという経験は、夏休みが明けてからの自信につながりますからね。

塾の夏期講習は自己管理の助けになる反面、非効率な面がある

末松:夏休みは、塾の夏期講習に通うお子さんも多いですよね。個別の大学名を挙げて「〇〇大対策」と銘打っている講習も多いので、行かなくてはならないという気持ちになるのかもしれません。

若林:個人的には、過去問を1つでも多く解く時間にあて、自分で判断できる力を身に付けたほうがいいと思いますが、気持ちはわかりますね。夏期講習に通うことによって、周囲から刺激を受け、より意欲的になるなら、通ってもいいのではないでしょうか。

末松:そうですね。どうしても自己管理できないというお子さんが、勉強を中心とした生活習慣を身に付けるのにも役立つでしょう。一方で、自分のペースで学習できないという弊害があることも知っておくべきだと思います。本来なら夏休みは、苦手な分野や理解が浅い分野の学習に時間をかけたいのですが、集団学習ではそういうわけにはいきません。わかっているところを延々と学習し、わかっていないところは聞けずに終わる、ということもあるはずです。

若林:講義を聴いてわかった気になり、「わかる」から「できる」へのサイクルを作らずに終わってしまうというのも怖いところですね。授業中に解ける問題数が少なく、数学なら2問程度のこともあるなど、数をこなせないという点も気になります。また、講習を受ける校舎が遠ければ、そこに行くまでの時間もロスになるでしょう。総合的に考えて、少し無駄が多いかなという印象です。

対談

末松:当然ながら、最初にお話しした大学別の対策講座は、「その大学を目指すなら受けておかなくてはならない」というような絶対的なものではありません。夏休み時点での学力には個人差がありますから、大学別の対策講座を受けることが適しているかどうかも、一人ひとり異なります。夏休みは、周囲に流されることなく、自分自身の課題や弱点と向き合い、それを解決するための時間に使ってほしいですね。

若林:受験勉強に取り組む子供たちは、一人ひとりがまったく違う「壁」にぶつかります。誰もが同じように受験勉強を進めていけるわけではありませんから、その子に不足しているものを正確に見極め、必要な時期に必要な学習ができるようサポートしていくことが大切だと思います。

末松:そうしたきめ細かな指導を効率的に提供できることこそ、家庭教師のメリットだといえますね。できる限り無駄を省き、効率的に学力を向上させる指導を心掛ける、受験勉強の良き並走者でありたいと思います。

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