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開成高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「開成高等学校の数学」
攻略のための学習方法

全体的に全く手が付けられないという問題という訳ではない。1年間における受験勉強の流れを概観する。夏までの時期には、標準問題の徹底した演習が不可欠である。夏は、受験生にとって大事な時期であり、翌年の受験の合否を決定すると言っても過言ではない、まさに受験勉強の『天王山』である。この時期(夏)から全国レベルの難関校の数学の入試問題に挑戦して欲しい。夏の時期にしっかりとした基礎力と応用力を身に付けることに専念すること。

そのような『学力』を確実に習得することが、秋以降本番入試までの確かな実戦力を着実にする唯一の方法であることを認識して欲しい。そのためには、何をどうすればよいのかについて、具体的に分野を絞って以下に見てみたいと思う。

(1)数の性質に関する問題には要注意である。

小数点第2位を四捨五入して、というような条件を与えられた場合に、不等式を用いて式を立て、設問が求めている解答を導き出す訳である。その際にも、闇雲に思考を進めては時間のロスは否めない。

適正な方向性をもって論理を組み立てられるかどうかは、どの問題においても必須な要件であり、その部分がぶれていては、自分で『素晴らしいアイデア』だと自画自賛したところで、それは単なる思い付きに過ぎず正解にはたどり着けないだろう。また、数の性質、特に整数解を求める不定方程式などの問題にも十分慣れておくように。

(2)関数の問題は必ず出題される。

放物線と直線、つまり2次関数と1次関数の融合問題は得意分野となるまで徹底的に演習を重ねて欲しい。この分野の問題は、特定の高校という訳ではなく、高校受験の数学においては必須分野である。何故か。それはこの融合問題によって、中学数学のほぼ全分野の知識とその理解とが確認できるからである。2~3点具体例を挙げてみる。

第1に、放物線と直線の交点の座標に関連した問題である。その交点のx座標は、放物線と直線との連立方程式(つまりxに関する2次方程式の解)となる。その際、単純に解の公式を用いてxの解を求めるというのではなく、その後の問題展開を考慮して『解と係数の関係』を用いた方が、端的にかつ確実に正解を求められる場合がある。

第2に、放物線と直線との2交点を用いて特定の図形(三角形の場合が多いが)と面積が同じになる、又は2倍、3倍となる場合における2交点以外の放物線上の第3点目の座標を求める問題も要注意である。様々な解法はあるが、基本的には『等積変形』の考え方を如何に効率よく設問に当てはめていくか、ここがポイントである。

また、上記2交点と特定の条件を付与された動点Pによって出来上がる図形におけるxとyの関係を基まさせる問題、いわゆる『軌跡』に関しても事前準備はしっかりやっておくこと。

第3に、『格子点(x、y座標の値が整数値)』に関してもその特性を自在に扱えるようにしておかなければならない。

平面座標から格子点の個数を具体的に数えさせたり、文字を使って抽象的に条件を与えられ、格子点の数を所与の文字を使って表現させたりする出題も可能である。

第4に、確率の問題にも拡張できる。例えば、点Pが原点をスタート地点としてサイコロを振り(振るサイコロは1個とは限らず、複数の場合もあり得る)、5回までは偶数目はx軸方向へ、奇数目はy軸方向へ進み、6回~10回目までは、偶数目はx軸方向と逆へ、奇数目はy軸方向と逆へ進みとして、最終的に点Pが再び原点に戻ってくる確率を求める問題などにも慣れておく必要がある。

以上、概観したように、放物線と直線との融合問題には数量編は当然のこととして、幾何・確率の分野までも出題可能なのである。ここに、この分野が高校入試において必ず出題される理由がある。

(3)立体図形(空間図形)に関する問題も繰り返し演習を行っておくこと。

立体図形の切り口を扱う問題は得意として欲しい。

この問題は基本的には立方体を使う場合が多いが、原則的に同一平面に存在する2点を結ぶ作業を行い、次に対面に対し平行に直線を引くという手順で進めてゆくと手際よく切り口の形が見えてくる。その結果得られた『平面図形』において、三平方の定理・合同・相似・点対称移動などの考えたかを用いて解答する問題形式となる。

また、空間という三次元の世界を紙という二次元の思考の中で考えるために、有効な手段を示して置く。『立体を三方向からイメージする』ということである。三方面とは、『真上・真正面・真横』である。

これらの方向からのイメージを頭の中で一つの立体として完成させ、できれば回転させたり斜めにしたりできるような想像力を逞しくする訓練を積んで欲しい。そのためには、コンピュータ・グラフィックなどを実際に自分の目で見てみることも大事である。

(4)最後に規則性の問題も重要である。

規則性には様々な出題形式があるが、数列の場合を考えてみると、第n項の値についてnを用いて数式化する訓練をしっかりつけること。項数との関係性も重要なファクターである。数列以外にも、規則性の問題は限りなく存在するので様々な問題形式に触れておくように。

総括として一言。

参考書や問題集には、特殊な受験テクニカルな公式が掲載されている場合が多いが、大事なことはその公式を丸暗記して目の前の問題の数値を当てはめて答えを出すのではなく、一度自分でその公式がどのようなプロセスで導き出されたのかを検証することである。公式はあくまで結果であって、大切なことはその結果に至る過程(プロセス)でどのような『考え方』を用いたかであることを忘れないでほしい。

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2020年度「開成高等学校の数学」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】小問題<4分>

(1)因数分解<1分>

(2)連立方程式<3分>

【大問2】1次関数と2次関数融合問題<21分>

(1)点の座標<5分>

(2)3点を通る円の中心の座標<6分>

(3)直線の式<5分>

(4)証明<5分>

【大問3】場合の数・確率<16分>

(1)2桁の数字の積が7の倍数になる場合の数<4分>

(2)2桁の数字の積が6の倍数になる場合の数<5分>

(3)2桁の数字の積が各数字の1の位で割り切れる場合の数<7分>

【大問4】空間図形<19分>

(1)面積問題<3分>

(2)辺の長さ問題<3分>

(3)辺の長さ問題<3分>

(4)辺の長さの組を求める問題<10分>

【大問1】小問集合問題

  • 時間配分:4分

(1)因数分解<1分>

与式のx-21を文字に置き換えて置き換えた文字で因数分解し、最後に置き換えた文字を元の式に戻して終了。

(2)連立方程式<3分>

方程式の係数が無理数になっているが、連立方程式の基本に従い係数を揃えることを考える。

【大問2】1次関数と2次関数の融合問題

  • 時間配分:21分

(1)2次関数のグラフ上にある3点の座標を求める問題<5分>

与えられた条件より、内角が90度・60度・30度の三角形を探し出す。放物線と直線の交点をxの2次方程式(放物線)と1次方程式(直線)の連立方程式で求める。

(2)2次関数のグラフ上にある3点を通る円の中心を求める問題<6分>

BCを1辺とする直角三角形を見つけ出すこと。そのことにより、円の中心角と円周角の関係よりBCは円の直径と判明する

(3)Bを接点とする接線の式を求める問題<5分>

Bは円の直径の一端であること、および直径と接線は接線で直交するという原理を当てはめる。

2直線の垂直条件(互いの傾きの積=-1)は様々な場面で応用できるので、しっかり理解し使いこなせるようにすること。

(4)特定の点が2次関数のグラフ上に存在することの証明問題<5分>

点がグラフの上に存在するという意味を数学的に考えること。原理が理解できれば、比較的取り組みやすいであろう。

【大問3】2桁の数字の積に関する場合の数の問題

  • 時間配分:16分

(1)一の位の数字が7であるAとBの積が7で割り切れる場合の数<4分>

AとBの積が7の倍数になるのであるから、少なくともA・Bのどちらかが7の倍数である場合を考えること。

(2)一の位の数字が6であるAとBの積が6で割り切れる場合の数<5分>

6=3×2であるので、AまたはBは一の位が6(=偶数)なので、少なくともA・Bのどちらかが3の倍数である場合を考ええる。この点(6=3×2)という点を見逃さないようにすることがポイントである。

(3)AとBの積がA、Bの一の位の数字で割り切れる場合の数<7分>

一の位が1~9の場合を具体的に考えてみよう。一の位の数字が偶数か9の場合は注意が必要である。

【大問4】空間図形(四面体=三角錐)に関する問題

  • 時間配分:19分

(1)指定された三角形の面積を求める問題<3分>

四面体ABCDにおける△ABCの面積を求める問題であるが、△ABCはAB=ACの二等辺三角形なので、AよりBCに垂線を下ろし、三平方の定理を当てはめ、△ABCの高さを求める。

(2)指定された条件を満たす辺の長さを求める問題<3分>

面ABCに注目し、△PCAにおいて三平方の定理を当てはめて求める辺の長さを求める。

(3)2辺の長さを指定された場合の線分の長さを求める問題<3分>

PよりADに垂線を下ろすことにより、合同な三角形を探し出し解法への手掛かりとする。最後は、やはり三平方の定理を活用する。

相似の概念を用いても解法できるので挑戦してみて欲しい。

(4)指定された立体の体積が元の四面体の体積の1/324となるときの辺の長さを求める問題<10分>

設問の条件を満たすAQ・ARの長さを求める問題なので、AQ=x、AR=yとして、x、yについて条件を満たす方程式を立て、最後は連立方程式を解く。

合同や相似の考え方を取り込みながら、x、yの条件(それぞれの辺の長さの条件より変域が確定)をしっかり踏まえながら、情報を整理していくことが重要である。

攻略のポイント

柔軟な発想とイメージコントロールを要求される多種多様な問題設定である。全く手が付けられないという問題はないであろうが、限られた時間の中で手際よく正解を導くためには、相当な演習量をこなし発想力や着眼点を日頃の学習において最高に磨かなければならない。

演習問題のレベルは、当然ながら全国最難関校以上の過去問題であり、単純なスキル演習を数多くこなして対応できる問題レベルではない。正解へ向け、瞬間的に解法への適切な方針を立てられるか、この点が最重要である。この方針の立て方を見誤ると徒に時間だけが経過してしまい合格得点には至らないだろう。

また、図形問題や整数の性質問題などのような事象の本質的領域に関わるような発想ができるかどうかが正答を導けるか否かのカギである。図形問題では、空間における複眼的な見方の練習をしっかり行うこと

 

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