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出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「開成高等学校の数学」
攻略のための学習方法

全体的に全く手が付けられないという問題ではない。1年間における受験勉強の流れを概観する。夏までの時期には、標準問題の徹底した演習が不可欠である。夏は、受験生にとって大事な時期であり、翌年の受験の合否を決定すると言っても過言ではない、まさに受験勉強の『天王山』である。この時期(夏)から全国レベルの難関校の数学の入試問題に挑戦して欲しい。夏の時期にしっかりとした基礎力と応用力を身に付けることに専念すること。

そのような『学力』を確実に習得することが、秋以降本番入試までの確かな実戦力を着実にする唯一の方法であることを認識して欲しい。そのためには、何をどうすればよいのかについて、具体的に分野を絞って以下に見てみたいと思う。

(1)数の性質に関する問題には要注意である。

小数点第2位を四捨五入して、というような条件を与えられた場合に、不等式を用いて式を立て、設問が求めている解答を導き出す手法がある。その際にも、闇雲に思考を進めては時間のロスは否めない。

適正な方向性をもって論理を組み立てられるかどうかは、どの問題においても必須な要件であり、その部分がぶれていては、自分で『素晴らしいアイデア』だと自画自賛したところで、それは単なる思い付きに過ぎず正解にはたどり着けないだろう。また、数の性質、特に整数解を求める不定方程式などの問題にも十分慣れておくように

(2)関数の問題は必ず出題される

放物線と直線、つまり2次関数と1次関数の融合問題は得意分野となるまで徹底的に演習を重ねて欲しい。この分野の問題は、特定の高校という訳ではなく、高校受験の数学においては必須分野である。何故か。それはこの融合問題によって、中学数学のほぼ全分野の知識とその理解とが確認できるからである。2~3点具体例を挙げてみる。

第1に、放物線と直線の交点の座標に関連した問題である。その交点のx座標は、放物線と直線との連立方程式(つまりxに関する2次方程式の解)となる。その際、単純に解の公式を用いてxの解を求めるというのではなく、その後の問題展開を考慮して『解と係数の関係』を用いた方が、端的にかつ確実に正解を求められる場合がある。

第2に、放物線と直線との2交点を用いて特定の図形(三角形の場合が多いが)と面積が同じになる、又は2倍、3倍となる場合における2交点以外の放物線上の第3点目の座標を求める問題も要注意である。様々な解法はあるが、基本的には『等積変形』の考え方を如何に効率よく設問に当てはめていくか、ここがポイントである。
また、上記2交点と特定の条件を付与された動点Pによって出来上がる図形におけるxとyの関係を基本とする問題、いわゆる『軌跡』に関しても事前準備はしっかりやっておくこと。

第3に、『格子点(x、y座標の値が整数値)』に関してもその特性を自在に扱えるようにしておかなければならない。

平面座標から格子点の個数を具体的に数えさせたり、文字を使って抽象的に条件を与えられ、格子点の数を所与の文字を使って表現させたりする出題も可能である。

第4に、確率の問題にも拡張できる。
例えば、点Pが原点をスタート地点としてサイコロを振り(振るサイコロは1個とは限らず、複数の場合もあり得る)、5回までは偶数目はx軸方向へ、奇数目はy軸方向へ進み、6回~10回目までは、偶数目はx軸方向と逆へ、奇数目はy軸方向と逆へ進みとして、最終的に点Pが再び原点に戻ってくる確率を求める問題などにも慣れておく必要がある。

以上、概観したように、放物線と直線との融合問題には数量編は当然のこととして、幾何・確率の分野までも出題可能なのである。ここに、この分野が高校入試において必ず出題される理由がある。

(3)立体図形(空間図形)に関する問題も繰り返し演習を行っておくこと。

立体図形の切り口を扱う問題は得意として欲しい。この問題は基本的には立方体を使う場合が多いが、原則的に同一平面に存在する2点を結ぶ作業を行い、次に対面に対し平行に直線を引くという手順で進めてゆくと手際よく切り口の形が見えてくる。その結果得られた『平面図形』において、三平方の定理・合同・相似・点対称移動などの考えたかを用いて解答する問題形式となる。

また、空間という三次元の世界を紙という二次元の思考の中で考えるために、有効な手段を示して置く。『立体を三方向からイメージする』ということである。三方面とは、『真上・真正面・真横』である。

これらの方向からのイメージを頭の中で一つの立体として完成させ、できれば回転させたり斜めにしたりできるような想像力を逞しくする訓練を積んで欲しい。そのためには、コンピュータ・グラフィックなどを実際に自分の目で見てみることも大事である。

(4)最後に規則性の問題も重要である。規則性には様々な出題形式があるが、数列の場合を考えてみると、第n項の値についてnを用いて数式化する訓練をしっかりつけること。項数との関係性も重要なファクターである。数列以外にも、規則性の問題は限りなく存在するので様々な問題形式に触れておくように

総括として一言。
参考書や問題集には、特殊な受験テクニカルな公式が掲載されている場合が多いが、大事なことはその公式を丸暗記して目の前の問題の数値を当てはめて答えを出すのではなく、一度自分でその公式がどのようなプロセスで導き出されたのかを検証することである。公式はあくまで結果であって、大切なことはその結果に至る過程(プロセス)でどのような『考え方』を用いたかであることを忘れないでほしい。

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2023年度「開成高等学校の数学」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】場合の数<8分>
(1)2の累乗に関する場合の数<2分>
(2)2の累乗と3の累乗の積に関する場合の数<3分>
(3)素数の累乗に関する場合の数<3分>

【大問2】直角三角形に関する平面図形問題<12分>
(1)証明問題<5分>
(2)長さの比に関する問題<7分>

【大問3】数の性質に関する問題<19分>
(1)数の大小に関する問題<9分>
(2)不等式の成立理由の問題<10分>

【大問4】空間図形(立方体)に関する問題<21分>
(1)辺の長さの問題<3分>
(2)角度に関する問題<7分>
(3)面積に関する問題<11分>

【大問1】場合の数に関する問題

  • 時間配分:8分

1~8まで書かれたカードが8枚あり、2回カードを取り出すものとする。ただし、1回ごとにカードは戻すものとし、1回目と2回目の数字の積をⅯとする。

(1)Mが2の累乗となる取り出し方を求める問題<2分>。
1~8までのうち2の累乗は、4=22、8=23より2の累乗は、2、4、8である。
(2)Mが2の累乗と3の累乗の積となる取り出し方を求める問題<3分>。
2の累乗の数字は、2、4、8。3の累乗の数字は3である。これらのことより、1回目と2回目に取り出す数字の組み合わせを考える。
(3)Mが1つの素数の累乗となる取り出し方を求める問題<3分>。
題意を満たすのは、2の累乗、3の累乗、5の累乗、7の累乗がある。それぞれの場合について取り出す方法を考える。

【大問2】平面図形(直角三角形)に関する問題

  • 時間配分:12分

(1)三角形の面積を求める公式を用いて辺の長さの比例式を証明する問題<5分>。
△PAB=BP×AB×青山 中森T3 、△PAC=CP×AB×青山 中森T3を手掛かりにアプローチする。
(2)三角形に内接する円の半径を求める問題<7分>。
(ⅰ)PからACへ垂線PHを引くと△PAB≡△PAHとなる。AC=x、PC=yとすると△ABC∽△PHCとなるので、AC:PC=BC:HC。AH=AB=2√2であるので、HC=AC-AH=x-2√2 。よって、x:y=(1+y):(x-2√2)が成立する。
(ⅱ)△ABPにおいて三平方の定理によりAP=3となる。また、円とその接線は半径に対して垂直に交わることを利用する。

【大問3】数の性質に関する問題

  • 時間配分:19分

n個の異なる自然数で『すべての数の和と、すべての数の積が等しい』(※)を満たすものを求める問題である。n=2のとき、n=3のとき、n≧4のそれぞれの場合について考察する。

(1)数の大小に関する問題<9分>。
(ⅰ)分子が同じ分数では分母が小さい方が大きい。よって、x<yであるときx分の1>y分の1となる。
(ⅱ)x、y、zが自然数で、x<y<zであるので、y<zよりyx<zxとなる。また、x<yよりxz<yzとなる。よって、xy<zx<yzとなり、開成数23-1となる。

(2)不等式を証明する問題<10分>。
開成数23-2……
上記不等式が成立することを説明する問題である。

の分数は約分すると、
    開成数23-3 
となることを利用する。

【大問4】空間図形(立方体)に関する問題

  • 時間配分:21分

(1)長さ(相似)に関する証明問題<3分>。
△AIB∽△ABGであるので、BI:GB=AB:AGである。また、△BCGは直角二等辺三角形であるので、GB=2√2 となる。また、△ABGに三平方の定理をあてはめる。
(2)角度に関する問題<7分>。
△ABD、△ADE、△AEBは合同な直角二等辺三角形であるので、BD=DE=EBとなる。また、△AIB≡△AID≡△AIEであるので、△BDI≡△DEI≡△EBIは合同な二等辺三角形となることを利用する。
(3)面積を求める問題<11分>。
四角形STUVは長方形であることより、求める面積はSV×STとなる。

攻略のポイント

柔軟な発想とイメージコントロールを要求される多種多様な問題設定である。全く手が付けられないという問題はないであろうが、限られた時間の中で手際よく正解を導くためには、相当な演習量をこなし発想力や着眼点を日頃の学習において最高に磨かなければならない。

演習問題のレベルは、当然ながら全国最難関校以上の過去問題であり、単純なスキル演習を数多くこなして対応できる問題レベルではない正解へ向け、瞬間的に解法への適切な方針を立てられるか、この点が最重要であるさらに、方針を立てる場合に、3手先、4手先まで見通すことのできる「眼力」が必要である。先々まで想定できる力こそ、真の数学思考力であると認識して欲しい。

また、図形問題や整数の性質問題などにおいては、事象の本質的領域に関わるような発想ができるかどうかが正答を導けるか否かのカギである。図形問題では、空間における複眼的な見方(2方向から見た平面図を頭の中で一体化する見方)の練習をしっかり行うことが必要である。また、今年度は先生と生徒の2人の会話を設定し、幾何の問題を証明させる設問が出題された。このような類の問題が初見である場合も多いかもしれないが問題の本質をしっかり理解し、証明したい事項を論理的に思考することが肝要である

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