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慶應義塾志木高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「慶應義塾志木高等学校の国語」
攻略のための学習方法

出題された文章は、論説文と小説である。この出題傾向は、今後しばらくは大きな変更はないと思われるため、上記2分野の文章の攻略法について以下に述べてみたいと思う。

  • 論説文を読み切るために

  • (1)「論説文は難しい」と受験生の多くは思っていないだろうか。なぜ、そのように受験生は思ってしまうのだろうか。理由は様々あるだろうが、本文に展開されている難解な論理や普段使い慣れていない用語などが、受験生の理解を阻んでいると思われる。「論説文は易しい」とまでは言わないが、入試問題として出題される論説文は、筆者の主張も明確で論理展開も整然としている。重要なことは、そのような特質のある文章を如何にしたら試験時間内に手際よく読み込むことができるかである。

    (2)前項で確認したように、入試で扱う論説文は極めて論理性が高い。そのような文章を理解するためには、自分自身が論理的思考力を身につけなければならないということである。そのためには、日頃から物事を論理的に考える習慣を付けておくことが重要である。論理的思考力を付けるためには、「自分の頭で考える」ことが必須である。最近は、様々な情報伝達ツールが氾濫しており、必要な情報は手間暇掛けずに容易に手に入ります。そのような利便性の高い環境の中で、物事を論理的に考えるためには安直にそのような便利なツールに頼らず、自力で試行錯誤を繰り返しながら結論を導き出すことである。

(3)上記のような作業を繰り返すことで、「論理の道筋」を自分で組み立てられるのである。それができるようになれば、自力でも論理的な文章を書けるようになり、入試問題で扱われる論説文に対する対策も効率よく習得できるだろう。そして、その結果としては単に論理的文章が読めるようになるだけではなく、そのような論理的思考に裏付けられた記述問題における力も高まるのである。

(4)論理性を高めるためには、論理性の高い文章を読むことが必要であると述べた。具体的には、岩波書店や筑摩書房などから出版されている「新書」を読むことが効果的である。中・高生向けの「ジュニア・新書」も発行されているので、自分の興味のある分野の新書を実際に手に取ってみて中身をぜひ見てもらいたい。自然科学分野は言うまでもなく、社会科学系の内容もたくさん網羅されている。数冊で構わないので、気に入った新書を手に取り読了してもらいたい。さらに言えば、読書録のような文章(400語=原稿用紙1枚)にまとめ上げる訓練も必要である。その文章を他人(学校の国語の先生)に見てもらうと、自分の文章作成上の弱点補強にも役立つことは間違いない。

  • 小説は心情把握を重点に

  • (1)高校入試で扱われる小説のポイントは「心情把握」である。登場人物の内面の心理状況がどのように変化してゆくのかを的確に押さえ、把握できるかが合否を分けると言える。その心情描写は、「そのとき太郎は、心から落胆したのである」という具合に「直接的」ではない。情景描写や他の登場人物との会話のやり取りを通じて推量するしかない。そのためにも自分の「感性」を研ぎ澄まさなければならない。

    (2)「感性」を研ぎ澄ますためにはどうすればよいか。一口で言うならば「感動する心を失わない」ことである。物事を見て感動しない心では「感性」は磨かれない。小説の本文を読みながら、情景が浮かんできて登場人物の動きが手に取るように理解できるようになるためには「感動する心」が必要である。

    (3)小説の文章を理解するためには、「比喩」の表現を活用したい。「比喩」には「直喩」と「暗喩」がある。文章中にあるこれ等の表現技法をしっかり理解し、内容が把握できるようになると小説の読解・理解力は格段に伸びる。日頃から文章を丁寧に読み込み、「比喩」、「擬人法」、「倒置」などの表現方法は意識して読むような習慣を付けることが重要である。

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2019年度「慶應義塾志木高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】は、自然科学的分野(人類)に関する論説文の読解問題<21分>。漢字、語句、慣用句、内容把握の出題形式である。1題を除き全て記述式問題である。
【大問2】は、小説の読解問題<39分>。文学史、漢字、内容把握、語句、慣用句、人物の心情把握の主題形式である。【大問1】と同じように、1題を除き全て記述式問題である。

【大問1】自然科学的分野(人類)に関する論説文の読解問題

  • 時間配分:21分

出典は、ライアル・ワトソン著/内田美恵訳『ネオフィリア―新しもの好きの生態学』。

問1は、漢字の書き取り問題<2分>。
どれも標準的な漢字の書き取り問題であるが、似て非なる漢字に気をつけること。

問2は、語句に関する問題<2分>。
「無為」、「抜群」、「遺物」、「子孫繁栄」、「昇華」に関する語句問題である。

問3は、慣用句に関する問題<2分>。
は、大きな差があるときに使う慣用句である。は、自分に思いもかけず好都合な状況になること。は、他人に気に入られようとすること。

問4は、内容把握に関する記述問題<2分>。
「われわれこそ、究極のスペシャリストなのだ」とあるが「スペシャリスト」が間違っている。

問5は、内容把握記述問題<4分>。
我々は、都市(人間動物園)に適応しようとして努力するところが、「人間の人間らしいところ」なのである。

問6は、内容把握記述問題<5分>。
本文中にある「ある雌のゾウ」に関して、「食事はちゃんと与えられてはいた」が、社会的なコミュニケーションは満たされなかったのである。

問7は、文章内容に関する選択問題<4分>。
与えられた文章が、本文のどの空欄にあてはまるかを問う問題である。本文と与えられた文章の関係性をしっかり押さえ、適切に選択肢を選ぶ。

【大問2】小説の読解問題

  • 時間配分:39分

出典は、『雪の面』(井上靖著)。

問1は、文学史に関する問題<2分>。井上靖と世代が最も遠い作家を選ぶ問題である。選択肢は、芥川龍之介・川端康成・太宰治。

問2は、文学史に関する問題<1分>。井上靖の作品を問う問題である。

問3は、漢字の読み書取り問題<4分>。どれも標準的な漢字に関する問題である。

問4は、文章内容把握問題<3分>。登場人物の親族呼称を漢字で書く問題である。

問5は、文章内容把握記述問題<4分>。
XもYもどちらも、文脈を丁寧に辿るとそれぞれの状況が見えてくる。その状況を参考に適切な個所を抽出すること。

問6は、語句問題である<4分>。「相手を蔑むような」とは「驕慢」という。

問7は、文章内容把握記述問題<3分>。
「母」の言動は、わたしたちにとって「思いも寄らぬこと」であったのである。

問8は、文章内容把握問題<3分>。
傍線にある「別種の哀れさ」とは、それまでの「母」は自分のことをどのように思っていたのかを本文に即して考えてみること。

問9は、文章内容把握問題<4分>。
「私」はこれから仕事を始めようとしている状況であり、「母」は高齢である状況を考えること。茶はどのような効能があるのかを合わせて考えよう。

問10は、内容把握記述問題<4分>。
本文中に「私は自分が亡くなって三日目になるという自分の書斎を見渡した」とある。その時の「私」の感情はどのようなものであったか。

問11は、内容把握記述問題<7分>。
自分が築き上げた世界を壊されそうになったとき、「母」は自尊心を傷つけられたのである。

攻略のポイント

論説文と小説の大問2題の出題である。出題形式も半分は50~80字の記述式問題である。本文の文章を読み、内容を把握するだけではなく、設問の意図をしっかり理解したうえで指定された字数内で自分の考えをまとめ上げなければならない。設問の答えが自分で理解できたとしても、それを如何に手際よく的確に指定された字数でまとめ上げるかは、日頃から記述力向上の練習を積み上げておく必要がある。また、漢字の読み書き・語句・慣用表現なども結構な比率で出題されているので、このような知識問題も怠りなくしっかり押さえておきたい。

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