中央大学附属横浜中学校 入試対策
2025年度「中央大学附属横浜中学校の理科」
攻略のための学習方法
中大附属横浜中の理科では、どれほど知識があっても、スピードがなければ実力を十分に発揮することができない。特に問題文が長く、情報量も多いため、速く読む力・素早く理解する力・正確に判断する力のすべてが問われる。これらは短期間では身につかないため、他の学習と並行して、日々のトレーニングを積み重ねていくことが必要である。
出題内容は定番の問題が多く、難解な問題はほとんど出題されない。6年用の受験テキストの例題・基本問題を徹底的に仕上げ、発展問題はよく出る典型的なものに絞って即答できるレベルにまで完成させたい。問題のポイントを素早く感じ取り、即座に方針を立て、進む方向の予想をし、先回りすることもできるレベルまで完成してほしい。
本校の理科では、「実験・観察・考察」を扱う長文形式の大問が中心となる。大問一題あたりの情報量が多く、条件の整理と読解力が試される。対策としては、同様の形式を含む他校の過去問を活用することが効果的である。受験用テキストに類題が少ない場合は、複数校の過去問が掲載された教材や、入試問題を入手できるサイトを利用するとよい。解説の入手が難しい場合も多いが、さほど大きな問題ではない。ポイントは、自分で読み取り、考え抜く時間を積み重ねること。こうした訓練こそが、合格につながる本物の力になる。
以下、本校入試において頻出単元ごとの学習法を述べる。
【化学】
「中和に関する表計算」の様な定番の問題形式からはあまり出題されず、「溶存酸素」「結晶内の粒子配列」などの馴染みのないテーマや、「二つの容器間の対流と結晶の増減」「混ざりあわない液体の混合液」など馴染みはあるが特殊な取り上げ方をしたテーマが主流である。与えられた設定に沿って、その場で考えることを求めている。とは言え、考える土台はしっかりしている必要があるので、定番の問題の解き方は全てマスターすべきである。ただし、それは中央大付属横浜中理科対策の前半にすぎず、後半からは「あまりなじみのないテーマ」「実験や観察」などに照準を合わせ、問題練習を通して、考え・工夫する訓練を徹底的に進めてもらいたい。他校の過去問はとても良い教材になる。
【物理】
一問一等で聞かれればさほど難しくはない問題でも、実験や観察の文の中で聞かれると答えられない。作業の過程を読み進めること自体に苦痛を感じたり、時間がかかり過ぎたりしてしまう。ここに中央大付属横浜中理科の特徴がある。受験用テキストで定番の問題をほぼ解き終えたら、長文の速読練習に移りたい。また、実験に関する問題に多く挑戦して、このような形式の問題をたくさん解き、抵抗感をなくす必要がある。受験用テキストで問題がたりなければ、他校の問題から似たような形式の問題を探し出してきて徹底的に練習してほしい。
電気や光が多く出題されて来たが、これらの単元が重視されているということではなく、これらはあくまで材料であって、目的は長い文章を読みこなして、示された知識を活用して考えさせることである。
【生物】
「アサガオの曜」「レジームシフト」「栄養塩」などの馴染みのない言葉がテーマとして取り上げられて来た。初めて接する言葉として、知識がないことを前提とした出題である。問題文に意味が示され、図や表で仕組を理解させ、それらをもとに考えさせる仕組みになっている。丸暗記の知識をいくら蓄積してもあまり効果はない。ただし、生物の定番の問題は一通り練習すべきである。そのままは出題される可能性は低いが、考え方の土台として利いてくる。基礎を身に付けることで、入り口に立てるということである。対策の後半は他の単元同様、類似問題の実戦練習である。十分に時間をかけ、この出題スタイルに習熟してもらいたい。
【地学】
図が多用され、文も長い。ただし、聞かれている内容は受験テキストにある定番のテーマがほとんどである。問題文は、図と見比べながら隅々まで理解しなければならないが、与えられたテーマのポイントをあらかじめ知っていれば、文の内容はまっすぐに頭に入ってくるはずである。速読法や、選択肢の選び方の訓練だけでなく、受験テキストにある重要なテーマに関しては何を聞かれても即答できるレベルまで習熟したい。
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2025年度「中央大学附属横浜中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
毎年、「物理・化学・生物・地学」の順に大問4題が出題される。問題量は約20ページ、設問数は35問前後と多く、制限時間はわずか35分。まさに全力疾走のような試験で、スピードと集中力を保ちながら正確に解き進める力が求められる。
【大問1】物理:てんびん
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1) 問題形式に慣れればごく基本的な問題。
(2) 問題形式に慣れればごく基本的な問題。
(3) 基本的なグラフだが、できるだけ時間をかけずに正解を見つけなければならない。
(4) 選択肢がグループに分かれているので、意識的に素早く解くことを心がける。
(5) 図を見て、出題意図を理解して、先回りできることが重要。
(6) ばねはかりXは通常の使い方で、ばねはかりYは(3)と同様の使い方。
<時間配分目安:8分>
【大問2】化学:酸素の性質
- 難度:易
- 時間配分:11分
- ★必答問題
(1) 基礎知識。
(2) 基礎的な表の読み取り。
(3) 実験的文章が本格的に始まる。しかも長文である。十分に時間をかけ、正確に読み取れなければ、以下の設問に答えられなくなる。
(4) でんぷんとヨウ素ならば青紫色であり、要素がなくなれば色が失われる。
(5) 文章が読み取れていれば、基本的な設問。
(6) 設問自体は基礎的ではあるが、長文の中で聞かれるとより難しく見えてしまう単なる錯角である。
(7) 重さと体積の単位変換が自由にできること。個々の数値の関係を整理できること。これらを総合力として活用できることが求められている。ただし、回避の決断も必要。
<時間配分目安:11分>
【大問3】生物:ミツバチの8の字ダンス
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1) 基礎知識。
(2) 顕微鏡の像は反転して映っていることに注意。
(3) 基礎知識。
(4) ミツバチの8の字ダンスを知っていれば、解説文は容易に理解できたはず。
(5)(6) 与えられた規則をグラフや図の中で活用する力が問われた。
<時間配分目安:6分>
【大問4】地学:天体
- 難度:易
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)(2) 基礎的な知識。
(3) 北極星の高度は緯度と等しい。
(4) 北の空の星座の動きは、問題文を読み取る以前に常識として知って置くべき。
(5) 星座の動きは、地球の公転により1度、自転により15度動くことを併せて考える。
(6) なぜ直角と記してあるのか。正解へ誘導するヒントがある。
(7) 「考え方」に沿って数値を求めて行けば、自然に正解に到達できるようになっている。
(5)の後に続く解説と図は、あらかじめ「太陽系の惑星が夜空に見えている図」を見たことがあり、「惑星がなぜ逆方向に動いて見える時があるかを説明する図」を見たことがあれば、かなり理解しやすくなるはずである。この場合も似たようなテーマの問題の経験があるかどうかが重要なポイントとなる。
<時間配分目安:10分>
攻略のポイント
中央大附属横浜中を第1志望とするならば、問題処理速度を劇的に高める必要がある。文章を読む速さを徹底的に高め、1度読んだだけで理解する訓練を積み、選択肢をより早く処理する方法を多く見つけ出すことなどに集中的に取り組んでもらいたい。すべての動作を速くし、思考のスピードも早める意識的な取り組みが必要となる。タイマーの使用も勧める。あわせて、定番の知識や基本的な解法は即答できるレベルまで仕上げてほしい。これも問題処理スピードを上げるために必須となる。
対策の後半では「実験・観察型の問題」に多く取り組み、文章形式に慣れることが必要である。時間がかかるので、この部分を十分に取り組んでもらいたい。
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