開智中学校 入試対策
2019年度「開智中学校の社会」
攻略のための学習方法
[スライド式学習]
「開智対策」での最優先課題は、当然、「地理」「歴史」「公民」全単元・全分野、そして「時事問題」の「知識」を確実に定着させること。「基礎的事項」はもちろん、細部にわたる「深知り知識」や「背景の理解」も求められるので、テキストの「注」や「囲み説明」等の確認も必須。
完全な「知識定着」が欠かせないのだが、悲しいことに人は忘れるもの。時が経てば経つほど忘れる。ここに落とし穴がある。基本的に「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習し定着させたのか、その時期が問題となる。
塾では通常、本格的な受験勉強が始まる５年になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、６年の夏休み前には終える。その後は「復習」となるが、メインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。
そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。６年で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか？ 実質的に１年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。「地理」での「詳細な知識」が求められる開智ではなおさら。
そこで、独自の「復習」が必要となる。塾での学習時期とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある５年の冬休みやその後の春休みを利用して徹底的に「地理」の「復習」をしておく。
「重要事項チェック問題集」のようなものを活用するといい。さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習をこっそりと続けておくことで、ライバルに差をつけておきたい。
[いもづる式学習]
全単元・全分野に共通だが、「暗記事項」はそれぞれ単独で(要は単なる「一問一答方式」)定着させていても無意味だ。バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられない。ましてや、開智特有の「総合形式問題」など絶対に無理だ。
そこで重要となるのが「いもづる式学習法」。
「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習法だ。１つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。単元も無視する。もし「言葉」としては覚えていても「内容」があいまいになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ここでも「復習」できる)。
また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。その上で、それらが結びつく背景(＝「面」)をも理解するようにする。
このようにして改めて暗記し定着させた「事項」はどのような問われ方をしても、「線」で結びつけて答えられることになる。
各「単元」も軽々とまたいでいるので、開智の「単元融合型問題」には最適。無論、求められている「多角的思考」にも「いもづる式学習法」は力を発揮する。
[手づくり式学習]
特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。塾での「歴史」の学習は通常、「政治史」を軸とした「通史」として「時代別」「時代順」になっている。しかし、開智ではそんな単純な出題はない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸で出題される。
それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」～「現代」という長い時間軸にする。
当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。
さらに、その「年表」には「西暦」だけでなく、「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」も対応させて記入しておきたい。「西暦」と「世紀」や「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が開智には多いからだ。「年表づくり」を楽しみながらやってみよう。
[細部へのこだわり式学習]
「問題解説」でも指摘したが、「開智対策」で欠かせないのが「細部へのこだわり」だ。「多角的思考」をするに当たっての前提は無論、それぞれの「要素」をいかに正確に読み取るかということ。そこから「考えるヒント」を見つけ出す。そのためには「細部」にこだわって読み取ることが必要となる。当然、トレーニングが欠かせない。
過去問や練習問題等を用いて、各「要素」の細かな「意味」、「資料の数字」や「関連事項」などを全て材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する練習をしなくてはいけない。導き出せることについては、過去問や問題集の「解説」に示されているはずなので活用する。
こうした「細部へのこだわり学習」を続けることで、次第に様々な「要素」から着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」とつなげて考えればいい。
[意識継続式学習]
いつなんどきであっても、常に何かを「意識」しながら学習することが重要だ。漫然と机に向っていても無駄だ。その時々、何を目的としてどのような学習(たとえば、上記の「○○式学習」)をしているのか、具体的に「意識」し続けていることが大切。
そうして何かを「意識」することが継続できるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」しながら学習したい。開智の入試本番では30分という制限時間の中で、様々な「要素」を考え「条件」をクリアして答えなくてはならない。
だからこそ、「設問形態」を正しく理解しているか？ 「要素」は全て確認したか？ 「細部へのこだわり」や「他の設問」との「関連」は大丈夫か？ 「条件」を満たしているか？ つまらないミスはないか？ といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」しながら学習する必要がある。
入試では見直しの時間はないと思った方がいい。常にそれらの「意識」を継続しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。
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2019年度「開智中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
本年度の｢単一テーマ｣は｢路面電車｣｡｢『路面電車』の歴史と現状｣についての｢文章Ａ｣と､｢現在も『路面電車』が走っている都市の様子｣についての｢文章Ｂ｣という２つの｢リード文｣からの出題。｢地理｣｢歴史｣｢公民｣｢時事｣の全単元からの問題が、｢歴史史料｣｢写真｣｢統計資料｣などを織り交ぜながら展開していく。そして｢考察記述問題｣｡小問は全22問(解答数33）｡｢選択肢｣(｢不適切｣､｢空所補充｣あり)､｢事項記述｣(｢人物名｣｢地名｣などあり。｢漢字｣｢カタカナ｣｢数字｣指定あり)、｢説明記述｣(全７問｡｢考察問題｣あり｡全て｢字数指定｣なしで、｢30ほど｣５問と｢60字ほど｣２問の解答欄)。
時間配分としては、｢説明記述｣が各１分半～２分ほど、他は１問を30秒強で解くというペース。無論、メリハリのある｢戦術｣が求められる。
｢総合問題｣(｢地理｣｢歴史｣｢公民｣｢時事｣そして｢考察記述｣)
- 難度：標準
- 時間配分：30分
- ★必答問題
※｢『チンチン電車』と呼ばれていた『路面電車』の明治時代以降の歴史と､現在の『次世代型路面電車システム』を導入している富山市の事例｣を紹介した｢文章Ａ｣と､｢現在も『路面電車』が走っている札幌市、高岡市、広島市、高知市などの実情｣を説明した｢文章Ｂ｣という２つの｢リード文｣からの出題。多彩な出題形式で、｢地理｣｢歴史｣｢公民｣｢時事｣各単元についての｢基本的知識｣が問われている。昨年度同様に新機軸としての｢考察力｣が問われる｢説明記述｣もある。以下、いくつか確認してみる。
[問６(１)] ｢下線部に関連しての選択肢設問｣(４択)。｢時事｣単元。
｢文章Ａ｣中の下線部⑤｢都電荒川線｣に関連して、同線が通っている豊島区が導入を検討している｢パートナーシップ制度｣によって、｢性的少数者(性的マイノリティ)｣のカップルが結婚に準じた対応を受けられるようになるが、｢性的少数者｣を表す言葉を答える。
各選択肢は、(ア)｢ＢＲＩＣＳ｣、(イ)｢ＧＡＴＴ｣､(ウ)｢ＬＧＢＴ｣､(エ)｢ＮＡＴＯ｣｡この言葉が直接的に定着していなくても、｢消去法｣で判別できるはずだ。｢答え｣は(ウ)｡｢ＬＧＢＴ｣＝｢レズビアン｣(女性同性愛者)･｢ゲイ｣(男性同性愛者)･｢バイセクシャル｣(両性愛者)･｢トランスジェンダー｣(身体の性と心の性が一致しない人)｡｢パートナーシップ制度｣も含めて典型的な｢時事問題｣なので知らなかった諸君は確認しておきたい。
尚、他の選択肢である｢ＢＲＩＣＳ｣＝｢ブラジル、ロシア、インド、中国という、経済成長著しい４つの国｣､｢ＧＡＴＴ｣＝｢関税及び貿易に関する一般協定｣､｢ＮＡＴＯ｣＝｢北大西洋条約機構｣も当然知っておかなくてはいけない。
＜時間配分目安：30秒＞
[問６(２)] ｢下線部に関連しての選択肢設問｣(４択)。｢時事｣単元。
｢文章Ａ｣中の下線部⑤｢都電荒川線｣に関連して、同線が通っている豊島区が導入を検討している｢パートナーシップ制度｣が対象としている｢性的少数者｣に限らず、｢人種や宗教などの多様性を受け入れる考え方｣を表す言葉を答える。
各選択肢は、(ア)｢アファーマティブアクション｣、(イ)｢インフォームドコンセント｣､(ウ)｢ダイバーシティ｣､(エ)｢ワークライフバランス｣｡これまた、誰もが知っていなければいけない｢時事問題｣｡
｢答え｣は無論、(ウ)の｢ダイバーシティ｣｡｢アファーマティブアクション｣＝｢これまで不公平な待遇を受けてきた黒人などの少数派の人々に対して、教育や雇用などの機会を優先的に与えること。積極的差別解消政策｣｡｢インフォームドコンセント｣＝｢医師が病状や治療方針を分かりやすく説明し、患者の同意を得ること｣｡｢ワークライフバランス｣＝｢仕事と生活の調和｣｡これらも定着させておきたい。
＜時間配分目安：30秒＞
[問６(３)] ｢下線部に関連しての空所補充事項記述設問｣(｢漢字２字｣指定)。｢公民｣単元。
｢文章Ａ｣中の下線部⑤｢都電荒川線｣に関連して、同線が通っている豊島区が導入を検討している｢パートナーシップ制度｣の背景にあるとされている｢日本国憲法第24条｣の条文の空所 Ｂ に｢当てはまる漢字２文字｣を答える。
空所前後は｢婚姻は､ Ｂ の合意のみに基いて成立｣。さあ、どうだろうか？ ｢日本国憲法｣の条文はいろいろと覚えているはずだが、｢第24条｣を押さえているかだ。
｢答え｣は｢両性｣だ。ちなみに本条文に｢両性の合意｣と明記されているので、｢結婚は男性と女性の間で認められる｣という解釈が成立し、｢同性婚｣に関しては改めて｢パートナーシップ制度｣を導入するという動きになっている。ただし、｢第24条｣は｢同性婚｣を排除していないという説もある。こうした背景についても理解しておきたい。
＜時間配分目安：30秒＞
[問７(２)] ｢下線部に関連する条件付き理由説明記述設問｣(｢字数指定｣なし、｢60字ほど｣の解答欄)。｢歴史｣単元。
｢文章Ａ｣中の下線部⑥｢東急世田谷線｣に関連して、この沿線には彦根藩井伊氏の菩提(ぼだい)寺である豪徳寺があるが、｢井伊直弼が締結した日米修好通商条約で開港が決まった兵庫港は､期日より５年遅れての開港となった｡その際､朝廷が兵庫開港に反対した理由｣を説明する。｢条件｣は｢当時の天皇の考えや地理的なことも考えて説明する｣こと。本問は、本年度の全問題を通じて最も｢深知り知識｣が求められているものかも知れない。そもそも｢兵庫開港｣が遅れたこと自体､中学入試レベルでは知らなくても不思議ない。
さて、本条約締結当時(1858年)の天皇は｢孝明天皇｣(江戸時代最後の天皇)で､条約自体に反対していた攘夷論者(ただ、尊攘派の倒幕論には反対し｢公武合体｣の立場だった)｡そして、｢兵庫｣は他の開港地と比べて、皇居のある｢京都｣と非常に近いのだから、｢開港反対｣は当然のことだと考えられる。こうした内容を｢条件｣に留意しながらまとめていきたい。
たとえば､｢当時の孝明天皇は条約締結にも反対だったほどの攘夷論者で、皇居のあった京都に近い兵庫を開港させることは許せなかったから｡｣(59字)といった｢答え｣となる。難易度は高いが、｢開港反対｣⇒｢攘夷｣で、｢兵庫｣と｢京都｣の位置関係については｢条件｣から類推できなくてはいけない。そう、｢条件｣は｢手がかり･ヒント｣になっているということを意識せよ。
＜時間配分目安：２分＞
[問10(２)] ｢下線部に関連する条件付き考察説明記述設問｣(｢字数指定｣なし、｢30字ほど｣の解答欄)。｢考察｣問題。
｢文章Ａ｣中の下線部⑨｢次世代型路面電車システム導入｣に関連して、｢宇都宮市｣(＝[問10(１)]の｢答え｣)でこの新たな路面電車の工事が始まったが、｢バス路線網が発達している宇都宮市で路面電車を導入したことで、どのような好ましくない点が生じると考えられるか｣を説明する。｢条件｣は｢交通渋滞の発生以外のことを説明する｣こと。誰もこのこと自体は学習しているはずがない。自ら考えるしかない。問われているのは、要は｢路面電車とバスが同時に存在することで、どのような不都合が生じるか｣ということだ。両者が競合することになるが、利用客が一気に増えるわけではない｡とすると、より時間が早く正確な｢路面電車｣に利用客が流れることが予想できる。
結果、｢バス｣の方は客が減少して収入が減ることになる。それ故に｢バス路線｣の減便や廃止も考えられる。まさに、｢好ましくない状況｣になるやも知れない。したがって、たとえば､｢バスの利用客が路面電車に流れ､バス会社の収入が減るという点｡｣(30字)といった｢答え｣だ。｢知識｣と｢常識｣を組み合わせて考察せよ。
＜時間配分目安：１分半＞
[問11(２)] ｢下線部についての条件付き内容説明記述設問｣(｢字数指定｣なし、｢30字ほど｣の解答欄)。｢公民｣単元。
｢文章Ａ｣中の下線部⑩の｢コンパクトシティ｣構想に対しては、｢市民から心配する声もある｣が､それは｢どのような心配か｣を説明する。｢条件｣は｢『平成の大合併』という語句を必ず用いる｣こと。
｢コンパクトシティ｣とは｢都市の中心部に行政，商業，住宅などさまざまな都市機能を集中させた都市｣のことであり、知っておくべき事項だが、知らなかったとしても下線部⑩に｢市街地を小さく保って生活圏を歩いて行ける範囲にできるような街づくり｣と説明されている。そして、｢条件｣の｢平成の大合併｣､こちらは定着しているはずだ。｢2005〜06年にかけてピークを迎えた市町村合併の動き｣で市町村数は99年の3229から10年には1727とほぼ半減した。
では、｢合併｣と｢コンパクトシティ｣とはどうつながるのか？ ｢合併｣することで､それまでのいくつかの中心部がひとつに集約され､それ以外の市街地は取り残される。さらに、｢コンパクトシティ｣になることで、中心部に都市機能が集中され、取り残された市街地はますますすたれていくことになるわけだ。そうなれば無論、そうした地域に暮らす市民は生活の｢心配｣が増していくことになる。こうした｢要素｣を簡潔にまとめればいい。
たとえば､｢平成の大合併で旧市街地になった地域が生活しづらくなるという心配｡｣(32字)といった｢答え｣になる。与えられている｢情報｣と｢知識｣とを考え合わせることが肝要。
＜時間配分目安：１分半＞
[問13(３)] ｢下線部に関連する町名記述設問｣(｢漢字｣指定)。｢時事｣単元。
｢文章Ｂ｣中の下線部⑪の｢札幌市｣に関連して、｢2018年９月に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震｣で震度７を記録した｢道内最大規模の火力発電所を擁する町の名｣を｢漢字｣で答える。典型的な｢時事問題｣だ。当然、すぐに｢答え｣＝｢厚真(町)｣だと分からなくてはいけない。｢厚真(あつま)町｣にある｢苫東(とまとう)厚真火力発電所｣では発電設備の損傷や火災が発生して、一時北海道全域が停電する事態となった。
尚、2019年９月には､千葉県で台風15号の影響による長期にわたる大規模停電が発生している｡｢時事問題｣に関しては当然ながら、常に｢最新情報｣に更新しておくことが肝要。
＜時間配分目安：30秒＞
[問15] ｢リード文中の空所補充地名記述設問｣(｢漢字｣指定)。｢地理｣単元。
｢文章Ｂ｣中の空所【 ２ 】にあてはまる｢地名｣を｢漢字｣で答える。同空所は３か所ある｡
｢【 ２ 】県の県庁所在地である【 ２ 】市｣｢【 １ 】新幹線の延伸開業に備えて高架化され、駅前広場には恐竜のモニュメントが設置された【 ２ 】駅｣。
｢恐竜のモニュメント｣ですぐにわかりたいが、｢【 １ 】新幹線｣も｢ヒント｣となる。【 １ 】([問12]の｢答え｣でもある)については直前に｢【 １ 】新幹線の新高岡駅｣ともある。｢高岡市｣は無論｢富山県｣なので、｢【 １ 】新幹線｣＝｢北陸新幹線｣だ。となれば、本問の｢答え｣＝｢福井｣だと特定できる。
｢北陸新幹線｣の｢金沢－敦賀間の延伸開業｣は｢2022年｣が予定されている。尚、恐竜の化石が多数発掘され､｢恐竜博物館｣もある｢福井県｣は｢恐竜王国｣と呼ばれていることも知っておこう。
＜時間配分目安：30秒＞
[問16] ｢リード文中の空所補充事項選択肢設問｣(４択)。｢地理｣単元。
｢文章Ｂ｣の中にある空所 Ｄ にあてはまる｢特産品｣を答える。空所前後は｢『 Ｄ のまち』として知られる鯖江(さばえ)市｣となっている。各選択肢は、(ア)｢刃物｣、(イ)｢筆｣､(ウ)｢洋食器｣､(エ)｢めがね｣だ｡
｢鯖江｣といえば｢メガネ｣だと分かるに決まっている。よって、｢答え｣は(エ)｡
20世紀初頭から｢メガネフレーム｣の生産が始まり、現在では国内生産量の９割以上を占め、世界的にもその名が知られている。
ちなみに、｢刃物｣＝｢堺市(大阪府)｣｢関市(岐阜県)｣、｢筆｣＝｢熊野町(広島県)｣､｢洋食器｣＝｢燕市(新潟県)｣といった｢特産品｣と｢都市｣の結びつきも定番だ。しっかりと確認しておくこと。
＜時間配分目安：30秒＞
[問22] ｢駅から駅の所要時間の条件付き整序選択肢設問｣(４択)。｢地理｣単元。
示されている｢都市(駅)を、東京駅からの鉄道での所要時間が短い順｣に並べ替えて答える。｢条件｣は｢飛行機は使わない｣こと。各選択肢は、(ア)｢高知(駅)｣、(イ)｢札幌(駅)｣､(ウ)｢富山(駅)｣､(エ)｢広島(駅)｣｡
｢東京駅｣からの｢距離｣だけではなく、｢鉄道路線｣も考慮して｢整序｣する必要がある。
｢高知(駅)｣までは、｢東海道山陽新幹線｣で｢岡山駅｣まで行き、在来線に乗り継いで｢約５時間50分｣｡
｢札幌(駅)｣までは、｢東北新幹線｣と｢北海道新幹線｣で｢新函館北斗駅｣まで行き、そこから在来線で｢約７時間30分｣｡
｢富山(駅)｣までは、｢北陸新幹線｣で直行でき｢約２時間10分｣｡
｢広島(駅)｣までも、｢東海道山陽新幹線｣で直行し｢約４時間｣｡
以上から、｢答え｣は｢(ウ)→(エ)→(ア)→(イ)｣となる。やや分かりづらかったかも知れない。ただ、｢整序問題｣では｢年代｣はもちろん、｢位置｣や｢距離｣｢時間｣などもよく問われるので折に触れ確認しておきたい。
＜時間配分目安：１分半＞
攻略のポイント
●｢単一テーマ｣に貫かれた｢総合問題｣で実に多種多様な問題が並ぶので、｢柔軟な発想｣と｢多角的思考｣が｢最高の攻略法｣となる。具体的には、｢細部へのこだわり｣と｢知らない問題｣への｢対処法｣だ。前者はいかに｢細部｣に着目して｢判断｣できるかであり、後者はいかに｢知っていること｣に結びつけられるかということだ。必ず、どこかに｢手がかり｣｢ヒント｣が隠されていることを心得ておきたい。｢単一テーマ｣についての全体の｢リード文｣と関連する設問ごとの｢リード文｣、｢設問文｣や｢設問条件｣、｢設問どうしの関連｣等々と｢自らの知識｣を多角的に結びつけて考察することで絶対に解くことができるのだ。
●昨年度に引き続き、本年度も｢新大学入試制度｣を意識した｢考察問題｣が出題された｡無論、来年度以降も同種の出題はあり得るので、｢思考力･判断力･表現力｣を磨くトレーニングは不可欠になったと心得よ。
●｢時事問題の攻略｣もポイントだ。過去１年間程度の｢時事ネタ｣は、細大漏らさず確実に整理して覚えておくこと。さらに、それらに関連する｢あらゆる事項(知識)｣も全て復習しなくてはならない。日々の｢新聞｣をしっかりと確認しておくことは不可欠。全て読み通す必要はないが、｢見出し｣｢リード｣は必ずチェックして、知らない｢ネタ｣があったら｢スクラップ｣しておくこと。
●｢地理｣では｢地図｣｢地形図｣｢統計資料｣等、｢歴史｣では｢年表｣｢歴史史料(｢図版｣含む)｣｡｢時事｣では｢新聞記事｣｢人物写真｣などがよく出題されるので、確実に覚え、常にチェックしておくこと。もちろん、｢統計資料｣は必ず最新版を使いたい。テキストとしては｢日本のすがた｣(矢野恒太記念会編集)が分かりやすくてオススメだ。また、｢事項定着｣は｢漢字｣で行うこと。本校では基本的に全て｢漢字指定｣だ。
志望校への最短距離を
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