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開成中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2025年度「開成中学校の国語」
攻略のための学習方法

知識

相当ハイレベルな「知識」が要求される。一朝一夕には身につかないので、地道な努力が必要となる。開成を志した時点から、しっかりと取り組むこと。
先ず「語彙力」。日々の積み重ねあるのみ。塾での「小テスト」等を確実にこなし、もし間違ったものがあれば、必ず書き出して覚えるようにする。「漢字の読み書き」だけではなく、「同音異義語」「同訓異字」「類義語」「対義語」、また、「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」「故事成語」や分かりづらい言葉の意味等も押さえておきたい。

また、過去問や演習問題を実施する場合、問題文中の語彙で「読み・書き・意味」のいずれかがあやふやなものがあったら、書き出して自分なりの「言葉ノート」を作成しておくといい。そこには自分が分からない言葉がたまっていくので、折に触れ確認し定着させていく。入試当日に持っていけば、「お守り」にもなる。

これらの「語彙」は単に直接出題されるというだけではなく、「記述」の際にも当然重要だ。「自分の言葉で」という設問条件もあり、いかに適切な「言葉」を用いるかが勝負となる。

そして、「文法」。塾でも学習しているはずだが、定着していない受験生が多い。「文法」そのものが出題されることもあるし(直近では2010年度に「形容詞の音便」が問われた)、何しろ「記述」には不可欠だ。日本語として「文法」的に正しい文でなければ減点されるし、そもそも内容が正確に伝わらないからだ。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の用法を確実に定着させておくことが重要だ。

尚、開成志望者は「基礎の基礎」もなおざりにしないこと。かつては「かなづかい」、2014年度には「ひらがなの筆順」が出題されたこともある。要注意。

速読

大学入試にも匹敵する分量の問題文を読まなくてはならない。多いときには7000字以上。しかも、解答時間は50分。当然、「速読」が求められる。しかも、設問を解くために読むのだから通常の「速読術」を使うわけにはいかない。やはり文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。

「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は論旨が述べられているのでしっかりと読み、「本論」は「段落相互関係」に注目しながら各形式段落の最初と最後を読み進める。

「小説」「随筆」は「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックしつつはしょって読んでいく。これらのコツは塾でも教えてくれるはずだし、自ら聞いてみてもいい。

その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。開成だけでなく、他の学校の入試問題も読んでおきたい。特に、「女子御三家」は開成の問題文にも通じる内容のものも多いのでオススメだ。練習あるのみ。そうして、最終的には分速600字以上(できれば650字以上)で「速読」できるようにしておきたい。

解法

「論説文」(説明文)と「小説」「随筆」、それぞれに応じた特有の「解法」。そして、共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。塾での練習問題、答え合わせをして解説を聞き、納得したからそれで終了、ではいけない。必ず「考え方」の道筋をなぞっておくことが重要だ。

特に、間違った問題は宝の山。解き方の過程のどこで誤ってしまったのか? その分かれ道をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことが、同じ間違いを繰り返さない秘訣だ。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する解き方を身につけたい。それが「解法」となる。

そうして理解、習得したものを書きとめた自分なりの「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。

記述

先ずは「文を記す」ことに慣れる必要がある。「記述」を避けて開成合格はあり得ない。最初は時間がかかってもいい。いやがらずに、とにかく「書く」。そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらうこと。「文法」等正しい日本語の「文」になっているか、言いたいことが正確に伝わるかどうか、確認しなくてはいけない。

何を「書く」か。読解の練習問題にある「記述設問」はもちろんだが、その問題文の「要約」をするのがとてもいい方法だ。50~100字程度で書いてみる。無論、内容は先生に確認してもらう。「要約力」は文章内容の「理解力」にもつながるので一石二鳥だ。

次のステップとしては、「字数の感覚」を身につけることだ。書こうとしている内容は何文字くらいになるのか? 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅いし、下書きしている時間もない。だからこそ、「字数の感覚」が重要なのだ。その際、10~20字程度をひとつのブロックとして考えるといい。「記述設問」で得点を左右する「重要なポイント」は、ひとつ当たりその程度が目安だ。
マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしているポイントがその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。

ある程度「感覚」がつかめたら、開成定番の「マス目のない解答欄」にもチャレンジ。1行ほぼ30字程度なので、「2行枠」なら3つ程の「ポイント」。「最重要ポイント」を文末にして、他の「ポイント」を下から積み上げていくように記述する訓練をしていくと良い。

意識

最後に、常に何かを「意識」しながら学習することが大切だ。何となく机に向っていてもムダだ。その時々、何を目的として学習しているのか、具体的に「意識」し続けていることが重要。そうして何かを「意識」することができるようになったら、次は同時にいくつかのことを「意識」するようにしたい。

開成の問題では特に「設問条件」が重視される。「設問」を正しく理解しているか? 「条件」を満たしているか? つまらないミスはないか? といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」している必要がある。入試本番では、見直しの時間はないと思った方がいい。常に「意識」しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。

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2025年度「開成中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「小説」、出典は古内一絵「百年の子」(文字数約3900字)。小問は全3問(解答数3)。「説明記述」3問(全て「字数指定」なし)。問題文は5分弱で読み切り、設問を20分強で解きたい。
大問は「随筆」、出典は永井玲衣「世界の適切な保存」(文字数約2800字)。小問は全4問(解答数8)。「説明記述」(4問。全て「字数指定」なし)と「漢字の書きとり」4問。問題文は4分程度で読み切り、設問を21分ほどで解きたい。

【大問一】

  • 難度:標準
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

昭和~令和へ壮大なスケールで描く人間賛歌。人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史は、まだ百年に満たない――出版社で小学生向けの学年誌を担当する野山彬(あきら)は、児童文学作家の佐野三津彦(みつひこ)話を聞くことになった……。
本文では、2人の会話を通して子どもの「教育」と「児童文学の仕事」について描かれている。文章は平易で内容は難なく理解できるはずだ。
「内容説明記述」3問のみという設問構成。以下、2問を検証する。

[問一] 「内容説明記述」(「字数指定」なし。「60~70字」程度の解答欄)。
傍線部(ア)「それが児童文学の仕事だ」について、「三津彦」は「『児童文学の仕事』についてどのようなことを重視しているか」を説明する。
傍線部は「三津彦」の言葉だ。「それ」という「指示語」があるので先ずは開きたい(「指示語」が出たら即開くこと)。「指示語」は「前を見よ」が鉄則。確認すると、「それ」=「鋳型(いがた)にはめられないよう、自分の頭でしつこく考え続けなければならないこと」=「児童文学の仕事」ということになる。「しつこく考え続けなければならない」ということは、「三津彦」が「児童文学の仕事」において「鋳型にはめられないよう」に考えることを「重視」しているわけだ。あとは、「鋳型」の内容および補足説明を「同一場面」から読み解いていくことになる。(「同一場面の直前直後に根拠あり」が「小説」の「解法」の大原則だ)
直前の場面から読み取った内容をまとめると、たとえば、「子どもを社会情勢や時代の権力にとって都合の良い型にはめ、人格や人権を損なってしまうことのないよう、子どもとは何かを考え続けること。」(65字)といった「答え」になる。「小説」では「同一場面」を的確に読み解くことが肝要だ。
                                    <時間配分目安:5分>

[問三] 「内容説明記述」(「字数指定」なし。「50~55字」程度の解答欄)。
傍線部(ウ)の「ああいう誠実さ」とは「どういうことか」を説明する。
傍線部は「三津彦」の言葉で、これまた「指示語問題」だ。直前から「ああいう誠実さ」は、女性児童文学作家である「君島織子」について、児童書であっても子どもの理解力を信頼して「人間の残酷さ」をそのまま描いて「リアリズムを徹底している」という「誠実さ」のことだと読み取れるはずだ。あとは、こうした内容を過不足なく的確にまとめていきたい。たとえば、「君島織子が児童書であっても子どもの理解力を信頼して人間の残酷さをそのまま描きリアリズムを徹底していること。」(53字)といった「答え」だ。
尚、「説明記述」では「最重要要素」(「理由説明」では「直接的理由」)を必ず「文末」とすること。
                                    <時間配分目安:5分>

【大問二】

  • 難度:標準
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

世界をもっと「よく」見ること。その中に入り込んで、てのひらいっぱいに受け取ること――この世界と向き合うための哲学エッセイ。本文では、思いを完全に伝えて「わかりあう」ことはできなくても、われわれが自分の気持ちや考えを相手に伝えようとするのは、単に相手に情報を伝えるということではなく「自分自身を相手の中に侵入させる行為である」と指摘している。
具体例を交え平易に述べられているので内容は難なく理解できるはずだ。
「内容説明記述」3問と「理由説明記述」1問、「漢字の書き取り」という設問構成。以下、「漢字」と「説明記述」を確認したい。

[問一] 「漢字の書きとり」(全4問)。
本校の「漢字問題」は2005年以降4~5問(ただし、「7問」や「3問」の年度もあった。近年は難易度も含めて揺れ動いているので注意すること)。
また、5年前までは問題文に「ハネ・トメなど丁寧でない場合は減点されることもあります」と「注意」が添えられていた。本年度は「一画ずつていねいに書くこと」と添えられているので、配慮することは当然だ。「答え」を確認していく。
(1)「小キボのシンポジウム」=「規模」⇒これは正解できて当然。
(2)「不必要にムキシツで、……」=「無機質」⇒やや難問か? 「生命活動とは無関係で、生物的な特性を持たない性質」という意味も押さえておきたい。
(3)ウラガワ」=「裏側」⇒問題なし。
(4)「関係性もメイジされており、……」=「明示」⇒「同音異義語」に要注意。「文脈」を正確にとらえること。
                                <時間配分目安:全問で2分弱>

[問四] 「理由説明記述」(「字数指定」なし。「50~55字」程度の解答欄)。
傍線部(ウ)「とんでもない」について、筆者はなぜ「『とんでもない』と考えているか」を説明する。先ずは「傍線部一文一部の法則」に「手がかり」を求める(「傍線部が一文の一部分だった場合、傍線部以外が重要」という読解の基本となる解法)。
直前直後は「それはとんでもない試みだ」となっている。「指示語」があるので真っ先に開きたい。「それ」=「(わたしがあなたに何かを)伝えることは本質的にあなたの領域を侵すこと」だとすぐに分かる。つまり、「伝えることは本質的に相手の領域を侵すこと」になるのは「なぜか」を説明するわけだ。そして、「指示内容」の直前に「だから」という「接続詞」がある。したがって、その前の部分に「理由」が説明されているはずだ。「同一意味段落」で確認したい(「論説文」「随筆」では「同一意味段落」に「根拠・手かがかり」がある)。
「思いを伝える」ことは「痛みを与えながら相手の心に入りこむ行為」であり、「後戻りできない変化をもたらす」ということが「理由」だと読み解ける。
あとは、表現を整理して「理由説明」としてまとめていけばいい。たとえば、「思いを伝えることは痛みを与えながら相手の心の中に入りこむ行為であり、後戻りできない変化をもたらすから。」(51字)といった「答え」だ。
「論説文」「随筆」では「同一意味段落」にこだわることが肝要だ。
                                    <時間配分目安:5分>

攻略のポイント

●近年、出題傾向や難易度が一貫していなかったが、本年度は昨年度同様にオーソドックスな設問構成だった。無論、油断はできない。まあ、流石(さすが)に「関東の雄」だけあって、「いかなる問題にも対処せよ」ということだ。したがって、相応の準備が不可欠。合格ラインは60%強(85点満点。過去18年間の合格者平均得点率は62.7%、本年度は下がって58.9%)。

●配点は、「漢字(知識)問題」が各2~3点(本年度は昨年度と同じで2点)、「説明記述問題」は各5~15点程度(本年度は6~15点)。「知識」は無論、全問正解が基本。「説明記述」では戦術を考える必要がある。先ずは各設問を概観し、「解答順」を決める。どうにもなりそうにない設問で時間を取られるよりは、勇気を持って「後回し」にする方が結果としては得策。そして、各設問でいかに減点をなくすかも課題だ。本校の場合、特に「設問条件」に留意すること。設問に的確に応じていくことを常に意識したい。

時間配分には細心の注意が必要。近年は問題文のボリュームが増えているのでなおさらだ(本年度は約6700字)。他の上位校と比べてさほど長くはないが、速く正しく読み取ることは重要だ。分速750字以上を目標に「読む練習」を常にすることが肝要。

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