開成中学校の傾向と対策
開成中学校の入試傾向をプロ家庭教師の視点で解説します。役立つプロのノウハウをご覧ください。
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受験の攻略ポイント
男子御三家。私立男子校の最難関だけあって、どの科目も、中学受験の全分野をまんべんなく学習する必要がある。基本事項を習得した上で、高レベルの「思考力」が求められている。
算数 | 全分野において、学んだ内容はすべて習得する、学んでいなくても自力で考え抜く力が要求される。 |
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国語 | 出題傾向や難易度は一貫していない。「いかなる状況にも対応せよ」ということだろう。相応の準備が不可欠。 |
社会 | 基礎的問題が多くて平易なため、合格ラインは高い。つまり、小さなミスが致命的になる。 |
理科 | 知識問題のレベルはごく普通。尚「実験・観察問題」を中心に考えさせる設問があり「思考力」が問われる。 |
新しい傾向の出題が見られました
開成中学校では2018年度入試より、新しい傾向の出題がみられる。2020年度大学入試改革を踏まえた出題とみられ、受験生には対策が必要だ。
・2018年度 国語 【大問二】[問二]
「条件付き内容説明記述」に新しい傾向が見られた。国語としては初の、「グラフ読み取り」を含めた設問。本文自体があまり例のない「報告書」であり、「売れ行き総数の推移」を示す折れ線グラフを読み取る必要がある。
「思考力・判断力・表現力」が問われている。これらの力を培うためには「本校対策」だけではなく、「公立中高一貫校」で出題されるいわゆる「適正問題」についての対策などを試みることが肝要となる。
理科の攻略ポイント
化学・物理・生物・地学の各分野から出題された。過去の出題を見ても、4分野から均等に出題されることが多い。例年、実験や観察の結果もとに考えさせる出題が多いが、そのようなタイプの問題においても、考える上での基本となる知識を確実に身につけることが必要不可欠である。
2022年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問1】生物 植物 | 標準 | 8分 | |
【大問2】物理 空気の膨張と収縮 | やや難 | 16分 | ★ |
【大問3】化学 物質について | 易 | 8分 | ★ |
【大問4】地学 気象 | 標準 | 8分 |
算数の攻略ポイント
よく出題される分野は、立体図形、速さ、数の性質、規則性である。ただし、出題分野に極端な偏りはなく、平面図形、文章題など、幅広い分野から出題されている。本校を目指すからには、分野を問わず、高いレベルまで学習しておく必要がある。
2022年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問1】小問集合 | 標準 | 10分 | ★ |
【大問2】立体図形 | 標準 | 9分 | ★ |
【大問3】場合の数 | やや難 | 22分 | |
【大問4】時計算 | やや難 | 19分 |
社会の攻略ポイント
「地理」「歴史」「公民」「時事」、全ての単元から出題され、近年は「思考問題」もあるが、傾向は一貫していない。2022年度は、「歴史」1題・「地理」(「歴史」が混在)・「公民」(「時事」「歴史」「思考問題」が混在)の大問3題だった(昨年度は「地理」「歴史」「公民」、そして、「総合」の大問4題)。単元別の配点比率としては、ここ4年続けて「歴史」が最も高くて本年度は約46%。
以下、「地理」30%、「公民」約20%、「時事」と「思考問題」はともに数%。全解答数は例年ほぼ50~60程度で、本年度は65(ただ、70以上の年度もあるので要注意)。解答形式は、「選択肢」と「事項・人物等記述」が中心で「説明記述」は少ない(昨年度は2問だったが、本年度は「思考問題」を含めて3問)。また、例年、「統計資料」の読み取り問題や「世界地理」があるので注意すること(本年度、「世界地理」は未出)。また、いわゆる「御当地問題」も押さえておきたい。本校の周辺も含め、「東京」や「関東」についての出題がある(昨年度は未出だったが、本年度は典型的問題あり)。尚、「大学入試レベル」の「ディープな知識」が必要となるものもあるので、留意すること。70点満点。試験時間は40分。
2022年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
---|---|---|---|
【大問1】「歴史」(「年代整序」あり) | 標準 | 13分 | ★ |
【大問2】「地理」(「歴史」混在) | やや難 | 15分 | |
【大問3】「公民」(「歴史」「時事」「思考問題」混在) | 標準 | 12分 |
国語の攻略ポイント
近年は、「論説文(説明文)」と「小説」、「小説」と「随筆」、「小説」のみ、「随筆」と「詩」といった具合に出題傾向が安定していない。
したがって、「論説文」「説明文」「小説」「随筆」「韻文」、あらゆる文章に対応できるようにしておく必要がある。2022年度は「小説」の読解問題のみ。文章量は5000字程度が基本だったが、近年は増加傾向で、昨年度の約7800字から本年度は一気に約12000字と急激に増加している(要注意!)。「解答形式」はほとんどが字数指定なしの「説明記述問題」(解答欄はマス目なしで1~4行ほど。1行=30~35字程度)が本校の伝統だったが、本年度は昨年度に引き続き全ての「説明記述」に「字数指定」が設けられている(「25~75字」の範囲での5問)。来年度以降も「新傾向」として意識する必要がある。「説明記述」以外の「選択肢」「抜き出し」などは少ない(昨年度は3年ぶりに「抜き出し」が出題されたが、本年度は皆無)。「漢字」の「読み書き」は必出(昨年度は「書きとり」と「語句」完成の「漢字記述」だったが、本年度は「書きとり」のみ)。他に「語句の意味」などの「知識」が問われる年度もある(本年度は未出)。尚、2018年度は21年度から導入された新たな大学入試制度で重視される「思考力・判断力・表現力」を意識した新傾向の「説明記述」が出題されたが、それ以降はそうした問題はない。無論、油断はできないので注意を要する。85点満点。試験時間は50分。
2022年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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「小説の読解」(「説明記述」5問。「漢字の書きとり」全4問) | 標準 | 50 | ★ |
開成中学校合格者の声
リーダーズブレインのプロ家庭教師は、お子さまのレベルやご希望にあわせて指導します。プロならではのノウハウでさまざまな課題を解決して志望校合格に導いてきました。
色々な学校の過去問を使用しながら、丁寧に記述の指導をして下さいました。6年秋以降は書く力がつき、国語で大きな失敗をする事が無くなりました。先生のおかげで、自信を持って入試本番を迎える事ができました。ありがとうございました。
プロ家庭教師が合格をサポート
中学受験で40年以上の実績をもつリーダーズブレインは、これまで多くの中学受験生を志望校に合格させています。指導にあたる教師陣はすべて指導経験7年以上の中学受験専門プロ家庭教師です。
プロ教師対談インタビュー『中学受験生を伸ばすポイントは?』
豊富な経験から「合格までの最短距離」をプロ教師陣が語り合います。
伸びる受験生はどうしているのか?家庭でのサポートで親が気をつけるべきことは何か?勉強のサポートの仕方から親子の関係性など・・・ぜひ参考にしてください。
学校 | 開成中学校 |
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偏差値 | 2021予測偏差値71(四谷大塚80%)・67(サピックス80%) |
併願校 |
1月入試では渋谷教育学園幕張中・市川中、2月は聖光学院中・筑波大附属駒場中・海城中・浅野中・栄光学園中が多く見られる。 *入試日程の変更にご注意ください |
合格者 | 合格最低点を見ると、年度による差があるが、事前の過去問対策では最低65%はクリアしよう。出身塾別で見ると、サピックスが多く、四谷大塚・早稲田アカデミー・日能研が続いている。リーダーズブレインの生徒も同様の塾生が多い。 |
進学実績 | 例年、東大に3割以上が合格する。早稲田大・慶應義塾大には、卒業生数に対し5割以上が合格している。(現役進学率は非公表) |
その他 | 東大合格者数トップの男子中高一貫の最難関進学校。合格最低点は65%以上と高く、多くの受験生が確実に得点してくる問題が多い。わずかな気の緩みも許されない。 |
基本情報 |
所在地 〒116-0013 東京都荒川区西日暮里4−2−4 最寄駅 JR・地下鉄千代田線「西日暮里」より徒歩1分 連絡先 ℡:03-3822-0741 沿革 明治4年開校。 |
