国府台女子学院中学部 入試対策
2025年度「国府台女子学院中学部の算数」
攻略のための学習方法
国府台女子学院の合格者平均点は例年7割程度で、本年度の合格者平均点は68.6点であった。なお、満点は算数、国語が100点、理科、社会が60点で、算数と国語の比重が高くなっている。
ややレベルの高い問題も含まれるが、多くが基本~標準レベルの問題で、計算問題と独立小問の比重が高くなっている。試験時間は50分、問題量に対して十分な時間は用意されているので、慌てることなく、落ち着いて取り組んで欲しい。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題 整数、小数、分数の計算が3題程度出題された。□を求める問題も含まれる。例年、大問1は計算問題が何題か出題される。計算問題への対策としては、毎日5題~10題程度の計算練習を行って欲しい。素早く解くことも大事だが、落ち着いて丁寧に解く練習を心がけて欲しい。□を求める問題も出題されているので、練習を十分に行って欲しい。また、0.125=1/8などの分数と小数の変換は覚えておくこと。
文章題 ここ何年かの出題傾向を見ると、速さ(旅人算・流水算・通過算など)、仕事算・ニュートン算、過不足算、売買損益算、食塩水の濃さ、などが頻繁に出題されている。また、速さに関する問題はグラフの読み取りと関連して出題されることも多い。本年度も大問で速さとグラフについて出題された。際立った難問は出題されないので、テキストや問題集の例題・類題・基本問題・練習問題の問題演習をしっかり行って欲しい。
数に関する問題 今年度は規則性に関する問題、数の性質について独立小問で出題された。ここ何年かでは、割り算のあまりに関する問題、場合の数、規則性(分数数列)などの出題が見られる。この領域においても極端な難問は見られない。幅広くいろいろな問題を練習して頂きたい。特に、数列などの規則性に関する問題と場合の数は頻出なので、力を入れて学習すること。
平面図形 平面図形についての問題は毎年出題さている。今年度は小問で平面図形と比・図形の移動の2題が出題された。過去の出題を見ると、求積・求角問題、図形上の点の移動について頻繁に出題されている。この分野においても、際立った難問は見られないが、多少応用的な内容も含めて練習しておきたい。また日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。
立体図形 今年度は小問で回転体の体積を求める問題が出題された。過去の出題を見ると、水槽に水を入れた時の深さの変化に関する出題が頻繁に見られる。グラフの読み取り問題としての出題が多いので、「水の深さの変化を表すグラフ」に関する出題が今後予想される。しっかり対策しておきたい。また、本年度出題された回転体の求積問題についても練習しておくこと。
グラフの読み取り 速さ・点の移動・水の深さの変化に関する出題では、グラフの読み取り問題が頻繁に出題されている。今後もこの傾向は続くと思われるので、しっかり練習を行って欲しい。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して欲しい。
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2025年度「国府台女子学院中学部の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計算問題が3題、独立小問が11題、大問が1題で100点満点、試験時間は50分で例年通りであった。今年度の合格者平均点は68.6点で、昨年に比べるとやや低くなっている。すべての小問数は18で多くはない。あせることなく落ち着いて取り組んで欲しい。計算問題と小問が占める割合が高く、ここでの得点が合否を分ける大きなポイントになる。計算ミスなどによる失点は禁物である。
【大問1】計算問題
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1)整数の四則計算
(2)整数、分数、小数の四則混合計算
(3)□を求める問題
いずれも基本~標準レベルの計算問題であり、落ち着いて正答したい。
【大問2】小問集合(文章題・他)
- 難度:標準
- 時間配分:14分
- ★必答問題
(1)売買損益算 仕入れ値を1とすると、定価が1.5、売値が1.2、利益は0.2となる。200÷0.2より1000円。
(2)年齢算 現在の年齢の比は3:1、4年後の年齢の比は5:2。年齢差は変わらないので、比を揃えること。
(3)速さと比 進んだ道のりの比は、80:55=16:11。比の差の5が300mとなる。
(4)周期算 6÷7=0.857142857142・・・・なので、100÷6=16あまり4より「1」となる。
(5)数の性質 2×5=10より、1から26のすべての数を素因数分解したときの5の個数を考えればよい。25÷5=5、26÷25=1・・1、5+1より6個となる。
(6)ニュートン算 30分で1500人増えたので、(600+1500)÷30÷2より1つのゲートから1分間に35人入ることがわかる。ゲートを5つにすると、600÷(35×5-50)より、4.8分で行列がなくなる。
文章題、周期算、数の性質の小問集合。ニュートン算は昨年も出題されている。いずれもテキストの例題や問題集の基本問題・標準問題で見かけるような典型題が中心。できなかった問題については、テキストに戻ってしっかり復習すること。
【大問3】小問集合(規則性に関する問題)
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)4本目の直線は3本の直線と交わるように引くので、[4]=[3]+3=3+3=6となる。同様に考えると、[10]=[9]+9 [31]=[30]+30 となる。また、2025=1012+1013、1013+1=1014より、[1014]-[1014-2]=2025となる。
(2)5秒周期、8秒周期、9秒周期で光るので、最小公倍数を取ると、360秒周期で同時に光る。最初の1秒のあとは360秒後になるので、360秒間では最初の1秒だけである。30分間で考えると、30×60÷360より、3つのライトが同時に光るのは5秒となる。
360秒間にAとBが同時に光るのは、360÷40より9秒なので、AとBだけが同時に光るのは、9-1より8秒。同様に考えると、BとCだけが同時に光るのは4秒、AとCだけが同時に光るのは7秒となり、合計19秒となる。また、30分間では、30×60÷19=94あまり14、94+1より95秒。
小問集合2題でいずれも規則性に関する問題。(1)では実際に交点の数を書き出しながら規則性を見抜くことがポイントとなるが、テキスト等に同様の問題が掲載されており、経験しているとかなり有利になるであろう。
(2)は最小公倍数を利用して考える周期算。最初の1秒間に3つのライトが同時に光ることに注意が必要であり、やや難度が高い。
【大問4】小問集合(図形の移動、平面図形と比、回転体)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)図形の移動 両端の円1つ分の面積は2×2×3.14より、12.56㎠。(314-12.56)÷4より、円は75.36㎝動いている。円周の長さは12.56㎝なので、75.36÷12.56より、6回転となる。
(2)平面図形と比 高さの等しい三角形では、面積の比と底辺の長さの比が等しいことを利用する。三角形DEFの面積は、4/7×5/7×1/2より、三角形ABCの面積の10/49である。従って、20÷10/49より、98㎠。
(3)回転体 空洞部分を埋めるように正方形を下方向に移動させて考えると、底面の半径が3㎝・高さが1㎝の円柱と、底面の半径が2㎝・高さが1㎝の円柱の体積の合計になることがわかる。
図形分野から3題の小問集合。(2)は平面図形と比の典型題であり、確実に正答したい。(1)(3)は工夫が必要であるが、難問ではなく、十分に正答可能。この大問においても、間違えた問題があれば、間違えた理由を見極めた上で、テキスト等を使って復習すること。なお、復習する内容や問題については、両親や講師との相談で計画を立てて欲しい。
【大問5】速さとグラフ
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
(1) 24分間で960m離れたので、1分間には40mずつ離れている。従って、10分後の2人の間の距離は、400m。
(2) 兄が忘れものに気付く前と後の速さの比が10:11なので、忘れものに気付くまでと家に戻るまでの時間の比は、11:10となる。忘れものに気付くまでにかかった時間が24分なので、家に戻るまでの時間は、24×10/11で求めることができる。
(3) 24分後から42分後までに2人の間の距離は3060m変化しているので、2人の速さの和は3060÷18より170m。また、出発してから24分後までに2人の間の距離は960m開いたので、2人の速さの差は960÷24より40m。24分後までの兄の速さを⑩とすると、24分後以降の速さは⑪となるので、次の2つの式が成り立つ。
・⑪+弟の速さ=170 ・⑩-弟の速さ=40
この2つの式より、㉑=210 ⑩=100となるので、弟の分速は60m。
(4) 引き返す時の兄の速さは分速110mなので、引き返し始めてから弟と出会うまでの時間は、960÷(110+60)で求めることができる。
速さとグラフに関する出題。2人の間の距離の変化を表したグラフがテーマで、中学入試では頻繁に取り上げられる内容。グラフの読み取り・比の利用が正答するための重要なポイントとなる。特に、(2)の「道のりが同じとき、速さとかかる時間は逆比の関係」という考え方は、中学入試の速さの問題を解く上で最も重要な考え方である。(2)で間違えた時は、問題集などの演習を通じて、考え方をしっかり身につけてもらいたい。
攻略のポイント
計算問題と独立小問が中心で、大問は1題のみの構成になっている。
小問集合では、売買損益算・年齢算・速さと比・ニュートン算などの特殊算、規則性に関する問題、図形の移動、平面図形と比、回転体の求積などが出題された。塾のテキストや問題集の例題などでみかける典型題が中心だが。ややレベルの高い工夫が必要な問題も含まれていた。大問は速さとグラフに関する問題で、グラフの読み取りと比の利用がポイントとなる出題であった。速さとグラフ、水量変化とグラフなどグラフの読み取り問題は本校の入試では頻繁に取り上げられており、今後もその傾向は続くものと思われる。
本校算数の出題では、計算問題と小問の比重が非常に高くなっている。したがって、本校攻略のポイントとして、計算問題と小問集合で確実に得点することがあげられる。そのためには、①毎日の計算練習を怠らず行い、正確な計算力を身につけること。②テキストの例題・類題・基本問題・標準問題を徹底的に解き、すべての単元の基本をしっかり身につけること。以上が大切なポイントになる。さらには、出題頻度の高いダイヤグラムや水量変化などのグラフの読み取り問題の練習に力を入れて欲しい。
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