白百合学園中学校 入試対策
2025年度「白百合学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
分析
読解問題は、例年、文学的文章と説明的文章の2題が出題されている。文章量はそれほど長くはなく読みやすい文量である。
記述式問題が大きな比重を占めている。50字から80字程度の記述問題を中心に、数題出題され、字数指定がない場合もある。記述対策が必要である。
また、読解問題の中に言語事項の問題が含まれている。幅広く出されるので言葉の知識関連全般は、ひととおりでよいのでしっかり覚えておく。
素材文は、受験生に近い年齢設定・理解しやすい題材を使ったものが多い。読みやすいと感じた受験生も多かったのではないだろうか。物語文は学童・学生などを主人公にした設定が多い。説明的文章は文化論・人生論・科学など、題材は多彩である。説明的文章の読み方の基本をしっかりおさえて、記述問題を含め、できる限り得点してほしい。
素材文の総字数は、5000~6000字程度のことが多い。上位難関校として、多い字数ではない。
ただし、制限時間が短く、記述問題が複数出題されているため、スピードが必要になる。文章は、10分程度以内に読み終えたい。
記述
記述問題もさまざまな内容で出題されている。
説明的文章は文章中に書かれた内容をまとめることで対処できそうなものが多いが、文学的文章は心情や行動の理由などを文脈から考えて自分で答えなければならない問題が多いので難しい。
読解記述の基本の型をおさえた上で、高度な類推が必要な記述問題にも取り組んで、対策を進めていきたい。特に、女子校の試験ということもあり、文学的文章の問題での得点が合否の分かれ目になることが予想されるので、小説の読解と記述対策には十分力を注いでいただきたい。
雙葉中、桜蔭中の記述問題や、学習院女子中、鴎友中の記述問題も、練習として役立つであろう。
知識
語句問題、漢字問題は、例年、必ず出題がある。
年度によって、独立問題、読解問題の小設問、という違いはある。ただし、どのような形式であっても、語句・漢字が出題されるということはおさえておきたい。
語句に関して特に、ことわざ・慣用句・四字熟語・和語など、それほどの難問ではないので、中級レベルの教材を一冊しっかり仕上げておきたい。
漢字に関しては、学習している漢字テキストを確実にマスターしておこう。
過去問演習
過去問で記述問題の字数や設問の種類などに十分慣れておきたい。
40分という制限時間内で最後まで手をつけられるように効率よく解くこつをつかもう。まず解答用紙・問題用紙の全体に目を通し、内容を簡単に確認しておおまかな作戦を立てられると楽である。
記述問題も空欄をつくらず、部分点をかせげるように。
漢字問題は、素早く終わらせる。ただし、表記のていねいさは意識して不用意な減点を受けないようにしよう。
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2025年度「白百合学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
小説4200字・論説文3400字で計7600字ほどの文量で前年と同様であった。総解答数は17問。
問題数が少なめで記述問題に時間をかけられる形である。選択肢問題などを早めに済ませて、記述問題をしっかり考え得点をあげたいところである。1分600~700字の速度で読めるよう練習しよう。
【大問一】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:26分
- ★必答問題
『老子』の一節から二つの言葉を取り上げ、自分に必要なものをしっかりと見極め、自分なりの目標に向かって努力していくことの大切さを述べている。
問一 現代社会はモノと情報にあふれており、欲望を掻き立てられる中で競争を強いられ、人々は疲弊している。「自分の外側にあるもの」に振り回され、本当に欲しいもの・必要なものがわからなくなっているのである→選択肢ウ。
問二 自分の外側にあるものとして、「財産や地位」が挙げられている。求めすぎる頭にストップをかけ、人生をコントロールする力を取り戻せば、「命そのものがもつ輝き」に目が向き始めると、筆者は述べている。
問三 「外的価値を高めようとあくせくしたり」「他者の評価を気にしたり」、自分にないものを欲しがったり(=鼻先の人参)することに時間とエネルギーを費やす人を例えているのだろう。
問四 「一方、今の……」で始まる段落で、「強行者有志」をわかり易く説明している。「足るを知る」人は、「自分の性格や能力に応じた目標を定め、今の自分にできる努力を正しい方向に積み重ねていくこと(四十四字)」ができるのだと、具体的に表現している。
問五 前の段落で「強行者有志」の意味を「向上心や努力」と短くまとめ、それには「知足」が前段階となり、二者はセットであることが指摘されている。設問の条件は二字なので、Aには「知足」、Bには「努力」が入る。
問六 幸せな人生につながっていく、広い意味での「あきらめ力」のことである。「本当に必要なもの」「自分に合っているもの」「努力すればなんとかなるもの」と「そうでないもの」を見極めたうえで、「断念すべきことは思い切り、自分なりの目標や夢に向かっていく」と言う意味での「あきらめる」である。
問七 ア・エ・オ
〔ワンポイント!――記述・書き抜きが多いので、ポイントを探しやすくする工夫が大事である。適切な箇所に印をつけられるよう、国語力を上げ過去問で慣れておこう。〕
<時間配分目安:26分>
【大問二】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:14分
- ★必答問題
一人暮らしを始める引っ越しの日、なにかと世話を焼きたがる母に「一人で大丈夫だから」と強がる主人公。母と別れ、去っていくその後ろ姿にある思いを抱く。
問一 ウ
問二 地方から東京へ出てきて一人暮らしを始める娘の不安や寂しさを思いやり、わざと饒舌に商店街のはなやぎについて話しかけている、そんな母親の心情を読み取ろう。
問三 母親のなぐさめるような口調に「いっそう気持ちが沈み」「苛立ちが倍増」したり、自分の食べ残しまで食べる母に「苛立ちを通り越して嫌悪まで覚え」たりしている。主人公にも当然、慣れない都会で一人暮らしを始める不安はあるのだが、母親に気を遣われれば遣われるほどかえって淋しさや苛立ちが募り、ぶっきらぼうに応えてしまうという、いわば娘としての甘えとも取れる心情であろう。
問四 母親としては少しでも娘の世話をしてやりたいと思うのだが、一人暮らしを覚悟している娘の自立心も理解でき、これ以上手伝うのも余計なことだろうと、母としての淋しさをこらえて去っていったのだと思われる→選択肢イ・選択肢エ。
問五 「一人で大丈夫」とは言いながら、実際に別れる母の後ろ姿を見ていると、自分の独り立ちを応援してくれていることに感謝すると同時に、母と離れて暮らす寂しさや一人暮らしの心細さが実感され、泣きそうになっているのであろう。
〔ワンポイント!――文学的文章なので、言動・感情の理由や表情の意味するところを訊かれることが多くなる。なるべく多くの小説・物語に触れ、人物の心情を読み取れるように実力をつけよう。〕
<時間配分目安:14分>
攻略のポイント
合格者平均点が高く、70点ほどにもなる年度が多い。漢字・語句がすべて正解・記述部分の得点が5割・各大設問の選択式問題の誤答が二つ以内程度、これくらいの得点でおよそ合格者平均点に達すると思われるので、この程度の正答率を目指したい。
素材文を読む時間は10分~12分程度に納め、残りの時間を解く時間にあてたい。
記述問題は規定の字数=9割を目標に埋めて、完璧でなくてもよいので部分点をねらう。
誤字脱字は減点される。文字は、急ぎながらも正確にていねいに書く。
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