白百合学園中学校 入試対策
2025年度「白百合学園中学校の社会」
攻略のための学習方法
出題構成
大問数3~5、総解答数50~60とかなりやりごたえのあるテストである。満点が75点であることからみても、女子校としては理科・社会を重視する校風となっている。
試験時間は30分で、記号選択問題もあるが用語記入が多く、1~2行の記述問題もあるので、速さが必要となる。
地名や人名の漢字表記や、歴史では時代順の並べ替えもあり、簡単なテストではない。
ただし、教科書を超える難解な知識は訊かれないし、いわゆる「考えさせる」問題は少ない。
記述問題も、用語や出来事を説明させるような内容で、知っていれば答えられるものがほとんどである。
しっかりした知識を持ち、てきぱきと答えていくことが必要な試験となる。
分野別では、地理・歴史の方に重点が置かれ、政治は少なめの傾向である。
地理分野
各地の地名・地形・気候・産業などについて細かく出題されている。
平野・盆地や河川・湖、半島・湾と、ある範囲の、あるいは日本全国の地図から地名が訊かれ、もちろん漢字で答えなければならない。グラフや統計から産業の特色を問う問題、貿易の問題や地図記号まで、ひろく出題される。
テキストで基本事項を覚えたら、地図と白地図で地名・地形を徹底的に覚える。
位置も正確に覚えて、気候の特色や、資料集の農林水産業のデータなどもまとめて、各県・地域ごとにすぐ頭に浮かぶようにしておく。
基礎的な知識がしっかりあれば答えられるものがほとんどなので、基本を幅広く充実させるという意識で学習に取り組めばよい。
歴史分野
各時代、様々な内容が出題されている。
文化史や中国との歴史的関係などのような、あるテーマに沿って各時代について訊いていくパターンが多く見られる。歴史史料の写真や図版が使われることも多い。
年代順に並べ替える問題が、他の分野と合わせて2問出された年もあった。
人物・出来事や歴史に関連した地名などは漢字で書けるようにしておく。
また、年表で分野ごとの流れをたどっておくことも重要である。
出来事の内容や原因を1~2行で書かせる記述問題も出されるので、覚えた事柄の簡単な説明くらいはできるような知識の深さは必要である。
政治分野
日本国憲法・政治の仕組みなどがよく出題されている。
憲法前文や重要な条文はよく読み込んでおき、三権のしくみとはたらきは図式などで関係を理解しておく。
また、政治関係はわずかで、その分、歴史や時事問題が多く出される年もある。
近年はどの学校でも時事問題はよく出される傾向があるので、特に前年度の社会的な出来事などに十分注意しておきたい。
知識・記述
やはり時間の割に問題量が多いということが本校の特徴であり難しい点でもある。
学校側もそのつもりで、考えるのに時間がかかるような設問は、まず出ない。ほぼ1問1答のように、ぽんぽんとリズム良く答えていく形だが、用語を書く問題が多く、漢字で表記する必要がある。知識の量・幅広さと正確さを確認されているテストであろう。
テキストに載っていないような難しい知識にまで手を伸ばす必要はないので、その分、載っていることについては隅々まで正確に頭に入れておく。単なる重要語句の暗記ではなく、地図・白地図・資料集・年表を活用して、関連事項をまとめてイメージできるくらいまで確かなものにしておく。
記述問題も、その語句や出来事について、教科書に書いてある程度の説明ができるくらいには理解しておく。
記述対策問題集などで1~2行程度の問題をたくさんこなしておけば、類似の問題が出される可能性もある。
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2025年度「白百合学園中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は55問と、今年度も多かった。わからない問題に悩んでいる余裕はないので、わかる問題をとにかくどんどん解き進めよう。
数問ある記述問題も配点は高くないので、時間を見て最後にまとめて書いても良い。最後まで目を通して、解ける問題には必ず手を付けられるようにしよう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
いくつかの都市を題材に、関連する各地の特徴などについて訊かれている。
問1
A. 1972年に返還された沖縄の県庁所在地、那覇市。
B. 北海道の県庁所在地、札幌市。
問2
①
A. 気温の高さから、オ。
B. 気温の低さから、ウ。
C. 新潟県上越市。冬の降水(雪)量の多さから、エ。
D. 香川県高松市。瀬戸内気候の特徴から、イ。
E. 東京は残っているAとなる。
② この時期に雨が多いのは梅雨前線の影響である。前線は日本の南の海上で発生し、次第に北上していくため北ほど時期が後になる。
問3 首里城
問4 沖縄県には大きな川がなく、雨水はすぐに海に流れ出てしまって、利用できる水が少ないのである。
問5 イ. 愛知県の政令指定都市は名古屋市だけである。
問6 1. ア 2. ア 3. イ 4. ア
問7 ア. オリーブ栽培で有名な香川県の島は小豆島である。
問8
(1) ヒートアイランド
(2) コンクリート
(3) アスファルト
(4) 高層
(5) 風
(6) 二酸化炭素
(7) 温室効果
〔ワンポイント!――地理分野としては使われる資料が少なく、文章を読んで答える問題が多かった。問題数の多さもあり、速く読んで速く答えられるよう、過去問でペースに慣れておこう。〕
<時間配分目安:11分>
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:14分
- ★必答問題
日本の食文化を題材に、各時代の人物や出来事について訊かれている。
①
(例) 時代と共に食生活が多様化し、小麦や肉類など、米以外の食品も多く摂るようになったから。
(例) 昔ほど重労働が多くなくなり、使うエネルギーも減ってきたから。
② ナウマンゾウ
③ A・B・C・Dの順で、冬→春→夏→秋。
④ 福岡市にある板付遺跡。
⑤ 日本書紀
⑥
ア. 皇后ではなく、娘である
エ. 遣隋使を派遣したのは推古天皇である
オ. 正倉院を建設したのは聖武天皇である。
⑦ 租
⑧ 木簡
⑨ 枕草子
⑩ 藤原頼通
⑪ 鎌倉時代、武士は平時には農作業をし武芸を磨き、戦が起これば武士として戦った。体力・筋力を維持するため、肉食が必要だったと考えられる。
⑫ 月に三回開かれたので、三斉市と呼ばれる。室町時代には六斉市も開かれた。
⑬ 日明貿易(勘合貿易)
⑭ 臨済宗
⑮ 北前船
⑯ 東海道
⑰ 日米修好通商条約(1858年)→安政の大獄(1858~59年)→薩長同盟(1866年)
⑱ 殖産興業・富国強兵
⑲ 徴兵令
⑳ 関東大震災
㉑ 配給制
㉒ マッカーサー
㉓ 戦後
㉔ 無形文化遺産
〔ワンポイント!――今年度は下線部についてテンポよく答えていく形であった。記述問題は理由や原因を訊くものが多い。出来事の背景まで考える癖をつけよう。〕
<時間配分目安:14分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
憲法や地方自治などについて訊かれている。
問1 (1) 健康で文化的 (2) 生存 (3) 介護 (4) 不信任 (5) 選挙管理委員会
問2 イ. デモ行進は表現の自由や請願権にあたる。
問3
① 生活保護と一般に言われるが、正式には公的扶助という。
② 保険料を積み立てておき、必要な時に支給を受ける社会保険。
③ ハンディキャップを持つ人が安心して暮らせる社会を作るための仕組みが社会福祉である。
④ 疾病を予防し、衛生的な環境を整えて社会全体の健康を守る活動が公衆衛生である。
問4 ウ
問5 地方分権一括法は地方自治体の自主性を高めることを目的とし、国から地方公共団体への事務・権限の移譲や、地方公共団体への義務付けなどを緩和する法律である。
問6 (例) 内閣総理大臣は国会議員の中から国会によって選ばれるが、地方公共団体の長は住民の直接選挙によって選ばれる。
〔ワンポイント!――憲法・政治のしくみ・地方自治などの基本的な事項と、現代社会の問題点などが訊かれている。一部細かい知識が訊かれているが、とにかく自分に解ける問題はすべて答えることを最優先にしよう。〕
<時間配分目安:5分>
攻略のポイント
やはり問題数の多さがポイントとなる。答えられたはずの問題に手を付けられずに時間切れにならないよう過去問でスピード感を養っておくこと。
基本事項が中心ではあるが、やや細かい詳しい内容まで出題される場合がある。テキストに載っていないような難しい知識にまで手を伸ばす必要はないので、その分、載っていることについては隅々まで正確に頭に入れておく。
大問ごとに、あるテーマや範囲について詳しく訊く問題も見られるので、どの分野・範囲からの出題でも7~8割は正解できるよう、抜けのない学習を心がけたい。
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