芝浦工業大学柏中学校 入試対策
2025年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」
攻略のための学習方法
芝浦工業大学柏中学校、算数の満点は100点。標準的な問題が多いが、ややレベルの高い問題も含まれる。試験時間は45分でやや短いが、慌てることなく、落ち着いて取り組んで欲しい。できる問題から解答欄を埋めていくことを心がけること。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
例年1~2題出題される。今年度は整数と分数の混合の□を求める問題であった。工夫が必要な問題が出題される年度もあり、日頃の計算練習の際には、少しでも簡単に計算するにはどうすればよいか?といった意識で取り組んで欲しい。また単位の計算問題が出題された年もあるので、面積や体積の単位変換についてはしっか覚えておきたい。
文章題
今年度は通過算および割合の文章題が出題された。ここ数年では、円とドルの換算、速さと比、流水算、旅人算、時計算、ニュートン算、和差算、売買損益算、食塩水の濃さ、年齢算などの出題が見られた。今回は出題されていないが、時計算の出題がやや多いことには注意が必要。ややレベルの高い出題も見られるが、テキストや問題集での練習を行えば正答できる問題が中心である。出題される可能性が極めて高い速さに関する問題では、旅人算・時計算・流水算・通過算・ダイヤグラムの読み取りなど幅広く学習しておくこと。
数に関する問題
今年度は数の性質および場合の数について出題された。過去には、場合の数、単位分数、数表や数列に関する問題、数の性質など幅広く出題されている。場合の数の出題がやや多いので、しっかり練習しておきたい。単に計算で求めるものだけでなく、場合分けや調べ上げといったタイプの問題の練習も行うこと。また、数の性質では、今回出題された倍数の個数や割り算のあまりに関する問題を中心に、規則性については、数列や数表を中心にしっかり練習して欲しい。
平面図形
今回は小問と大問で出題された。ここ数年の問題を見ると、30度-60度-90度の直角三角形、図形の移動、影に関する問題等、趣向を凝らした問題も見られる。
この分野の対策としては、まずは相似や高さの等しい三角形など、比を用いて解く問題の練習をしっかり行うこと。また、図形の移動についても出題の可能性が高いので、力を入れて学習して欲しい。日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。
立体図形
今年度は大問で立体の影に関して出題された。ここ何年かを見ると、立体の切断と回転体の求積問題の出題頻度が高くなっている。
この分野の学習法としては、立体の切断や回転体の求積については特に力を入れて欲しい。また、水の体積や深さの変化についても問題練習を行うこと。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談してもらいたい。
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2025年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
独立小問が2題、大問が6題で100点満点、試験時間は45分で例年通りであった。合格者平均点は58.5点で、昨年と比べると難度が上がっている。すべての小問数は17で多くはないが、記述を必要とする問題や思考力を必要とする問題も含まれており、時間的ゆとりはあまりない。できる問題から解答欄を埋めるよう心がけて欲しい。
【大問1】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1) 計算問題
分数・整数混合の□を求める問題。
(2) 平面図形
まずは作図をすること。作図のポイントは、円の中心から垂直な線を引くこと。直線部分の合計47㎝と半径5㎝の円周1つ分の合計となる。
計算問題・平面図形の小問2題。(2)は円が5つ組み合わさったやや複雑な図形になっている。計算問題は1題のみだが、これを確実に正答したい。日頃から1日5題~10題の計算練習を計画的に行って欲しい。
【大問2】通過算
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1)ひかり君の前を通過する間に、新幹線の長さ分進む。時速270km=秒速75mなので、400÷75より求めることができる。
(2)新幹線Bの先頭と新幹線Cの先頭の間の長さは、75×60×4より、18000mなので、新幹線Bの最後部と新幹線Cの先頭の間隔は、18000-400より17600m。従って、17600÷(75+75)より、すれ違いにかかる時間を求めることができる。
通過算の出題。(1)は典型題であり易問。(2)は図を描いて、新幹線に乗っているのぞみさんと、すれ違う2つの新幹線の位置関係をとらえることが大切である。思い込みで解くことは避けて欲しい。
【大問3】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1) 半円中の面積+半円小の面積+三角形の面積-半円大の面積で求めると、半円の面積が打ち消し合って、三角形の面積だけが残る。3.14の計算は最後にまとめて行うこと。(実際には計算不要である)
(2) 斜線部分は正三角形の面積+半円の面積-中心角60度のおうぎ形の面積なので、半円の面積と中心角60度のおうぎ形の面積の差を求めればよい。
平面図形の出題。まずは、図をしっかり観察することが求められる。(1)はヒポクラテスの三日月と呼ばれる有名問題で、三角形の面積を求めればよいことを知っている人も多いであろう。知らなくても、3.14の計算をまとめて行うという意識があれば、半円の面積が打ち消し合って消えることに気付くであろう。
【大問4】数の性質
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1) 2の倍数でも3の倍数でもない整数の個数となる。2の倍数は、100÷2より50個。3の倍数は100÷3より33個。2と3の公倍数は100÷6より16個。これより、2または3の倍数は50+33-16より67個。2の倍数でも3の倍数でもない整数は100-67より33個。
(2)
緑:5の倍数なので、100÷5より20本
青:33個の青の倍数の中で、3と5の公倍数は100÷15より6個あるので、33-6より27本
赤:2と3の公倍数は16個、2と5の公倍数は10個、2と3と5の公倍数は3個ある。16+10-3=23より、手順1で赤く塗った50本の旗のうち23本は緑または青に塗られるので、最後に赤い旗は50-23より27本
倍数の個数を考える問題。今回のタイプの問題では、ベン図や線分図を描いて考えることが有効である。問題を読んだら、まずは手を動かして図を描いて整理すること。なお解法として、2と3と5の公倍数である30単位で考えるという方法も考えられる。
【大問5】立体図形の影
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)まずは面EBCF側から見た影の位置を、次に上から見た影の図を描くこと。影の形は、底辺が6㎝高さが8㎝の直角三角形となる。
(2)同様に2方向から見て影の図を描くこと。三角形ABCの面積を除くという指示があるので、面積30㎠の台形から三角形ABCを引けばよい。
(3)同様に2方向から考えて影の図を描くこと。(1)で求めた面積と(2)で求めた面積を合わせた面積になることがわかる。
立体図形の影に関する出題。解法のポイントとしては、2方向から考えて図を描き、図形の相似を利用することである。苦手な人は、まずは電灯光による木などの影の問題の演習をしっかり行った上で、立体図形の影に関する類題の演習に取り組もう。
【大問6】場合の数
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
(1)1日目に1問残りは3問と考えるか、1日目に2問残りは2問と考えればよい。3+2より5通り。
(2)記述問題。1日目に1問残りを9問と考えるか、1日目に2問残りは8問と考えるかの合計となる。
(3)5問では3+5より8通り、6問では5+8より13通り、7問では8+13より21通り、8問では13+21より34通り、9問では21+34より55通り、10問では34+55より89通りとなる。
場合の数の出題。会話文が大きなヒントとなっており、前の2つの数字を足すことによってできるフィボナッチ数列になることがわかる。10段ある階段の上り方など、同様の問題はテキストや問題集に掲載されており、それと同様の問題だと気付いた人にとっては平易な問題に見えるであろう。
【大問7】割合の文章題
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
(1)大豆の重さの8割が300gなので、300÷0.8より、375g。
(2)記述指定問題。塩の重さは、3000×0,12より360g。塩以外の重さは2640gとなる。大豆の重さを⑩とすると、8割麹みそなので、みその重さは⑧、大豆は煮て2.5倍になるので㉕。従って、2640÷(8+25)×8より、麹の重さは640g。
(3)記述指定問題。麹980gを使って2割麹みそをつくるとき、大豆が490g必要。490gの大豆を煮ると、2.5倍の1225gとなるので、麹と大豆の合計は2205gとなる。これが全体の重さの90%になればよいので、2205÷0.9より、2450gの20割麹みそをつくることができる。
割合の文章題。(1)は易問で正答したい。(2)以降は記述が指定されている問題。問題文に書かれてある○割麹みその作り方を理解することが最大のポイント。塩の割合と麹の割合の両方を考える必要があり、(3)はやや難度が高い。
記述対策については、日頃から式・図・考え方をノートに残すことが大切である。
攻略のポイント
大問1は計算問題と平面図形に関する問題の小問集合で、その後大問が6題の構成になっている。近年は同じ問題構成が続いている。
大問のテーマは、通過算・平面図形・数の性質・立体図形の影等で、例年通り記述問題が含まれていた。
各大問において、前半の(1)または(2)までは比較的考えやすい問題、後半の(2)または(3)は思考力が必要なレベルのやや高い問題という構成になっており、各大問の前半を確実に正答することが得点を上げるための大きなポイントになる。
本校合格へ学習を進めていく上で大切なことは、正確な計算力を身につけ、苦手単元を作ることなく、すべての単元の基本をしっかり身につけることである。その上で、ややレベルの高い問題についてもしっかり演習を積み重ねておきたい。
記述問題について特別な意識は必要ないが、日頃から式や図をしっかり残す習慣が大切である。
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