昭和学院秀英中学校 入試対策
2025年度「昭和学院秀英中学校の社会」
攻略のための学習方法
〇問題構成
大問6~7つが地理・歴史・政治経済におおむね2~3問ずつ振り分けられるパタ-ンが多いが、問題数や配点では歴史の比重が多くなっており、歴史重視の傾向がある。
解答数は30~40問前後。設問は2025年度では記号選択28問・適語記入8問・記述3問といった割合になっている。近年、記述問題も出されるようになった。
〇地理分野
地形や気候・産業や貿易など、幅広い分野からいろいろな問題が出される。地形図の読み取りやある地域にポイントを絞って詳しく訊くような問題もある。地理分野のあらゆる形の出題があると思って良い。
なかでも、資料が多く用いられる点は特徴的である。地図・グラフ・統計資料が多用され、模式図・歴史史料・写真なども使われる。過去にも産業の都道県別ランキング・都道府県別昼夜人口比率・雨温図など、様々な資料が提示されている。
特に、あまり見慣れない資料が使われる点に注意が必要である。2017年度でもカロリーベースの食料自給率・人口増減率・地域の月別日照時間・海抜高度別の面積割合など、他校ではあまり見られないデータ・統計が用いられている。統計の上位1~3位まで覚えていれば答えられるような単純な問題ではない。いわゆる難問・奇問の類ではないのだが、なぜそのような数値になるのか、背景や理由をその場で考えなければならないので、思考力が求められる。
まずは基本レベルの問題を落とさないよう、地名・地形・気候・産業などの基礎知識を固める。基礎知識は難しい問題の手がかりを探す土台ともなる。その上で多くの統計資料・グラフの読み取りを練習し、なぜそのようなデータになるのか、そのデータから予想される結果は何かなど常に考える習慣をもち、基本事項と関連させて知識に厚みを持たせよう。
知らない統計などが出された時にヒントを得られる情報を、少しでも多く頭に入れておきたい。
〇歴史分野
地理分野の難易度が高い傾向にある本校であるが、年度により多少のばらつきはあるようで、歴史分野に難問が見られる年度もある。
各時代の法令などの一つのテーマに沿った出題や、ある範囲の時代の地名・人物名・貿易・時代順の並べ替えなどを広く尋ねる問題など、歴史に関するあらゆる種類・内容の問題が出されている。
だいたい基本レベルの問題が多いので、テキストを丁寧に学習することが第一である。年代を問う問題も多いので、時代や年号を正確に覚え、年表などで流れもすぐ思い出せるようにしておこう。
〇政治経済分野
他の2分野と比べて問題数は少なめである。憲法や政治の仕組みと合わせて時事問題も出題されている。テキストで基本事項を覚えたら、直近の1~2年の重大ニュースをチェックして、ニュース・新聞で社会で起こる出来事にアンテナを張っておこう。
〇記述問題
ここ数年、出されるようになった。30~40字程度で出来事の理由・原因を答えるような問題が多い。用語を覚えるだけでなく、その物事の背景や理由・周辺事項も合わせて取り込むように学習しておこう。
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2025年度「昭和学院秀英中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は29問。1問に1分強はかけられる計算だが、地理分野は資料を用いた問題が多くなっている。歴史分野はテンポ良く答えられる問題が多いので、例年通り地理の問題が重そうだったら歴史・政治経済などから手を付けると良いかもしれない。全く歯が立たないような問題で時間を取られては損である。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
自然災害を題材にした問題。
問1 Aは火山の噴石から身を守るシェルター、Bは大雨の際に水を逃がす地下放水路、Cは津波を避けるために昇る避難タワーである。
問2 活火山は九州山地や奥羽山脈付近などに多く、周辺には温泉地がみられる。
問3 緑地には雨を吸収し川に少しずつ流し出す作用があるが、都市化が進むとコンクリートなどが多くなり、降った雨が短時間で一気に流れて下流であふれる危険がある。
[注目!――「使用した語句に下線を引く」という条件があるので、必ず従う。あせってこうした条件を見落として点を失うのはもったいない。]
問4 液状化
<時間配分目安:7分>
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
北海道地方に関する問題。
問1
① 苫小牧は掘り込み港を中心に発展し、製紙・鉄鋼などの産業が盛んである。
② 鹿島臨海工業地域にも苫小牧と同様の掘り込み港がつくられた。
問2 ス
問3 図中の地域は根釧台地付近である。濃霧が発生しやすく夏でも気温が上がりにくいため育てる作物も限られ、牧草を育てて行う酪農農家が盛んになった。
[注目!――地理分野で資料が多く用いられるのも本校の特徴である。資料集や地図に親しんで、十分に慣れておこう。]
<時間配分目安:5分>
【大問3】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:18分
- ★必答問題
さまざまな時代の資料をもとに、各時代の人物や出来事について訊かれている。
問1 イ. ほかに『鼻』『杜子春』『地獄変』などの著作がある。
問2
X. 版籍奉還の方が先である。
Y. 廃藩置県の当初の県数は現在よりもずっと多かった。
問3 西南戦争
問4 和同開珎
問5 中国から輸入した宋銭や明銭が多く用いられていた。
問6 真珠湾攻撃とマレー半島上陸(1941年)→ミッドウェー海戦(1942年)→米軍のサイパン占領(1944年)→米軍の沖縄上陸(1945年3月)→広島・長崎に原爆投下(1945年8月)
[注目!――歴史分野では選択肢問題が多くなっている。時代順・正誤など、あいまいに覚えていると失点するので、大変だが年号で覚えてしまう・語句ひとつを見逃さない注意力をつけるなど、普段から意識して勉強しよう。]
問7 イは令和時代、ウ・エは昭和時代の出来事である。
問8
ア. 徳政令が出されたが、一揆による要求ではなかった。
ウ. 馬借は運送業者であり、正長の土一揆のきっかけとなった一揆を起こした。
エ. 天明の飢饉の際は百姓一揆や打ちこわしが盛んに起こった。
問9 エ. 金閣寺が建てられたのは1397年である。
問10
イ. ラクスマンはロシア人である。
ウ. 松前藩はアイヌとの交流が深かった。朝鮮との貿易は対馬藩を通して行われた。
エ. ペリーの来航時に結ばれたのは日米和親条約である。
問11 輸入では生糸、輸出では銀が多かった。
問12 三内丸山遺跡
問13 エ. 御成敗式目の制定が1232年で、時期に合う。
問14 アは奈良時代、ウ・エは鎌倉時代に作られた。
<時間配分目安:18分>
【大問4】現代社会分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
選挙や経済について訊かれている。
問1 (1) トランプ (2) 議会議員
問2 イ
問3
A. 改選前より議席は大きく減った。
B. 現職の大統領であるプーチン氏が圧勝したが、公正な選挙ではなかったという疑念もある。
問4 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の指名により選出される。
問5
A. 当初所得ジニ係数は1に近づいているので、格差は広がっている。
C. 2002年・2005年(おそらく2008年も)は30%を下回っている。
[注意!――見慣れない単語が出てきてもあせらない。問われているのはあくまでグラフ・数値の読み取り・比較なので、表やグラフの問題を多くこなしていれば心配ない。]
<時間配分目安:10分>
攻略のポイント
今年度も資料について考察する問題が見られた。たとえ見慣れない資料でも、基本事項を土台に考えたり、最近の世の中の動きを考えたりすることで正解を導き出せる。統計やグラフの読み取りをしっかり練習して、思考力を養おう。そのためにも地理分野は特に念入りに学習して抜けが無いように。
記述対策として、物事の理由や背景までよく考える訓練も積んでおこう。
その他の分野も、難しい問題以外は確実に得点できるよう、テキストレベルの実力を着実につけておきたい。
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