中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
中学受験専門プロ家庭教師が語る

横浜共立学園中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「横浜共立学園中学校の国語」
攻略のための学習方法

知識

「横共の国語」で当然押さえておかなくてはならない「攻略ポイント」のひとつが、「総合的知識問題」。さて、どう対処するか? 

当然、一朝一夕には身につかないので、地道な努力が必要となる。

先ずは「語彙力」。日々の積み重ねあるのみ。塾での「小テスト」等を確実にこなし、もし間違ったものがあれば、必ず書き出して覚える。

「漢字の読み書き」だけではなく、「同音異義語」「同訓異字」「類義語」「対義語」、また、「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」「故事成語」や「敬語」「分かりづらい言葉の意味」等、さらには、「かなづかい」といった「基礎の基礎」までも押さえておきたい(実際に出題されている)。

また、過去問や演習問題を実施する際、問題文中の語彙で「読み・書き・意味」のいずれかがあいまいなものがあったら、書き出して自分なりの「語彙ノート」を作成しておくといい。そこには自分が分からない言葉が蓄積されていくので、折に触れ確認し定着させていく。入試当日に持っていけば、「お守り」にもなる。

これらの「語彙」は様々な形式で出題されるし、「記述」の際にも重要だ。一定の字数の中でいかに的確な「言葉」を用いるかが勝負となるからだ。最終段階では、問題集等で何度も確認しておくこと。

そして、「文法」。塾でも学習しているはずだが、定着していない受験生が多い。直接出題されることがあるし、「記述」にも不可欠だ。日本語として「文法」的に「正しい文」でなければ「減点」されるし、そもそも内容が正確に伝わらない。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ。

なお、「語彙力」「文法力」強化用テキストとしては、「言葉力1200」「言葉力ドリル」(共に学研)「でる順過去問 ことわざ・語句・文法」(旺文社)等がオススメ。

 

速読

大学入試にも匹敵する分量の問題文を読まなくてはならない。全体で5000~6000字程度。解答時間は45分。当然、「速読」ができた方がいい。

しかし、設問を解くために読むのだから通常の「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。

「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているのでしっかりと読み、「本論」は「段落相互関係」に注目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。

「小説」「随筆」は「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックしつつ、「心情表現」を拾いながら素早く読んでいく。これらのコツは塾でも教えてくれるはず。教えてくれなければ、自分から聞いてみるといった積極性がほしい。その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。

横共に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速650字以上(できれば700字近く)で「速読」できるようにしたい。

 

解法

横共の様々な「難問」に勝利するための基本は、前述したとおり「解法」をいかにうまく使うかということだ。「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。「論説文」(説明文)と「小説」「随筆」、それぞれに応じた独自の「解法」。

そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。たとえば、塾での練習問題。答え合わせをして「解説」を聞いて納得した。以上終了ではダメ。必ず「考え方」の道筋をなぞっておくことが重要。特に、間違った問題は宝の山だ。「解き方の過程」のどこで誤ってしまったのか? その分かれ道をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことが、同じ間違いを繰り返さない秘訣だ。

さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方の過程」を身につけたい。それが「解法」となる。そうして理解、習得したものを書きとめた自分なりの「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。

 

記述

「横共の記述対策」は前述の通りだが、その前提としてなすべきことがある。

それは「文を記す」「記述する」ことに慣れることだ。最初は時間がかかってもいい。いやがらずに、とにかく「書く」。そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらう。「文法」など正しい日本語の「文」になっているのか、言いたいことは正確に伝わっているのかを確認する必要がある。

では、何を「書く」か? 読解の練習問題にある「記述設問」はもちろんだが、その問題文の「要約」をするのもとてもいい方法だ。70~80字程度で書いてみる(横共の典型的な「記述」の練習にもなる)。

無論、内容は先生に確認してもらう。「要約力」は文章の「理解力」にもつながるので一石二鳥。次の段階としては「字数の感覚」を身につけることだ。

書きたい内容は何文字くらいになるのか? 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅い。下書きしている時間もない。だからこそ、「字数の感覚」が重要なのだ。その際、20~30字程度をひとつのブロックとして考えるといい。

「記述設問」で得点を左右する「重要な要素」「必要な要素」は、それぞれその程度が目安だ。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしている「要素」がその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。ある程度「感覚」がつかめたら、「最重要要素」を文末にして、他の「必要な要素」を下から積み上げていくように記述する練習をしていく(その際は、マス目のない用紙を使うこと)。

 

意識

いついかなる場合でも、常に何かを「意識」しながら学習することが重要だ。ただなんとなく漠然と机に向かっていても無意味だ。その時々、何を目的として学習しているのか、具体的に「意識」し続けていることが必要。

そうして何かを「意識」することができるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」するようにして学習したい。「設問」を正しく理解しているか? 「条件」に合致しているか? 「細部」は大丈夫か? 「必要な要素」は満たしているか? つまらないミスはないか? といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」している必要がある。45分という時間で解き進めていく横共では、ひとつのミスが致命的になる。

入試本番では、見直しの時間はないと思った方がいい。常に「意識」しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2018年度「横浜共立学園中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「漢字の読み書き」(全8問、「読み」3問・「書きとり」5問)。2分程度で終えたい。

大問は「小説」、出典は瀧羽麻子「ぱりぱり」(文字数約2700字)。小問は全12問(解答数13)。
「選択肢」、「抜き出し」(2問。「空所補充」あり)、「事項記述」(2問)、「説明記述」(「字数指定なし」3問)、「総合的知識問題」(語句の意味)。問題文は3分半ほどで読み、設問を20分程度で解きたい。

大問は「論説文」、出典は槌屋治紀「これからのエネルギー」(文字数約2300字)。小問は全10問(解答数13)。
「選択肢」(「空所補充」「内容合致」あり)、「抜き出し」(2問)、「説明記述」(「15字以内指定」1問と「字数指定なし」2問。「自由記述(具体例)」あり)、「総合的知識問題」(文法)。問題文は3分ほどで読み切り、設問を16~17分で解きたい。

【大問一】「漢字の読み書き」(「読み」3問・「書き取り」5問)

  • 難度:標準
  • 時間配分:2分

「漢字の読み書き」(全8問)。「読み」が3問で「書きとり」が5問。
例年、「神奈川女子御三家」のひとつである本校ならでは「ワナ」がある(昨年度は鳴りを潜めて平易だったが、本年度は、本校志望者にとっての最初の試練が復活した)。
「答え」を確認していく。

(1)「街角に人がつどう」(=まちかど)、
(2)「仕事を率先して行う」(=そっせん)、
(3)「寄付は強いるものではない」(=し[いる])⇒ここまでの「読み」は何ら問題ないはず。
(4)「今朝のニュースはゴホウだった」(=誤報)⇒「文脈」から判断できるかどうか、
(5)「物を上手にシュウノウする」(=収納)⇒これは定番、
(6)「足にホウタイを巻く」(=包帯)⇒細部に注意したい、
(7)「よくコえた緑豊かな土地」(=肥[えた])⇒「同訓異字」の判別を的確に、
(8)「ヒニクまじりの言い方」(=皮肉)⇒「語彙力」そのものが問われている。

尚、「トメ」「ハネ」などにも要注意。

<時間配分目安:2分>

【大問二】「小説の読解」(「説明記述」「抜き出し」「総合的知識問題」あり)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:23分
  • ★必答問題

才気にあふれ、17歳という若さでデビューした詩人の「姉」――周りが少しハラハラするような、でもそのときどきに宝物を残してくれるような「姉」と、自由さに苛立ちながらもその才能に憧れる「妹」の姿が描かれている。本文では、新人賞を受賞したものの、2作目はひどい評価を受けていた「姉」が半年ぶりに実家へやって来た時の様子を描いている。「姉」と「わたし(妹)」の会話のやりとりが中心で、内容は分かりやすい。しかし、2人の心情の機微を読み取るのはなかなか難しく、判別が紛らわしい「選択肢設問」もあり、本校ならではの「クセ」のある小問が並んでいる。

以下、いくつか確認する。

[問一] 「事項記述」(全2問/ともに「字数指定」なし、各「10字ほど」の解答欄)。傍線部(1)「もうすぐだね」について、「姉」は「何のことを『もうすぐだ』と思い」、「わたし」は「何のことを『もうすぐだ』と思った」のかを答える。

ユニークな問題だが、先ずは、直前直後を確認してみる(「小説」「随筆」では「同一場面の直前直後」に「手がかり・ヒント」がある)。
「もうすぐだね」は「姉」の「わたし」に対する言葉で、「わたし」は「うん」と返事をし、直後の「ト書き」で「(オーブンのタイマーの)数字が健気に一秒ずつ小さくなっていく」と説明されていることが分かる。「オーブンのタイマーの」なのだから、何かの調理が「もうすぐ」終わるのだと判断できる。

が、直後に、「『おめでとう』 姉がいきなり言った」とある。それに対して「わたし」は「え?」と返し、「姉」が「お誕生日」と続け、「それを言いに、来たんだった……」と言っている。ということは、「姉」は「妹の誕生日」のことについて「もうすぐだね」と言ったことになる。

一方、「妹」の「わたし」は「オーブンのタイマーの数字」について「うん」と返事をしたのだ。そして、「同一場面」を読み解いていくと、「クッキーの焼き上がりを知らせる電子音が、キッチンに響き渡った」とある。

したがって、「答え」は、「姉」=「妹の誕生日。」、「わたし」=「クッキーの焼き上がり。」となる。
見慣れない問題でも、「小説」の「基本的解法」に則して考察していくことが肝要。

<時間配分目安:2分>

[問三] 「心情説明選択肢」(5択)。傍線部(3)「姉が目を細めてしめくくった」について、このときの「姉の思い」を答える。

「選択肢設問」は「消去法」が原則。先ずは「原意消去」をしたい(「原意絶対優位の原則」=「設問」「傍線部」等の「原意」、要は「本来の意味」を最優先に考えること)。

ここは「心情説明」なので、傍線部の「目を細めて」という「動作が意味する心情」と、各選択肢の「文末」とが結びつかないものを「消去」したい(「選択肢」の説明で最も重要な要素は「文末」に記されている)。それぞれ確認していく。

(ア)「なつかしんでいる」、(イ)「思い出そうとしている」、(ウ)「悲しく思っている」、(エ)「決意をいだいている」、(オ)「うれしく思っている」。

「目を細めて」なのだから当然、(ア)(オ)以外は「消去」できるはずだ。

次に、「同一場面の直前直後」に「手がかり」を求める。「しめくくった」とは、何をどのように「しめくくった」のか? 直前から、「わたし」との「会話のやりとり」を、「今朝、急に思い出したの。ずうっと昔のことなのに、はっきり覚えている」という言葉で「しめくくった」ことが分かる。
であれば無論、(オ)ではなく(ア)が残ると判別できる。他の部分の説明も特に誤ってはいないので、「答え」は(ア)でいい。

「選択肢設問」では、先ずは「原意消去」、次に適切な「解法」を用いて段階的に「消去」していくことを肝銘せよ。

<時間配分目安:1分半>

[問五] 「理由説明記述」(「字数指定」なし、「60字ほど」の解答欄)。傍線部(5)「ふきだした」について、それは「なぜか」を説明する。

「ふきだす」といっても、いくつもの「意味」があるので、「傍線部(空所部)一文一部の法則」(「傍線部(空所部)が一文の一部分だった場合、傍線部以外が重要」という「重要解法」)で「状況」を確認する。直後に「(ふきだした)拍子に……、わたしは軽くむせた」とあることから、ここでは、「わたし」が「こらえきれずに笑いだした」ことだと判断できる。では、「笑いだした」のはなぜか? その「きっかけ」を確認する。

直前の「わたし」と「姉」との会話のやりとりから、「わたし」が「書いてる?」と問うたのに対して、「姉」は「(蚊に刺された手を)掻いてない」と「胸を張っ」て応じたことだと分かる。さらに直後では、「わたし」が「詩、書いてる? 最近」と言い直してもいる。ということは、もう分かったはずだ。「過不足なく」まとめていきたい。

たとえば、「『わたし』が『詩を書いてる』を聞いたことに、『掻いてない』と胸を張って答えた姉のとんでもないかん違いがおかしかったから。」といった「答え」だ。

「小説」での「理由説明記述」では、「きっかけ」が最重要だと心得よ。

<時間配分目安:2分半>

[問六] 「条件付き内容説明抜き出し」(「初めの5字」指定)。傍線部(6)に「姉らしくもない」とあるが、「本来の姉の詩作への姿勢はどのようであると『わたし』は思っているか」、「わたしの考えが最もよく表されている一文」を抜き出し、「初めの五字」を答える。

「条件」は「これより後の文中から抜き出す」こと。何やらややこしい。いかにも本校らしい「クセ」のある問題文だ。ここは冷静に順序立てて解いていきたい。「抜き出し設問」では先ず「抜き出し内容」を特定し、「抜き出し範囲」を絞りこんでいくのが鉄則。

先ずは「内容」だが、「傍線部(空所部)一文一部の法則」で確認すると、直前に「(姉が詩をあまり書いていないと言ったときの)弱々しい口ぶりにぎょっとした」とあることから、「わたし」は「本来の姉の詩作への姿勢」は「あまり書かないような弱々しいもの」だとは思っていないことが分かる。なので、「弱々しくはない、詩を書き続けている姉の姿勢」が「抜き出し内容」となる。

次に「範囲」、当然、「同一場面」だ。「条件」に「これより後」とあるので慎重に探していくと、11行目に「姉はたぶん、目に映ったものを無心に綴(つづ)っているだけだ。」という「一文」がある。「内容」と「条件」、ともに合致している。よって、「答え」は「姉はたぶん」となる。

本問では、「抜き出し範囲」が「条件」で示されていたが、そうではない場合は、「抜き出し設問」では「抜き出し範囲」がポイントとなると心得よ。

<時間配分目安:2分>

[問八] 「表現の意味の選択肢」(5択)。「総合的知識問題」。傍線部(8)「はっぱをかける」の「意味」を答える。

「はっぱ」? 何じゃそれ? 「葉っぱ」? ではないだろう。さすがに本校、高度な「語彙力」が問われてくる。無論、「葉っぱをかける」ではない。「発破をかける」という慣用表現だ。そもそも、「発破」とは「岩石に穴をあけ、火薬を仕掛けて爆破すること」という「原意」だ。そこから、「激しい言葉をかけたりして奮い立たせる。気合をかける」ときの表現として用いられる。

したがって、「答え」は(オ)の「強い言葉で奮い立たせること」になる。

本校で例年出題されている「語句の意味」、相当にレベルが高いので「語彙力」をしっかりと磨いておくことが不可欠だ。

<時間配分目安:1分以内>

[問九] 「内容説明選択肢」(5択)。傍線部(9)「自分と自分の詩を慕う編集者の声が、まったく届かなかったはずもないだろう」について、このときの「わたしの考え」を答える。

先ずは「原意消去」をしたいが、傍線部だけでは「わたし」の状況が把握できないので、直前直後で確認する。
すると、傍線部は「姉の詩」に対する「編集者」の「批判的な声」についての、「わたしの考え」だということが分かる。「詩を慕う編集者の声が姉にまったく届かなかったはずもない」という「原意」と、各選択肢の「文末」が結びつかないものを「消去」する。

(ア)「他人の批判などには動じない」、
(イ)「姉なりに受けとめて行動している」、
(ウ)「ひとり暮らしを始めた」、
(エ)「批判されると落ちこむ」、
(オ)「詩の未熟さを痛感している」。

「詩を慕う声」が「届かなかったはずもない」なのだから当然、(イ)以外は「消去」できなくてはいけない。他の部分の説明も特に誤ってはいないので、「答え」は(イ)だ。

「一発消去」ではないか。畏るべし、「原意消去」、絶対に活用すべし。

<時間配分目安:1分半>

【大問三】「論説文の読解」(「説明記述」「内容合致」「総合的知識問題」あり)

  • 難度:標準
  • 時間配分:20分

「石油」の終わりが近づき、「原子力」の危険性が再確認された現在、私たちは真剣に未来のエネルギーを考えなければならない――世界で次々と発表されている「再生可能エネルギー100%シナリオ」から、今の技術レベルと今後の展開予測を合わせ、どのような形が可能なのかを論じている。本文では、かつて「狩猟」から「農耕」へ転換したように、「化石燃料」に頼る「狩猟型」から「再生エネルギー」という「耕作型」への転換が必要だと指摘している。

「エネルギー問題」は「社会」でも学習しているので、内容は理解できるはず。「空所補充」「抜き出し」「自由記述」「総合的知識問題」など、多種多様な小問が並ぶ。

以下、いくつか検証してみたい。

[問一] 「語句の空所補充選択肢」(全3問/6択)。本文中の空所  A    C  に「あてはまる言葉」を答える。

各選択肢は、全て「接続詞」。本校に限らず定番の問題だ。特に、「逆接」はともかく、それ以外には十分に注意すること。「逆接」以外ではどれもあてはまってしまう可能性があるのだ。単純に前後を読みつなぐだけではなく、それぞれの「接続詞」の「意味・用法」を的確に押さえた上で、「内容」を確認すること。

それぞれの空所の「答え」を確認していきたい。  A  には「逆接」の(ア)「しかし」、  B  には「例示」の(オ)「たとえば」、そして、  C  には「添加(累加)」の(イ)「そして」が入ると判別できなくてはいけない。

「候補」はひとつとは限らないので、必ず全ての「代入確認」を試みるべし。

<時間配分目安:3問で1分強>

[問二] 「換言説明記述」(「15字以内」指定)。傍線部(1)「その方法」について、「どのような方法なのか」を「十五字以内」で説明する。

典型的な「指示語換言」問題だ。「指示語の開き方」の基本的な「解法」に則して読み解いていく。無論、「指示語」の「前」をチェックする。

1行前に、「太古の時代、人類は『狩猟』により動物をつかまえて食料にして」いたとある。これが「その方法」だと、即断してはいけない。「指示語換言」では必ず「代入確認」をして、「指示語」を含む一文の「内容」に合致するかを確認しなくてはいけない。チェックする。

傍線部の直前に「しかし」とあり、「その方法にいきづまり、……『耕作』という方法に切りかえました」となっている。『狩猟』→『耕作』に「切りかえる」、OKだ。したがって、先程の部分を簡潔にまとめていけばいい。

たとえば、「『狩猟』により食料を得る方法。」といった「答え」となる。

尚、「指示語」が直接問われていない場合でも、傍線部などに「指示語」があったら、すぐに開いておくことが肝要だ。

<時間配分目安:1分半>

[問五] 「語句の空所補充選択肢」(5択)。本文中の空所   Ⅰ   に「あてはまる言葉」を答える。

各選択肢は、
(ア)「大規模な破壊」、(イ)「科学の可能性」、(ウ)「巧みな戦術」、(エ)「有力な切り札」、(オ)「最後の悪あがき」。

無論、設問だけでは判別不可能。
「傍線部(空所部)一文一部の法則」で「直前直後」を確認する。
「シェールガスは、弁当箱のすみをつついて資源を掘りつくす『   Ⅰ   』のように見えます」となっている。「空所」は「弁当箱のすみをつつ」くようなことだと分かる。

さらに、直後には「いよいよ来るところまで来たなと、感じさせます」とある。であれば、誰でも(オ)以外は「消去」できるはずだ。よって、「答え」は(オ)

当然ながら、「語句の空所補充」では、各選択肢の「語句」の「原意」を慎重に吟味しなくてはいけない。

<時間配分目安:1分半>

[問七] 「条件付き具体例自由記述」(「字数指定」なし、「30字ほど」の解答欄)。傍線部(5)「過剰なエネルギーや資源の消費を避ける」について、「具体的にはどのような行動が考えられるか」を答える。

「条件」は「例を一つ挙げる」こと。要は「省エネ」でしょ、と考えるだろうが、具体的な「例」を挙げるとなると、「どのレベル」での「省エネ」なのかが問題となる。
そこで、「傍線部(空所部)一文一部の法則」で「手がかり」を確認すると、直後に「ライフスタイルを身につけていく」とあるので、私たちの「普段の生活のレベル」のことだと分かる。つまり、私たち自身の「普段の生活」での「省エネ行動」ということだ。もちろん、「具体例」としては何でもいいが、本文では特に「化石燃料」を「枯渇性資源」として指摘しているので、そこから発想していきたい。

たとえば、「できるだけ自家用車を使わずに、公共交通機関を利用する。」などといった「答え」だ。

本問のような「自由記述」は、「自由」なだけに戸惑ってしまうかも知れないが、そういうときは、「設問」や「条件」を頼りにすべしと心得よ。

<時間配分目安:1分半>

[問十] 「単語の用法の選択肢」(5択)。「総合的知識問題」。「文法」で「助詞の用法」の判別だ。二重傍線部(a)~(e)の「と」のうち、「他と異なるもの」を答える。

それぞれの「と」を確認する。

(a)「決定したと言っても……」、
(b)「エネルギーにもあてはまる、と私は考えています」、
(c)「必要になると議論されています」、
(d)「『エネルギーの針』とよばれています」、
(e)「エネルギーについての考察を進めると、私たちは……」。

さあ、どうか? 判別できるか? 同じ「助詞」の「と」でも、「格助詞」と「接続助詞」があるということが定着しているかどうかが、正否の分かれ目となる。「答え」は(e)だ。(e)は「後で述べられることのきっかけ」を示す「接続助詞」で、他は「引用」の「格助詞」だ。判別できなかった諸君は、本校ではここまでの「高度な文法力」が求められていると自覚し、徹底した復習をすべきだ。

<時間配分目安:1分以内>

攻略ポイント

●「説明記述」では「要領」が必要になる。先ずは、正否の分かれ目となる「最重要な要素」を「文末」として他の「必要な要素」を積み上げていくという手法を完璧にマスターすること。「内容」から判断して、優先順位が高いものから積み上げる。各「要素」を「20~30字程度」でまとめられるように徹底的に練習すること。「字数指定」がないものが多いが、「50~80字程度」の「解答欄」なので、3~4つ程度の「要素」でまとめることに慣れておきたい。「合格ライン」は7割強と高い(学校非公表。過去5年間の「4科合計の合格最低平均得点率」および「国語の受験者平均得点率」からの推定)。「説明記述」での「失点」や「減点」は大きな打撃になると心得よ。

●その他の「設問」の「攻略」で最も重要なのが「解法」だ。「設問内容」に対応した「解法」を的確に用いて、段階的に解き進めていく必要がある。従って、様々な基本的「解法」を完全に習得して、適切に応用できるようにしておくこと。それによって「失点」を防ぎ、「得点力」も安定させたい。

●「総合的知識問題」も決して侮れない。「語彙力」や「文法」も含めた「あらゆる知識」が問われる。本校を志したその瞬間から、独自に「幅広い知識」を常に習得していくことが必要だ。塾での学習だけではなく「独習」が欠かせない。

●試験時間は45分。一般的な試験時間より短いので、時間配分にも細心の注意をすること。問題文は全体で5000~6000字程度(本年度は約5000字)。決して多くはないが、やはり、速く正確に読み取ることが求められる。分速750字以上を目標に「読む練習」を常にすることが重要だ。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

横浜共立学園中学校の科目別
入試対策一覧

中学受験のために
家庭でできること

インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは

リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。