立教新座中学校 入試対策
2025年度「立教新座中学校の社会」
攻略のための学習方法
〇[問題形式]
2016年度に解答の形式が大きく変わって以降、選択式問題と適語記入問題が大半を占める形式となった。ここに1~2問の短文記述が加わることが多い。 2016年度では選択式28問・語句記入13問、2021年度では選択式16問・語句記入27問といったように、年度により構成の割合を変えてきているようである。地名などはやはり適語記入が多くなっている。
このように、ここ数年は意図的に形式を変えているようなので、この点についてあまり気にしてもしかたないかもしれない。
なお、2017年度では出題されなかった1行程度の説明記述は、2022~2025年度では出されて、2020・2021年度では出されなかった。
30分という試験時間はやはり少ないので、速さも必要である。
〇[地理分野]
大問は2~3つで、それぞれ地理・歴史・政治と分かれているが、過去にはそれらが融合した問題も出されている。
例年、地理分野は地図や図表を用いて地名・地形・気候・産業について幅広く出題されているが、2017年度のように資料が用いられなかった年度もある。いずれにしても訊かれている内容に大きな変化はなく、日本地理全体の基礎的内容が問われている。
新幹線の路線別輸送量の表など、普段見慣れない表が使われ多年度もあったが、細部に踏み込んだマニアックな設問はほぼ見られない。
したがって対策は今まで通り、まずは基本事項を覚える、そして地図やグラフを常に参照しながら白地図等でまとめて確認し、資料集で新しい統計を頭に入れて全体を結びつけていく……という地理の勉強の王道となろう。
特に日本地図は飽きるくらい眺めて脳に取り込んでしまいたい。
選択式になったとはいえ、これまで同様、正確な知識が必要であることは当然である。
〇[歴史分野]
歴史分野はあるテーマをもとに様々な時代の政治・文化について訊かれている。ここも地理と同様、極端な難問は出されていない。
ただし、時代や年号があやふやだと答えられない問題が多いので、人物・出来事の基本事項とその関連事項について年表などを使って時代・年代ごとに統合して覚えるのが肝要である。記述は当然、漢字で書けるようにしておく。
〇[政治分野]
政治分野は例年、憲法・三権の仕組み・国際連合などについて出題されているが、日本国憲法や政治のしくみに関する問題が頻出傾向なので、特に力を入れて理解しておいた方がよい。
〇[過去問演習]
前年と少し出題の形が変わることが多いが、戸惑わないようにしたい。形は変わっても、内容や難易度が大きく変わるわけではない。選択肢の細部によく注意してヒントや問題点を見逃さないように、用語を漢字で書けるように、例年通りに意識して練習しよう。
似た形式の問題が出る、例えば城北中学校などは受験難易度を考えても併願校として考えやすいので、城北の過去問で練習するのもいいかもしれない。
とは言うものの……。
過去問を遡って見てみると、立教新座という学校は、試験がワンパターンにならないように毎年工夫している。地図の読み取りが集中して出されたり、リード文が会話形式になっている年度があったりと、バラエティに富んでいる。
しかし、出題の範囲や難易度はほぼ一定で推移しているので、あまり問題の形式に神経質にならない方が良いかも知れない。来年度はまた元に戻してくる可能性だってゼロではないのである。
中学入試の典型的な問題も多いので、ミスの無いよう、問題集で練習を重ねて確実に得点できるようにしておく。その上で、テキスト以外の教材も活用して、断片的な知識をまとめて、すらすら思い出せるようにしておく。
例年はよく出題されている1~2行で答える記述問題なども、覚えた知識を利用してその一歩先を自分で考えなければならない問題になっていることもある。しっかり身につけた知識でないととっさに活用できない。
自分が勉強してきた範囲全般にわたっての確実な知識を持つ。環境問題・時事問題にも対応できるように、新聞やニュースにも興味を持って目を向ける。そのようにして偏りのない総合的な実力を持たないと、合格ラインにはなかなか届かないであろう。
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2025年度「立教新座中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は41問。2025年度は全体的に適語記入が多かった。記述問題は1行のものが1問出された。
試験時間は30分。知識があれば答えられる問題が多いので、テンポよく解いていける。
ただし、設問の文が詳しく長い傾向にあるので、全体の文量は多めになっている。読むスピードは速い方が良い。
できる問題を確実に取るために、ひととおりすべての問題に目を通せるようにペース配分を掴んでおきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
海岸線や半島などを題材に、各地の地形や特徴について訊かれている。
問1 1. 島原半島 2. 紀伊半島 3. 大隅半島
問2 X. 2 Y. 3
問3 (ア) 火砕流 (イ) 干拓 (ウ) 陸奥
問4 水揚げ量が最も多い②は銚子港、かつお類・まぐろ類が多い①は焼津港、冷水を好むたらが獲れる④は釧路港、残る③が気仙沼港である。
問5
(1) 紀伊半島の東側から、三重県・奈良県・和歌山県。
(2) 降水量が最も多い③は三重県尾鷲市。次に多い②は紀伊半島最南端にある和歌山県潮岬。盆地にあって降水量が少なく気温差が大きい①が奈良県奈良市である。
問6 自動車とその関連製品の輸出が多くエネルギー原料の輸入が多い①は豊田市が近い名古屋港。次に自動車関連の輸出が多い②が横浜港で、衣類やIT機器の輸入が多い③が東京港である。
問7
(1) ② 老齢人口自体は大きく変化していないように見えるが、総人口が減っているので、割合としては2020年の方が高くなっている。
(2) 三方を海に囲まれているので、陸路は残る一方からとなる。物資の搬入などで車が集中する上に、地震による交通の寸断などもあり、限られたルートで支援物資の運搬が滞った。
〔ワンポイント!――近年は記述問題も出されることが多い本校の試験だが、1行ほどの短文でそれほど重い問題ではない。とはいえ、今回のように単なる知識だけでは答えにくい問題もあるので、短文記述の問題集などでよく考える練習をしておいた方がよい。〕
<時間配分目安:11分>
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
物品の取引の歴史を題材に、各時代の出来事や人物について訊かれている。
問1 黒曜石
問2 二つの遺跡はともに青森県にあり、砂沢遺跡は弥生時代の水田跡としては最も北に位置する。
問3 武王がワカタケル大王ではないかとする説がある。
問4 百済
問5 ③ ザビエルはローマ教皇を首長とするカトリックの宣教師である。
問6 租庸調のうち、地方の特産物を納めるのは調。
問7 三世一身の法
問8 ④ 『蒙古襲来絵詞』をまとめさせたのは竹崎季長である。
問9 山城国一揆
問10 尼子氏と毛利氏の争いで毛利元就が勝利し、以降石見銀山を支配した。
問11 新井白石は「正徳の治」と呼ばれる政策で、貨幣の金の含有量を増やしてインフレを抑えようとしたり、海外貿易による金・銀の流出を防ぐために制限を設けたりなどした。
問12 当時、日本の貿易の主要な相手国となっていたイギリスは、産業革命により綿糸・綿製品を安価で大量に製造できるようになっていたため、輸入されると日本国内の産業が大きなダメージを受けた。
問13 1914年に起こった第一次世界大戦や1929年の世界恐慌の影響で、それまでの金本位制の維持が困難になった。
〔ワンポイント!――基本事項の問題に、やや難しい問題が混じっている。答えられれば他と差が付くが、あまり悩んで時間を使ってしまうのは得策ではない。まず最後まで解ける問題をすべて解いて、あとでゆっくり考えよう。〕
<時間配分目安:9分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
ベネズエラでの選挙を題材に、国際関係や政治のしくみについて訊かれている。
問1
(1) 内閣総理大臣は国会議員によって国会で指名される。最高裁判所裁判官は内閣が指名した最高裁長官の指名によって、内閣が任命する。
(2) a. 解散 b. 4 c. 期日前投票
(3) 選挙管理委員会
問2 デフレーション
問3
(1) 国際連合憲章(国連憲章)
(2) 常任理事国5か国・非常任理事国10か国の計15か国で構成される。
問4
(1) UNHCR
(2) a. ベトナム b. ミャンマー c. NGO
問5
① リード文に「人口の約4分の1が国外に脱出した」とあるので、合わない。
② 「現職のマドゥロ大統領が勝利した」と書かれているので、×。
〔ワンポイント!――ベネズエラの情勢についてあまり覚えていない人もいたかもしれないが、この問題に関しては素材文を読めば答えを導き出せるようになっている。下線部だけ読めば答えられる知識問題も多いが、本文にヒントが示されている場合もあるので、よく注意して見落とさないようにしよう。〕
<時間配分目安:10分>
攻略のポイント
年度により出題傾向が多少変化する。なるべく多くの過去問をこなして、いろいろなパターンの年度を経験しておこう。文章量も多めである点、意識しておく。
内容については、中学入試の社会で出される典型的な問題が多いので、まずは基本事項を着実に覚える。そこから、テキスト以外の教材も活用し、その事項に関連した細かい部分まで一緒にまとめておく。
全く見たこともないような問題は少ないので、難問の練習に時間をまわす必要はない。うろ覚えでない、確実な知識を身につけておきたい。
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