明治大学付属中野高等学校 入試対策
2025年度「明治大学付属中野高等学校の英語」
攻略のための学習方法
合格のための学習法を一緒に考えてみよう。
①合格のための必須文法事項
まずは文法事項の徹底した習得である。英文を正確に読むためにもまた独立したし文法問題においても、文法知識は必須事項である。具体的には、五文型、関係代名詞、比較、不定詞、仮定法(ifの使い方)、分詞(現在分詞・過去分詞)などに関する完璧な知識の習得である。例えば、五文型については、「この英文は何文型ですか」という類の問題は出題されない。大事なのは、S・V・O・Cという文の要素になりうる品詞が何であるかをしっかり理解することである。つまり、S(主語)になりうるのは「名詞・代名詞」であるという仕組みをしっかり理解・応用できるようになることである。そのような理解を深めることによって、長文を読む場合にどれがSになるのかが一読して瞬間に判断できるようになるのであり、そのようなスキルが時間内に合格答案を作成するうえで不可欠な要素である。また、仮定法などもよく入試には出題されるが、仮定法という文法事項を使って筆者は何を読み手に伝えたいのか、ということを考えながら学習して欲しい。そのような事項を習得するためには、高校英文法の初級編(レベル的には英検準二級以上)の参考書や問題集を使用し、自身の英語文法力の向上を図る努力を積み重ねることである。
また、文法問題として見逃せないのが、動詞の活用(どのような前置詞が続くか、to不定詞と~ingのどちらを取るのか)、イディオムの知識なども不可欠である。イディオムは、イディオム集を活用しながら一つ一つを確実に覚えておきたい。
②読解力
確実に得点するためには、長文読解総合問題の得点率を上げることである。特に、明大中野においては、長文に対する正確で迅速な英語読解力が求められる。受験生の多くが「時間が足りなくて最後まで問題を解けなった」と語っているのを多く耳にする。なぜ時間が足りないのかといえば、英文を読むスピードが遅いからである。理想的には、1分間で英単語を90~100単語の読解速度が求められる。また、どのようにしたら英文の読解速度の向上を図れるのであろうか。一つの方法としては、英文を声を出して読むことも効果的である。その際に、リズム感をもって滑らかに音読できるまで何度でも繰り返して音読し、音読すると同時に頭の中で「この英文はどのような構造になっているか」ということを意識することである。そのような作業を繰り返すことで、英文の構造が自然に頭の中で理解できるようになる。そのようなスキルをアップさせながら、まずは英文をしっかり理解することが最優先課題であろう。また、英文を読む際に気をつけて欲しいのは、「返り読み」をしないということである。英文を最後まで読んだうえで、最初に戻って「これはS、これはV…」という具合に分析を行う読み方である。このような読み方は、時間が掛かることは言うまでもない。英文は、左から右へ読み進むことである。そのように意識しながら英文を読む「クセ」をつけることで、英文を読むスピードは飛躍的にアップするだろう。
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2025年度「明治大学付属中野高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、適語選択問題<5分>。
基本的文法知識・構文・イディオムを確実に覚えていれば完答も可能である。
大問2は、単語定義問題<5分>。
英単語の意味を英語で考える問題である。
大問3は、整序問題<7分>。
イディオム、文法知識をベースに完答をめざそう。
大問4は、長文読解問題<7分>。
説明文の長文読解で適文選択問題である。
大問5は、長文読解問題<12分>。
説明文に対する英問英答問題である。
大問6は、長文読解総合問題<14分>。
適所選択、内容把握、語句解釈など説明文に対する総合読解問題である。
【大問1】適語選択問題
- 時間配分:5分
基本的な文法事項・構文・イディオムをあてはめ完答を目指したい。
1.look for ~「~の世話をする」というイディオムに関する問題である。
2.sooner or later「遅かれ早かれ」が適切である。
3.本問のmoveは「~を感動させる」という意味であり、moving(現在分詞)は「~を感動させるような」という意味である。
4.語順としてはhold+目的語+形容詞となる。
5.cannotには「~であるはずがない」という意味がある。
6.seeの目的語が間接疑問になっている。「どのようにしてつくられるか」という内容にしたい。
次の類似問題に挑戦してみよう!
問題1次の英文の( )に最も適するものを選び、記号で答えなさい。
1.Please ( ) me your name.
ア. say イ. tell ウ. speak エ. talk
2.The weather was bad, ( ) we stayed home.
ア. but イ. so ウ. or エ. because
3.He has lived in Japan ( ) ten years.
ア. since イ. for ウ. during エ. while
4.My hobby is ( ) pictures.
ア. take イ. takes ウ. taking エ. took
5.This is the book ( ) I bought yesterday.
ア. who イ. which ウ. where エ. when
問題2次の英文の( )に最も適するものを選び、記号で答えなさい。
1.Don’t forget ( ) the door when you leave.
ア. close イ. to close ウ. closing エ. closed
2.She looked ( ) at the beautiful scenery.
ア. happy イ. happily ウ. happiness エ. happier
3.I don’t know ( ) he will come or not.
ア. if イ. what ウ. when エ. why
4.He is interested ( ) Japanese culture.
ア. in イ. on ウ. at エ. for
5.The cat is ( ) the table.
ア. in イ. on ウ. under エ. between
問題3次の英文の( )に最も適するものを選び、記号で答えなさい。
1.He is ( ) to carry this heavy box.
ア. strong enough イ. enough strong ウ. too strong エ. so strong
2.I have ( ) my homework yet.
ア. not finish イ. not finished ウ. don’t finish エ. didn’t finish
3.She sings ( ) than anyone else in the class.
ア. good イ. better ウ. best エ. well
4.We went to the park ( ) a walk.
ア. for イ. to ウ. with エ. by
5.This is ( ) interesting book.
ア. a イ. an ウ. the エ. no article
《解答》
問題1
1.Please ( イ. tell ) me your name.
・情報を伝える場合は “tell” を使う。”say” は「~と言う」で、直接目的語に人をとれない。
2.The weather was bad, ( イ. so ) we stayed home.
・「天気が悪かった、だから私たちは家にいた」という因果関係を表すので “so” が適切である。
3.He has lived in Japan ( イ. for ) ten years.
・「~の間(期間)」を表す場合は “for” を使う。”since” は「~以来(起点)」を表す。
4.My hobby is ( ウ. taking ) pictures.
・動名詞が主語の補語として使われている。「私の趣味は写真を撮ることです」という意味。
5.This is the book ( イ. which ) I bought yesterday.
・関係代名詞 “which” が先行詞 “the book”(物)を修飾してる。目的格の関係代名詞で省略も可。
問題2
1.Don’t forget ( イ. to close ) the door when you leave.
・ “forget to do” で「~するのを忘れる」という意味。”forget doing” は「~したことを忘れる」となるこれは明確に区別しておくこと。関連して不定詞は「未来」を表すことも理解しておこう。
2.She looked ( イ. happily ) at the beautiful scenery.
・動詞 “looked” を修飾するので、副詞の “happily” が適切である。
3.I don’t know ( ア. if ) he will come or not.
・”whether ~ or not” または “if ~ or not” で「~かどうか」という意味を表す。
4.He is interested ( ア. in ) Japanese culture.
・”be interested in ~” で「~に興味がある」という熟語である。
5.The cat is ( イ. on ) the table.
・「~の上に」という意味の “on” が適切である。
問題3
1.He is ( ア. strong enough ) to carry this heavy box.
・ “形容詞 + enough to do” で「~するのに十分~だ」という表現である。この不定詞は「根拠」を示す副詞的用法である。
2.I have ( イ. not finished ) my homework yet.
・”yet” があるので現在完了形(否定形)を使う。
3.She sings ( ウ. best ) than anyone else in the class.
・「クラスの誰よりも上手に歌う」という最上級の意味を表すので、”best” が適切である。比較対象が “anyone else” でもあるので最上級を使う。
4.We went to the park ( ア. for ) a walk.
・”go for a walk” で「散歩に行く」という熟語である。
5.This is ( イ. an ) interesting book.
・”interesting” の発音は母音で始まるので、不定冠詞は “an” を使う。
【大問2】英単語の定義問題
- 時間配分:5分
英単語の意味を英語で定義して問う問題。
1.「多くの人々に好まれる、または楽しまれる」という意味であるからpopularである。
2.「雨が降っているとき、頭の上で持っているもの」のことであるのでumbrellaである。
3.「あなたに起きている何かに気がつくこと」であるので過去形にしてfeltとなる。
4.「神聖な人や出来事と結びついているため人々が祈りを捧げるためにやってくる場所」であるのでshrine(神社)である。
5.「歴史上で大昔に属しており、特に数千年前に属している」であるのでancient(古代)である。
※次の類似問題に挑戦してみよう!
問題1
次の英文の( )に指定された文字で始まる語を入れ、英文を完成させなさい。その際に [ ] 内の定義を参考にすること。
1.He was very (p ) about his new car, showing it to everyone.
[feeling pleasure and satisfaction because you have done something good of your own]
2.The company is looking for someone with excellent (c ) skills to join their team.
[the ability to express ideas and feelings clearly and effectively]
3.She decided to (d ) her old clothes to charity.
[to give something, especially money or goods, to a person or an organization in order to help them]
4.The scientist conducted several (e ) to prove his theory.
[a scientific test that is done in order to discover what happens under particular conditions]
5.The city council held a public (m ) to discuss the new park project.
[a planned occasion when people come together to discuss something]
問題2
次の英文の( )に指定された文字で始まる語を入れ、英文を完成させなさい。その際に [ ] 内の定義を参考にすること。
1.The project faced many (c ) before it was successfully completed.
[something that is difficult to do and needs a lot of effort]
2.It is important to have a positive (a ) towards learning.
[a feeling or opinion about something or someone, or a way of behaving that is caused by this]
3.The company aims to (p ) high-quality products to its customers.
[to make or grow something to be sold]
4.She expressed her (g ) for his help.
[the feeling of being grateful]
5.The museum houses a valuable (c ) of ancient artifacts.
[a group of objects of one type that have been collected by one person or in one place]
《解答》
問題1
1.proud
・「自分の新しい車について非常に誇りに思っていた」という文脈と、「満足感を感じる」という定義から “proud” が適切である。
2.communication
・「チームに参加する優れたスキルを持った人物を探している」という文脈と、「考えや感情を効果的に表現する能力」という定義から “communication” が適切である。
3.donate
・「古い服を慈善団体に与えることを決めた」という文脈と、「助けるために物を与える」という定義から “donate” が適切である。
4.experiments
・「彼の理論を証明するためにいくつかの~を行った」という文脈と、「特定の条件下で何が起こるかを発見するための科学的なテスト」という定義から “experiments” となる。
5.meeting
・「新しい公園プロジェクトについて話し合うために公の~を開いた」という文脈と、「何かを話し合うために人々が集まる計画された機会」という定義から “meeting” が適切である。
問題2
1.challenges
・「多くの困難に直面した」という文脈と、「行うのが難しく、多くの努力が必要なこと」という定義から “challenges” が適切である。
2.attitude
・「学習に対する積極的な~を持つことが重要である」という文脈と、「何かや誰かに対する感情や意見、またはそれによって引き起こされる行動様式」という定義から “attitude” が適切である。
3.produce
・「高品質の製品を顧客に~することを目指している」という文脈と、「販売するために何かを作るまたは育てる」という定義から “produce” となる。
4.gratitude
・「彼の助けに対する~を表明した」という文脈と、「感謝の気持ち」という定義から “gratitude” が適切である。
5.collection
・「博物館には古代の遺物の貴重な~が収蔵されている」という文脈と、「一人の人または一箇所で集められた同種の物のグループ」という定義から “collection” が適切である。
【大問3】整序問題
- 時間配分:7分
-
基本的なイディオムや文法知識があれば完答も可能である。
1.buy +人+物(目的語)という語順になる2.「人に~して欲しくない」は、not want 人 to となる。
3.be surprised by ~で「~に驚く」となる。「ルールの厳しさ」は語群にあるhowを用いて感嘆文にする。
4.「どのぐらい時間がたったか」は、How long has it been ~とする。
5.文頭はItであるので形式主語(仮主語)の構文を使って文を組み立てる。
6.本問のポイントはletを用いた使役構文(let +人+動詞原形)を使う。
※次の類似問題に挑戦してみよう!
問題1
次の日本語の内容になるように英文を完成させなさい。(A)(B)(C) に [ ] 内の語群から適切な語を選び、完成した英文を書きなさい。残りの空欄は適切な語句で補いなさい。1.彼がその契約に同意する以外に選択肢はなかった。
He ( A ) ( ) ( ) ( B ) ( C )agree to the contract.
[ had / to / but / choice / no ]2.彼の業績は、同世代の他の誰にも劣らない。
His achievement ( A ) ( B ) ( ) ( C ) in his generation.
[ is / second / to / none ]3.その古い城は、何世紀にもわたって様々な歴史的出来事を目撃してきた。(不要語:2語)
The old castle ( A ) various historical events ( B ) ( C ) centuries.
[ has / witnessed / for / since / over ]4.彼の成功の秘訣は、困難な状況でも決して諦めないことだ。(不要語:2語)
The secret ( A ) his success ( ) ( B ) ( C ) up in difficult situations.
[ is / never / giving / to give / from/to ]5.私たちは、その技術が社会に与える潜在的な影響を考慮に入れるべきだ。(不要語:2語)
We ( ) ( A ) ( B )consideration the potential impact of the technology ( C ) society.
[ should / take / into / to take / for / on]《解答》
問題11.He (A had) (no) (choice) (B but) (C to) agree to the contract.
・”have no choice but to do”「~するしかない」という頻出の構文である。2.His achievement (A is) (B second) (to) (C none) in his generation.
・”second to none”「誰にも劣らない、最高だ」という熟語で組み立てる。3.The old castle (A has) (B witnessed) various historical events (C for) centuries.
・現在完了形 “has witnessed”「目撃してきた」と、期間を表す “for centuries”「何世紀にもわたって」の組み合わせである。4.The secret (A to) his success (is) (B never) (C giving) up in difficult situations.
・”give up”(諦める)「~しないこと」を表すために “never” が前に置く。5.We (should) (A take) (B into) consideration the potential impact of the technology (C on) society.
・”take ~ into consideration”「~を考慮に入れる」という熟語である。
【大問4】説明文の長文読解問題(適文選択問題)
- 時間配分:7分
内容的には火山噴火に関する説明文。
(1)は、火山のthe crater of the volcanoを上から見たときの状態を述べている文脈である。
(2)は、前文にある…were caused by huge plates of rock…が手掛かりになる。
(3)は、直後にAnd that’s just what happenedとあり、thatが何を指しているかを考える。
(4)は、直前の文章にIt poured down the mountain in hot rivers of mudとあり、その時の状況を考える。
(5)は、直後のIt turns into tons of ash instead of lavaとある。instead of lavaの理由を考える。
※本文で注意するべき文法事項は以下の通りである。
1.接続詞と複文の構造
①本問の英文では、複数の接続詞が使われており、複雑な情報をつなぎ合わせている。
例えば、”While we were there, he took me for a helicopter ride over Mount St. Helens!” の “While” は「~している間に」という時を表す接続詞で、主節(he took me…以下)と副詞節(While we were there)を結びつけています。
なお、”While”には譲歩(~だけれども)を表す接続詞であることも覚えておこう。
また、”He’s a scientist and knew we would be safe, but it was still scary at first.” の “and” は等位接続詞で文と文をつなぎ、”but” も逆接の等位接続詞として文と文をつないでいる。
「等位」とは文章中における等しい(=同等な)役割、例えば、文と文、形容詞と形容詞、前置詞句と前置詞句などしか結べないのである。この語法に気がつくことが複雑な文章を正確に読み解くコツである。
なお、複文とは、一つの文章の中に上記例文のように接続詞などを活用して文章が複数含まれる文章のことである。
②接続詞について以下の事項を覚えておこう
・時を表す接続詞:
“when”, “while”, “as”, “before”, “after”, “until”, “by the time” など、時制の一致や完了形との組み合わせが問われることが多い。
・理由・原因を表す接続詞
“because”, “since”, “as” など。
・譲歩を表す接続詞
“though”, “although”, “even though”, “while”(~である一方)など、内容の対比を示す表現が重要である。
・仮定を表す接続詞
“if”, “unless”, “provided that” など、仮定法との組み合わせで出題されることがある。
・等位接続詞
“and”, “but”, “or”, “so”, “for” などが、並列構造や原因結果を表す際に使われる。これらの接続詞によって、文が長くなり、文の構造把握を困難にしているのである。
2.分詞構文
① “When we flew inside the crater of the volcano, I did close my eyes!” のように、文脈によっては動詞を分詞形(現在分詞または過去分詞)にして副詞的な役割を果たす構文が使われることがある。直接的な分詞構文の例は本問文中には見当たらないものの、When we flew inside the crater of the volcano, I did close my eyes!は、We flying inside the crater of the volcano, I did close my eyes!(この英文は次に述べる独立分詞構文になっている)となるのである。
② 分詞構文に関する重要事項
・独立分詞構文
主節の主語と分詞構文の主語が異なる場合。
・完了分詞構文
主節の動詞よりも分詞構文の出来事が先行する場合 (Having done ~, ~)。
・意味上の主語の特定
分詞構文が何によって引き起こされているのか、その意味上の主語を正しく判断する能力が求められる。
・様々な意味
時間、理由、条件、譲歩、付帯状況など、分詞構文が表す意味は多岐にわたる。文脈から適切な意味を読み解くことが重要である。
これらの文法事項は、英文読解において文の構造を正確に理解し、内容を把握するために不可欠である。参考書などで理解を深めること。
【大問5】説明文の長文読解問題(英問英答問題)
- 時間配分:12分
本問の英文は、食文化や旅に関する内容で、アンドリュー・ジマーンという人物の体験について書かれている。
1.「ジマーンは何によって新しい文化を知るか」を考える。
2.「ジマーンは異文化出身の人々と食事を一緒にすることをどのように考えているか」という内容である。
3.「ジマーンはタンザニアで何を行ったか」を考える。
4.「エチオピア人はどうあるべきか」に対する選択肢を選ぶ。
5.「本問のタイトルは何が最適か」という内容である。
※本文で注意するべき文法事項は以下の通りである。
1.関係代名詞と関係副詞
① 関係代名詞(who, which, that など)や関係副詞(where, when, why など)は、先行詞(名詞)を修飾する形容詞節を導き、文に詳細な情報や説明を加える働きをする。これにより、複数の文を自然に結合させ、複雑な情報を一つの文にまとめることができる。
②本文では具体的に以下の例文がみられる。
“He comes home with souvenirs that are much more valuable to him : memories and videos of his *interactions with the people from the *diverse places he visits.”
・最初の “that are much more valuable to him” は、先行詞 “souvenirs” を修飾する関係代名詞節である。
・”the *diverse places he visits” では、先行詞 “places” を修飾する関係代名詞(”which” または “that”)が省略されている。目的格の関係代名詞はしばしば省略される。
“Every time he prepares food that he learned about in his travels, he remembers the people and places where he first experienced the food.”
・”food that he learned about in his travels” は、先行詞 “food” を修飾する関係代名詞節である。
・”places where he first experienced the food” は、先行詞 “places” を修飾する関係副詞節である。
③入試では、関係代名詞の主格・目的格・所有格の使い分け、前置詞を伴う関係代名詞(例: “the house in which he lives”)、複合関係代名詞(whoever, whateverなど)、関係副詞の適切な使用(場所、時、理由などに応じて)、そして関係代名詞や関係副詞が省略されている文の構造を正確に把握する能力が問われるのである。
2.時制の一致と完了形
①英語では、主節の動詞の時制が過去の場合、従属節の動詞の時制もそれに合わせて変化する「時制の一致」のルールがある。また、過去のある時点よりも前の出来事を表す場合には過去完了形(had + 過去分詞)が、現在の時点から見た過去の経験や継続、結果を表す場合には現在完了形(have/has + 過去分詞)が用いられる。これらの時制の正確な理解は、文章の時間的な流れを把握するために不可欠である。
②以下のような英文が該当する。
“He explains that there are rules about eating…”
(同様に現在形)
“…people who live in the area.”(現在の習慣や事実を表す現在形)
③以下の文法事項を押さえておきたい。
・過去完了形
主節の過去の動詞よりも、従属節の出来事がさらに過去であることを示す場合(例: “He said that he had finished the work.”)
・現在完了形
過去から現在へと続く継続、現在の時点での経験や結果、完了などを表現する場合(例: “I have never been to America.”)
・完了進行形
過去から現在まで継続している動作や、特定の時点まで継続していた動作を表す場合(例: “He has been studying for five hours.”)
・時制の一致の例外
普遍の真理、習慣、歴史的事実などは、主節の時制に関わらず現在形や過去形が用いられることがある。
以上のような文法事項は、文章全体の論理的なつながりや時間的な流れを正確に理解するために非常に重要である。
【大問6】説明文に関する長文読解総合問題
- 時間配分:14分
本問はインカ帝国の歴史に関する内容である。
問1.内容把握選択問題<1分>。本問の下線部①は、インカが支配していた民族のことを指している。peopleは常に複数扱いの「人々」という意味であるが、peoplesとなると「民族」という意味になる。本文にthey were allowed to worship in their own wayとあるので、この文を参考に適切な選択肢を選ぶ。
問2.整序問題<2分>。文脈より「人々によって王の遺体は保存され、そして世話をされた」となる。bodyには「遺体」という意味がある。
問3.適語選択問題<1分>。本問を含む段落の内容を吟味するとイが適切である。
問4.適語選択問題<1分>。Aにはhave no choice but to~「~するしかない、~以外に選択肢はない」が入り、Bには「輸送に役立つ」ものが入るのでエとなる。
問5.要旨把握問題<1分>。同じ段落にthe couple did not have to pay taxes on either goods or laborとある。
問6.内容把握問題<1分>。直後に関係代名詞にて下線部⑥の説明をしてる。
問7.語句解釈問題<1分>。イディオムの問題である。keep ~ under controlは「~を管理下に置く」という意味である。
問8.要旨問題<2分>。下線部⑧は、直後のThese visitorsである。
問9.内容真偽問題<3分>。本文内容に一致しない選択肢を選ぶ。このような問題は「一致する選択肢」を選ぶ出題形式が多いため、受験生もそのように認識してしまうので注意が必要である。
ウ.「キープの色は物と数字の両方を表していたのである」
オ.「巨大なるインカ帝国は、インカ人の大半が戦争で殺されたため滅亡した」
※本文で注意するべき文法事項は以下の通りである。
1.受動態
① 受動態は、動作の受け手(行為を受ける側)を主語にしたい場合に用いられる表現である。「be動詞 + 過去分詞」の形で構成され、動作を行った主体を示す場合は “by A(行為者など)” の形で付け加える。特に、行為の主体が不明である場合や、行為の受け手に焦点を当てたい場合に頻繁に用いられる。歴史的な文章や客観的な記述において、この受動態は非常に重要な役割を果たす。
“Each new ruler of the empire was called the Sapa Inca, and each Sapa Inca was to be the child of the sun and was treated as a god.”
・”was called” は「~と呼ばれた」という受動態である。
・”was to be” は「~であることになっていた」というbe動詞+to不定詞の未来・義務・予定などを表す表現である。
・”was treated as” は「~として扱われた」という受動態です。
“When a Sapa Inca died, ② [the people / and / taken / of / his / body / by / kept / care / was], and he continued to “live” in his palace.”
・この空欄は受動態の構造になっている。
② 以下の点が重要である。
・受動態と能動態の使い分けの意図を考える。つまり、主語に何を置きたいか、誰が行為を行ったかより何がされたかを強調したいかという観点で内容を把握する。
・動詞の過去分詞の正確な形を覚えること。
・前置詞 “by” 以外の使用も覚えておくこと。be interested in、be known for、be filled with など、特定の動詞と共に用いられる前置詞のパターンも重要である。
・受動態の完了形や助動詞との組み合わせ:had been done, can be done, used to be done など。
2.関係詞節
① 関係代名詞(who, which, thatなど)や関係副詞(where, when, whyなど)によって導かれる節で、先行詞(その関係詞節が修飾する名詞)に詳細な情報を加える役割を果たしている。
“The land of the Incas included what was now Bolivia, Peru, Ecuador, and part of Argentina and Chile.”
・”what was now Bolivia…” は「~であるもの」という意味で、関係代名詞 what を用いた名詞節である。
“…a population of about 12 million, which included ① 100 different peoples.”
・”which included…” は先行詞 “a population” を修飾する非制限用法の関係代名詞節である。
“When a Sapa Inca died, ② [the people / and / taken / of / his / body / by / kept / care / was], and he continued to “live” in his palace.”
・本問も関係代名詞の知識が必要である。
② 以下の点が重要である。
・制限用法と非制限用法についての理解。つまり、カンマの有無による意味の違いを理解することが重要である。
・関係副詞の使い分け: where, when, why, how の使い分けと、それらを “in which”, “at which”, “for which” などに書き換えられることを理解すること。
・目的格の関係代名詞や、”that” が省略されるケースを認識し、文の構造を把握すること。
・関係詞と前置詞の組み合わせにも注意すること。例えば、 “the reason for which”, “the way in which” などにおいて、前置詞が関係詞節内に移動するパターンも出題される。
以上の文法事項は、文章の複雑な構造を読み解き、正確な内容理解を深める上で非常に重要である。
攻略のポイント
全体的に英文内容などは決して難解ではない。ただし、試験時間に比較し、かなりのボリュームの英文を読み込まなければならない。したがって、攻略するポイントとしては、基本的な文法事項(動詞の活用法、分詞の形容詞的用法、関係代名詞、関係副詞、不定詞、比較、仮定法など)、単語・イディオムの意味をしっかり押さえておくことが必須事項であるが、それ以上に短時間で大量の英文を読み込む力が重要である。そのために何をするべきか。結論的に言えば、入試問題の英文について時間を決めて読むことを大量にこなすことである。『攻略のための学習法』で一緒に考えてみよう。