大宮開成中学校 入試対策
2025年度「大宮開成中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問3つに、漢字や文法・論説文の読解・小説の読解が割り当てられる形が続いている。
素材文は計7000~9000字ほど。総解答数は40~50問程度。
設問は字数指定の穴埋め書き抜きと選択肢が多い。記述問題は例年では字数制限が無かったが、2019年度から字数指定ありとなった。「本文中のことばを用いて」「指定された言葉を必ず使って」「説明しなさい」という形で1~2問出題される。2~3行ほど、50~80字程度が想定されている。また、2019年度からグラフから読み取れることを説明する論述タイプの記述問題も出題されており、今後の傾向に注意が必要である。
漢字・文法など
漢字は書き取りと同音異字で10問、文法は5問で助詞・助動詞や係り受けなどが出されている。この部分で20点の配点があるので、疎かにはできない。漢字は初級~中級、文法は品詞を中心に言葉のきまりをひと通り頭に入れておく必要がある。また、慣用句も読解問題と合わせて訊かれている。手を抜かなければ得点できる部分なので、ここで点を稼ぎたい。
論説文の読解
ここ数年は社会科学分野からの出題が多い。科学的な話題なので理科を好きな人には読みやすいだろう。論説文の読解の技を磨いておこう。
まずは段落の整理。形式段落と意味段落をまとめて、各段落のつながりを見ておく。意味段落の内容を小見出しのように書いておくとわかりやすい。
字数指定の書き抜きが多い点からも、要点と細部の区別は重要である。求められる答えが要点の部分にあるのか細部の部分にあるのか、探す際の手掛かりになる。選択肢問題は本文との一致・不一致を見分けるものが多いので、要旨・要約で筆者の意見を正確に理解しておくことが役に立つ。
論説文の読解は答えを文中から探す問題が多いので、傍線などで重要点を目立つようにしておくと解答がスムーズである。
小説の読解
登場人物を中学生・高校生に設定した話が多く、舞台も馴染みのある場面が多いので理解しやすい。文量は6000字程度になる場合があるので読むスピードはつけておこう。
文学的文章の読解の基本を身につけよう。
登場人物の名前・人数・性格・他との関係などをチェックする。人数を訊かれるような問題もあるので、重複しないように初登場時にしるしをつけてしまうと良い。
次に場面分け。時間・場所・人物の入出などで場面の切り変わりを見る。誰の何を描こうとした場面なのかを考えておく。そして最重要の心情の把握。人物の言動・表情や情景などにも注意して気持ちを想像する。同じ気持ちでも性格が違えば行動は真逆であったりする。最後に全体を見渡して物語のテーマを読み取る。主人公の悩み・葛藤や心の成長が描かれる話が多いだろう。
人間の心理に詳しいほうが有利であるのは確かなので、様々な小説を読み、文学だけでなく映画などでも多くの人物の生き方・考え方に触れることで精神的に大人になっておくことが、国語の試験に大きく資するところがある点は指摘しておきたい。
書き抜き問題・記述問題
穴埋め書き抜きは字数が指定されるものが多い。ピンポイントで答えを探さなくてはいけないので、時間がかかる場合がある。問題の多くは、ある意味段落やある場面の内容からまとめたものなので、おなじ意味段落・場面から探せばよいということになる。探すのに手間取らないように過去問でよく慣れておこう。
2019年度から記述問題にも字数制限がつくようになった。また、例年と同じタイプの記述問題に加えて、論述タイプの記述問題も出題されている。今後は論述タイプも出題される可能性があるので、自分なりの考えを自分の言葉でまとめるといった練習をしておこう。文字数は40~50字程度で、従来と変わりはない。
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2025年度「大宮開成中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
素材文は計7300字ほどで総解答数39問。書き抜き問題は字数が指定されるので、適切な語句を見つけるのに時間がかかる恐れがある。要点などを見つけやすくする工夫をして時間をロスしないようにしたい。選択肢問題を素早く解き、書き抜き・記述問題にあてる時間を確保しよう。
【大問一】言語事項・記述
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問一 ① 署名 ② 看過 ③ 公衆 ④ 後世 ⑤ 採光 ⑥ 貯水池 ⑦ 担(う) ⑧ 練(る)
問二 ① くぎをさす ② さじを投げる
問三 ① われわれに――訴えかける ② ざん新な――文体が
問四 スマートフォンの所持率が二〇一五年から二〇二一年にかけて割合が二十%以上増えている・二〇一五年から二年後に十二%、さらに三年後にまた十二%増えている……など、「変化」について読み取れることを書けばよい。その際、必ず注意事項に従うこと。
〔ワンポイント!――本校の特徴であるグラフを使った記述問題。間違ったことを書かなければ得点になるので、条件に従ってしっかり書こう。〕
<時間配分目安:10分>
【大問二】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:22分
- ★必答問題
ゴリラの社会性についてニホンザルと比較しながら説明し、人間はゴリラと同じように互いに対等であることに重きを置いて社会を作ってきたことが述べられている。
問一 ニホンザルの場合と同じと考えて対応していたが、ゴリラが近づいてきてじっと見つめる行為にはニホンザルのような優劣を決めるための攻撃性が感じられなかったのである。
問二
Ⅰ. もっとよく観察してみた。「すると」、……ことに気づいた。
Ⅱ. 前の部分でゴリラとニホンザルの群れの秩序を維持する方法の違いについて具体的に説明し、「つまり」のあとで短くまとめている。
Ⅲ. 人間もゴリラと同じように社会を作ってきた。「しかし」、現代の社会は……違ってきている。
問三 筆者が「不思議だ」と思ったゴリラの行動は、近寄ってきてただじっと顔を見合わせるだけで何もしなかったことである。ニホンザルのような行動や表情で優劣を確認するような行為ではなかったことに驚いたのである。
問四 ア・ウ・オ 選択肢エは、そもそも「戦いの合図ではなかった」のだから、「だけではない」は合わない。
問五
(ⅰ) ニホンザルは互いの「優劣を認知」している。ゴリラはそれをせずに社会を作っているのである。
(ⅱ) メンツについて言及しているイかエで迷うところかもしれないが、イの「小さい者の味方をしようという態度」が合わないので、選択肢エを選ぶ。
問六 人間の場合は勝者が敗者に気配りをして、みなに利益を分配したり、友だちのままでいたりすることが示されている→選択肢エ。
問七
(ⅰ) ア. 効率性 イ. 勝敗をつける ウ. 対等で平等な エ. 身体的なコミュニケーション
(ⅱ) 筆者はIT技術の普及で、顔と顔を合わせて互いの関係を確かめ合うという重要なコミュニケーションが失われつつあることに懸念を覚えている。
〔ワンポイント!――書き抜き問題も本校の特色のひとつである。この問題を意識して、要点・言い換え・重要な部分などに目印をつけておいてすぐ探せるようにしておくとよい。直接の答えではなくても、近くに答えがあることも多い。〕
<時間配分目安:22分>
【大問三】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:18分
- ★必答問題
息子のことを気にかけながらも、うまく距離を測れない父親である主人公。家庭における妻との関係性や、息子の成長が描かれる。
問一 イ. 「そういう時期だと割り切りたい思い」と「父親なんてつまらないという寂しさ」で息子との距離を測りかねてはいるが、「本音と建て前の間で迷いが生じている」という説明は合わない。
問二 a. ウ b. ア
問三 イ. 弘樹が主人公について「自分のことを全く理解していない」と思っている様子は描かれていない。
問四 エ
問五 主人公は「おとなへの階段を駆け上る息子とじっくり話がしたい」と思っているが、息子の「思春期ならではの父親への気詰まりを察してつい躊躇った」。そんな自分に「うまく伝えられない不甲斐なさ、忙しさを理由にしている情けなさ」を感じている。そんな気持ちがため息に込められているのだろう。
〔ワンポイント!――読解問題でも記述問題が出されている。文学的文章であれば、登場人物の気持ちが重要となる。気持ちの変化やその原因など、ポイントになりそうなところには目印をつけておこう。〕
問六 「自分の優位を見せつけるように」とある。息子については自分の方がよく理解しており、親としての役目も果たしていると、主人公に対して優越感を持っているのである。
問七 「木の上に立って見守る」より「むしろ」逆で「木の下から支えてやりたい」と「重い足を踏ん張って」みたのである。
問八
(ⅰ) ア. 口もきかず、目も合わせなくなった イ. 新品 ウ. おとなへの階段
(ⅱ) 弘樹は父親から借りた靴を新品かと見まごうばかりにきれいに磨いて返した。そこに自分への気遣いが感じられ、息子が大人になりつつあることを実感したのである。この靴は父親の古い方の靴である可能性もあり、その場合は新しい靴を借りることを遠慮したことになり、さらに大人らしい対応だったことになる。
<時間配分目安:18分>
攻略のポイント
漢字・文法・慣用句などの言語事項もしっかり出される。地味と言えば地味な分野だが、国語力の基礎になる部分でもあるので、地道に覚えていこう。
字数指定の穴埋め書き抜き問題は本校の特色ともいえるので、できるだけ多くの過去問をこなして十分に慣れておきたい。
最新年度では記述問題にも字数制限がついている。論述タイプの記述問題も出された。今後の傾向に注意が必要である。
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