学習院女子中等科 入試対策
2025年度「学習院女子中等科の理科」
攻略のための学習方法
本校入試で例年出題される記述問題に意識を取られがちになるが、各単元の基礎的な内容を理解できていないのに記述問題対策を重点的に行うのは感心しない。むしろ、各単元の基礎的な内容(現象の理屈や生物やものの構造など)を理解することにこだわって学習したい。基礎的な内容を理解し、演習問題をこなしていく中で、徐々に記述問題にも着手していくと良いだろう。難易度としては受験テキストの標準~応用程度の問題を完璧にこなせるようにおけば合格点に手が届く。
以下、問題種別に対策を述べる。
【計算・思考型問題】
物理、化学、地学分野において頻出の問題である。解き方自体は算数のときに使うものより易しいと言えるが、「なぜそのような計算をする必要があるのか」という理屈が分かっていないと何をして良いのかさっぱり分からないのがこの分野の怖いところだ。したがって、これからこの分野を強化しようという人は、各単元において基本となる法則を丁寧に理解することから始めて欲しい。全ての計算は基本法則が根拠となって行われるものだからだ。また、基本法則を理解しようとする場合、「図」を大切にして欲しい。テキストに掲載されている図を見るのはもちろん、自分で図を描けるようにするとなお良い。
今持っているテキストの説明だけでは理解しづらい場合は、異なるテキストを開いたり、先生に分かるまで解説してもらったりしよう。基本法則が理解できたら、1日に1問ずつ問題を解いたり、週に2回程度理科の計算練習をしたりするなど、算数の問題演習と同じように、理科の計算問題の学習を習慣化していくとさらに定着が良くなるだろう。
【知識・時事問題】
本校の入試問題で意外と厄介なのが知識問題だ。厄介な理由は少しマニアックな知識を要求する問題が少し含まれているためである。しかし、マニアックな問題は、基本的な問題を全て完璧に解けるようになった人向けの問題と捉えてもらって良い。受験テキストで紹介される基本的な知識さえ覚えていれば合格点に手が届くのだ。したがって、基本的な知識を正確に覚えることに注力すると良い。一問一答形式の問題で基本的な言葉を覚えたり、テキストの演習問題や過去問を解いたりする中で知識を定着させていくと良い。一方、時事問題については受験年の前年の話題が題材になりやすく、対策が立てやすい。ニュースや本、インターネット等から情報を収集し、基本的な内容について学習しておきたい。
【記述問題】
上述の通り、受験テキストの演習を通じて基本的な事柄がある程度定着し、各単元の基礎的な知識が十分に身についてからで良いだろう。記述練習をする際は、自分の手で書いてみること、お手本となる解答をよく読むことを心掛けたい。また、テキストや過去問の模範解答のみが正解では無いため、書いたものを先生に見てもらうとなお良い。基礎が定着したのであれば、記述問題に積極的に取り組むことは、さらに理解を深める上でとても有益であるから、楽しみながら取り組んで欲しい。
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2025年度「学習院女子中等科の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年通り、地学・化学・生物・物理からそれぞれ1題ずつ、計4つの大問が出題され、問題数は計24問だった。その内訳は、選択問題が4問、適語記入が8問、記述が6問、数値記入が5問、グラフ作成が1問で、記述問題の数がやや目を引く内容だった。制限時間は30分であるから、1問にかけられる時間は1分程度だ。
【大問1】台風/地学
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
2024年に発生した台風を下敷きに、台風の仕組みや関連する現象について考えさせる問題。基本となる知識はもちろん、それらを使って適切に説明する能力が問われた。
問1〜4,6 台風に関しての基本的な知識問題。問われているものを正確に把握し、誤字脱字に十分気をつけたい。
問5 台風が上陸すると勢力を失う理由を記述する定番の問題。海上と陸地の違い、台風の成り立ちについて考えると良い。
問7 台風の移動と地球の温度環境バランスの関係について記述させる問題。こちらはやや苦戦する人が多いかもしれない。台風が発生・移動する場所や台風の持つエネルギーについて考えると良い。
<時間配分目安:8分>
【大問2】熱/化学
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
熱の伝わり方に関する知識問題および熱量の計算問題。難易度は標準的なため高得点を取りたい。数値や問われているものの取り違えには十分注意したい。
問1 伝導・対流・放射の三つの熱の伝わり方の例について考えさせる問題。「何」が「どのように」熱を伝えるのか、という点について考えると良い。
問2〜5 熱量(カロリー)計算。序文中に書かれている法則が基本だが、同様の問題を解いた経験がないと厳しいだろう。必要に応じて面積図やてんびん図を用いると良い。問5はやや難度が上がるが、金属球が何gの水に相当するか考えるのが定石。
<時間配分目安:8分>
【大問3】花と受粉/生物
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
花粉や受粉に関する知識問題および、虫媒花に関する資料解釈問題。記述が3問含まれるが比較的解きやすい部類だろう。高得点を狙いたい。
問1〜4 基本〜標準的な難易度の知識確認問題。問3では花粉が虫に運ばれやすくするにはどのような仕組みを持つべきか、考えると良い。
問5,6 日本とニュージーランドの高山を訪れる虫の種類およびその割合に関する円グラフをもとに考察させる問題。いずれも記述問題。2国の相違に着目し、問われているものを答えることが重要。
<時間配分目安:7分>
【大問4】回路と電流/物理
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
乾電池のつなげ方および豆電球のつなげ方を取替えた場合の、回路に流れる電流を考えさせる問題。直列時と並列時の違いについての理解が必要。
問1 指定語句つきの記述問題。「温度」の組み込み方で悩むかもしれない。点灯する時とつかない時の違いについて考えると良い。問2,3 電流の大きさについて考えさせる問題。与えられた電流の値が、内部抵抗がある関係で綺麗な比例・反比例の関係にはなっていない点に戸惑う人がいるかも知れないが、およその値で考えれば良い。問3では取り替える部品の番号に注意したい。
<時間配分目安:7分>
攻略のポイント
まず標準的な問題でミスをしないことが最重要である。そのために、解きやすい問題から解くこと、一通り解き終えた後に見直しの時間をとることを確実に遂行して欲しい。また、頭の中だけで考えづらい問題では、式を書くこと図を描くことを徹底したい。一見難しそうな問題では、問題文や資料にヒントが書かれている場合があるため、あきらめずに一先ず丁寧に読むことを心がけたい。記述問題では、自信を持って書けるものは確実に得点できるよう、誤字脱字や意味取りしづらい表現がないか点検しながら文を書きたい。少し悩ましい記述問題では、時間の許す範囲で、言えそうなことや関連しそうなことを探し、何かしらの意見を書く姿勢で臨むと良い。
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