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学習院女子中等科 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「学習院女子中等科の国語」
攻略のための学習方法

物語の読解と記述問題

素材文は物語。例年、10~15問の記述問題・数問の言葉の知識の問題・20問の漢字の読み書きで構成されるという、記述問題と漢字に特化した特徴のある試験となっている。

 記述問題は字数の指定がない。解答欄の大きさから考えて40~60字程度でまとめることを想定して作問されているようである。

素材文は受験生の年齢に合わせて、設定や内容が理解しやすいものが使われている。文量は5000~7000字ほど。さほど多くはないが、記述に時間を取られることを考えると、なるべく早く読み終えたい。

これだけ記述問題が多いと気後れしてしまう人もいるかも知れない。素材が論説文であれば本文から適切な部分を抜き出してまとめることで答えになる場合も多いのだが、物語文ではそうもいかない。人物の気持ちは言動に含まれていたり、情景によって暗示されていたりと、直接には書かれていないことが多い。読み手の心情把握の実力が問われる。

ただし、素材文自体や設問の内容自体は、けっして難しすぎるということはない。小学六年生として素直に感じ取れることを、適切な文章力でまとめれば良いのである。

物語の読解

まずは物語や小説をたくさん読んで文学的文章に多く触れることである。比喩や情景描写など、物語でよく用いられるさまざまな技法には特に注意して十分に慣れておこう。

読書経験を通して、読解の訓練を積み重ねよう。まずは場面分け。時間・場所・登場人物の変化などで場面の変わり目をマークする。回想や想像など、過去や未来の場面が含まれる場合などは時系列を整理して混乱しないように注意する。

一番のポイントは人物の言動や情景描写から、その心情を理解すること。物語の読解で訊かれるのは多くはこの部分であろう。人物の性格が異なれば同じ行動でもその意味が異なってくる。どのような気持ち・考えか、その理由は何か、重要点には傍線を引くなどして目立つようにしておこう。

そして全体としての主題は何か。読んだ部分を簡潔にまとめてあらすじをつくり、そこに人物の気持ちを当てはめていくとわかりやすいだろう。

今後も出題傾向に大幅な変更が無いと仮定すれば、物語の読解を徹底して練習しておくことが対策の第一となる

記述力の養成

解答のほぼ全てを記述で答えなければならないのは、やはり大変である。「人物の気持ち」や「情景が何を表しているか」を「説明」しなければならない。文中にあるのは手がかりや素材なので、自分でうまくまとめなければならないのである。

物語の場合は「心情+その理由」というパターンが一番多いだろう。「~という理由・原因で、~という気持ち・考えになった」という2点を常に意識しよう。読んでいる最中に「なぜなのか」と「どんな気持ち・考えなのか」を丁寧に考えるくせをつけたい。

40~60字ほどでまとめる問題が多いので、いろいろな物語を読んで、読んだ部分の人物の心情や情景を、字数で説明する練習をするとよいだろう。頭で考えるだけでなく、実際に書いてみることが大事である。

その際、ひととおり書いて終わりではなく、文法がおかしくないか・内容に破綻がないか・誤字脱字はないかなどセルフチェックできるよう練習して、本番で無理なく実行できるように頭に染み込ませよう

漢字の読み書き

20問の出題は他の学校と比べてもかなり多い。配点で2割を占めているので落とすわけにはいかない。さほど難しい漢字ではないが、読みはやや難しいものも見られるので、少し重点的に練習しておくとよい。全問正解で得点を稼ぎたいところである

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2023年度「学習院女子中等科の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

漢字の読み書き20問・言葉の知識が数問・20~70字ほどの記述問題が11問という例年通りの形式の出題となっている。

文量は4600字程度。読みに8~10分・漢字は10分以内に終えるとして、記述1問につき3分程度かけられる計算である。書く分量が多いので「書くスピード」といったものも必要になってくる。

【大問1】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:40分
  • ★必答問題

忙しい両親のもとでときに自分を犠牲にしながら幼い妹の相手をする主人公。自由勝手な妹の言動に反発を覚えながらも、幼いなりに複雑な感情を持っていることを知り、妹への愛しさを思い出す。そうした感情の仲立ちとして古いパペット(操り人形)という道具立てが用いられている。

問1 誕生日当日に友達から祝ってもらうことを主人公は楽しみにしていた。しかし、忙しい母親に具合の悪い妹の世話を託され、いけなくなってしまう。延期して来週祝ってくれることにはなったが、親と妹に縛られて友だちとの約束を果たせない現状が、やはり不満なのである。

問2 仕事第一で主人公に妹の世話を押しつけて出かけてしまう母親。そのせいで友だちとの約束が延期に追い込まれた主人公としては納得がいかず、言葉での謝罪など聞きたくもないのであろう。

問3 いつからどういった経緯でそのパペットが家にあるのか主人公には全く分からない、それくらい古くからそのパペットはこの家にあったのだということを強調する表現になっている。

問4 両親と話しているときに、内容を分かりもしないくせに割り込んでくる、ものを知らない自己主張の強い妹に主人公はいら立ちを覚えている。しかし、一応自分は姉であるという思いもあるので、そうした苛立ちは押し隠して妹と接しているのである。

問5 「茶番」とは、主人公が苛立ったときに両親がパペットを用いて機嫌を直させようとする行為を指している。もう14歳である主人公に、そうした子供だましは通用しないのである。

問6 傍線より少し前に、心の中で同じ言葉をつぶやいている場面がある。そこでは理由として、「部屋を散らかしても、台所を水浸しにしても、いやいや言っても、全然おこられない」ことを挙げていて、何かと我慢を強いられる自分と比べて勝手気ままにふるまえる「サラはずるい」と思っていることがわかる。

問7 話に割り込んでくるサラに苛立ちを覚えていた主人公だったが、「パパトママとミリ(主人公)ちゃんはサラの知らない話ばっかりして、ずるい」という妹の言葉を聞いて、自分と両親のなにげない会話が妹には「とてつもなく良いものに見える」のだと知った。妹にはない10年分の自分の思い出が、妹からすればうらやましかったのかとこの時気づいて驚き、とっさに言葉が出なかったのである。

問8 わかりもしない話題に割り込んでくる妹に苛立っていた主人公だったが、そこには本当の意味で会話に加われていない寂しさや主人公への嫉妬心があることに気づいた。幼くかしこくないと思っていた妹が予想以上に複雑な心情を持っていたことを知り、話に割り込む理由にも気づかず妹の存在を疎んじていた自分こそ「かしこくなかった」と、この時考えたのである。

問9 ここで描写されているオパールの複雑な色彩は、幼いと思っていた妹にいつしかさまざまに複雑な感情が芽生えていたということの情景描写と考えられる。

問10 自分と妹の理不尽な差に苛立ちがつのっていた主人公だったが、妹の手の小ささにあらためてその幼さが実感され、妹が生まれた時のよろこびなども思い出されてかわいいと思う気持ちが呼び起されている。

問11 傍線直前のパペットを操る主人公の様子から、妹を本当に慈しんでいることがわかる。妹の存在に苛立っていた主人公だったが、生まれた時の妹のかわいさを思い出したこともきっかけとなり、わがままを言う妹や、会話に割り込んでくる妹や、そうした幼い行動のなかにも妹の成長が垣間見られて、今この瞬間を愛おしく思っているのであろう。

【大問2】漢字の読み書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

 技芸   億万   派生   小康   明朗

 創立   銅像  ⑧ 資材   失効   過多

 鉄鉱石   歌詞    条件   似(た)   講習

 しらは   いえじ  ⑱ まどべ   さかや   ね(る)

攻略のポイント

とにかく記述の分量が多いので、書く事に抵抗を感じないように十分な経験を積んで慣れておくことが大事である。40~70字程度でまとめられるように感覚をつかんでおこう。

素材が物語文なので、普段から小説や物語を多く読む習慣がある人は当然有利であろう。年齢相応の話でよいので、なるべく多くの本に触れておこう。

漢字に重点が置かれている点も考慮して、しっかり練習しておくこと。ここで大きく失点するレベルでは合格はおぼつかない。

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