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学習院女子中等科 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「学習院女子中等科の国語」
攻略のための学習方法

物語の読解と記述問題

素材文は物語。例年、10~15問の記述問題・数問の言葉の知識の問題・20問の漢字の読み書きで構成されるという、記述問題と漢字に特化した特徴のある試験となっている。

 記述問題は字数の指定がない。解答欄の大きさから考えて40~60字程度でまとめることを想定して作問されているようである。

素材文は受験生の年齢に合わせて、設定や内容が理解しやすいものが使われている。文量は5000~7000字ほど。さほど多くはないが、記述に時間を取られることを考えると、なるべく早く読み終えたい。

これだけ記述問題が多いと気後れしてしまう人もいるかも知れない。素材が論説文であれば本文から適切な部分を抜き出してまとめることで答えになる場合も多いのだが、物語文ではそうもいかない。人物の気持ちは言動に含まれていたり、情景によって暗示されていたりと、直接には書かれていないことが多い。読み手の心情把握の実力が問われる。

ただし、素材文自体や設問の内容自体は、けっして難しすぎるということはない。小学六年生として素直に感じ取れることを、適切な文章力でまとめれば良いのである。

物語の読解

まずは物語や小説をたくさん読んで文学的文章に多く触れることである。比喩や情景描写など、物語でよく用いられるさまざまな技法には特に注意して十分に慣れておこう。

読書経験を通して、読解の訓練を積み重ねよう。まずは場面分け。時間・場所・登場人物の変化などで場面の変わり目をマークする。回想や想像など、過去や未来の場面が含まれる場合などは時系列を整理して混乱しないように注意する。

一番のポイントは人物の言動や情景描写から、その心情を理解すること。物語の読解で訊かれるのは多くはこの部分であろう。人物の性格が異なれば同じ行動でもその意味が異なってくる。どのような気持ち・考えか、その理由は何か、重要点には傍線を引くなどして目立つようにしておこう。

そして全体としての主題は何か。読んだ部分を簡潔にまとめてあらすじをつくり、そこに人物の気持ちを当てはめていくとわかりやすいだろう。

今後も出題傾向に大幅な変更が無いと仮定すれば、物語の読解を徹底して練習しておくことが対策の第一となる

記述力の養成

解答のほぼ全てを記述で答えなければならないのは、やはり大変である。「人物の気持ち」や「情景が何を表しているか」を「説明」しなければならない。文中にあるのは手がかりや素材なので、自分でうまくまとめなければならないのである。

物語の場合は「心情+その理由」というパターンが一番多いだろう。「~という理由・原因で、~という気持ち・考えになった」という2点を常に意識しよう。読んでいる最中に「なぜなのか」と「どんな気持ち・考えなのか」を丁寧に考えるくせをつけたい。

40~60字ほどでまとめる問題が多いので、いろいろな物語を読んで、読んだ部分の人物の心情や情景を、字数で説明する練習をするとよいだろう。頭で考えるだけでなく、実際に書いてみることが大事である。

その際、ひととおり書いて終わりではなく、文法がおかしくないか・内容に破綻がないか・誤字脱字はないかなどセルフチェックできるよう練習して、本番で無理なく実行できるように頭に染み込ませよう

漢字の読み書き

20問の出題は他の学校と比べてもかなり多い。配点で2割を占めているので落とすわけにはいかない。さほど難しい漢字ではないが、読みはやや難しいものも見られるので、少し重点的に練習しておくとよい。全問正解で得点を稼ぎたいところである

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2021年度「学習院女子中等科の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

漢字の読み書き20問・言葉の知識が数問・40~70字ほどの記述問題が10問という例年通りの形式の出題となっている。
文量は6500字程度。読みに10~12分・漢字は5~7分ほどで終えるとして、記述1問につき3分程度かけられる計算である。書く分量が多いので「書くスピード」といったものも必要になってくる。

【大問一】小説の読解

  • 難度:
  • 時間配分:42分
  • ★必答問題

同じ塾に通うヒカルと知り合い砂像作りに取り組むことになった珠子は、師匠であるシラベさんの経験を聞いて砂像作りの奥深さを知り、砂像を作る意味を考え始めた。

問1 「ライオンにくらべると地味」と葉真との対決にはペンギンは迫力が足らず不利であると思い、さらに「難しそう」とも言っており砂像のモチーフとして作りにくいと感じている。しかし、「ま、やってみよう」とパートナーである珠子が選んだ題材であるから一応は挑戦してみようか、という言い方である。
問2 周囲が立派に思えるのは自分に自信がない時である。受験するにあたって珠子は、「自分は学級委員になったこともなく、将来の夢も具体的ではない。リーダーを目指す気概もなく、世界とかかわりあうことなどできない」「わたしはどこに向かっていくのだろう」と、将来に具体的なイメージが持てていないことがわかる。そんな珠子からすると、説明会に集まったライバルたちがしっかりと現実的に将来をイメージしている大人のように見えてしまうのである。
問3 直接には砂から出てきた銃弾のことを指している。この場所でかつて戦いがあったであろうこと(博物館のガラスケースの中に入っている歴史)は知識としては知ってはいても現実感に乏しい。銃弾が砂から出てきたとき、それが人の命を奪ったのかもしれないという現実の重みがはじめてリアルに感じられる(素手でさわるようなこと)のである。
問4 直前で銃弾の話を聞いていることに注意。砂から出てきた銃弾がかつての戦争をリアルに感じさせたというシラベさんの話を聞いた後だったので、これから聞かされるおしゃぶりの話にも、銃弾の話と同じような何か重い真実が含まれているのかもしれないと身構えて真剣に聞こうとしているのである。
問5 「こんなとき」とは、周辺で戦争があったり政情が不安定で難民がマルタ島にやってきたりという現状のことである。亡くなる人も多くいるというそんな時に観光目的の砂像展覧会を開くのは不謹慎ではないかと、砂像の制作者たちは考えて島を去ったのであろう。
問6 「難民船の沈没が起きて……」と言葉を詰まらせてしまったシラベさん。マルタ島で砂像を作る意味を考え手が動かなくなってしまったというシラベさんの話と合わせて、主人公とヒカルはシラベさんの受けたショックを考えてかける言葉が思いつかない。そんな沈鬱な空気を「なまあたたかい風」という情景描写で表しているのである。
問7 女神像についてのヒカルの「この手の先に自由がある」や主人公の「やさしさと悲しみに満ちた女神」「命を落とした難民を弔ったり」などの言葉からまとめる。現実に沈没事故が起こり、シラベさんは砂像を作る意義を考え続けたであろう。そして再びマルタ島を訪れて作ったのが女神と若者の砂像だった。自由を求めて海に出たが願いを果たせず亡くなってしまった人たちへの鎮魂の思いをこめて、女神が若者を抱く砂像を作製したのだろうと考えられる。
問8 (1)・(2) 傍線⑧はシラベさんの経験と照らし合わせて珠子が自分のこれからを考えているということである。シラベさんは「学生時代にたまたま出会った」砂像作りを通じて過去に思いを馳せ、現在の世界とも向き合い悩み考えて砂像作りに取り組んでいる。自分の砂像作りとの出会いもたまたまヒカルと同じ塾だったこと(出会いはふわっとしている)であり、将来への具体的な考えも持てていないけれど、そんな自分でも何かに真剣に取り組んでいけば世界と向き合いつながれるのではないかと感じられたのである。
問9 一度はあきらめようとしたペンギンだがシラベさんの一言ですっかりやる気になっている、それくらいヒカルはシラベさんに心酔している。当初は単純に葉真との対決にばかり気が向いていたヒカルだが、師匠と仰ぐシラベさんのマルタ島での経験について聞き、自分が砂像を作る意味といったものを考え始めたのだと思われる。主人公も同様に、受験を控えて気持ちが定まらない自分は砂像作りを通して何を求めているのだろうかと、考えを深くしているのだろう。そんな二人の考えに沈んだ様子が「しんみりと」という表現になっているのだと思われる。砂像作りを安直に考えすぎていたという反省のような気持ちも感じられる。

【大問二】漢字の読み書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

 答弁――質問に答えて説明すること。
 秘策――ひそかに練った策略。
 増益――利益が増えること。
 辺境――中央から遠く離れた地帯。
 形勢――変化する物事の、その時々のさま。
 初版――出版された書物の最初の版。売れれば第2版・第3版と増刷されていく。
 職責――職務上の責任。
 聖域――神聖な地域。
 承服――相手の言うことを承知して従うこと。
 常設――時期を限らず、いつも設けてあること。
 均一 ――質や量などがどれも一様であること。
 縦列――たてに並ぶこと。
 帯(びる)――ある性質・傾向などを含み持つ。
 へいこう――手に負えなくて困ること。
 ねんぴ――機械がある仕事量をこなすのに必要な燃料の量。
 がんらい――最初からそういう性質・状態であること。もともと。
 ごて――相手に先を越されること。相手から先に攻められて受け身に回ること。

攻略のポイント

とにかく記述の分量が多いので、書く事に抵抗を感じないように十分な経験を積んで慣れておくことが大事である。40~70字程度でまとめられるように感覚をつかんでおこう。
素材が物語文なので、普段から小説や物語を多く読む習慣がある人は当然有利であろう。年齢相応の話でよいので、なるべく多くの本に触れておこう。
漢字に重点が置かれている点も考慮して、しっかり練習しておくこと。ここで大きく失点するレベルでは合格はおぼつかない。

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