吉祥女子中学校 入試対策
2025年度「吉祥女子中学校の算数」
攻略のための学習方法
前半問題の対策
本校の前半の問題は、標準的な問題が中心である。前半だけで50点程度の配点があるので、この部分をしっかり得点しておくことが必要である。算数に対して苦手意識の強い受験生は、薄い問題集で構わないので、典型的な問題をチェックしておくとよいだろう。得意な受験生の場合は、やや苦手に感じる分野の再チェックで十分であろう。
後半問題の対策
後半は、大型問題が2題という形式になっている。
独創的でやや難しめの問題が少なくないが、本質的な部分が理解できていれば解くことができる問題であり、無理のある問題は出題されていない。
出題分野に関係なくいえることは、一つの大問に対する設問数が多く、誘導形式の問題になっていることである。誘導形式の問題では、問題文をよく読み、設問の流れを意識して取り組むことが重要である。
前の設問が、後の設問のヒントになっていることが少なくない。また、出題者の立場になって、「なぜ、この設問があるのだろう」と考えてみることも、問題解決につながるだろう。
塾のカリキュラムに合わせた学習をしているだけでは、このような問題に触れる機会が不足してしまう。本校の過去問には多めに取り組んで、誘導問題に慣れるようにしておきたい。もちろん、他校の誘導問題に触れることも有効な学習方法である。
普段の学習では、単純に問題を解いて終わりにするのではなく、解き方・考え方をきちんと説明できるようにすることが大切である。それが、本校の後半問題への対策として、きわめて有効である。
算数が苦手な受験生向け
本校の入試では、前半でなるべく点数を稼ぎ、後半は解きやすい問題を見つけて解くことが重要になる。
まずは、標準的な問題をしっかり練習しておくことが最優先の学習である。入試では、前半での大量失点は致命傷になるので、それだけは最低限避けなければならない。
後半の誘導問題も、最初の設問は易しいことが多い。問題文が長く、難しそうに思えてしまうことが少なくないが、問題文をよく読み、最初の設問を解こうと努力する必要がある。
算数が得意な受験生向け
後半の問題は、実力を発揮しやすい問題が比較的多く、大きく差をつけることも可能である。標準~やや難レベルの問題を中心に、多くの問題に取り組むとよい。別解を考えるのも実力養成には効果的である。
高得点をねらう受験生は、時間配分に気をつけたい。後半の大問2題で、片方に時間を使いすぎて、もう一方の問題を考える時間が少なくなり過ぎないように気をつけたい。後半2題では、完璧に解くことよりも、30点以上を確保することを心がけるとよいだろう。
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2025年度「吉祥女子中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
前半は標準的な一行問題と大問、後半は設問数の多い大問という従来通りの形式になっている。今年度の合格者平均点は85.7点と昨年と比べて大幅に易化しているが、来年度は反動で難化する可能性も十分考えられる。
例年の傾向として、50分の試験時間に対してやや問題数が多い。できる問題からてきぱきと処理をしていく姿勢が求められる。過去問演習等、時間を意識した演習も大切である。
【大問1】計算問題・独立小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)整数・分数・小数混合の□を求める計算問題
(2)平均算 90-78:78-75=4:1より、テストの回数は4+1の5回。
(3)縮尺の計算 面積比は50000×50000:1×1となる。単位の変換に注意。
(4)通過算 鉄橋とトンネルの長さの差に注目すること。
(5)128:84=32:21より、128㎠の長方形の横の長さが96/7㎝となることを利用。
例年通り大問1は計算問題と独立小問の集合。テキストや問題集で見かける典型題が中心であり、確実に正答したい。(3)の縮尺の計算を苦手にしている人は多い。相似比と面積比の関係、単位の変換がポイントとなる。演習をしっかり行って苦手を克服してもらいたい。
<時間配分目安:10分>
【大問2】規則性に関する問題
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
(1)1+2+・・・・+9より45。11までの和ではないことに注意。
(2)1+2+・・・・+9より45.10までの和ではないことに注意。
(3)3列目は「偶数・偶数・奇数・奇数」が繰り返す。
(4)1列目はすべて奇数。2列目は、偶数と奇数を繰り返す。最初にすべて奇数になるのは4段目で、その後も4の倍数の段ですべて奇数になる。8番目にすべて奇数となるのは、4×8の32段目。その段の3列目は、1+・・・+30より465。
規則性に関しての出題。表から規則を見つけることがポイント。(1)(2)では三角数の計算になるが、いくつまで足せばいいのかの判断を誤らないこと。(3)(4)も難問ではない。本問題で扱う「三角数」について、テキストや問題集でも頻繁に扱われているので、解法を理解し、演習に取り組もう。
<時間配分目安:7分>
【大問3】数の性質
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1)1番目は書き出して見つけること。2番目以降は、5と6の最小公倍数である30ずつ増える。
(2)41-9の32の約数のうち、9より大きな数である16と32があてはまる。
(3)92-1の91の約数の中で5の倍数より2大きい数なので、7があてはまる。
割り算のあまりをテーマとした数の性質についての出題。いずれも、テキストの例題などで取り上げられる典型題。「○で割る」と「○を割る」を混同しないこと。なお、割り算のあまりに関する問題は、本校に限らず中学入試全体を見ても頻出なので、確実に正答できるようにしっかり練習しておこう。
<時間配分目安:6分>
【大問4】売買損益・つるかめ算
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
(1)2日目の売値は400×0.8より320円。1日目に全く売れず、2日目にすべて売れた時に最も利益が少なくなるので、(320-300)×100より、2000円。
(2)1日目の利益が1個あたり100円、2日目の利益が1個あたり20円。(1)の結果を使ったつるかめ算の計算を行うと、すべて2日目に売れると利益が2000円になるので、(3200-2000)÷(100-20)より、1日目に売れた個数は15個。
(3)
①1日目の売値は定価の400円、3日目の売値は定価の半額で200円、売上金額の合計は、300×100+400より30400円。これらの数値を使ってつるかめ算の計算を行えばよい。
②3段階のつるかめ算となる。面積図を描き、200×100の長方形を全体の売上金額から引くと、2段階の条件不足のつるかめ算(いもづる算)になる。調べた中から条件にあるものを選択すること。
売買損益の問題で、(2)はつるかめ算、(3)では3段階のつるかめ算の処理が必要になる。利益や売り上げの計算は確実に行うこと。その上で、(2)以降は、この問題はつるかめ算だ、気付くかどうかが最も大切なポイント。なお、(3)の3段階のつるかめ算については、条件によっては他の解法も考えられるので、テキストを使って練習してみよう。
<時間配分目安:7分>
【大問5】平面図形と比
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)三角形ABEと三角形AECが高さの等しい三角形なので、24:72=1:3。
(2)三角形AEFと三角形FECが高さの等しい三角形なので、48:24=2:1。
(3)AD×AF:AB×AC=1:4であることを利用。AD×2:AB×3=1:4となるので、AD:AB=1/2:4/3=3:8。従って、AD:DB=3:5となる。
(4)三角形DBEの面積は(3)より15㎠。従って、三角形DEFの面積は、96-(24×2+15)より、33㎠。
(5)三角形ADEと三角形DEFは、底辺DFが共通な三角形になるので、面積の比がAG:GEとなる。24:33=8:11。
平面図形と比の出題。(2)までは高さの等しい三角形を使う典型題。(5)まであるので、前半でのミスは禁物。ここは確実に正答したい。(3)は一角が共通な三角形の面積比を利用したが、他にも解法は考えられる。(5)の底辺が共通な三角形を使った解法は使えるようにしておこう。
<時間配分目安:10分>
【大問6】旅人算とグラフ
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)4.8分以降2人の間の距離が縮まり始めたので、4.8分後に花子がY地点に着き、10分後に太郎がX地点に着いたと考えられる。従って250×4.8より、1200m。
(2)グラフより、15.6分後とわかる。
(3)花子は4.8分から15.6分の10.8分で、XY間を走ったので、250×10.8より2700m。
(4)ZX間の距離は2700-1200より1500。太郎は10分間でZX間を走ったので、1500÷10より分速150m。
(5)2人の動きをそれぞれグラフに描いて確認すると、花子が2回目にYに着いたのが26.2分後、太郎がYに初めて着いたのが28分後であることがわかる。従って、アは花子が2回目にYを出たすぐ後に太郎と出会った時間になる。
旅人算とグラフの出題。グラフの変化点で何が起こったのかの判断がポイントとなる。(1)の判断を誤るとその後に大きな影響が出るので、落ち着いて考えること。(5)はグラフを描くなどして、2人それぞれの動きを確認すること。この問題に限らず、旅人算では図を描いて考えることが大切であることを再確認してもらいたい。
<時間配分目安:10分>
攻略のポイント
50分という時間に対して問題数がやや多く、すべて解き切るには、ある程度のスピードと、迷う問題はいったん後に回し、できる問題から解答欄を埋めていくという判断力も要求される。また、遠回りな解法をすると、時間が足りなくなる可能性が高く、解法に対する判断力も大切になる。
【大問1】~【大問3】は、基本~標準レベルの問題が多い。ここで得点を稼ぐだけでなく、時間も稼いでおきたいところ。【大問4】以降にも際立った難問はないが、各大問の後半はやや難度が高くなる。大問内の設問数が多いので、大問前半でのミスは大量失点を招きかねない。(1)(2)は落ち着いて考えて欲しい。
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